第21講 遂に開通なる【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 ドリル刃は迫る
ピンバイスで根気よく開けられた導点の小穴に、速度コントローラーで回転を遅くさせたドリルの刃が、フレキシブルシャフトの接続により、柔軟に方向を選びながら迫って来ます。
ヂイイッと、秋の夜長にオケラの鳴くのと同じような音をたてて、ゆっくり廻転するドリルの刃は、ぴったりと導きの穴に納まったようで、糞塊を通じて私の直腸壁はビビビッとリズミカルな、耳元で羽虫が飛ぶような小刻みな震動を感じ始めました。
硬い人造岩とも言うべきウンコに、ドリルの刃が潜り込んで、掘り進んで来るのです。
掘られるのは、何とも言えないいい気持ちのするものです。
耳掻きで耳掃除をするのが心地良いのは誰もが体験してよく知っていることですが、あんな小さな物で粘膜をコチョコチョやられるだけで凄いリビドーを感じるくらいですが、あれの何百倍も強烈な快感なのです。
ドリルの刃が深く刺さり込んで来るに従って、回転が苦しくなり、つまり刃先がウンコに包み込まれて動きにくくなると、先生が速度コントローラーのスイッチを低速(ロウ)から高速(ハイ)に切り換えるので、ウンコの中でドリルの刃は必死に廻ろうとするので、まるで鼻の穴の中に蜜蜂が入ったように、ウイイン、ブウンブウン、ウイインと呻リながらウンコが震動させられ、まるで泥道ににえ込んだ自動車の輪のように苦悶しながらドリルの刃は回転するのです。
数分かかって、ドリルの刃はやっと奥まで、そう深さ四〜五センチは通ったようで、「ようし上等よ、穴あけ完了!」と先生はフレキシブルシャフトを抜去しました。
「さぁ石炭の掘り出しだよ!」
と笑った先生が、診察台のハンドルを廻すと、開陳スタイルの私の頭の方が、ゆっくりと下がって行きます。
水平よりやや上体が低く、つまりお尻の穴が高くなるように、ハンドルで私の身体を調節した先生は、看護婦さんからシャーレに入ったサラダオイルとスポイトを受け取り、何と今開けた私のウンコの穴の中に、油を注入するというのです。
穴の奥にサラダオイルがよく入るように、頭を低くさせたのだというのです。
私は低く傾けられた頭をもたげて、大開脚させられた自分の股間を見ると、先生はスポイトで熱心に、根気よくオイルを注入しています。
今開けた穴にオイルが染み渡り、何とか少しでも軟らかくして、掘りやすくしようというのです。
注入するのはよく染み込むように、サラダオイルや石鹸水を使うのだそうです。
サラダオイルが硬いウンコの穴に充分染み込むようにと、暫く小休止でそのままに放置され、やがて又頭の方が高くなるように戻されて、いよいよウンコの塊が掘り砕かれるのです。
看護婦さんが先生に手渡したのは、何と、電気屋さんがよく使っているあの嘴の細長く尖ったラジオペンチなのです。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.16更新 |
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