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Alice who wishes confinement
私の居場所はどこにあるの――女児誘拐の不穏なニュースを観ながら倒錯した欲望に駆られた女子高生が体験する、エロティックでキケンで悩み多き冒険。理想と現実の狭間で揺れ動く乙女心とアブノーマルな性の交点に生まれる現代のロリータ・ファンタジー。オナニーマエストロ遠藤遊佐の作家デビュー作品!!「ああ、そ、そうか。アリスも生身の人間なんだからトイレだって行きたくなるよな。すぐに連れてくからちょっとだけ我慢しなさい。すまないけどもう一度手を縛らせてもらうよ。反撃して逃げ出されたら困るからね」
「私、逃げたりしません!」
手を縛るという言葉を聞き、まゆりは慌てて言った。
「男の人相手に暴れたって逃げられないことくらいわかってます。それに、その……お、おじさまはナイフも持ってるし、怖くて抵抗なんてできるわけないじゃないですか……」
「……もう一回言ってくれる?」
「え?」
「いや、今のよく聞こえなかったから、もう一回言って」
「?? おじさまはナイフを持っているから、逃げたりなんてできません――」
美少女の口から飛び出す“おじさま”という言葉が嬉しかったのか、タナベはうつむいてクククと笑った。
ああ、この人、完全にロリコン決定だわ。キモい……。まゆりは気付かれないように小さく眉をしかめた。世の援交女子高生たちは新しい洋服や化粧品を買うために、こんなキモい男たち相手にいやらしいことをしているんだろうか。ひきこもりで普通の男女交際すら経験のない自分には想像もできない世界だが、だとしたらしみじみ尊敬する。
しかし実を言えば、それ以上に感動もしていた。倍以上年齢の違う大の男が、自分の言った“おじさま”の一言をこんなに喜んでいる。こんなことは初めてだ。私だってお姉ちゃんみたいに男の人に影響を与えることができるんだと思うと、こんな状況なのになんだか気分が高揚してくる。
「おじさま、お願い。縛るのはやめてください……」
もう一度、今度は少し媚を含んだ声で言ってみた。タナベは笑いを悟られないよう、さらに下を向いてニヤついている。
――この人がキモいロリコンなのは、実はラッキーなことかもしれない。
藤原に以前「繭さんは『CCさくら』の大道寺知世に似てる」と言われたことを思い出す。どうやら私はロリコンのオタクにだけは好かれるルックスをしてるらしい。だとしたら、これは快適な監禁生活を送るための武器になるんじゃないかしら。
でも、ひとしきりニヤついたタナベはそんなまゆりの思いを遮るように、「やっぱりそういうわけにはいかないよ」ときっぱり言い放った。
「手を縛らせないなら、トイレには行かせない。ここでお漏らししたって僕は全然かまわないんだよ。君みたいに可愛い女の子のオシッコなら後始末くらいなんともない」
仕方なく、まゆりは両手を差し出した。膀胱は破裂寸前になっている。このままだと本当にお漏らししてしまいそうだった。
部屋を出て急いでトイレに向かう。尿意を堪えながらすかさず観察したところによると、築年数は経っているものの家自体はしっかりした2階建てだった。2月のまだ寒い時期に暖房がなくてもいられるところをみると、鉄筋作りなのだろう。あの部屋が防音になっていて暴れても外には聞こえないというのは、あながち嘘でもなさそうだ。
2階にはまゆりが監禁されていた部屋の他にドアがもう1つあり、1階にはダイニングキッチンとそれに続くリビングルーム、そしてトイレとバスルームがあった。ゆったりした2LDK、独身男が1人で住むには十分すぎる広さである。
「あの、少しの間だけでもこれをほどいてもらえませんか」
トイレの前まで来たところで、まゆりは懇願した。後ろ手に拘束されたままではドアを開けて中に入ることも、パンツをおろすこともできない。
しかしタナベの返事は冷ややかなものだった。
「ダメだ。君は僕の大事な宝物なんだ。逃げられたら困るからね。パンティを下ろしたりトイレットペーパーで拭いたりするのは僕がしてあげるから、安心して用を足しなさい」
「そんなのムリです! おとなしくします、5分でいいんです。なんだったらドアの外でナイフを持って立っててくれてもいいですから……」
「ふふふ、可愛いなあ。恥ずかしがってるのかい? でもこんなことくらい平気にならなくちゃいけないよ。これから2人で暮らしていくんだ、遠慮なんてしてたらやっていけない」
押し問答しているうちにもどんどん尿意は増してくる。ダメ、もう膀胱が破裂しそう……。
「わ、わかったからドアを開けて! 早くしないと出ちゃう!」
仕方ない、背に腹は代えられないわ。ここでお漏らしするよりは、ロリコン男にトイレを手伝ってもらうほうがまだマシよ。
タナベはうやうやしくトイレのドアを開ける。その中を見て、まゆりは一瞬めまいがした。
――わ、和式?!
嫌がらせとしか思えない。
古い家とはいえ、リビングやバスルームは綺麗にリフォームされた洋風なのだ。なのにどうしてトイレだけ和式なの……。
今どきの若い女の子がみんなそうであるように、まゆりも普段用を足すときは、おしっこの音が聞こえないように水を流しながらしていた。男性にジョボジョボという音を聞かれることさえ恥ずかしい年頃なのだ。洋式トイレに腰掛けてするところを見られるのならまだ我慢もできる。でも、便器の上にお尻まるだしでしゃがんで放尿するのを見物されるのは……。ああ、そんなの絶対に耐えられっこない。
「ほらぁ、早くしないと本当に出ちゃうよ、アリス」
一生懸命威厳を保っているが、タナベの口元は今にも笑い出しそうに歪んでいる。嬉しくてたまらないのだ。さあ脱がせてあげようね、としゃがみこみ、制服のミニスカートの下のパンティに手をかける。
「やだっ、やめて!!!」
そう叫んだ瞬間に、温かい液体がどっと下着を濡らした。堰を切ったように溢れ出し、止めようとしても止まらない。湯気のたつ黄色い液体が次から次へと白い太股を伝って流れ落ち、床に水たまりをつくった。ニーハイまでびしょびしょだ。
私、初対面の、しかもキモいロリコン男の前でお漏らししてしまった――。
おしっこが止まるのを待たずに、目からも涙が溢れてきた。恥ずかしい。頭がぼうっとなってどうしていいかわからない。泣いたら負けだ、こんなことで泣いてたら安楽な監禁生活なんて夢のまた夢だ。そう自分に言い聞かせるのだが、どうしても涙が止まらないのだ。監禁されたいという妄想をするようになってからいろんなシミュレーションをしてきたけれど、こんな感情は計算外だった。頭で考えるのと実際に体験するのとは全く違うものなのだと初めて悟った。
「ごめんなさい……」
なぜ私が謝らなきゃいけないの。悪いのはあいつのほうなのに。頭ではそう思っているのだが、どういうわけかそう口をついて出てしまう。ごめんなさい……ごめんなさい……。トイレの前に立ちすくんだままヒックヒックとしゃくりあげる。タナベはまゆりの足元でどんどん流れ落ちる液体をぼんやりと眺めていたが、しばらくすると立ち上がり、優しく頭に手を載せた。
「大丈夫だから、ちょっと待ってなさい」
そして隣にあるバスルームへ行き、清潔なタオルを何枚か持ってくると、汚れた床と太股を丁寧に拭き、もう一度「大丈夫だから」と言った。手を拘束することも、まゆりが逃げ出すかもしれないということも忘れているようだった。
それから、ショックのあまり抵抗する元気さえなくなっているまゆりをバスルームに連れて行き事務的な手つきで濡れたスカートとパンティを脱がすと、黙って汚れた下半身を洗ってくれた。シャワーから噴き出す熱いお湯が気持ちよかった。
バスルームにいる間も、ぼんやりした頭で「ごめんなさい、ごめんなさい」とつぶやき続ける。
その言葉にほんの少しだけれど甘く媚びる響きがあることに、まゆりは気づいていなかった。
(続く)
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