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第二課 ドナンの後継ぎはエメロンちゃん


往時(昭和三十〜四十年代)の『奇譚クラブ』や『風俗奇譚』の愛読者の肛門派にとって、まさにケッツの穴責めの霊泉水であった武田薬品のドナンが、製造されなくなって本当にまぼろしの浣腸液になった頃、上記二誌の誌上には、読者の体験告白に、洗髪液(シャンプー液)のエメロンを使うととてもいいという報告が寄せられたのです。

もともと医療用の浣腸液として、石鹸水を用いることは、肛門派なら誰でも常識としてよく知っていたことですから、シャンプー液は単純に考えて、石鹸水の濃縮したエキスのような物ですから、これはよく効く筈だと思い至る所です。

普通の刺激では物足りなくなっていた重症の肛門派たちにとっては、これこそドナンに替わる物よということで、たちまち広く愛飲(勿論ケッツの穴から飲む)されるようになったのです。

勿論二十代になったばかりの私も、遅れじとエメロンをケッツの穴から飲んでみました。

ヌルヌル・ズルズルとしたその感触は、ケッツの穴から中へ入っていく時、すでにこれは何か凄いぞ、という予感がしましたが、容器の三分の一も入れて立ち上がったら、ううんこれは違う、直腸が熱く燃え、内側の粘膜が三六〇度、一周グルッと指で器用に掻き廻されるようなくすぐったさと痒さを感じたと思ったら、もう次の瞬間上も下も、直腸の内側全体が、蛸を茹でている鍋の中のように、グラグラと煮え立ち沸き立ち、ああ、痒い痒いと思ったら、次の瞬間どんな凄い下痢よりも更に激しく、腸管が勝手にうねうねと大地震のように繻動運動を始め、内股にタラリと一筋、汗が流れるように液が洩れるのを感じ、これはいかんとケッツの穴を締めようと踏んばってみたのですが、ケッツの穴の縁がカーッと熱く燃えているようで、もう痺れ切っていて締まりません。

ケッツの穴の紐が馬鹿になってしまった(ラチあいてしまった)のです。

液洩れを防ぐため、私は本能的に両股をきつく閉じ、背後から掌を差し入れて、自分の手で自分のケッツの穴を塞ごうとしたのですが。

手で探ると何と、ケッツの穴は全開していて、股を閉じているので穴は一文字に蝦蟇口のように伸びていて、そこへ触れた指先は、何の抵抗もなく中に飲み込まれていくではありませんか。

指を三本揃えても、四本揃えても、ケッツの穴はアングリとそれを飲み込んだのです。そしてその指の隙間から液はタラタラと洩れ出します。

これは凄い、物凄い。私は背を大きく反らすと、自分の掌をぴったりとケッツの穴に押し当てて、泣く子の口を塞ぐように押さえて、ガニ股で便所へ走り込み、便器をまたいだらもう、しゃがむとまもなく、丼の水を逆さまにするように、ダダーッと一気に、直腸の中で煮えていたエメロンはのぞみ号(新幹線)のように通過していったのです。

その後のケッツの穴は、手を当てるとアーンと大口を開いてしまって、それだけではありません。悪酔いして返吐を吐いて吐いて、もう何も吐く物がなくても横隔膜がデングリ返ってゲエゲエとえずくように、ケッツの穴が何時までもえずき続けるのです。

それは息を吸わず、ただ吐き続けるように、ウンウンと自然にいきみが連続発生し、横隔膜が勝手に下へ下へと、リズムをつけてうねって押してくるのです。下痢なんかこれにくらべれば軽いものです。直腸粘膜も、下行結腸も、ケッツの穴から外へ出ようとするように押されて剥けて、ケッツの穴は「あーん」しているのです。

これは凄い、ドナンの効き目と優劣付け難い。それにしても便秘に悩む若い女性は、こんな凄い処置を受けるのか、これでは便秘が糸口となって浣腸愛好癖がつく女性が多いという、前記二誌の告白も納得できます。

ドナンやエメロンによる直腸や下行結腸への刺激は、これは普通の性交から得られるエクスタシーよりもはるかに大きいものです。

この味を知ったら、もう男女間の性器の結合にすぎない性交などは、刺激の少ないつまらないものでしかない、ということがよく分かります。

誠にケッツの穴や直腸こそは、男女の性別を超越した偉大なるオメコなのです。

男性諸君、肩肘張って必死にチンボを立てて能力以上の無理をするのは、何とも儚いものです。そんなプライドはさっぱり棄て去り、女性の前に屈して、ケッツの穴を犯してもらうのが良い。そうすれば明るい未来が眼前に開けてきて、人生観が変わる筈だ。

往時のシャンプー液は、エメロン以外の他のメーカーの製品でも、ほとんどがエメロンと同じ効力がありました。だからこの浣腸は正しくはシャンプー液浣腸と呼ぶべきであったと思いますが、エメロンという語の響きがいいので、往時の浣腸愛好者は、「エメロン浣腸」と呼んだのです。

(続く)
横田猛雄.jpg
横田猛雄 1990年3月号より『S&Mスナイパー』にて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そして『WEBスナイパー』にて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です!
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09.12.30更新 | WEBスナイパー  >  お尻の学校
文=横田猛雄 | 絵=伊集院貴子 |