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第2章 若妻・麻美【7】


「ほお、確かにこれは素晴らしい胸だな」

権藤が感心したように呟いた。

「ああ…………」

四人の男女の熱い視線を乳房に浴びて、麻美は恥じらいの声を漏らす。

たっぷりとした質感がありながらも形よく盛り上がっている麻美の乳房は、同じ女である奈津美や江美子も見とれてしまうような魅力があった。

「さぁ、奈津美。奥様を全裸にしてしまえ」
「はい、ご主人様」

奈津美は、麻美のスカートを脱がし、そしてショーツへと手をかけた。麻美は腰を揺らして奈津美の手から逃れようとするが、背後から江美子に両腕を押さえつけられているので、身動きが取れない。

「失礼します、奥様」

奈津美は、麻美のショーツを引きずりおろし、足から抜いた。これで麻美は一糸まとわぬ姿となってしまった。江美子に押さえつけられているため、体を隠すこともできない。女盛りの色気を発散する見事な体を好色な視線の前に晒すばかりだ。

「ううむ、これは上玉だな、町田さん。ロリコン趣味のワシも趣旨がえをしたくなるほどに色っぽい。この下半身の肉付けなど、たまらないじゃないか」

必死に太腿を閉じて男たちの視線を避けようとしているが、白い肌の下腹部の付け根で燃えるように密集している陰毛は隠せない。恥じらいに身をよじる度に、その肉体から色気がこぼれ落ちる。

「さぁ、二人で奥さんを可愛がってやれ」

権藤が命令すると、二人の少女奴隷は迅速に行動を開始する。麻美が呆気にとられる間もなく、手首を縄で縛られ、それを天井から吊るされてしまったのだ。二人の少女のコンビネーションは見事で、一人が麻美を押さえている間に、さっと縄をかけていく。それはこの二人が何度もこうした権藤の命令を実行したことがあるという証明であった。そして天井に備え付けられた無骨なフックは、これまでに数多くの哀れな生贄がここで吊るされてきたことを示すように使い込まれていた。そう、かつてはここで、奈津美も江美子も吊るされたのだ。

麻美はたちまち和室の中央で天井から両腕を高く吊られて全裸を晒すこととなった。体を引き伸ばされても、麻美の乳房はその質感を損ねることはなかった。むちむちとしたその肉体は、吊るされたことで、さらに男たちの嗜虐心をかき立てるような魅力を放つ。この卑猥な女体を思う存分に嬲ってみたい…………。サディスティックな気質を少しでも持つ男なら、誰もがそう思うはずだ。

いや、男だけではない。麻美を吊るした二人の少女も、この魅力的な獲物に対して目を妖しく輝かせていた。奴隷として徹底的に権藤に調教されたこの二人の少女は、新たな女奴隷を快楽へと導くための技巧を教え込まれているのだ。

時に二人は、お互いを愛撫しあい、先に絶頂を極めた者が、おしおきを受けるというゲームをさせられることもある。おしおきから逃れたい一心で、必死に女の快楽のツボを学んできたのだ。

「奥様、失礼します。力を抜いて、気持ちよくなって下さいね」
「私たちに任せて…………」

二人の少女は、左右から麻美に顔を寄せてささやき、同時に耳たぶを甘噛みした。そのまま舌を首筋に這わせていく。

「あっ、何をするの…………」

少女の舌は首筋に隠れた麻美の性感帯を見事に暴き出す。触れるか触れないかという繊細な舌の動き。そして二人は左右から肌を押し付ける。10代の少女の瑞々しい肌の感触と体温。それは麻美に妖しいときめきを与えた。

ショートカットでスレンダーな奈津美と、長い黒髪にむっちりとした体つきの江美子。どちらもかなりの美少女だ。同性愛の気は全くない麻美でも、そんなことをされると、おかしな感情が芽生えてきてしまう。

脇の肌に押し付けられる二人の乳房の感触。麻美ほどではないが、十分に豊かで柔らかな江美子の乳房。そして微かにしか膨らんでいない青い果実のような奈津美の乳房。二人の硬くなった乳首が肌の上を這い回る。

「奥様、とっても綺麗…………」

江美子がそう呟いて、麻美に唇を重ねた。

「んんっ…………」

同性からの接吻を受けたのは初めてのことだった。少女の唇は甘く柔らかく、決して不快なものではない。しかし、同性と唇を触れさせるという禁断の行為が麻美の体を固くさせた。江美子は唇の隙間から舌を口の中に進入させようとしたが、麻美は歯をかみ締めてそれを拒んだ。

それでも、江美子の舌は麻美の唇と歯茎を執拗に舐めまわし、侵入のチャンスを伺う。そして、奈津美が麻美の耳元で囁く。

「奥様、江美子ちゃん、とってもキスが上手なのよ。一度味わったら、癖になっちゃうわ」

そう言って、奈津美は舌先を麻美の耳孔へと侵入させた。

「あっ」

突然のくすぐったさに、麻美は声を上げる。すかさず江美子は舌を麻美の口の中へと侵入させた。麻美の舌へ自分の舌を触れさせる。「ん、んんっ!」

少女の舌の滑らかな感触は、麻美にとって衝撃的だった。それは夫のザラザラとした舌とは全く違ったものだった。たっぷりの湿り気を帯びた少女の舌は、たちまり麻美の舌にからみつく。その悩ましい動きは、一瞬たりとも止まることはなく、麻美の口の中を這い回る。口の中にこれほどまでの性感帯があったのかと思うほど、麻美は快楽に痺れてしまった。力が急速に抜けていく。

「ふふふ。江美子は、あんな幼い顔をしているけれど、舌遣いが凄いんだよ」

権藤が自分の鍛えた奴隷を自慢する。普通にしていれば、性の匂いは一切しないような大人しく清純な少女なのだ。たとえ服の下にはむっちりとした成熟した肉体を隠し持っていたとしても、その幼い顔立ちはそれを感じさせない。

そんな美少女が絶妙な舌遣いで10歳も年上の美女をキスで責め立てている光景は、なんとも妖しいものだった。いや、全裸で天井から立ち吊るしにされている絶世の美女に、全裸の少女二人が絡みついているという光景自体が、この世のものとは思えないような艶かしさを見せていた。

江美子が体を密着させてのディープキスで麻美の理性を狂わせている間、奈津美もまた舌をその背中へと這わせていた。首筋から白くスベスベとした麻美の背中へと、奈津美の舌は這い回る。くすぐったさとむずがゆさ、そして痺れるような快感が麻美を襲う。同時に奈津美は指先も、わき腹などの敏感な部分へ這い回らせていた。

二人の少女に同時に責められるという初めての体験に、麻美は混乱していた。ようやく江美子が口を離した後も、とろんとした目で、口をだらしなく開いたままだった。

今度は江美子が麻美の背後へ回り、替わりに奈津美が前に来る。阿吽の呼吸だ。

奈津美は麻美の豊かな乳房に指を這わせる。

「奥様のおっぱい、素敵。羨ましいわ。こんなに大きくて、綺麗な形していて」

指先を乳房の上で滑らせ、そして乳首を軽く摘む。

「あっ、ああっ!」

麻美の全身に電流が走った。すっかり固く敏感になった麻美の乳首を奈津美は執拗に愛撫した。そして右の乳首にそっと唇を触れさせ、軽く噛む。噛みながら舌先で転がす。もう片方の乳首も、同時に指で愛撫する。

同性ならではのツボを押さえた、繊細な責めだった。夫も麻美の乳房を愛撫するのは好きだったが、それは稚拙なものであり、時には乱暴だった。夫への愛情が、そんな愛撫でも強烈な快感を麻美にもたらしていたのだが、奈津美から今、受けている乳房への愛撫は、全く次元が違った。体の奥が熱く燃え上がり、全身の感覚が研ぎ澄まされていく。

キスと乳房への愛撫だけで、麻美はエクスタシー寸前まで追い上げられていた。全身の肌がピンク色に上気し、細かい汗がびっしりと浮かぶ。かろうじて爪先がつくという状態の足が、ガクガクと震える。

そして麻美を責める二人の美少女も、興奮し、うっとりとした表情を浮かべていた。

「こ、これはすごいですね……」

その様子を見つめていた町田がつぶやく。すさまじく卑猥な光景が自分の目の前で展開しているのだ。町田のスラックスの股間の部分は傍目にもわかるほどに膨れ上がっている。それに気づいた権藤が笑う。

「ふふふ、町田屋さん。さすがにお若いな」
「いや、あの、すいません」
「結構、結構。羨ましいよ。ワシなどには、もう望めんことだからな」

権藤はどこか寂しそうな表情で笑って見せた。権藤はずいぶん前から、不能になっているのだ。元々、無類の女好きであった権藤は、自分で性交ができなくなると、その性欲を歪んだ方法へと発散させるようになった。女性を辱めることに何よりも喜びを得るようになったのである。

権藤は金とコネにものを言わせて、常時何人もの奴隷を所用するようになり、そうした奴隷を調教することに楽しみを見出していた。

ここ一年ほどは、この奈津美と江美子という二人の美少女に夢中になっていた。徹底した権藤の調教は、清純そのものだった二人の少女を、完璧なる牝奴隷へと変えたのだ。

「気持ちいいんでしょ、奥様…………」

奈津美が耳元で囁く。しかし、その指は乳房への責めを休むことはない。執拗に乳首を指先で転がされ、麻美はただ喘ぐだけだ。

「もう、びしょびしょになってるんでしょ? 奥様のいやらしいあそこを、ご主人様たちに見てもらいましょうね」

あまりの快感と興奮に、麻美の頭の中は真っ白になっていた。そこへ少女の言葉が響く。何を言われているのか、よく理解できない。理解できないままに、うなずいてしまう。

すると江美子が手際よく、二つの台を運んでくる。一メートルほどの高さの木製の台で、階段のような形をしている。それを麻美の前に少し離して二つ並べる。

「奥様、その台に登って、しゃがむのよ」
「は、はい…………」

麻美は、もう言われるがままだった。奈津美と江美子に補助されながら、その二つの台にそれぞれの足をかけて登っていく。当然ながら、足は左右に開いて行く。

「そこで、しゃがんで。奥様」

台の一番上の段まで上った麻美は言われるがままに、しゃがみこむ。まるで和式便所で座り込むようなポーズだ。全裸でそんな格好をすれば、当然のことながら恥ずかしい部分は丸出しになってしまう。しかし、意識が白濁している麻美は、大人しく従った。奈津美と江美子は素早く、麻美の手足を台に固定して、その格好のまま動けなくしてしまう。

奈津美と江美子の愛撫から解放された麻美は、しばらくすると意識を取り戻した。真っ白に霧がかかったようだった視界が、はっきりとしてきた。

「ひっ! い、いやぁ!」

麻美は叫んだ。自分がどれほど恥ずかしい格好を取らされているのかに気づいたのだ。そして大きく開いた股の下から、しゃがみこんだ権藤と町田が覗き込んでいるのだ。

「ひひひ、奥さん。すごい格好だね。何もかも丸見えだよ」
「ふふふ、とても子供を産んだとは思えないほど綺麗じゃないか」
「そうでしょう。色も形も綺麗なもんですよ。これでも昨夜は散々、ハメ倒してやったのですけどね」
「いやっ、いやっ、見ないで、見ないで下さい!」

開ききった恥ずかしい部分を下から覗き込まれるという羞恥は、あまりにも強烈だった。しかし台に固定されてしまった体は、その無残な姿勢のまま動かすことはできない。

「権藤先生、ほら、こちらも見てください。綺麗なものでしょう」
「ほお、確かにこれは、まれにみる美しい菊花だな。調教するのが楽しみだ。ふふふ」

麻美は、男たちの興味が自分の恥ずかしい窄まりにあることを知り、震え上がった。昨夜繰り返し浣腸されたおぞましい記憶が蘇ったのだ。

(続く)


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09.10.12更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |