毎週月曜日更新!
全ての国民は2年間、国に全てを捧げて奉仕する義務がある――。日本によく似た、しかし異なる某国で「奉仕者」の立場に転落した女たちが辿る、絶対服従の日々。飼育・調教が法律によって認められた世界で繰り広げられる、異色エロティックロマン!
目が覚めて、慌てて時計を見る。7時30分を過ぎていた。頭の中が真っ白になる。6時30分に目覚ましをかけたはずなのに。
高橋陽太はベッドから飛び起き、猛スピードで出勤の支度をした。のんびり朝食を食べる暇などないので、冷蔵庫に入っていたチューブ入りゼリーを飲みながら着替える。駅まで全速力で走る。
その甲斐あって、なんとか予定の電車に乗ることができて、陽太は初出勤の日に遅刻をするという最悪の事態だけは避けることができた。
就職浪人を覚悟していたところ、たまたま中途採用に引っかかったのだ。もう、万が一にも失敗は許されない。
ハイライズは、5年前に設立されたコンピューターソフトの開発会社だ。一般的な知名度はないものの、急成長を遂げ、業界内では一目置かれる存在となっている。ITには、それほど強くない陽太が、営業とはいえハイライズに潜り込めたのは幸運という他はない。
地下鉄の駅とつながった大きなオフィスビルの56階にハイライズの東京本社はあった。なんとか始業時間5分前に陽太は、オフィスに飛び込めた。
受付で今日から出社する新入社員であることを告げると、会議室に通され、しばらく待つように言われた。IT企業だけに、会議室には色々と最新式の機器が揃えられていたが、陽太にはそれがどんな用途に使われるものなのかもよくわからなかった。
それらの機械をぼんやりと見つめていると、ドアが開く音がした。陽太は背筋をピンと伸ばして、振り向く。
「本日よりお世話になります。高橋陽太と申します。よろしくお願いします」
大きな声でそう言い、深々と頭を下げる。
「噂通りに、典型的な運動部体質みたいね、高橋君」
スーツ姿の女性だった。薄いグレーの細身のパンツルック。かなりの美人ではあるが、一部の隙も感じさせないような硬質な印象を与える。細い縁の眼鏡がその感をさらに強めている。
「私があなたの直属の上司になる北村麻奈美です。あなたは、私のチームに所属することになったわ」
「はいっ。よろしくお願いします、北村さん」
陽太は再び頭を下げる。麻奈美は微かに眉を潜めた。
「ここは運動部の部室じゃないから、そんなに大声を出さなくていいわ」
「はっ、すいません」
陽太はつい大きな声で詫びてしまう。麻奈美も思わず苦笑する。
キツそうな人だけど、笑うと結構可愛いな……。陽太は呑気にそんなことを考えた。
陽太の出社初日は挨拶回りで終わった。まずは社内。ベンチャー企業らしく社長が40代、その他の取締役たちも、30代から40代と若かった。陽太に声をかけてくれた平沼取締役も、また35歳だ。大学の柔道部の先輩である平沼のお陰で、陽太はハイライズに入社することが出来たのだ。
「よう、来たな、陽太」
平沼はラフなTシャツ姿だった。ガッシリした体格なのでそんな格好をしていると、いかにもスポーツマンといった印象を受けるが、実は彼は天才的なプログラマーとしてこの会社を引っ張っているのだという。
「平沼先輩、いえ、平沼取締役、ありがとうございます。これからがんばります」
「北村君のチームになったんだってな」
「はい」
「あいつは、厳しいからな、覚悟しろよ」
「でも、すごい美人じゃないですか」
陽太は声を潜めて平沼に言った。平沼は笑う。
「お前も相変わらずだな。まぁ、忠告しておくが、あいつに変な気だけは起こすなよ。色々と面倒なことになるからな」
「面倒、ですか?」
「ああ、まぁ、そのうちわかるよ。そうだ、今夜は開いてるか? おれが個人的に歓迎会を開いてやるよ。うちの会社は、そういうこと、やらない社風だからな」
「先輩のおごりですよね」
「ばか、当たり前だ」
二人は笑いあった。笑い声が大きすぎて、周囲の社員が何事かと振り向いた。
終業後、平沼が連れていってくれたのは、会社のすぐ近くのあまり上等とは言えない居酒屋だった。質はともかく、なんでもかんでも、とにかく盛りがいいといった類の店だ。
陽太の学生時代、OBである平沼は柔道部の部員を連れてよくこうした店でごちそうしてくれたものだ。
「おれは、どうもこういう店じゃないと飲んだ気がしなくてな」
平沼は、大ジョッキのビールを一息で飲み干すと、そう言って豪快に笑った。
「うちの会社の奴らは、ロクに酒も飲まない奴らばかりだから、つまらなくてな。だからお前を引き込んだってわけだ」
「じゃあ、おれは平沼先輩の飲みの相手をするのが仕事ってことですか?」
「ははは。だから本当はおれのチームに入れたかったんだが、ちょうど北村君のチームに欠員が出てな。それで取られてしまったんだよな」
「というか、平沼先輩のチームって開発じゃないですか。おれ、コンピューターはダメなんだからどっちにしろ無理ですよ」
「ははは、そりゃそうだ」
「でも、色々話を聞くと、北村さんって結構やり手みたいですね。ずいぶん大きなプロジェクトを成功させてきたみたいだし。あんなに美人で、仕事もできるなんて、憧れちゃいますよね」
「ん? うん、まぁ、そうだな」
平沼は複雑な表情で言葉を濁した。
「どうしたんですか? そう言えば、さっきも北村さんに変な気を起こしたら、色々面倒だって言ってましたよね。何かあるんですか? 教えてくださいよ」
陽太は無邪気に尋ねる。平沼はおかわりしたビールをさらに一気に喉に流しこみ、少し声を潜める。
「まぁ、社内でも知ってる者は知ってることなんだが……。実はな、北村君はうちの社長のコレなんだよ」
平沼は小指を立てて見せる。
「えーっ、社長って、あの社長ですか?」
陽太は入社の面接の時と、今日の挨拶の時と二度、ハイライズの社長である林原に会っている。貧弱で、ずいぶん頼りない人だなと思ったものだ。学生時代をどっぷりと運動部に浸かって来た陽太から見ると、理数系の巣窟であるハイライズの社員は揃いも揃って、ヘナチョコに見えるのだが、その中でも林原社長は特に弱々しく見えた。40代半ばのはずだが、童顔なのでまだ学生のようにすら見える。
あのキリっとした美人の北村と、貧弱な林原社長の組み合わせはどうにも似合わない。まるで女王様と家来のようだ。
「かなり昔……、北村君がハイライズに入社する前からの付き合いらしい。まぁ、そんなこともあって、北村君の仕事は、何かと会社からのバックアップも厚くてな。ある意味で成功するのも当然じゃないかって、社内からのやっかみもあるんだよ。おれなんかは、開発畑だから、あんまり関係ないが、営業のほうだと北村派、反北村派なんて派閥争いもあるみたいだぜ」
「うへぇ、サラリーマン漫画みたいですね。そんなのって、本当にあるんですか」
「お前は北村君の直属の部下なんだから、当然北村派ってことになるわけだ」
「サラリーマンって、面倒くさいですね」
「ははは。まぁ、組織ってのは、どこだって多かれ少なかれ、そんな話はあるもんだ。逆に考えれば、北村君が社長に贔屓されてるってことは、お前も仕事で成功する確率が高くなるってことだ。うまい具合に立ち回ればいいじゃないか」
平沼は、またビールをお代わりした。しかし、面倒くさい人間関係が苦手な陽太は、今夜はちっとも酒が美味く感じられなかった。
暗闇の中で、長く白い脚が震えている。甘い声が漏れる。
「あ、あん、だめ……」
男は腰の動きを速めた。
「お、おれも、もう……」
女は男の背中を強く抱きしめた。
「ねぇ、い、一緒に……、あ、ああっ」
「う、う、行くぞ」
男は大きく腰を打ち付けた。同時に、女は長い脚を男の脚に絡みつけ、体を仰け反らせた。
「あっ、い、いい……」
二人は強く抱きしめあった。唇をあわせ、貪るようなキスをする。
しばらくして、ようやく男が起き上がり、女から肌を離した。
「本当に、麻奈美の体は、どんどん魅力的になるな……」
男はベッドの上にあぐらをかき、まだ横たわっている女の裸身を眺めた。その視線に気づくと女は恥ずかしそうに体を丸めた。
「やだ。そんなに見ないで。もう、来年で30歳になっちゃうんだから」
「大学生の頃と全然変わってないよ。いや、ずっと色っぽくなってる」
男は、女の肌にキスをした。女は体を仰け反らせて反応する。
「だめ、また気持ちよくなっちゃう」
「気持ちよくなればいいじゃないか」
「そうしたら、もう一回して欲しくなっちゃうよ」
「うーん、おじさんはもう二回目は無理だな」
女は悪戯っ子のような顔になり、男の股間に顔を埋めた。射精したばかりで、だらりとしているペニスを口に含む。
「あ、こら、だめだよ」
女は舌をペニスにからめる。口の中でそれがどんどん大きくなっていく。女は嬉しそうに、それを舐め上げる。
「あ、ああ……」
男が声を漏らした。女は口を離す。
「ほら、まだこんなに元気じゃない?」
「まったく、しょうがないな」
男は再び女の上に覆いかぶさった。ねっとりとキスをかわし、そして舌と指で、女の体をまさぐる。もう8年も愛している肉体だ。どこをどうすれば感じるのか、知り尽くしている。男の舌と、指が動く度に、女は甘い悲鳴を上げる。
そうして、男と女は二度目の性交に突入した。それは一回目よりも、長く、濃厚なものとなった。
男がシャワーを終えて、バスルームから出てきても、女は全裸でベッドの上に横たわっていた。スラリとした見事な裸身であった。細く伸びやかでありながら、女らしい曲線も豊かだった。特にくびれた腰から、大きなヒップにかけての線は美しかった。
「帰らないのか?」
「気持ちよすぎて、腰が抜けちゃった。泊まっていっちゃおうかなぁ」
「おれは今日は帰るぞ」
「一緒にいてくれないの?」
「実は、最近、かみさんが感づいてるんじゃないかって気がしててな」
「……」
女は黙りこむが、男は続ける。
「携帯をチェックしてるのを見ちゃってな。もちろんお前からのメールを残しておくようなドジな真似はしないけどな」
「奥さん、怖いもんね。奥さんに怒られたら、会社もパーだもんね」
女はつぶやくように言う。
「そう言うなよ。もし何かあったとしても、お前を離すわけないだろう?」
男は服を着ながら、そう言ったが、女は枕に顔を埋めたまま、答えなかった。
(続く)
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