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第2章 若妻・麻美【3】


4人の店主たちは、調教室の壁に大の字で磔にされてしまった麻美を取り囲み、いやらしい視線を降り注がせていた。何一つ身に着けていない生まれたままの姿の麻美は、あまりに魅力的だった。一瞬たりとも視線を外すことが出来ない。

滑らかで透き通るように白い肌。整った顔立ちに長い黒髪。女盛りの人妻であることを主張するむっちりとした肉付き。くびれた腰から豊かな下腹部へとつながる曲線の悩ましさ。腕を広げる形で拘束されているにも拘わらず、平べったくならずにボリュームを誇る美巨乳。勢いよく燃え上がる炎のように密集した陰毛。そして、そこから覗く恥ずかしい肉裂。すべての部分が男を興奮させずにはおかない。

「ああ、そんなにご覧にならないで……」

男たちの熱い視線に耐えかねて、麻美は声を漏らす。羞恥心の強い麻美は、夫にすら、ここまで裸身を凝視されたことはない。それなのに、顔見知りの商店主たちに肉体のすべてを視姦されているという屈辱。気が遠くなってしまうような羞恥に、麻美は喘ぐ。

「こんなに素晴らしい体を、見ない男がいるわけないじゃないですか。しっかりと目に焼き付けないとね、ふふふ」
「いやはや、全くすごい体じゃないですか。うちの女房とは大違いだ」
「こんな体を2年間も自由にできる町田さんが、本当に羨ましいですよ」

吉田に言われて、町田が少し自慢気に答える。

「私はこの日をずっと待ちわびてたんですからね。でも、こうやって、独り占めせずに、皆さんにも楽しみをお分けしてるじゃないですか。麻美は皆さんの、浦野町商店街みんなの奴隷だと思って下さいよ」
「ふふふ、確かに私たちは、みんな子供の頃からの顔見知りですからねぇ。いいものはみんなで分け合うのが、この町の流儀だ」

 町田は、他の3人に筆を手渡した。

「ではこれから奴隷・麻美の感度チェックをしたいと思いますので、みなさんも手伝って下さいね」
「よしきた。いつものアレだね」

新田がニヤリと笑って筆を受け取る。

「アレは上原さんが一番巧いからな、下は任せるか」
「よし、じゃあとりあえず下半身はおれと町田屋さん、上半身は、新田さんと吉田さんで行くか」
「いつものフォーメーションって奴だな」

4人は笑いあう。彼らがそれぞれ手にした筆で何をやるのか麻美には想像もつかないが、その口ぶりから、これが初めてではないことがわかる。

上原が言った通りに、磔にされた麻美の上半身右に新田、左に吉田、そしてしゃがみこんだ町田と上原が麻美の下半身の左右で筆を構える。

「さぁ、奥さんの感度を調べてあげよう。これだけの体なんだ。きっといい声で鳴いてくれるだろう」

 4人は一斉に麻美の肌の上に筆を走らせた。

「あっ、いやっ」

新田の筆は麻美の首筋に、吉田の筆は腕の内側に、町田と上原の筆は左右の内腿に、それぞれ這い回る。いずれも皮膚の薄い敏感な箇所だ。

最初はくすぐったいばかりだった。男たちは筆先を肌に触れるか触れないかぎりぎりのとことで動かす。全身4箇所を同時にくすぐられるのだ。思わず、麻美は身をよじる。しかし大の字に拘束されている身だ。男たちの筆から逃れられるはずもない。

筆はゆっくりじわじわと麻美の肌の上を這いまわっていく。しかし、乳首や性器などには決して触れない。そのすぐ近くまでは行っても、わざと避けるようにして外れていく。

「はぁっ……、ああ……」

くすぐったさが痒みとなり、そしてそれはやがて、不思議な感覚へと変化していく。体の奥が少しずつ熱くなってくる。

「ん、んん……っ」

自然に声が漏れてしまう。肌の感覚が鋭敏になってくる。麻美は、いつの間にか切なげに腰を揺らしていた。吐息が甘いものへと変化していた。

「ふふふ、奥さん。感じてきたんじゃないですか。腰がクネクネ動いてますよ」

耳元で新田が囁く。麻美は慌てて否定する。

「そ、そんなことありません。く、くすぐったいだけです」
「そうですかね、その割にはずいぶん顔が赤くなってきてますよ。目つきもトロンとしてきているし」
「ち、違います……」
「いつまで我慢できるかな、奥さん。これはソフトだけど、すごく効く責めなんだよ」
「ああ、女を堕とすには、最初はこれがいいんだよな。いつぞやの、女子大生なんかすごかったよな」
「ははは、あれはすごかった。筆責めだけで、失禁しちゃってな」
「奥さん、私たちはね、以前からみんなでこうやってSMプレイをやって楽しんでいたんですよ。相手はプロのSM嬢だったり、素人女にお小遣いを上げたりしてだけどね。でも、奥さんみたいな上玉は初めてですよ。私たちがが今まで培ったテクニックを、奥さんに発揮してみようと思うんですよ。ふふふ」

道理で男たちのチームワークがいいはずだ。町田にSM趣味があるという噂は聞いていたが、それは町田だけではなかったのだ。

「それにしても、町田屋さんの前の奥さんは、惜しいことをしたよね」
「4人で責める前に、おれがもっと調教しておくべきだったんだよなぁ」

町田が残念そうにつぶやく。その間も、筆の動きは決して止まらない。

「ちょっと急ぎすぎたな。あれで逃げ出されちゃったんだから」
「まぁ、我々もやりすぎって反省してるよ。その点、奥さんはどんなことをしたって決して逃げ出すことはないから安心だな」
「そうそう。でも、それでもジワジワと調教していくほうが楽しいだろ」
「おっと、新ちゃん。奥さん、ずいぶんいい表情になってきてるぜ」

男たちの口調も、次第に打ち解けたものへと変化していく。もともとは幼馴染みの4人なのだ。

上原の指摘する通りに、麻美の表情は艶かしいものになっていた。細かい汗を浮かべ、頬は上気し、半開きになった口からは、喘ぎ声が漏れている。それは明らかに快感に酔っている女の表情だった。

「奥さん、感じてるんだね」

新田の問いかけに、麻美は答えない。切なげに頭を振る。

「そんなことを言っても、ほら、ここは正直だぜ」

町田が麻美の太腿の付け根を押し開いた。つられて、肉裂が口を開く。

「あっ、いやっ」

露出した粘膜は、たっぷりの露を湛えてキラキラと濡れ光っていた。

「すごく濡れてるよ、奥さん」

麻美はギュッと目をつぶり頭を振って否定する。こんなことをされて自分が快感を感じているなど、認めたくなかった。

「強情な奥さんだね。でも、もう時間の問題だよ」

そう言いながら新田が右の乳房で輪を描くように筆を滑らせる。その輪は中心地へ向かって行くのだが、乳輪スレスレまで近づくと、また外側へと逃げてしまう。それを何度も繰り返す。左の乳房では吉田が同じことをしている。

そんなことを続けられていると、麻美は敏感な乳首にも刺激が欲しくなってきてしまう。ギリギリまで近づいて来るのに、乳首だけは避けられるなんて生殺しだ。刺激を求めて乳首が熱く疼く。

「おやおや、そんなにおっぱいを揺らして。乳首を触って欲しいんですか?」
「……」

新田に指摘されて、麻美は顔を真っ赤にする。近づいてきた筆に乳首を触れさせようと、自然に胸を動かしてしまったのだ。しかし、新田の筆は、無情にも逃げていってしまう。

「あ、あ……」

そしてまた新田と吉田の筆が乳首へと近づいては逃げる動きを繰り返す。

「も、もう……意地悪しないで……」

小さい声で麻美はつぶやいた。

「ん? なんて言ったんですか、奥さん?」

わざとらしく新田が聞く。

「ああ……、意地悪、しないで下さい……」
「何が意地悪なんですか、奥さん。どうして欲しいんですか?」
「触って下さい……」
「どこを触って欲しいんですか?」
「ち、乳首も……」
「ええっ、市川の奥さんが自分から乳首を触って欲しいなんて言うんですか?」
「まさか、あの清楚な奥さんがそんなこと言うはずないですよねぇ」

男たちがわざとらしい口調ではやし立てる。しかし、麻美はもう我慢ができない。

「お願い。乳首も、触って欲しいんです……」

男たちは残酷に笑う。

「恥ずかしいねぇ、奥さん。でも、まだだよ。もう少し我慢するんだ」
「ああ、ひどい……」

新田と吉田の筆は、それまでの動きを続ける。そして下半身では町田と上原の筆が股間の付け根と向かっていった。

「あっ、そんな……」

内腿から陰唇もすぐ脇を通り、最も敏感な肉蕾にギリギリまで近づくと、離れる。それを町田と上原は左右から同時に行なう。

つまり、乳首に対して行なっていた生殺しを、クリトリスに対しても行ない始めたのだ。

「ああ……」

麻美は切なげに腰を動かす。筆先をなんとかクリトリスに当てようとする滑稽な動きだった。本人の意思とは裏腹に自然に腰が動いてしまうのだ。しかし、町田と上原は、決して筆先を当てない。ギリギリで離れてしまう。

「ああ、もう、意地悪しないで下さい。お願いします」

たまらなくなった麻美が懇願する。

「だから、どうして欲しいのか、はっきり言わないとダメだよ、奥さん」
「触って欲しいんです……」
「どこを触って欲しいの? 言ってごらん」
さすがにそれは口に出来ない。麻美は頭を振るばかりだった。
「奥さん、こう言うんだ。ご主人様、麻美のおまんこを筆でグチョグチョにして下さいってね」
「そ、そんなこと、言えませんっ」
「言わなかったら、いつまでもこのままだよ」
「ああ……」
「ちゃんと言ったら、乳首もクリトリスも気持ちよく刺激してあげるよ」

麻美はしばらく黙っていたが、遂に口を開く。

「ご、ご主人様……。麻美の、お、お……、おまんこを、筆でグチョグチョに、して、下さい……」

そんな言葉は、麻美の今までの人生の中で一度も口にしたことはなかった。あまりに恥ずかしく屈辱的な言葉だった。

「ようし、よく言えたね。じゃあ、ご褒美をあげようね、奥さん」

男たちは顔を見合わせてタイミングを計ると、一斉に両乳首とクリトリス、そして膣に筆を走らせた。

「ひっ、ひいっ!」

待ち望んでいた刺激だった。焦らしに焦らされただけに、それは強烈な快感となって、麻美を襲った。

「あああっ、すごいっ、おかしくなっちゃうっ」

麻美は不自由な体を思い切りのけぞらせた。腕輪が切れてしまうのではないかと思うほどの暴れっぷりだった。しかし、それでも男たちの筆はピンポイントから外れずに、刺激し続ける。

「だめぇ、だめですっ、あっ、あああっ!」

一際激しく体が跳ね上がり、そして絶叫とともに麻美は痙攣した。

「ふふふ、奥さんの感度は、なかなかいいようですねえ。これはいい奴隷になりそうだ」
頭の中が真っ白になってしまった麻美には、そんな町田の声も、もう聞こえなかった。

(続く)


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09.09.14更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |