第19講 続・便秘体験告白【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 俎の上
産科・婦人科の診察台は、実話雑誌の写真頁で見て、大体のことは承知していたつもりですが、いざ自分がパンツも何もかも脱がされて追い上げられて見ると、実に心憎いまでに強制的な器械です。
仰向けに寝ると、
「もっとお尻の方へ下かって!」
と看護婦さんが頭の方に廻って私の両肩を押し、赤ん坊がおしめを替える時のように、上に挙げていた不安定な両足は、斜めに開いて挙げたまま、ベルトで足架にしっかりと固定され、その足はハンドルの操作で更に大きく左右に開かれてゆきました。
その時の感じは、遊園地のボートを岸に着け、片足を岸に、別の足をボートに乗せて、そのまま股が開いてゆくような、あんな不安を暗示する動きです。
若い女医先生の見下ろす前で、私の股間は、どんどん拡げられました。
驚いた私が、
「ああ……っ」
と言って上体を起こしそうになったものですから、
「腕と手首も固定して!」
と言う先生の声に、私は丁度万歳をしたように両手を真っ直ぐに伸ばした姿勢で、肘と手首とをベルトで固定されてしまいました。
ああ、これで完全に磔にされてしまったんだなあと、ホッと息を吐くと、何と今度はあの開かれた両足が、看護婦さんのハンドル操作で、ググッとせり上がって来ます。
膝頭が深く曲げられて、お腹の両脇に接近するように、非情に、強制的に足架が動くのです。
オメコをする時、女が男を迎えるような姿勢にされて、一日正まりましたが、女医先生は、
「駄目よ、もっと足をあけさせなくっちゃ、これからやるのは肛門の処置ですからね!」
と、自分で手早くそのハンドルを一気にぐいと上げました。
「婦人科の態位じゃ膣が正面だけど、これからやるのは肛門が中心ですから、肛門を見やすくするには、もっと両膝を曲げて、脚を患者さんのお腹の両脇に引きつけて、骨盤がやや浮き気味になるまで脚を挙げさせるのよ。ほらこうすれば肛門が正面に来るでしょう」
と、完全に露呈された私の肛門を、示指でチョンとつついてみせました。
「米田医院(先に行った内科・小児科医院)で何度も浣腸したそうだけど、どれ、そんなにひどいの?」
と言いながら、先生はいきなりゴム手袋をした右手の二本の指を、私のお尻の中ヘグイと押し込んできました。
お尻の穴のもう直ぐの所まで、秘結して迫ってきている所を押されたのですから、その圧迫感のきついこと、もろです。
直腸はおろか、横隔膜まで響きました。
便は固く、下行結腸まで詰まっているのですから……。
大きく拡げられた股間は涼しく頼り無くて、そんなお尻の穴をグイと女の先生に押されて、私はもう頭がボウッとしてきました。
串刺しにされているみたいな快感てす。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.10更新 |
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