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第7章 肛虐奴隷・穂奈美【8】

きらびやかな装飾や調度品。目を見張るような豪華な料理の数々。贅を尽くした宴だった。党の首脳や、軍の有力者たちが酒を酌み交わし、珍味に舌鼓を打っていた。にこやかに談笑していた彼らだが、広間の奥の扉が開いて、一人の男が姿を現わすと、途端に口をつぐんだ。

静寂の中、宴の中央へと歩いていくその小柄な男は、まるで少年のようにあどけない表情をしていたが、醸しだす雰囲気は周囲を圧倒せずにはいられない。

その男、鈴木太郎将軍が右手を胸の前にあげると、その場にいた人間すべてが一糸乱れぬタイミングで右手を高く掲げた。

「親愛なる鈴木将軍に」

鈴木は、にこやかに右手を振ると、しゃべり始めた。外見同様、声も少年のようだ。

「久しぶりのパーティですね。共和国が上手くやっていけているのも、みなさんのおかげです。今夜は無礼講と参りましょう」

鈴木の言葉をそのまま受け止めるものなど、一人もいなかった。酔いにまかせて、鈴木に気に障るような言動や行動をすれば、たちまち失脚させられる。それでいて、押し黙っていれば、楽しくないのかと目をつけられる。定期的に行なわれるこの秘密のパーティは、彼らにとっては、運命を左右しかねない命がけの戦いの場でもあるのだ。

型通りの乾杯が終わると、鈴木が話しだす。

「そうそう、また東の友人から、素晴らしい贈り物が届けられました。みなさんにもご披露したいと思います」

鈴木の言葉に、会場が少しだけざわめいた。ほとんどの男たちは頬をゆるめ、好色な笑みを浮かべた。

「今回の贈り物は、ずいぶんと将軍もお気に入りのようですね」

共和国の実質的ナンバースリーである国務委員長の佐藤がグラスを片手に話しかけた。佐藤は古くから鈴木を補佐してきた男だ。そして鈴木と同じ趣味を持つ同好の士でもある。

「ああ、なかなかの上玉だよ。佐藤さんも、きっと気に入ると思うね。あっちのやつらも、私の趣味をよくわかってきている。ふふふ」

鈴木はグラスを傾け、吟醸酒を飲み干した。

「今度はすぐに壊さないで下さいよ」
「ああ、そんなもったいないことはしないよ。佐藤さんにも楽しんでもらいたいしね」
「ふふ、お気持ちだけいただいておきますよ。さぁ、早く見せてくださいよ、自慢の新しいおもちゃを」
「そうだな……」

佐藤と話す時だけは、鈴木の作られたような表情も少しだけ和らぐ。

鈴木がパンパンと大きな音を立てて、手を叩くと、奥の扉が開いた。赤いマントですっぽりと体を覆った女が、黒服の男に追い立てられて会場へと入ってきた。穂奈美だった。赤い首輪から伸びている鎖を黒服の男の手に握られている。

「ほう、なかなか可愛らしい女じゃないか」
「まだ若いみたいだな」

男たちは不躾な視線を穂奈美に浴びせ、口々に下世話な感想を述べた。好色な期待が高まっていた。

穂奈美はよろよろと、歩を進める。これだけ大勢の前で辱められた経験は、穂奈美にはない。覚悟はしていたものの、その重圧は想像以上のものだった。視線が熱い。これで、肌を晒したら、いったいどんなことになってしまうのだろう。

足が震える。しかし、同時にその恥ずかしさを想像して体が熱くなる。穂奈美の肉体と精神に深く刻み込まれたマゾの感覚が、じわじわと燃え上がってく。

穂奈美は広間の中央まで連れていかれた。黒服の男は鎖の先を鈴木に手渡した。そして鈴木は穂奈美を見てニヤリと笑う。ついさっき、佐藤に向けていた和やかな笑みではなく、不気味さすら感じさせる冷酷な笑みだった。穂奈美は思わず視線を外して下を向いてしまう。鈴木が怖かった。

「東京国から贈られてきたドールの穂奈美さんです」

鈴木がそう紹介すると、大きな拍手が起きた。誰もが好色な笑みを浮かべている。これからこの女性がどれだけの痴態を繰り広げることになるのか、期待が高まっているのだ。

鈴木が合図をすると、後ろにいた黒服の男が穂奈美のマントを勢いよく取り去る。

「あっ、いやっ」

穂奈美の一糸まとわぬ白い裸身が剥き出しになる。思わず体を隠そうと身をよじるが、腕を後ろで拘束され、首輪の鎖を握られている身では、どうすることもできない。

おーっ、という感心するような声が一斉にあがった。何十人もの男たちの視線が穂奈美の白い肌に降り注ぐ。

「なんていやらしい体の女なんだ」
「どうだい、あのムチムチした腰つき」
「胸も大きな。Fカップ以上はありそうだぞ」
「ふふふ、やっぱりドールはみんなパイパンにされてるんだな」

広間の熱気がグンと高まる。誰もが穂奈美の豊満な肉体にむしゃぶりつきたい欲望に駆られたが、むろん鈴木の前でそんなことをするような者はひとりもいない。

「あ、ああ……」

長い奴隷生活の中でも、これほど大勢の好色な視線に晒された経験はない。穂奈美は気が遠くなるような羞恥に耐えていた。目をつぶっていても、見られていると思うと肌が燃えるように熱くなる。

「だめですよ。ちゃんと顔をあげてみなさまに挨拶しなければ」

鈴木が穂奈美の顎を持ち上げる。穂奈美は恐る恐る目を開く。

好色な目、目、目。ほとんどが中年や初老の男だ。それなりの正装をしているものの、穂奈美を見つめる顔は、欲望でギラついていて、なんともあさましい。こんな男たちの中に放り込まれたら……。穂奈美は怯えて、助けを求めるように鈴木を見た。

「ほら、ご挨拶は?」

鈴木は冷酷に命令する。穂奈美は自分の運命は全てこの男に委ねられているのだと、改めて思い知る。そしてこの男に従い、満足してもらうことこそが自分の使命なのだ。

「は、はい……」

穂奈美は床に座り込む。腕を後ろに拘束されたまま正座した。

「東京国よりやってまいりました穂奈美と申します。これから鈴木将軍に誠心誠意お仕えしたく思います。私は奴隷ですので、どんな命令にも従わせていただきます。このいやらしい体の全てを将軍とみなさまに捧げます。どうかお好きなだけ、辱めて下さいませ」

そんな屈辱的な挨拶を述べると、穂奈美は額が床につくほど深く頭を下げた。

「そうだね、穂奈美さんは、いやらしいことをされるために、はるばる東京からここへやってきたんだよね」
「は、はい……」
「じゃあ、穂奈美さんの恥ずかしいところを、みんなに見てもらわないといけないね」
「はい……」

穂奈美は頷くと、立ち上がり、体を前に折り曲げ、足を開く。白く豊満な尻が突き出される。男の劣情をかきたてずにはおかない見事な尻だった。男たちの驚嘆の声があがる。

「どうですか。穂奈美さんのこのお尻は素晴らしいでしょう」

男たちの視線が穂奈美の尻、そしてその下でから覗く無毛の肉裂に集中する。

「あ、ああ……」

何十人もの男に恥ずかしい部分を見つめられるという強烈な羞恥。穂奈美は頭の中が真っ白になり、そして体が熱く燃え上がった。うっすらと汗さえにじませている。

「こんな見事なお尻は、たっぷり可愛がってあげないといけませんね。それでは、浣腸をしてあげましょうか。みなさん、全員でね」

鈴木の言葉に男たちは歓声をあげた。穂奈美は耳を疑った。全員で、とは?

これまでに数えきれないほどの浣腸を森元、そしてスピアに施され、それで快感を得るほどに調教された穂奈美だが、女として恥ずかしく辛い責めであることは変わらなかった。しかも、全員から浣腸されるとは……。

黒服の男が、カートを押してきた。その上には何十個もの使い捨て容器に入った浣腸が山積みになっていた。

「さぁ、みなさんに一個づつ浣腸をしてもらいますよ。肛門奴隷の穂奈美さんなら、嬉しいですよね。一応言っておきますが、もし途中で粗相をするようなことがあったら、許しませんよ。これだけのご馳走が並んでいるパーティ会場を台無しにしないで下さいね」

鈴木の声は穏やかではあったが、穂奈美はぞっとした。もし全員の浣腸が終わらないうちに漏らしてしまったら、どれほど恐ろしいお仕置きをされるのか。もはや、想像することもできない。

「さぁ、どうぞ、みなさん」
「それでは私からいかせていただくかな」

佐藤が最初に穂奈美の尻の前に立った。

「ふふふ、まったく見事な尻だ。大きくて、むっちりとしているのに張りもある。東の女はみんなこんなにいい尻をしているのかね、ふふふ」

佐藤は突き出された穂奈美の尻に顔を近づけた。鼻息が敏感な部分に感じられ、穂奈美は思わず尻肉をキュっと引き締める。

「将軍、触っても構いませんか?」
「ふふふ、どうぞ、どうぞ」

鈴木の許しを得た佐藤は、手のひらで穂奈美の尻肉をゆっくりと撫で回す。

「あ、あん……」

緊張と羞恥で敏感になっている尻肉を、やさしく刺激されて、穂奈美は声を漏らす。その反応を見て、鈴木と佐藤は顔を見合わせて笑った。

「これはこれは。大きいだけじゃなくて、ずいぶん敏感そうなお尻じゃないですか」

佐藤は嬉しそうに尻肉を撫で回した。

「それではこちらも拝見させてもらうかな」

そう言って、佐藤は指を尻肉に食い込ませると、左右に思い切り広げた。

「あっ、いやっ……」

尻肉が開かれると、谷間の奥でひっそりと咲いていた窄まりまでもが剥き出しになる。皺が伸びきってしまうほどに広げられる。そして同時にそのすぐ下の肉の裂け目まで、つられて大きく口を開いてしまった。

赤くヌメヌメとした内壁が顔をのぞかせる。そこは、すでに充分に湿り気を帯びていた。

「これはこれは。ふふふ、これから何十人にも浣腸されるというのに、こんなに濡らしているとは、さすがは肛門奴隷だ。よろしい、それではお望み通りに浣腸してあげましょうか」

佐藤はカートの上から浣腸の容器を取り上げる。細く伸びた先端のキャップを取り、ローションを塗って準備を済ませる。

「さぁ、自分からお願いしないと、いけませんね、穂奈美さん」

穂奈美は羞恥と恐怖に震えながら、後ろを振り向いて、佐藤に言った。

「ああ……どうか穂奈美に浣腸して下さい」
「ふふふ、わかりましたよ。よく味わって下さい」

プラスチック製の先端が、穂奈美の窄まりに突き立てられた。

「あっ」

佐藤が容器を押しつぶすと同時に薬液が穂奈美の腸内へと流れこんでいった。ひんやりとしたその感触に穂奈美はうめく。

「さぁ、次は私ですよ」

国防省長官の山崎がニヤニヤしながら、浣腸を構えて次に控えていた。

「まったく、素晴らしいお尻ですね、お嬢さん。これは男なら誰でも浣腸したくなる。ふふふ」

熊を思わすようながっしりした体躯の山崎は、いささか乱暴に嘴管を突き立て、一気に注ぎ込んだ。

「ヒッ」

そうして男たちは、かわるがわる穂奈美に浣腸を施していった。一個はわずか50ccの小さな浣腸だとはいえ、50人入れば2.5リットルもの量になる。それくらいの大量浣腸には耐えたことがある穂奈美だが、大勢の男たちに少しづつ浣腸されるという行為は、その効果を何倍にも膨れ上がらせていた。

恥ずかしく、屈辱的なこの連続浣腸は、穂奈美の被虐心を燃え上がらせてしまう。そして浣腸で快感を得るように調教されている肉体は、とめどもない官能に浸っていた。

穂奈美は汗みどろになりながら、荒く息をつき、目をトロンとさせながら、必死に肛門を締めていた。一瞬でも気を抜いたら崩壊してしまいそうだった。しかも、立たされたままなのだ。腹が鈍く重たい。脚がガクガク震える。

もう限界が近づいている。そう思った時、背後で鈴木の声がした。

「さぁ、最後は私がしてあげよう」

振り向くと、鈴木の手の上ではガラス製の巨大な浣腸器が不気味に光っていた。

「ひっ、ひいっ」

穂奈美は悲鳴をあげた。意識が遠のいてしまいそうだった。

(続く)

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10.10.04更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |