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第8章 体育教師・けい子【10】

「さぁ、開くわよ。力を抜きなさい」

そう言って玲子はステンレス製のハンドルをゆっくりと握る。

「あっ、あっ……」

けい子が苦しげな悲鳴をあげる。深く挿入された肛門鏡の嘴がゆっくりとその口を開いていくのだ。当然、けい子の窄まりは押し広げられてしまう。

「ああっ、いやっ」
「だめよ、けい子先生。力を抜かないと痛いわよ」
「で、でも……。あ、ああっ」

これまでにけい子は、玲子によってアナル調教を受けてきた。大量の浣腸と強制排泄。そして少しずつ太いアナルスティックを挿入しての拡張。そして、執拗なひかりのアナル舐めでの性感開発。けい子の肛門は、性器として開花しつつあった。

しかし、肛門鏡によって奥まで開かれるのは、初めての体験だった。玲子は傷をつけないように注意しながら、そっと先端を挿入したが、やはり冷たく固いステンレスの異物を奥深くまで挿入されるのは、たまらなかった。しかも、その嘴が口を開いていくのだ。体の内側から押し広げられる苦痛に、けい子はのたうちまわる。

調教台にうつ伏せに拘束され、腰を高く突き出した恥ずかしい姿勢だった。これがけい子の肛門調教の時のポーズだ。女の羞恥の何もかもを曝け出したこの姿で、玲子は飽きることなくけい子の肛門を責める。

レズビアンではあっても、肛門性愛の趣味はなかった玲子だったが、アナルが最も感じてしまうというひかりを「私設奴隷」にしたことから、すっかりその魅力にとりつかれてしまったのだ。

遊びではなく、本物の奴隷を自分の物にして、そして一から肛門を開発してみたい。そんな欲望が抑えきれなくなった玲子は、父親にねだった。離婚した負い目から、甘やかし放題の父親は、その娘のわがままに応えた。

奉仕者リストの中に、自分を退学に追い込んだ女教師の名前を見つけたのは偶然だった。
あの憎たらしいけい子先生を自分の奴隷にしてヒイヒイ泣かせながらアナル調教をしたら、どんなに楽しいだろう。

そして、玲子は「私設奴隷」のひかりに続いて、本物の「奴隷」であるけい子を自分のものにしたのである。

「ほうら、お尻の穴がぽっかりと口を開けちゃったわよ、先生。すごいわね、初めてでこんなに開くなんて、さすが変態の肛門奴隷ね」

玲子はネジを回してハンドルを固定する。これでけい子は肛門を開きっぱなしにされてしまった。残酷なステンレスの器具によって、体の内部までさらけ出されているのだ。

「う、う、うう……」

肛門を引き裂かれるような苦痛と恥辱に、けい子はうめくばかりだ。まともに呼吸も出来ない。

「ふふふ、奥まで見せてもらうわよ、先生」

玲子はペンライトを取り出し、肛門鏡の奥を照らした。

「すごいわ、丸見えよ。へぇ、先生のお尻の穴の中って、こんなになってるのね。浣腸してお掃除してあげたから、全然汚れてないわ。ピンク色でとっても綺麗よ」

ライトの強い光がけい子の腸内を照らし出す。玲子の言う通り、それは排泄器官の内側だとは思えないほどに、鮮やかなピンク色だった。

「いや……、いや……、そんなところまで、見ないで……」

元教え子に肛門の奥まで見物される、そんな恥ずかしい目にあわされる女教師がいるだろうか。気を失いそうな羞恥がけい子を襲う。

しかし、恥ずかしい目にあえばあうほど、自分の中の妖しい疼きが大きくなっていくことも認めないわけにはいかない。広げられた菊花の下の肉裂は、どんどん潤みを増していくのだ。

「見ないでっていっても、こんなに広げちゃってるんですもん。嫌でも目に入るわよ、先生。でも、嬉しいんでしょ。こんなことされて興奮しちゃってるんだもん。本当にいやらしい変態奴隷よね、けい子先生って」
「ああ……。違うわ。本当に、苦しいんです。も、もう抜いて下さい……」

息も絶え絶えになっているけい子の拘束された手を、その横に座っていた全裸のひかりがギュっと握る。

「先生、がんばって……」
「あ、あ、ありがとう、ひかりさん。だ、大丈夫よ」

けい子は汗まみれになった顔を上げ、ひかりを見た。心配そうなひかりに、力なく微笑む。

そんな二人を見た玲子は、顔色を変えた。途端に不機嫌そうになり、唇を噛み締めた。

「あら、こんなにお尻の穴を広げられちゃってるのに、まだ余裕があるのね。じゃあ、もっと広げてあげるわ」

玲子は、ネジを緩めて、さらにハンドルを握りしめた。ギリギリと肛門鏡の嘴が開いていく。

「ひ、ひぃっ。も、もう無理です、玲子さん。もう裂けてしまいますっ」

けい子が悲鳴を上げて懇願するが、玲子は構わずに、さらに広げようとする。窄まりの皺が完全に伸びきり、巨大な空洞が口を開けていく。もうそれが、女性の肛門だとは思えないほどだ。

「ああっ、ああっ!」

喘ぎながら、けい子はのけぞる。その苦悶の表情を見たひかりは思わずけい子の頭を抱え込むようにして、唇を近づけた。

「先生、がんばって」
「ああ、ひかり、さん……」

ひかりが唇を触れさせると、けい子はむしゃぶりつくようにその口を吸った。舌と舌が激しく絡みあう。それは苦痛から逃れようとしての必死の行動だった。

「何をしてるの!」

玲子は二人のその姿を見て、激怒した。目を見開いて、睨みつける。しかし、二人は何も聞こえていないかのように熱い接吻を続けていた。

「奴隷のくせに、勝手なことをして!」

その怒鳴り声に、ようやく二人は唇を離して振り向く。そこには凄まじい形相の玲子がいた。

「れ、玲子さん……」
「あんたたちは奴隷なのよ。私の奴隷のくせに、勝手にそんなことして許されると思っているの!」

突然、怒りを露にした玲子に、けい子とひかりは怯え、震え上がった。

「二人とも、奴隷の身分を思い知らせてやるわ。覚悟しなさい、死ぬほどのおしおきをしてやるから!」

玲子がそう怒鳴った瞬間だった。大きな物音がした。玄関のほうからだった。続いて、何人もの人間が家になだれ込んで来る音。

「な、何?」

すぐに凄まじい音と共に調教室のドアが蹴破られた。そこには黒い制服を着た男たちが立っていた。手には銃を構えている。

「安藤玲子!」

男のひとりが叫んだ。

「動くな。国家奉仕法第百九十九条により、逮捕する」
「えっ!」
「一般人を奉仕者扱いすることは、固く禁じられているんだ。まったく、若い女のくせにとんでもない奴だ」

男たちは呆然とする玲子の腕を背中で拘束した。

突然の乱入者にけい子は拘束されたまま震え上がるばかりだった。男たちの目に、肛門の奥まで広げられた恥ずかしい姿を晒していることすら忘れて怯えていた。

「大丈夫よ、けい子先生。私たち、もう助かったんだから」

ひかりがそう言って、けい子の頭を抱きしめた。


クチュクチュと湿った音が部屋の中に響きわたっていた。そして二つの甘い吐息が交差する。

「ああん……。そこ、気持ち、いい……、先生……」

ひかりが思わず声を漏らす。もうついさっき4度目の絶頂に達したばかりなのに、また快感の巨大な波に襲われている。

「ああ、ひかりさん……」

そして今にも絶頂に達してしまいそうなのは、けい子も一緒だった。ひかりの滑らかな舌が、けい子の最も敏感な器官の奥へと滑りこんでくる。けい子の性感帯を知りつくしたひかりの愛撫は、あまりにも強烈だった。

けい子の部屋のベッドの上で、一糸まとわぬ二人は、汗まみれになりながら絡み合っていた。横向きで寝そべったまま、頭の向きを互い違いにしたいわゆるシックスナインの姿勢だ。お互いの頭を股間に挟むようにしている。もう何時間も二人はこんな姿で、愛し合っていた。

けい子の舌先が、ひかりの窄まりの皺のひとつひとつをなぞるように這い回ると、ひかりも負けじとけい子の窄まりの中心へ、舌先をねじ込む。たっぷりの唾液をまぶすようにして、その部分を舐め合う。

引き締まり、成熟した肉体を持つ女教師と、華奢で初々しい肉体を持つ少女の二つの裸体が、淫らな匂いをまき散らしながら、うねうねと絡み合う。

射精という終焉を持たない女同士の愛の時間は、いつまでも続くのだ。

それでもお互いに何度目からの絶頂を迎えた後に、二人は姿勢を直して抱き合いながら、会話を交わす。

「ああ、先生が私だけのものになるなんて、夢みたい」

ひかりは、とろけそうな笑みを浮かべて、けい子の豊かなな胸へ顔を埋める。けい子はそんなひかりの頭を優しく撫でる。

「あなたとこんな風になるなんて、あの時は考えたこともなかった……というのは、うそ。本当はずっとそんなことを妄想してたの。でも、絶対にいけないことだって、自分を押しとどめてたの」
「じゃあ、玲子さんには感謝しないといけないわね。あのことがなかったら、こんな風にはなれなかったんだから」

国家福祉法では、奉仕者ではないものを奉仕者扱いすることを厳しく禁じている。ひかりが奉仕庁に訴えたことで、すぐに警察が動いた。しかも玲子は未成年にも拘わらず、父親から実質的にけい子を奉仕者として譲り受けていたことでも罪は重なった。そのため、長谷川も責任を問われて逮捕。けい子の被奉仕者=ご主人様としての資格も失った。

こうした犯罪に巻き込まれた場合、新たなご主人様が決定するまで、奉仕期間は一時猶予を与えられるのだ。

「でも、新しいご主人様が決まったら、また先生と離れ離れにならなくちゃいけないのね」
「……そうね。しょうがないわ」
「私、お父さんにお願いして、けい子先生のご主人様になってもらおうかなぁ。そうしたら、ずっと先生と一緒にいられるもの」
「そんなことしたら、玲子さんと同じになってしまうわ」
「ちがうわよ。私は先生を奴隷扱いになんかしないもの。むしろ私が先生に奴隷としていじめてほしいくらいだもの」
「それもだめよ。一般の人を奴隷扱いにしたら、やっぱり逮捕されるわ」
「ふふふ、じゃあ、こうやってお互いに愛し合えばいいでしょ」
「あ、あん。だめよ、ひかりさん」

ひかりがけい子の乳首をつまんだ。強烈な快感が脳天まで走り抜ける。ひかりにどこをどう触られても、けい子の体は激しく感じてしまうのだ。ひかりはその反応に満足気に微笑むと、今度は指を股間のぬかるみへと沈みこませる。数時間前にベッドの上に上がってから、そこは一瞬足りとも乾いていない。常に樹液を溢れさせていた。

「あ、ああ、あん。ひかりさん、気持ちいい……」

けい子は切なげにうめく。ひかりの指が動く度に、甘い声が漏れる。

けい子はたまらなくなって、ひかりの小さな体を抱きしめ、キスをする。

「エッチな先生。すぐにこんなになっちゃうんだから……。どこを可愛がって欲しいの? 言ってごらんなさい」

けい子は熱く潤んだ目で、ひかりに言う。

「お尻を、もっとお尻の穴をいじめて欲しいの。お願い……」

ひかりは、やさしく笑うと、再び顔をけい子の股間へと近づけていった。

(続く)

※次週1月3日(月)の「赤い首輪」はお休みさせていただきます。次回の掲載は2011年1月10日(月)です。今後ともご愛読をお願い申し上げます。(編集部)
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著者=小林電人  長年夢見ていた自分の「理想のSMビデオ」を自主制作したことがきっかけで、AV&SM業界のはじっこに首をつっこむことになった都内在住の40代自営業。小説「赤い首輪」第一章をモチーフにした自主制作DVD最新作「首輪少女中○三年生 まる」の他、自分の感じ方に忠実なマニアックDVDを鋭意製作中!詳細をお知りになりたい方、購入ご希望の方はhttp://denjin.dtiblog.com/をご覧になるか、denjinkoba@livedoor.com までメールでお問い合わせ下さい。
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10.12.27更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |