第12講 エメロン浣腸の威力【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 ああエメロンよ
エメロンシャンプーは、『奇譚クラブ』、『風俗奇譚』の二誌のあった昭和三十〜四十年代には、浣腸薬として一番強烈な、あの武田薬品のドナンに、勝るとも劣らぬ優れ物として、一部の重症の浣腸愛好者に愛用され、このため「エメロン浣腸」という言葉まで生まれた程でした。
その頃も、シャンプー液としては、エメロン以外にも色々あり、そのどれを使っても、エメロンとほぼ同じような効果がありました。
本当は「シャンプー浣腸」と呼ぶべきなのですが、シャンプーといえば誰もがすぐエメロンを思い浮かべますので、皆がエメロン浣腸と呼んで、洗髪剤のシャンプー液をお尻の穴から入れて楽しむことを知っていました。
昭和三十八年、『奇譚クラブ』で初めてエメロン浣腸の体験告白を読んだ私は、シャンプー液なら石鹸の濃縮されたようなものだから、普通の石鹸浣腸をより強烈にした効果があるだろうと、直ぎ理解しました。
これはいいとさっそく試してみたのです。
東京杉並の、善福寺という池の端のアパートの畳の上で、一瓶の半分を注入したところ、たちまち入道雲が湧き起こって、今にも夕立ちが来そうな夏のように、お腹の中で雷鳴がとどろき始めたので、あわてて下駄を引っ掛けて裏の杉林の中にとび込み、ズボンを下ろすや否や、まだしゃがまぬ中腰のまま、シャアー、ピュウッと一直線でした。
そしてケッツの穴からは、蟹のようにブクブクと泡を吹いて……。
そのようにして私は二十代の初めに、エメロンの味を知ったのです。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
07.12.16更新 |
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