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第14章 収容所長の密かな愉しみ【7】

白石教官に命令されて、玲子はのろのろと教壇に登った。よじ登るには足を開いてあられもない格好をしなければならないが、玲子は手で股間を隠して、最も恥ずかしい部分はしっかりとガードしていた。少年たちは、それを不満に思ったが、白石はニヤニヤしながら見ている。玲子のそうした抵抗と羞じらいが、白石のサディスティックな喜びをさらに倍増させるのだ。

玲子は、なんとか教壇の上に登り、座り込んだ。左手で胸を、右手で股間を隠している。すでに見られてしまっているのだが、それでも隠さずにはいられない。たとえこれから、全てを晒さなければならない運命だとしても。

そんな玲子の気持ちを逆なでするように、白石が言う。

「ふふふ、そんなに見られたくないのか? 女の子相手には、ずいぶんエロい女王様ぶりを発揮していたそうじゃないか。まぁ、レズのお前には男の、それも自分より年下の奴らに見られるのは、イヤだろうが……」

玲子は唇を噛み締めて耐えている。恥辱に肩が震える。

「さぁ、こいつらに女の身体の仕組みを見せてやってくれ。こいつらは、揃いも揃って童貞だ。生身の女の裸を見るのは初めてなんだ。ほら、どいつもこいつも、興味津々で見ているだろう」

白石が言うように、教室の中の10人の少年たちは血走った目を教壇の上の玲子の裸身に集中させていた。

「さぁ、そこで足を開け。膝を立てたままでな。しっかりとおっぴろげるんだ」
玲子はしばらくうつむいて震えていたが、やがて意を決して、ゆるゆると膝を左右に開いていった。しかし、どうしても右手を股間から動かすことはできなかった。

「どうした、玲子。その手をどかさないと肝心なところを見てもらえないじゃないか」
「で、でも……」

玲子の目にはうっすらと涙すら浮かんでいた。恥ずかしく、悔しかった。どうして自分はこんな目に遭わされなくてはいけないのか。

しかし、白石は容赦なく玲子を追い詰める。

「教官の言うことを聞けないとなると、さらに罪は重くなるな。そうだな、みんなの前で浣腸でもしてやろうか。こいつらが見ている中で、恥ずかしいものをひり出すことになるぞ。いいのか?」
「や、やめて下さい。……わかりました」
「よし、これから十数えるうちに手をどかさなかったら浣腸だ。じゅーう、きゅーう……」

白石が数を数えだすと、少年たちも声を合わせて数え始めた。少年たちの声は興奮で上ずっていた。これから、自分たちの目の前であの美しい少女が全てを晒すことが確実になったのだ。カウントダウンの声にも熱がこもる。

「ごー、よーん、さーん」

玲子の目から、涙が一筋流れ落ちた。白石と少年たちの声が最後の数を数えたと同時に、ついに手が動いた。

玲子の右手が股間から離れた。その瞬間、教室は静まり返り、そしてワッと歓声があがった。

「うわっ、丸見えっ!」
「これがおんなのまんこかぁ……。なんか、すげえな」
「お尻の穴のほうまで、毛が生えてるぜ」

少年たちは口々に無邪気な感想を叫ぶ。その言葉のひとつひとつが玲子の心に突き刺さる。全身が恥辱に熱く燃え上がる。白い肌が紅潮し、うっすらと汗まで浮かんでいた。

それは奇妙で背徳的でエロティックな光景だった。教壇の上で全裸の少女が大きく脚をM字型に広げ、女として隠しておきたい部分を全てさらけ出している。そして10人の少年たちが身を乗り出して、少女のその部分を見つめているのだ。少年たちは一瞬でも見逃すわけにはいかないとばかりに、そこを凝視している。

玲子は羞恥のあまりに気が遠くなってしまいそうだったが、白石はさらに恐ろしいことを言い出した。

「玲子、お前はまだ処女なんだよな」
「……は、はい」
「こいつらに、処女膜ってものを見せてやってくれ」
「えっ!?」

玲子は息を飲んだ。いきなり処女膜と言われても自分で確認したことなどないのだ。知識としては知っていたが、その存在を実感したことはないし、どんなものなのかも、よくわからない。

どうしていいのかとまどっていると、白石は好色な笑みを浮かべながら、大きく広げられている玲子の股間の前にしゃがみこんだ。

「ふふふ、こりゃあ絶景だな、玲子」
「あ、いや……、そんな近くで……、見ないで下さい」

中年男に息がかかりそうなほどの至近距離で、視姦される恥ずかしさに玲子は思わず声を上げる。

しかし白石の頭で、そこが見えなくなってしまった少年たちは不満の声を上げた。

「おお、すまない。お前らも、前に来て近くから見ればいいじゃないか」

白石がそう言うと少年たちは一斉に席を立って、玲子の近くへと駆け寄った。

「あっ、いやぁ……」

玲子の周りを少年たちが取り囲んだ。先を争うようにして、顔をその部分へ近づける。当然、その中には新一や誠もいた。彼らも今はただ性欲と好奇心の虜となっている。

あまりの恥ずかしさに玲子が手で股間を隠そうとすると白石が阻止する。玲子の細い手首を掴んで持ち上げる。

「あっ」
「おい、誰か玲子の手を押さえていろ」
「はい」

慶太と信の二人の少年が玲子の両腕を掴み、左右に広げた。手首とは言え、少女の肌に触れられたことで、少年たちはうれしそうだった。

「誰か膝も押さえて広げておけ」
「はいっ」

邦夫と光一が名乗りを上げ、左右から玲子の膝をつかんで広げる。

「うわ、やわらかいな」

腿に手が触れた邦夫が驚いたように声を上げた。きめが細かくしっとりとした少女の肌は、自分たちの肌とは全く違う感触だった。

「ああ……」

もう玲子は身動きもとれず、何一つ隠すことができなくなった。少年たちが手を離すまで、いつまでも全てを晒し続けなければならないのだ。

「よく見ていろよ」

白石は両手の人差し指を伸ばし、玲子の肉唇に押し付けた。

「いやぁっ!」

男の指に触れられたショックで、玲子は身体を仰け反らせたが、少年たちががっちりと押さえつけているので、逃げることは出来ない。

白石は指を左右に押し開く。玲子の肉の扉が開く。ピンク色の粘膜が露になり、複雑な肉の構造が少年たちに晒される。

「うわ……」

少年たちはその光景に息を飲む。鮮やかなピンク色の生々しさに目を奪われる。

「うっ……」

宏が股間に手を当てたまま奇声を上げた。どうやら興奮のあまりに射精してしまったらしい。いや、今や誰もがそうなってもおかしくないほどに興奮し、固く勃起している。

「ここに白っぽい薄いヒダみたいなのがあるのがわかるか? これが処女膜だ」
「へえ、これかぁ。完全に膜が貼ってるわけじゃないんですね」
「なんか穴開いてるし、もう破けてるみたい」
「いや……、見ないでぇ……」

玲子はもう半分気を失っているような状態だった。羞恥の限界を超え、目の前が真っ白になっている。

「お前ら、確認したか。これが玲子の処女膜だ。お前らがここにチンポを突っ込むようなことがあれば、すぐにわかるんだからな。玲子を犯すのは絶対に禁止だ。わかったな。これから毎日玲子の処女膜検査をするからな」
「ということは、毎日、玲子さんのまんこ、見せてもらえるんですか。やった!」

少年たちは、まだセックス自体よりも、玲子の身体を見ることのほうが嬉しいようだ。


乾いたプロペラ音を響かせながら、ヘリコプターが着地した。北尾事務次官が、第八特殊収容所にやってきたのだ。井浦所長らはヘリポートに並んで北尾を出迎える。

「ようこそいらっしゃいました、事務次官」
「ああ、ここに来るのはずいぶん久しぶりだ。変わりはないか?」
「はい。お陰様で何事もありません」

北尾は豪華な自室のチェアに座ると、葉巻をふかした。その煙が顔にかかったが、井浦は笑顔を全く崩さない。

「例の二人の様子はどうだ?」
「はい、ご指示の通りにしましたが、あの、高梨真弓のほうが……」
「ああ、あの脱走した子か」
「D-3のバカどもが言うことを聞かずに、犯しまくってしまいまして、それでちょっと身体を壊して、現在休養中です」
「ふふふ、まぁ、そうなるだろうとは思ってはいたがな」
「申し訳ありません」
「奴らは、ただ犯してただけか?」
「そうですね。とにかく突っ込みたいだけという、ケダモノのような奴らですから」
「その様子のビデオは撮ってあるな」

井浦は少しバツの悪そうな顔になる。

「それが……、申し訳ありません。動画サーバーの調子が悪かったのか、初期のものしか残っていないんです」
「なんだと。それじゃあ、実験の意味がないじゃないか」
「はっ、申し訳ありません」

最初の数日で井浦がD-3から自分の元へ真弓を引き取ってしまったから、映像がないというわけなのだが、そのあたりは職員たちにも口裏を合わせるように言ってある。

「まぁ、いい。その数日分だけでも見せてもらうか。もうひとりのほうは?」

なんとか誤魔化せそうだと、井浦は内心で胸を撫で下ろした。

「はっ。安藤玲子のほうは、順調のようです。ご指示の通り、ここから隔離した場所で実験を進めております」
「有望そうな奴はいるのか」
「とりあえず、今のところの報告では小山新一という者に素養がありそうだと。おとなしくて真面目な奴だったので、私も意外に思っているのですが」
「まぁ、そんなものだよ。スピアの奴もここにいる時は影が薄かっただろう?」
「ああ、確かにそうですね」

北尾に見込まれてスピアと呼ばれるようになった宮本という少年のことを思い出すと、井浦の胸にチクリと痛みが走る。湧き上がる不快感を必死に抑えて、顔には出さない。

「体調を崩した子のほうは、まだ治っていないのか?」
「高梨真弓ですか。ええ、いや、まだ、ちょっと……」
「身体を壊したといっても、歩くくらいはできるだろう。連れてきてくれないか」
「は、はぁ……。わかりました」

(続く)

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12.02.20更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |