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第2章 若妻・麻美【5】


男たちが何かを用意している物音が聞こえるが、麻美は怖くてそちらを見ることが出来ない。目を固く閉じてブルブルと震えているばかりだ。

ピチャピチャと水音がする。ガラスが触れあう固い音がする。それが一体何を意味するものなのか、麻美には想像もつかない。わかっているのが、それが自分を辱しめるための準備であることだ。この男たちは、恐ろしい変態性欲の持ち主なのだ。

「奥さん、ほら、これが何だかわかりますか?」

町田はガラス製の器具を麻美の顔の前に突きつけた。巨大な注射器のように見えるそれが一体何なのか、麻美には全く想像もつかなかった。

「ふふふ、これはね、浣腸器ですよ。奥さんのために新しく注文した新品ですよ」
「か、かんちょう……?! まさか…」
「そのまさかですよ。これから私たちが奥さんのお尻の穴にこの浣腸器で、浣腸液を注入してあげますからね」
「そ、そんな! なんで、そんなことを!」

男たちが自分の体に行なおうとしていることを知った麻美は拘束された体をバタつかせた。この男たちがなんの目的でそんなことをしようというのか理解できなかった。

「楽しいからですよ。私たちはね、こうやって、綺麗な女性のお尻の穴に浣腸をするのが何よりも愉しみなんですよ。この快感を知ったら、奥さんもやみつきになりますよ。ふふふ」
「いやっ、いやっ、止めて」

麻美は豊満なヒップを揺らして、町田が構える嘴管から逃れようとする。

「おやおや、そんなに暴れたら狙いが定められないじゃないですか」

吉田と上原が左右から麻美の腰を押さえつける。そして、尻肉を押し開き、窄まりを剥き出しにした。

「あっ、いやっ」
「奥さんが大人しくしないから、恥ずかしい菊の花が剥き出しにされちゃいましたよ。さぁ、もう逃げられない」

町田はゆっくりと浣腸器の嘴管を、麻美の窄まりへと沈めていった。先端に潤滑油が塗られているため、それはすんなりと挿入されてしまう。

「ああっ!」

冷たいガラスの感触を敏感な粘膜で感じ、麻美は思わず悲鳴を上げる。

「ほうら、根元まで入りましたよ」

嘴管を完全に埋没させた町田は、その感触を確かめるように、グルグルと中で回転させた。その刺激に、麻美は小さく悲鳴をあげる。

「やめて、そんなこと、しないで……」
「ほう、奥さんは早く入れて欲しいみたいですね、それじゃあ、ご希望にお応えして……」

町田はシリンダーを押した。生温かい液体が、麻美の腸内へと流れ込む。

「ひっ、何っ、いやぁ!」

生まれて初めて味わう感覚だった。そのおぞましい不快感に麻美の下半身はガクガクと震えた。

「いや、いやよう……」

町田はシリンダーの圧力の手応えを愉しむようにして、少しずつ押し込んでいく。女に初めて浣腸をする瞬間は、彼らのようなマニアにとっては至福の時なのだ。それも麻美のような極上の女であれば、なおさらだ。

「ひひひ、いい顔してますよ、奥さん。浣腸される時の女の顔は最高に美しいですな」
「どうだい、気持ちいいかい? 奥さん」

周りで男たちが口々に囃し立てるが、麻美の耳には入らない。今はただ、一刻も早く注入が終わることを願うばかりだった。

「さぁ、これで100cc入ったぞ」

シリンダーを完全に押し切った町田が、ゆっくりと嘴管を抜く。やっと終わったのかと麻美が思う間もなく、今度は新田が町田から受け取った浣腸器を構えて、麻美に見せつけた。

「ふふふ、まだ終わりじゃないですよ。これから全員で100ccづつ浣腸してあげますからね。最後まで漏らさずに我慢して下さいよ」

新田のその言葉に、麻美は悲鳴を上げる。町田に注入された100ccだけでも死ぬほど恥ずかしく苦しかったのに、さらに3人が浣腸するというのだ。

「いやいや、許して、そんなこと、無理です!」
「なぁに、4人で入れたってたかが400ccぽっちだよ。今日は最初だからね、一番小さい浣腸器にしてあげてるんだ。大丈夫、大丈夫」

勝手なことを言いながら、新田が二本目を注入した。

「ああーっ!」

町田の一本目の時よりも、不快感は強まっていた。下腹部が重たく、ジンジンと痺れてくる。

そして上原が三本目を注入し、吉田が最後の浣腸をしようとした時だ。

「あっ、あっ、待って、待って下さいっ」

麻美が悲鳴を上げた。下腹部の不快な疼きが膨れあがり、それは激しい便意となっていた。麻美は必死に肛門を引き締める。一瞬でも力を緩めたら、崩壊してしまいそうだ。

「も、もう、ダメです。ほどいて、ここから降ろして下さい」
「降ろしたら、どうするんだい? 奥さん」

町田が意地悪く聞く。

「それは、……おトイレに……」
「そうか奥さんはおトイレに行きたいのか。それでトイレで何をするんだ?」
「もう、許して。我慢できないんです。早くここから降ろして下さい」
「ダメだよ。何をするか言わないと、降ろせないよ」
「ああ…。用を足すんです……」
「用って何だい? ふふふ、大きいほうか、小さいほうか?」
「……大きいほうです」

それだけ言うのでも、麻美は顔が真っ赤になっていた。そして便意に耐える

辛さで、肌には細かい汗が浮かんでいる。息も荒くなっている。限界が近づいているのが一目でわかる。しかし、町田は容赦しない。

「もっとはっきり言わないとわからないよ。大きいほうって何だい? 奥さんはトイレに行って何をしたいのか、ちゃんと言ってごらん。そうしたら、ここから降ろしてあげよう」
「ああ……。う、う、うんちです。うんちさせて下さい」

蚊の鳴くような声で、麻美はその言葉を口にした。男たちは嘲笑する。

「ははは、あの美人で有名な市川の若奥さんでもうんちをするのか」
「そんな恥ずかしいこと、よく言えたねぇ、奥さん」
「お願いします。ちゃんと言いました。だから、だから、早く降ろして!」

顔を真っ赤にしながら、麻美が叫ぶ。半ば自棄になったようだ。

「でもね、奥さん。私はまだ奥さんに浣腸してないんだよ」

吉田はそう言って、嘴管を麻美のふるふると震える窄まりへと近づけた。

「私だけ出来ないなんて、そりゃ、不公平でしょう」
「そんな、約束が違います!」

麻美が叫ぶのも無視して、吉田は嘴管を挿入し、そしてシリンダーを押した。

「お、さすがに固いな。こりゃ、確かにいっぱいみたいだ」

これ以上の注入を拒むようにシリンダーは動かない。しかし、吉田が更に力を込めると、少しずつ薬液は麻美の腸内へと送り込まれていく。

「あっ、あっ、ああっ。だめ、もう、もう入りませんっ」
「ふふふ、この抵抗もまたいいもんだ。どんなにイヤがったって、入っていくぞ。ほうら、これで全部入った」

もはや麻美は声も出ない。パクパクと金魚のように口を開け、苦しげな息を漏らすばかりだった。

「初めてなのに、よく頑張ったね。奥さん。400cc入ったよ」
「奥さんのお尻の穴、ヒクヒクしてるよ。可愛いねぇ」

男たちは、大きく広げられた股の間にしゃがみ込んで、その部分を覗き込んでいる。細かく痙攣する窄まりからは、浣腸液のしずくは僅かに滴り落ちている。

「お願い……、おトイレに、おトイレに行かせて……」

うわごとのように麻美は呟く。

「でも、もう間に合わないでしょう? 私たちがしっかり見ていてあげますから、これに出していいですよ」

町田がホーロー製のおまるを取り上げ、麻美に見せた。

「い、いや、そんなこと出来るわけ、ありません……」

男たちが食い入るように見つめる中で排泄するなど、麻美に出来るわけがなかった。それは決して他人の目にさらすことのできない最も恥ずかしい行為なのだから。

「出来ないと言っても、もう限界でしょう。奥さんはここで、私たちの目の前でウンコをヒリ出すしかないんですよ。ふふふ」
「い、いやです。どうして、どうして、そんなところを見たがるんですか、おかしいです」

「それはね、奥さんが一番見せたくない姿だからですよ。奥さんの一番恥ずかしい姿を、私たちは見たいんですよ。奥さんが身も世もなく恥ずかしさに悶える表情を見せて欲しいんですよ」

「ああ、そんなの、おかしいです。変態です……」
「そう、我々は変態なんですよ。そして奥さんはその変態の奴隷なんです。これから奥さんは毎日、こうやって我々に浣腸されて、恥ずかしい姿をさらすことになるんですよ」
「そ、そんなの、いや……」
「ふふふ、私の奴隷になってしまった自分の運命を呪って下さい」
「あ、あ、ああ……」

麻美の白い肌が汗でびっしょりと濡れ、全身が細かく震えた。もう限界だった。

「だめ…、お願い、見ないで……」

その瞬間、麻美の可憐な窄まりがブルっと震え、そして口を開いた。

「いやっ、いやぁ!」

絶叫と共に、勢いよく溶液が噴出した。一瞬、それは止まり、そのすぐ後に、凄まじい破裂音がした。

「いやっ、いやっ、見ないで!」

麻美が叫んだが、目をそらす者がいるはずもない。男たちは息を飲んで、その一点へ熱い視線を注いでいた。

ドボドボドボッ。さっきまでの透明な溶液とは打って変わって黄土色の流動物が噴き出し、やがてそれは固形物となった。

「見ないで、見ないで」

麻美はうわごとのように呟くばかりだ。頭の中が真っ白になっていた。顔見知りの商店街店主たちの目の前で、人間として絶対に見せてはならない行為をさらしている。これが現実とは、とても信じられない。

夢であれば、どんなに良かっただろう。目を覚ました時、隣にいつもの朝のように愛する夫と娘が眠っていたならば……。

しかし、これは紛れもない現実なのだ。麻美は男たちの嘲笑の中で、羞恥に身を焦がしながら、いつまでも排泄を続けていた。

(続く)


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09.09.28更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |