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全ての国民は2年間、国に全てを捧げて奉仕する義務がある――。日本によく似た、しかし異なる某国で「奉仕者」の立場に転落した女たちが辿る、絶対服従の日々。飼育・調教が法律によって認められた世界で繰り広げられる、 異色エロティックロマン!
その日、信雄は興奮のあまりに早朝5時に目が覚めてしまい、それからも寝付けなかった。なにしろ、あの森原さやかがこの家にやってきて、そして今日から二年間、自分の奴隷となるというのだ。
ただの女ではない。信雄がイベントに通いまくり、あらゆるグッズを買い集めたアイドルの森原さやかなのだ。まだ一般には、ほとんど名前も顔も知られていないマイナーな新人ではあるが、信雄は応援団長を自称するほどの熱心なファンなのだ。到底、眠っていられるはずなどない。
引っ越してきたばかりで部屋は綺麗なのだが、それでも信雄は何度も繰り返し掃除をした。これからは掃除は奴隷であるさやかの仕事となるのだろうが、信雄としては最初の印象が肝心だと思っているのだ。
ご主人様と奴隷の関係ではあるが、信雄はそんな立場でさやかとつきあうことは考えていなかった。あの可愛いさやかに命令など出来るものか。何をしようと自由とは言っても、無理矢理いやらしいことをするなど、信雄の趣味ではない。あくまでも愛し合う関係でいたいと思う。さやかも、最初は仕方なく信雄の元にやって来るのだろうが、こちらが紳士的に接していれば、いつしか心を開いてくれるだろう。義務ではなく、本心から自分のことを愛してくれるようになるだろう。信雄はそんなことを考えていた。
それでもバイブやローターといった道具は揃えていたが、これもあくまでも同意の上で使おうと思っていた。
何しろ相手はあの、清純な天使のような美少女、森原さやかなのだ。
「森原さやかです。ご主人様、これから二年間、よろしくお願いします」
玄関で、薄ピンク色のワンピースを来たさやかが、ペコリを頭を下げた。唇が震え、目が潤んでいる。自分がこれからどんなにひどい目に遭うのか想像して、不安で胸が押しつぶされそうになっているのだろう。
「それでは、吉田様、お約束のほう、どうかよろしくお願いします」
スーツを着た若いマネージャーが信雄に深く頭を下げる。
「ああ、わかってるよ。さやかちゃんに傷をつけないことと、このことを口外しないことだね。ちゃんと守りますよ」
「はい。森原さやかは、ビッグなタレントに成長すると思います。奉仕期間の後には、しっかり活動をさせてあげたいのです。ですので……」
「大丈夫、大丈夫。おれが元々さやかちゃんのファンだったことは知ってるでしょう。彼女に傷をつけるようなことをするはずがないですよ。おれだって、さやかちゃんがビッグになることを望んでいるひとりなんですから」
信雄は、さやかのイベントでこのマネージャーの姿を何度も見て知っている。茶髪の今どきの若者だ。少しホスト風といってもいい。どことなくファンを見下しているような態度があり、信雄はあまり好意を持っていなかった。そんなマネージャーに、こうやって頭を下げさせているのは、いい気分だった。
「じゃあ、頑張るんだよ、さやかちゃん」
「三宅さん……」
まるで捨てられる子犬のような表情で、さやかは去っていくマネージャーを見ていた。今にも泣き出してしまいそうだ。無理もない。このマネージャーは今までの生活とさやかをつなぐ最後の糸なのだ。彼が去ってしまえば、さやかは今までの世界から隔絶されてしまうのだから。
しかし、マネージャーは振り返らずに、ドアを締め、信雄の部屋から出て行った。残されたさやかは、小さく肩を震わせながら立ちつくしていた。
「やっと二人きりになれたね。さぁ、これからはおれがさやかちゃんのご主人様だ」
「は、はい……。よろしくお願いします」
不安げな表情でさやかは信雄を見て、そして再び頭を下げた。
ああ、おれはこの儚げな少女を守ってあげなければいけない、決してつらい思いをさせてはいけない。信雄はそう心に誓った。
「ご主人様と奴隷、本来はそういう立場になるんだけど、おれは正直言って、そんな関係で女性と接したくないんだ。さやかちゃんは普通にしてくれていいよ。せいぜい家事をしてくれるくらいでいいからさ」
そんな信雄の言葉がさやかは意外だったらしく、ちょっととまどっているようだった。
「ははは、そんなに驚かないで。さぁ、いつまでもそんなところにいないで、中に入ってよ」
「はい」
さやかの表情がパッと明るくなった。イベントなどで見せる愛らしいいつものさやかの顔だ。信雄は胸がキュンとなる。この笑顔を守らなければと思った。
信雄はさやかをソファに座らせて、キッチンで紅茶を入れた。
「あ、ご主人様、そういうことは私がします」
慌ててさやかが立ち上がろうとするが、信雄は手で制した。
「いいよ、いいよ。まだ、さやかちゃんはキッチンのどこに何があるかわからないだろ? そういうことは追い追い教えてあげるから、今日のところはお客様気分でいなよ」
「すいません。ありがとうございます」
そして二人は向かい合って熱い紅茶を飲んだ。
「でも、まさかNOBさんがご主人様になるなんて、驚きました」
少し落ち着いたのか、さやかが笑顔を浮かべて言った。信雄はファンサイトではNOBのニックネームを使っていた。イベントには皆勤賞の信雄のことは、さやかも当然知っているのだ。
「もしも他の人の奴隷になって、さやかちゃんがひどい目に遭わされたらって思ってね」
「ありがとうございます。NOBさんがご主人様なら、さやかも安心ですね。あ、NOBさん、なんて言っちゃった。いけませんね、ちゃんとご主人様って言わないと」
「いいよ、NOBで。そう呼んでもらったほうがおれもうれしいし」
肉親以外の女性と、ふたりきりで部屋で会話するなど信雄は初めての体験だった。しかも相手はとびっきりの美少女なのだ。微かに漂ってくる少女特有の甘い香りに、信雄はクラクラしてしまう。
「本当にいいんですか?」
「ああ……。あ、でも、これだけは決まりだから、しておかないといけないんだった」
そう言って、信雄は立ち上がり、棚からそれを取り出した。赤い首輪だった。
「奉仕者は、2年間これをつけていないといけないんだ。可哀想だけど、これは法律で決まっていることだからね」
「はい……」
さやかも立ち上がり、髪の毛をかきあげると首を前に差し出した。その白いうなじのエロティックさに信雄はドキドキする。首輪をつける手が震えてしまう。
ガシッと鈍い金属音がして、首輪がロックされる。さやかの華奢な首にその無骨な赤い首輪はいかにも不似合いだった。
さやかは一瞬だけ、表情を曇らせた。奴隷という自分の立場を思い知ったのだろう。しかし、すぐに笑顔を取り戻す。
「NOBさん、似合いますか?」
そんなことを聞いてくる。もちろん信雄は、にっこりと笑って応える。
「すごく似合うよ。可愛いよ、さやかちゃん」
本当に信雄は紳士的にふるまった。その日は、信雄が料理を作り、さやかには洗い物もさせなかった。そして、さやかの体には指一触れなかった。さやかに部屋を与え、そのベッドで寝かせたのだ。
「あの、本当に、いいんですか?」
自分の部屋で寝るようにと言われたさやかは驚いたようだった。奴隷という立場になった以上、信雄に犯されるのは覚悟していたのだ。
「ああ、今日は疲れただろう? ゆっくりお休み」
信雄がさやかを抱きたくないと言えば、それは嘘になる。今すぐにでも、あの愛らしい肉体を抱きしめたいと思う。しかし、何よりもさやかに嫌われたくないという想いが強い。信雄はさやかの熱心なファンであったからだ。今日のところは、あのさやかと一緒に過ごせた、それだけで満足だった。
時間は、まだ二年間もあるのだ。急ぐことはない。さやかが本当に信雄に心を許したその時こそ、身も心もいただこう。信雄はそう考えていた。
そして、この年まで童貞だという負い目もあった。さやかも処女だろうが、やはり自分がリードしたい。10歳以上年上の自分が、大人としての余裕を見せたいと考え、それがプレッシャーにもなっていた。今の信雄では、さやかの裸身を目の前にしたら、緊張のあまりどうなってしまうかわからない。
しかし、自分はその気になれば、いつでもさやかの体を自由にできるのだ。そう思うだけで信雄は興奮してしまう。
信雄は、バスルームへ行き、ランドリーボックスの中からさやかの下着を取り出した。さやかが明日、自分で洗濯するつもりでいる下着だ。真っ白でシンプルなデザインのブラジャーとショーツ。ブラジャーを見ると70Aと書かれていた。Aカップという奴か。貧乳、貧乳とファンの間では囁かれていたが、これは本当に小さいようだ。
信雄はその内側にそっと指を這わせる。この布地が、さやかの乳房に触れていたのだ。この部分にさやかの乳首が押しつけられていたのだ。いったいどんな色なのだろう、どんな形なのだろう。信雄は妄想する。
そして、ショーツを手にした時に、信雄の興奮は最高潮を迎えた。裏地にほんのりと黄色い染みがあったのだ。
信雄は思わずその部分に顔を押しつけた。匂いを嗅ぐ。微かに甘酸っぱい香りがした。
ああ、おれはあの森原さやかの、誰も嗅いだことのないところの匂いを嗅いでいるのだ。
心臓がバクバク激しく動いた。もうたまらなかった。信雄は、その場でパジャマのズボンを下ろし、怒張したペニスを握ると、激しくしごきだした。
顔はショーツの股間部分に押しつけたままだ。甘酸っぱい匂いを胸一杯に吸い込みながら、信雄はオナニーに耽った。
そうだ、この脱衣所で、さやかは全てを脱ぎ捨てて全裸になったのだ。そうして、バスルームに入ったのだ。
信雄は、まだ見ぬさやかの裸身を妄想する。ほとんど膨らみのないAカップの胸。ちいさな尻。そしてその華奢な体には不似合いな赤い首輪。
自分が命令すれば、今この瞬間にでも、さやかはそんな姿を見せるだろう。脚を開いて、はずかしい部分を広げるなんてポーズでも取らなければならないのだ。いや、それどころかこの怒張しきった信雄のペニスを舐めたり、未開の部分に挿入させることすら受け入れなければならない。
信雄は、下着の匂いを嗅ぎながら、さやかのそんな痴態を想像する。その妄想の中では、さやかは自ら信雄に抱きついてキスをせがんでくる。
「NOBさん、大好きです。NOBさんみたいに優しい人がご主人様になってくれて本当に嬉しいです。NOBさんだったら、ご主人様じゃなくても、さやかは好きになってたと思います。だから、さやかをあげます。いっぱい愛してください!」
「さやかちゃん!」
信雄は熱い口づけを交わしながら、さやかの華奢な白い体を抱きしめる。あまり強く抱きしめると折れてしまいそうだ。しかし、それ以上の力で、さやかは信雄を抱きしめてくる。情熱的に舌をからめてくる。
「NOBさん!」
「さやかちゃん!」
妄想の中でふたりが名前を呼び合った時、信雄は射精した。勢いよく発射された白い液体は脱衣所の壁に飛び散った。
信雄は息を荒くしながら、それを拭き取り、そして手をよく洗うと、下着をランドリーボックスに戻した。
信雄とさやかの第一夜は、こうして終わった。
(続く)
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