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数回にわたって当講座に登場しているケッツに大きな花を咲かせたSMの大家なる人物、彼はいったい何者なのか?と不思議に思っている方も多いのでは? 今回の講義は、かがい授業として彼とSM業界についての講義を行ないます。横田教授の熱い授業をご期待下さい。先月やそれ以前にも登場したケッツの穴に見事な紅牡丹の花を咲かせた謎の男、名はここでは記さぬが、予習・復習をきちんとやる熱心な肛学生諸君なら、皆分かっているはずのその爺、こいつは自らをSMの大家と名乗っているが、実はとんでもない食わせものなのです。
このペテン師の行状を記して、これ以上被害者が出ないようにすることが、SM界のクリーン化に最も役に立つと考えますので、こいつの正体を諸君に語って聞かせよう。
私の青春時代、つまり昭和三十年代から四十年代には、SMはまだ現代のように広く一般の人には知られてなくて、異常性欲とされ、隠れキリシタンのような一部の人たちの秘密の性向とされていました。
当時のSM志向者(ケッツの穴研究者も含めて)の経典とも言うべき月刊誌が『奇譚クラブ』と『風俗奇譚』の二誌で、『奇譚クラブ』は大阪から、『風俗奇譚』は東京から出版され、当時はこれら二誌は、子供や一般客の目に付きにくい、店の奥のレジの脇などに置かれていたものでした。
それでもこれら二誌は、控え目な表紙の装いながら、どこでもかなりの冊数が山積みされていましたから、密かながら、かなりの愛読者が存在したようです(置いている書店は限定されていたが、マニヤは特別の嗅覚で上手にそれを探したものです)。
その『奇譚クラブ』の編集者の一員として一時働いていたのが、このケッツの穴の花咲か爺なのです。
今のようにSM趣味が一般化していない、本物のSM性向者のみの密かな愛読書であった同誌には、読者投稿欄があったりして、地方の重度のSM者からの手紙や写真が多く寄せられ、その内容は秘密の性向の告白や、秘技(いわゆるSMプレイ)の写真で、しかもそれらを送ってくるのは地方の医師とか政治家、実業家、教育者など、地位のある人が多く、それも出版社を信頼してのことであったのです。
第二課 花咲か爺の地方廻り
赤裸々なその告白文や責めの実写は、それを寄贈した本人のプライバシーの保護を完全にすべきであることは、言うまでもないことです。
が、このケッツに花の咲いた男には、密かに卑劣な下心があったのです。
この男は、同誌のグラビヤに使っている被虐モデルの女性を連れて、告白文や写真を送ってきた地方の読者の中のめぼしい人の宅を訪問して廻り始めたのです。
その地方廻りは全く彼個人の密かな計画であるのに、あたかも社用のように装って、同行の女性を相手に見せて「これがうちのあのモデルです。いつも誌上の被虐写真でおなじみの……」と言い、「この娘とプレイしてみませんか?」と持ちかけ、そうやって巧みに相手を信頼させるのです。
すっかり心を許した相手が、夫婦間や愛人間で密かに撮影した自分たちのSM写真を出して見せると「社のほうに是非貸してほしい」と言ってそれらを鞄に入れ、「わざわざ大阪の出版社からこのような遠方に来てやったのだから」と言って、往復旅費や宿泊費を相手に出させ、相手がその告白文や写真の返却を迫ると、それを外部に公開するぞと言って脅していたのです。
そうやって他人の秘密を握り、秘密の資料を収集し続けてきましたが、やがてその悪事がばれてしまい、出版社を追い出されてしまいました。
(続く)
10.09.01更新 |
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