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第1章 教え子・まる【4】

著者=
小林電人


全ての国民は2年間、国に全てを捧げてに奉仕する義務がある――。日本によく似た、しかし異なる某国で「奉仕者」の立場に転落した少女が辿る、絶対服従の日々。飼育・調教が法律によって認められた世界で繰り広げられる、 異色エロティックロマン!
 
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第1章 教え子・まる【4】


中学二年の夏休み、まりは久しぶりに夏美と会った。小学校の5年6年と同じクラスで、一番仲のよかった子だったが、卒業と同時に隣の県に引っ越してしまい、それからなかなか会う機会がなかったのだ。

駅前のファストフード店で待ち合わせをした。約束の時間に5分遅れて、夏美はやってきた。まりは、一瞬それが夏美なのだとわからなかった。それほど、夏美は大人っぽくなっていた。カラフルで大胆なデザインのギャル風ファッションに身を包んだ夏美は、高校生くらいに見えた。

「わぁ、まり! 久しぶりぃ!」

でも、まりを見つけて満面の笑みを浮かべた夏美の顔は、小学生の頃と変わらなかった。二人は抱き合って、きゃあきゃあと子猫のように笑いあった。

「なんか夏美、すごく大人っぽくなったね」
「そうかなぁ。まりが変わらなすぎるんだよなー。なんか小学校の時と同じみたい」

確かに丸顔であどけない顔立ちのまりは、中学生というよりも小学生というほうが似合いそうな幼さがある。Tシャツにデニムのスカートという野暮ったい服装も、それに輪をかけていた。

一方、夏美も、よく見ればまだまだあどけなさが残っているのだが、どこどなく危うい匂いを感じさせるのだ。夏美は、すでに自分が、男性から性の対象として見られていることを知っているのだろう。仕草の端々に、そんな女性ならではの自意識が感じられる。それがまだ無自覚な、まりとの差だ。

「ねえ、まりのクラス、かっこいい男の子いる?」

ストロベリーシェイクを飲みながら、夏美が聞いてきた。

「えー? 男子? 別にいないよ。バカっぽい子ばかりだもん」

まりがそう答えると、夏美は少し得意気な表情になる。

「本当に、まりは子供ねぇ。全然変わってないのは、なんかホッとするけどさぁ」
「じゃあ、夏美のクラスにはいるの?」
「同級生の男子なんて、子供っぽくて、ちょっとね」
「それなら私と同じじゃない」
「まりは、気になる人、いるの?」
「え? うーん……」

まりは言いよどむ。クラスで仲良しの友達とも異性の話題が出ないわけではない。しかし、なんとなく、まりはそうした話題を避けてしまうのだ。自分には、まだ早いという気がしている。

「私ねぇ、彼が出来ちゃった」

夏美の得意気な表情の理由はそれだった。まりは本気で驚く。

「えーっ、本当に? 相手はクラスの子なの?」
「まさか。大学生なんだけどね」
「うそ。そんな上の人と、どうして知り合ったの?」
「ふふふ、内緒」

そう言って笑う夏美の表情は、まりもゾクっとしてしまうほどの色気があった。ああ、夏美は、もう私と違うんだと、まりは直感的に思った。

「まりも、年上の人のほうが似合うと思うな」
「え、どうして?」
「前に小林先生が好きだって、言ってたじゃない」

「あれは……、そういう意味じゃないし……」

6年生のバレンタインデーの時、女の子たちは誰にチョコレートをあげるかで盛り上がっていた。半ば遊びではあったが、少しずつ異性を意識するようになってきた彼女たちにとっては大きなイベントだった。

同級生のサッカーの得意な男子にあげるという子、幼なじみの中学生にあげるという子、父親にあげるという子。そして担任教師の小林にあげるという子が何人もいた。まりもその一人だった。

小林は、若くもなく、特にルックスがいいわけでもないが、生徒たちをよく笑わせ、よく面倒を見るので人気があった。小林にチョコレートをあげようという女生徒たちも、恋愛の対象としてではなく、父親のような存在として小林を見ていた子がほとんどだった。

しかし、その年から教育委員会の指導により、学校にチョコレートを持ってくることが禁止となり、バレンタインデーのイベントは立ち消えになった。もちろん学校の外で渡すことは自由だが、小林に渡そうとしていた子はみんなあきらめて身近な男子や家族にあげることにした。まりも、自分の父親に渡した。父親はとても喜んでくれて、まりもそれでよかったのだと思った。

小学校の時、まりが小林に抱いていた好意は、その程度のものだった。中学生になってからは、小林のことを思い出すことも、ほとんどなかった。

しかし、夏美に言われてから、まりは急に小林のことが気になるようになった。中学校で好意を持てる男性教師や男子生徒がいなかったこともある。

何よりも、夏美の話はあまりにも刺激的だった。5歳も年上の男性との恋愛。車であちこちに連れて行ってもらえるデート。毎晩の電話。そして、先日、ついに迎えたという初体験。

自分と同じで、まだまだ子供なのだと思っていた友達が、すっかり先に女になっていたという驚き。

まりでも、セックスがどういうものかは知っているし、中学生のうちに初体験を済ませる子がいるという話も聞く。しかし、それが身近な友達となると、そのショックは大きい。

「男って、一度しちゃうと、もうそればっかりになっちゃうの。まりは、そういう相手が出来ても、簡単に許しちゃだめよ」

夏美は、大人ぶって、そんなことまで言った。そんな話を聞くと、夏美の胸がやたらと大きくなっているように思えて仕方がなかった。漫画やドラマ、小説などで知っていても、遙か遠くにあると思っていた「恋愛」「恋人」という言葉が急に近づいた。同時にセックスという言葉も近づいた。

夏美が大学生の彼氏とどんなことをしているのか、何度も想像してしまった。なんとなくは知っているけれど、具体的にはわからないセックスという行為。まりは乏しい知識を総動員して、それを想像する。

そうすると体の奥からモヤモヤとした感覚が湧き上がってくる。思わず、下着の上から自分の敏感な部分を擦ってしまう。擦っては、こんなことをしてはいけないんだと罪悪感にも苛まされた。

私は、夏美みたいにエッチな子じゃないんだ。まりはそう自分に言い聞かせて、我慢しようと思った。しかし、それでもつい手が伸びてしまう夜もあった。

そして、その想像の中の夏美と彼氏が、いつの間にかに自分と小林になっていることもあった。夏美の彼氏には会ったことがないのだ。想像もしにくい。つい、一番気になっている小林がそこに出て来てしまう。そうなると相手は夏美ではなく自分になる。

小林にキスされたり、胸を触られたり、股間を触られたりすることを何度か想像してしまったことがあったのだ。

だから、15歳を迎えてすぐに「赤紙」が届けられた時はショックではあったが、自分のご主人様になるのが、小林だと知った時は嬉しかった。

奴隷となった女はご主人様から性的な行為を求められても拒否することは出来ない。15歳という年齢で奴隷となることが決まって、自分の運命を呪ったまりだったが、それが小林相手なら、それはむしろ喜ぶべきことではないだろうか。

あの優しい小林先生なら、まりに性的な行為を求めては来ないだろうが、もし求められてもかまわない。小林先生に自分の処女を捧げられるなら、決していやなことじゃない。

まりは、少しだけときめきを胸に秘めて、小林の奴隷になる日を待った。



「いやっ、いやです。ご主人様っ」

ご主人様からは、どんなことをされても拒否をしてはいけない。それが奴隷の鉄則なのだが、まるは思わず叫んでしまう。

まるの両腕は揃えられて天井から伸びている鎖で吊られている。かろうじて爪先立ちが出来る程度の高さだ。鎖が繋げられた無骨な皮製の腕輪が手首に食い込んでいる。

体は一直線に伸ばされ、可憐な乳房も無毛の股間も一切隠すことはできない。そんなまるの体を、小林はさっきから何十分もいじくりまわし続けている。

肉体の隅々まで、指を這わせ、舐め回す。その巧みなテクニックに、まるの官能は燃え上がる。しかし、先ほどのように絶頂には追い上げない。ギリギリまで高めると、そこで止めてしまうのだ。

すでにクリトリスと肛門への愛撫で二度の絶頂を経験しているまるの肉体は、それを求めているのに、生殺しの状態に置かれる。

白い肌はピンク色に染まり、細かい汗がびっしりと浮かんでいる。息は荒く、悲鳴も甘いものへとなっている。そして無毛の肉裂からは、透明な汁が滴り、キラキラと濡れ光っている。触れればとろけてしまいそうなまでに、処女の肉体は高められていた。

もう十分だと見た小林は、ブリーフを脱ぎ捨てた。完全に勃起した肉棒が現われた。まるは一瞬目を見張り、そして瞼を閉じて悲鳴を上げる。そんな状態の男性器を見るのは初めてなのだ。

「やめて、いやですっ、怖いっ」

官能を十分に高められてはいたものの、その肉の凶器を目の当たりにして、恐怖に襲われたまるは悲鳴をあげる。あんな大きい物が自分の体の中に入るわけがない。

まるは怯え、自由を奪われた体を必死にくねらせて、逃げようとした。無駄なことはわかっていても、もがかずにはいられない。

「なあに、これだけ濡れていれば、それほど痛くないよ。本当なら無理矢理突っ込んで、悲鳴をあげさせるのを楽しむのがご主人様の特権なんだがな。おれは優しいから、十分に準備してやったんだ。さぁ、もうあきらめるんだな」
「ああ、いや、いやです。許して下さい」

小林はまるの両膝をつかむと、グイッと持ち上げた。

「ああっ」

両腕を天井から吊られたまま、まるの体は宙に浮いた。両脚が左右に大きく開かれているので、濡れ光る無毛の肉裂は剥き出しだ。

小林はまるの両脚を自分の肩の上に乗せた。まるの股間が小林の目の前に突き出される形になる。小林は指で、まるの肉の扉を開いた。可憐な一本線のような肉裂がぱっくりと口を開け、濡れ光るピンクの粘膜が顔を覗かせる。

「よしよし、これなら大丈夫だろう」

小林は好色な笑みを浮かべると再び、まるの両脚をつかみ、引っ張る。まるの腰と小林の腰が同じ高さの位置にくる。

「あ、あ、あ、いやぁ……」
「さぁ、いくぞ、まる」

小林はいきり立った肉棒の先端を、少女の中心部へと向ける。じわじわと腰を近づける。

「ああっ」

先端が、少女の敏感な部分に触れた。小林はわざと焦らすように先端を軽く触れさせて、左右に動かす。

「あんっ、あっ」

それは指や舌で愛撫されるのとは全く違った感覚だった。敏感な肉と肉が触れあっている。それはまるの体に新たな快感をもたらす。しかし、これから来るであろう破瓜への恐怖にまるの肉体は緊張したままだ。

「力を抜かないと、痛いぞ」

小林は狙いを定め、その中心地へと先端を触れさせた。ヌラヌラと熱い湿り気が小林を包み込む。その感触だけで、射精してしまいそうな快感だ。

じわり、じわりと、小林はそれを侵入させていく。まるの粘膜がそれを受け入れていく。

「あ、あ、ああ……」

ある程度まで進むと急に抵抗を感じた。

「さぁ、いくぞ。まる。ご主人様がお前の身体に刻印を打ち込んでやる」

そう言うと、小林はまるの腰を抱え込んで、一気に貫いた。

「ひぃぃぃぃっ!」

まるは熱い槍で体を引き裂かれるような苦痛を感じ、絶叫した。

両腕を天井から吊られて両脚を広げさせられ、宙に浮かされたままで強引に貫かれる。

それは、かつて山本まりが夢想した初体験とはあまりにかけ離れたものだった。たとえ相手が、その夢想したのと同じ小林であったとしても。

(続く)


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09.08.03更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |