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全ての国民は2年間、国に全てを捧げて奉仕する義務がある――。日本によく似た、しかし異なる某国で「奉仕者」の立場に転落した女たちが辿る、絶対服従の日々。飼育・調教が法律によって認められた世界で繰り広げられる、異色エロティックロマン!
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第7章 肛虐奴隷・穂奈美【7】

穂奈美が「島」へ連れてこられて3カ月が過ぎていた。スピアによる調教と、「授業」と呼ばれる洗脳によって、穂奈美は完全なる「ドール」となっていた。男を喜ばせるためにのみ存在する肉奴隷、それがドールだ。

奉仕者として森元によって二年間行なわれた調教が優れていたこと、そして何よりも穂奈美自身の素質がずば抜けていたことから、彼女はスピアが自慢するほどのドールに仕上がった。それも、アナルプレイに特化したとびっきりの肛虐奴隷だ。

ドールは、仕える主人の嗜好に合わせて徹底的にチューニングされる。主人本人、あるいは代理人によって、理想の「奴隷像」をリクエストしてもらい、それにあった資質の奴隷を選び、さらに嗜好に合わせるように調教していく。主人となる男たちが、ドールに魅せられるのも無理はないことだ。

これから穂奈美が仕えることになる主人は、ディープなアナルマニアだった。膣には、ほとんど興味がなく、ひたすら肛門を責めることで興奮を得る。そしてそのハードな責めにより、これまでに何人ものドールが命を落としていた。

ドールは、あくまでもレンタルであり、生命に危機を及ぼすような行為は禁じられている。そして万が一、そのようなことがあった場合は、膨大な賠償金が課せられる契約となっている。

しかし、穂奈美の主人となる男だけは、特別だった。彼は、この国の運命を左右する存在であり、彼との友好な関係を守ることは、ある意味で「島」の最重要任務とも言えた。

「お前は鈴木太郎のドールとなるんだ」

スピアから、そう告げられた時、穂奈美は息が止まるかと思うほどに衝撃を受けた。この国の国民で、その名前を知らない者はいない。

恐ろしい独裁者であり、憎むべき敵の象徴。それでいて、その実像は全くわからない謎の男。

自分が、あの鈴木太郎の奴隷となる……。穂奈美は何度も頭の中でその意味を考えた。

「お前の任務は重大だぞ。お前があの男をいかに夢中にさせるか、それが我々の国の運命を決めるといっても過言じゃない」
「そ、それが、世界平和のためになるんですね、スピア様……」
「もちろんだ。この極東の平和をかろうじて保っているのは、お前たちドールの力によるものだと、おれは信じてるよ。決して、歴史の表舞台には現われることはないけどな」
「はい……。光栄です」

口ではそう答えたものの、穂奈美は恐ろしいまでのプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。息が苦しくなり、足がガクガクと震えた。胸がスッと冷たくなる。

「大丈夫だ、穂奈美」

調教室の中でスピアは、そんな穂奈美を強く抱きしめた。小柄で華奢に見えるスピアだが、その力は強く、がっちりと穂奈美の体を抑えこむ。痛いほどだったが、その激しさが穂奈美の心を安心させる。穂奈美は全身の力を抜き、スピアに体を任せる。

「お前はおれの手がけたなかでも、最高のドールだよ」
「ありがとうございます」

スピアに抱きしめられていると、穂奈美の中から、恐怖や不安は消え失せ、温かい気持ちが胸の奥から沸き上がってきた。

それと同時に、痺れるような快感が穂奈美を包み、熱い液体が肉の裂け目からこぼれ落ち、腿を濡らした。

一カ月後、穂奈美は極秘のルートを通って、東京国から日本共和国へと「輸出」されていった。



「そこで服を全部脱げ。身体検査をする」

銃を手にした係員が無感情に言い放った。

「は、はい……」

穂奈美は小さい声で返事をすると、身につけていた純白のスーツをゆっくりと脱ぎ始めた。「島」へ連れてこられてから4カ月ぶりに着ることが出来た衣服だった。

係員たちの視線を浴びながら、穂奈美は下着だけの姿になった。肌に喰い込むような小さめの白い下着は、穂奈美のむっちりとした豊満な肉体の魅力を強調しているようだ。

係員たちも、思わず唾を飲み込んだ。

「ふん、さすがに東の奴らは、ぶくぶくと太ったいい体をしているな。さっさと全部脱げ」
「はい」

穂奈美はブラジャーを外す。大きく、柔らかそうな乳房がまろびでた。初々しい桃色の乳輪と小さな乳首。そして重量感がありながらも形よくもりあがった乳房。男なら、誰でも揉みしだきたくなるような胸だった。

男たちの熱い視線に耐えかねて、穂奈美は思わず手で胸を隠す。穂奈美のこの反応は、演技ではない。「島」では、奴隷たちを、全裸で過ごさせているにも関わらず、羞恥心は保つように調教している。羞恥心を失った女は、奴隷としての魅力もないからだ。

「下も脱げ」
「はい」

左手で乳房を隠しながら、穂奈美は右手でショーツを、ゆっくりと下ろしていく。股間を男たちの視線から隠すようにしているために、腰がくねくねと動き、余計に色気がこぼれている。

男たちの視線が、剥き出しになった穂奈美の尻に集中した。白く、大きく、それでいて垂れることもなくしっかりと張りのある穂奈美の尻肉は、まるで芸術品のような美しさを見せていた。くびれた腰から、急に大きく広がるラインも素晴らしかった。

この尻を思う存分、嬲りたい。バックから犯してヒイヒイ言わせてみたい。その部屋にいた係員全てがそう思った。

そんな飢えた狼のような血走った視線に囲まれて、赤い首輪以外の一切の着衣を失った穂奈美は、その豊満な白い裸身を両手で隠しながら、縮こまり羞恥に耐えていた。

「ようし、これから身体検査を始める」

そのいやらしい体の隅々まで拡げて、嬲りまくってやるぜ……、係員たちがそう考え、心の中で舌なめずりをした時だった。

「検査はもういいでしょう」

係員たちは一斉にその声の方向を向いた。少し甲高い、ややもすれば中性的にも聞こえる声だった。

穂奈美はその声の持ち主を見た。検査室の扉を開いて立っていたのは、スーツ姿の小柄な男だった。身長は150センチもあるだろうか。一見すると、子供のようにも見える。肌は剥いた茹で卵のようにツルリとしているし、顔立ちもどこかあどけない。そんな彼がスーツを来ている姿はコミカルさすら感じさせる。

係員たちは、男の姿を見ると、ただちに敬礼の姿勢をとった。その表情には、はっきりと怯えが浮かんでいた。

「あなたが新しいドールですか。大変素晴らしい尻をしていますね。ふふふ」

男は、笑みを浮かべたが、それは感情をあまり感じさせない不自然なものだった。言わば、笑顔を彫り込まれた人形のような。

穂奈美はしばらく呆然とその男の顔を見ていたが、やがて気づいた。穂奈美が写真や絵で見たものとは、だいぶ違っているが、この男は、日本共和国の実質的な支配者である鈴木太郎将軍。これから穂奈美のご主人様となる男であった。

「将軍、お言葉ですが、まだ身体検査は終わっておりません。性病の検査などもしなければなりませんし……」

敬礼を崩さないまま、係員の一人が言う。

「あちらがそんな傷物を私に贈ってくるはずがないでしょう。X線検査で凶器を持っていないことは確認しているんですよね。それならば、もう検査は不要でしょう」
「し、しかし……」
「何か問題でもありますか?」

鈴木は係員の顔を見た。その冷酷な視線で見つめられた係員は押し黙った。冷や汗がにじむ。

「も、申し訳ありません」
「よろしい。それでは、彼女を私の部屋に連れてきて下さい。新しいドールの歓迎会をしなければいけませんからね」
「はいっ!」

その場にいた係員の全てが、声を揃えて答えた。敬礼の姿勢は崩さない。

鈴木は、両手で胸と股間を隠したままの穂奈美の前へと歩みよった。

「ようこそ、共和国へ」

穂奈美よりもだいぶ背が低いが、近くで見ると、顔にはそれなりに小さな皺もあり、ある程度の年齢だということはわかるのだが、それでも何歳かと尋ねられると答えに苦しむ。

しかし、穂奈美の知識によれば、彼はもう老人と呼ばれる年齢のはずだ。

正体不明の妖怪。それが穂奈美が鈴木太郎に抱いた印象だった。そして、穂奈美は、この男に仕えなければならないのだ。



「ああ……」

穂奈美は切なげに声を漏らした。白い肌には、細かい汗がびっしりと浮かび、悩ましげに濡れ光っている。体の奥から熱がこみ上げ、痺れるような感覚が広がっていく。

両腕は揃えて天井から吊るされ、足は左右に開かれて床につながれている。「人」の字型に立ち吊りされているのだ。胸も、股間も、女として隠しておきたい部分は、無防備にさらけ出されてしまっている。

しかし、鈴木太郎はそれらに全く興味を示さないようだった。彼は穂奈美の尻の前に座り込み、ニヤニヤ笑いながら眺めているのだ。そして、時折、手のひらで愛しそうに尻たぶを撫でる。

もう一時間もそうしているのだ。

「あ、あ、あ……」

尻を延々と眺められる羞恥もあったが、時折触れる鈴木の手の感触が、絶妙に穂奈美の官能をかきたてるのだ。無造作に触っているようで、それでいて、穂奈美の快感のツボを的確に抑えている。そして、少し触っては、またひたすら眺める。その繰り返しに、穂奈美は生殺し状態になっていた。

気づけば、自分でも驚くほどにその部分からは蜜が溢れていた。無毛の肉裂から、したたり落ちるほどだ。

「ご、ご主人様、も、もう……」

穂奈美は鈴木をご主人様と呼んだ。それは奴隷として調教された穂奈美の本能だった。

「どうしたんですか、穂奈美さん?」

鈴木はわざとらしく、穂奈美をさんづけで呼ぶ。しかし、穂奈美を人間だとは思ってはいないことは、その無慈悲な視線からもわかった。鈴木にとっては、穂奈美は単なる玩具にすぎないのだ。前の玩具が壊れたから、またもらった新しい玩具。

「もう、我慢できないんです、もっと……」
「もっと何です?」
「穂奈美に、ああ……」

穂奈美は切なげに腰を揺らす。その度に、付け根から蜜が溢れる。

「いやらしいことを、して下さい。お願いします」

搾り出すような声で穂奈美はいう。鈴木はやれやれという表情を作る。

「そんなにいやらしいことをして欲しいんですか、穂奈美さん。まったく淫らな女なんですね、あなたは」
「ああっ、申し訳ありません」
「でも、もう聞いているかもしれませんが、私は……」

鈴木は穂奈美の尻肉に両手をかけ、指先を食い込ませた。その刺激が穂奈美を痺れさせる。

「ああっ」
「女の尻にしか興味が無いんですよ」

ぐいっと左右に大きく裂き広げる。あからさまになった谷間の奥に、可憐な窄まりが恥ずかしそうに顔をのぞかせる。

そして鈴木は指を伸ばし、その窄まりの中央に触れさせた。

「あっ、ヒイッ!」

突然の刺激に、穂奈美は体を仰け反らせた。焦らしに焦らされた後に与えられたその快感は、強烈な悦びとなって穂奈美の肉体に押し寄せた。

ビクン、ビクン。穂奈美は痙攣した。絶頂に達してしまったのだ。

ほんのわずかな愛撫だけで、これだけの快感を与える。森元はもちろん、スピアでもそんな技術は持っていなかった。

薄れていく意識の中で、鈴木の声が聞こえた。

「さぁ、ウォーミングアップは終わり。これからあなたの歓迎会をしましょう」
(続く)

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10.09.27更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |