第19講 続・便秘体験告白【3】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第三課 フィストファック
看護婦さんがステンレスの盆に載せて持って来たものを横眼で見たのですが、何と凄い器具が載っています。
実話雑誌の写真で見たり、当時(昭和三十六年頃)雑誌『風俗奇譚の広告で知られ始めた、アダルトショップの元祖の一軒であった新宿駅南口、甲州街道沿いの、「パラダイス北欧(北欧商事)」に初めて実物が並び始めた、産科・婦人科用の内視鏡(膣鏡)のクスコ式膣鏡です。
これは性具として男が女のオメコを覗くのが尋常な使い方なのですが、SM志向の人達やホモ族の間では、これを肛門から挿入して、直腸を覗く器具として用いたものでした。
あのクスコは、家鴨の嘴をやや細くした形をしていますが、今盆に載って出て来たのは、そんな細い代物じゃありません。
長さはクスコと同じくらいで、十センチ程ですが、幅は家鴨の嘴よりよほど広くて、あれをあのままズボッと入れられ、根本まで押し込まれたら、相当拡げられるに違いないという恐ろしい器具です。
そのうえ、よく見ると、クスコと違って開口用のネジが二カ所にあります。
「これでお尻の穴開かれるんですか?」
と聞く私に、
「そうよ、中絶と同じような処置するんですからね、目一杯拡げないとやれないでしょう、メロンみたいな塊を割って掘り出すんですから……、これ使えばまあ、お口をあーんと開いたくらいは広がるんだから」
と言いながら、看護婦さんはよく見えるように、私のお臍の上にそれを載せます。
温めてあるようで少し熱いくらいで、よく見ると、幅の広い嘴の横根本に付いたネジで、嘴がパッタリと開くようになっていて、それを全開にし、更に取っ手に設けられている長いネジを廻すと、全開の二枚の嘴が、根本から更に上下に離れて大きく大きく拡がってゆくという優れ物です。
実際にやって見せてくれましたが、全開にすると、看護婦さんの掌が、楽にスッポリ出し入れ出来、拳骨にするとやや窮屈ですが、何とか出し入れ出来るようです。
「本当にこんなに拡げるのですか、裂けないですか」
と聞く私に、彼女は平然として、
「人間の筋肉は驚くほどよく伸びるんだから、これ位当たり前ですよ!」
とのことです。
今ここで思い出すのは、これよりも二十年近くたってから、そう昭和五十七〜八年頃のことですが、名古屋・岐阜地方を地盤にしていたストリッパーに、ルビー明日香という人がいました。
ルビー明日香さんの売りものは、フィストファックショーで、彼女の凄い所は、普通では拡がらない若い乙女(自分)のオメコを拡げるために、特別に医者に教わって、自分で自分のオメコの縁に局部麻酔の注射を打って舞台に登り、コンドームを被せた客の手首を、文字通りオメコに深々と入れさせるといった過激さにあったのですが、一日四回、連日の麻酔注射に、腰から下が痺れたままで、そのため彼女は腕だけで這って舞台に登場して、スポスポに弛んだオメコを差し出して、観客に入れさせていました。
今これを思うと、私の場合は両脚はきつく固定されていましたからよく分かりませんが、お尻の穴の縁に打たれた局部麻酔は、腰部全体とか下肢にまでは及んでいなくて、お尻の穴だけに局部的に効いていたように思います。
先生や看護婦さんは、私の太股の内側の肉がぴくぴくするのを、とても面白がっていたくらいですから(お尻の穴を拡げられ、直腸を覗かれる快感は、まさに極楽の境地です、皆さんもぜひ一度は自分の身体で体感経験してみて下さい)。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.12更新 |
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