第20講 続々・便秘体験告白【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 お尻の穴の全開
産科・婦人科の検診スタイルよりも、更に両脚を掲げてきつく屈曲させた、お尻の穴が最もさらけ出される態位に固定された私のそのお尻の穴には、縁にまでベットリと広くワセリンが塗り込まれます。
そのまま女医先生の指が二本押し込まれ、その指が三本になり、更に小指も加えられて四本になったようです。
お尻の穴は痺れてしまっているので、よく分かりませんが、看護婦さんが私の側で、指で先生の動作を真似て見せてくれますから、何だか目一杯拡げられたような圧迫感が、腸の中に感じられたと思った時、それが四本指の入った時のようでした。
先生のあの白い細い手の指が、四本揃って私の直腸の中に潜り込んで、メロンみたいな大きな、私の分身?である塊を支えているのは、その塊が腸壁の奥を押しますので、胃の方、つまり鳩尾の方にまで圧迫が伝わってきて、意外とよく感じられます。
穴の戸口は痺れていて感覚はありませんが、これは何ともいい気持ちですよ……。
ついうっとりしていたら、ヘラのようにグリグリとこね廻していた先生の指がスッと抜かれ、ホッと一息ついた空白期をねらって、間髪を入れず、温かくて固いのが、ズルッと押し入ってきました。
滑り込んで来たという感じで、これも全く呆気無かったのですが、唯今度のは違います。
硬いあのステンレスの嘴で、真っ直ぐに押すのです。
中のメロンの塊が、キツツキにつつかれるように刺戟され、奥へ奥へと圧迫され、胃や横隔膜に強い圧迫があり、何だかお尻の穴から大砲の弾を、一発押し込まれたような迫力です。
私は子供の頃(昭和二十三年頃)、海岸で本物の大砲の弾を見、触ったことがありますが、直径が十四〜五センチくらいで、長さが三十センチ程はあったと記憶しています。
そんなのが、大砲に弾込めするように、私の直腸に押し込まれたような圧迫感と充満感です。
やがてその侵入者、膣鏡「櫻井式のL型」は、ネジで大きく拡げられたようで、看護婦さんも私のお尻の方へ廻って、女医先生と二人で、拡げられた私の内側を覗いています。
鯉幟の口のように、パックリと大きく開ロさせられたお尻の穴から、石のように秘結した便を掘り出す方法は百人百流。
医師によってそれぞれ、思い思いのやり方があるようです。
直腸内の便が軟らかくて、唯排便感が起こらないというだけならば、お尻の穴を膣鏡などで開口しなくても、指を二本入れて掻き出すだけでよく、或いは硬い便でも、ウサギの糞のように小さい塊が一杯詰まったようなものであれば、二本の指で一つ一つを、挟んで掻き出せばいいので簡単なのです。
しかしメロンやヘチマやウリや、まして石地蔵のような、大きな一枚岩の塊になってしまった場合は、これはもう出口であるお尻の穴より、中で大きく育っている訳ですから、余程の手練の医師でなければ、とても掘り出せるものではありません(もっとも帝王切開のように腹を切って取り出すというのなら別ですが……)。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.13更新 |
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