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日本女性の長い黒髪に捧げる超パワフルな連作イラストを見よ!
あぶらいふ的マニアサイト探訪
情熱の長髪マニアサイト『中年ロングヘアー』で味わう
「髪長OL由香さん」の絶品ワンダフル・ワールド!
女性の長い黒髪を繊細かつパワフルに礼賛するSNAKEHEART氏。その情熱の結晶ともいうべき不朽の名作「髪長OL由香さん」に酔い痴れつつ、氏が進める「長髪に特化した参加型ネット辞書」の将来を思う。
日本女性の長い黒髪に捧げる超パワフルな連作イラストを見よ!
あぶらいふ的マニアサイト探訪
情熱の長髪マニアサイト『中年ロングヘアー』で味わう
「髪長OL由香さん」の絶品ワンダフル・ワールド!
文=井上文
女性の長い黒髪を繊細かつパワフルに礼賛するSNAKEHEART氏。その情熱の結晶ともいうべき不朽の名作「髪長OL由香さん」に酔い痴れつつ、氏が進める「長髪に特化した参加型ネット辞書」の将来を思う。
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もしも過去の「ある1日」に戻ることができるとしたら、webサイト『中年ロングヘアー』の管理人・SNAKEHEART氏は迷わず「1982年12月14日」を選ぶという。なぜならば、その日は氏が(女性の)「かかとまで伸びた超・超・超ロングヘアー」を肉眼で目撃した唯一の日だからである。
確かに最近、いや昔だってかかとまで髪を伸ばした女性にお目にかかる機会があったかどうか……。テレビでならともかく肉眼で見ることなんて一生ない人もいるだろう。だから氏は、「1982年12月14日」にその女性の後をつけなかったことを「一生の不覚」と今でも後悔しているのである。
「あの時、あの程度の急ぎの用事(仕事)なんかすっぽかして、あの絶世のかかとヘア美人さんの後をついて行って、あの美しい長い長い長〜い髪を間近で見せて頂き、あの素晴らしい髪のかぐわしい香りを嗅がせて頂き、そして椅子に座る時には、あの髪をどの様に処理して座るのか、それから、ここまで髪を長く伸ばす女性とは、いったいどの様な顔をしているのかだけは最低確認しておけばよかった.…….」
事実、その後氏がお尻を越えて太腿にまで至る長髪の女性を見るまでには「7年」の歳月を要したという(今に至るまでかかとまである髪を見たのは1982年が最後)。この経験を経て、氏は見事な長髪の女性を街で見かけるとしばらく後をつけてじっくりと観察し、「その感動と美しい姿を少しでも長く明確に記憶しておきたい」と瞼の裏の残像を「髪長絵日記」と題して描き写すようになった(長髪女性タレントのビデオ録画はもっと前からやっているという)。
そしてさらに時を経て、1999年に「ロングへアー版参加型ネット辞書を目指して」長髪フェチサイト『中年ロングヘアー』を開設、尚もつのる長髪への熱き思いに火照っているのである。私はこのサイトを日本で最も情熱的な長髪マニアサイトだと思ってブックマークし、同じく一人の長髪フェチとして尊敬もしているのだ。
↑『中年ロングヘアー』の扉。SNAKEHEART氏が撮りためた長髪女性タレントのビデオが画撮で散りばめられている。
特にどこがいいかと言うと、まず、氏の「日本女性のまっすぐな長い黒髪はこの地球上に存在する物質の中でもっとも美しい」「長〜い黒髪の美しさに比べると宝石なんてゴミみたいなもん」という力強い発言に(私は)癒される。「ハサミなんてどこのどいつが発明しよったんや!?」なんていう長髪フェチにだけ共感できる独特の視点が溢れていることも気持ちがいい。そして何より、投稿作品(長い髪小説や長い髪目撃情報、長い髪のタレントが映ったビデオ自慢、長い髪漫画、長い髪イラストなど様々)と同列に掲載されている氏の連作イラスト「髪長OL由香さん」が大好きなのである。
つくづく個人的な思い入れではあるが、『中年ロングヘアー』の象徴的存在とも言える作品なので、このサイトの魅力を伝える意味でしっかりフィーチャーしておきたいと思う。内容は氏の「心の恋人」だという女性キャラクター・永島由香さんの日常のささやかなひとコマだ。由香さんの髪は真っ黒で、かかとまでの超ロング。「海水浴」編や「お正月」編など様々なシチュエーションがあり、それぞれに大量のシーンが描かれているが、ここでは私が特に気に入っている何枚かを抜粋して掲載しよう。
↑第15話「由香さんの髪長お正月」より。微笑ましい出来事の中に由香さんのコケティッシュな魅力がたっぷりと表現されている。
↑第16話「由香さん、髪を横分けにする」より。通勤途中の由香さんが高校時代の同窓生(この女性も見事な髪)とバッタリ会い「こうすると前が見えやすい」という理由で髪の毛を吊革に通されるシーン。素晴らしいデコレーション!
ひと目見て、その髪の圧倒的な量に笑みがこぼれてしまわないだろうか。これだけ髪の体積があったら由香さん自身も不便に感じていそうなものだが、超長髪ゆえのトラブルが起きたって彼女はいつも笑顔だ。そのはにかんだ笑顔がまた可愛らしく、長髪の魅力をさらに煽る。想像を掻き立てる。個人的には胸がキューンと締めつけられるほどである。
↑第18話「由香さん、髪を横分けにする・第二部」より。会議室にお茶を運ぶ由香さんの仕事ぶりと、「この前髪、櫛で梳かせてくれへんやろか」とついに口に出してしまった上司のドキドキ髪梳き体験。
次々に起こるミニマムで幸せなハプニングの悩ましさはどうだろう。作中で由香さんの髪に触れている男が羨ましくて仕方がなくなってくるくらい……。それはたぶん、SNAKEHEART氏自身の気持ちでもあるはずだ。女性の髪が持つ独特の神聖さ、「女の命」とも言われる髪への畏敬の念、そして美しさへの震えるような感動が、描かれるエピソード(発想の一つ一つがツボ!)や濃密な絵のタッチに表われているだろう。
↑前身「髪長少女由香ちゃん」より。少女時代から髪が長かった由香さんは、三つ編みを作る場面だけでもこんなに人をドキドキさせるのだ。
併せて見て欲しいのは、先にも書いた「髪長絵日記」である。街で実際に観察した長髪女性が絵だけでなく文章でも細かく記されているのだが、たとえばその髪に触れてみたいという気持ちや葛藤、抜けてぶら下がっている毛が欲しくて身を屈めた時の具体的なスリル、風に乗って運ばれてきたシャンプーの香りに卒倒しそうになった快感など、長い髪ファンの日常的な心情が色鮮やかに、生々しく描かれて興奮させられる。「髪長OL由香さん」には、それらの体験や蓄積された妄想がエキスとしてたっぷり注入されているのである。
↑『髪長絵日記』より。日付を記した絵の他、場所やシチュエーションを示す文章が添えられる。
現在、発表されている「髪長OL由香さん」は第19話まで。そろそろ新作が待たれるこの頃、一つ残念なのは、2009年2月現在、メール環境の事情ということで投稿欄が休止状態にあることである。『中年ロングヘアー』は「参加型ネット辞書」を目指すというSNAKEHEART氏の願い通り、氏の情熱に賛同した長髪ファンの協力もあって着々とボリュームを増してきた。「投稿や書き込みをして下さった方々1人1人に対して感謝の気持ちを忘れないようにしたい」という氏が膨大な投稿の全てにコメントを残しているのも好きな理由の一つだった。
↑マット運動をする由香さんの絵コンテ。長い髪が引き起こす可愛らしいドラマが頭の中に充満!
実はもう4年も投稿欄が止められているので少し心配だ(更新はされている)。他のどこにもない、長髪に特化した「参加型ネット辞書」の編纂はどうなるのだろう。仮に、もしSNAKEHEART氏が運営自体を辞めてしまったら、「1982年12月14日」の女性ではないが長髪(正確には超長髪)だけにこんな情熱を傾けたサイトを作る人には永遠にお目にかかれないと思う。もちろん辞書の編纂も終わる。今回初めて『中年ロングヘアー』を知ったという(超)長髪ファンには、ぜひこの偉業に関わって欲しいと勝手に思っているのだ。ネット上では誰とでも簡単に繋がれるとは言え、SNAKEHEART氏の熱い仕事(非営利)にノレるのは同じ(超)長髪ファンだけだ。
文=井上文
『中年ロングヘアー』
http://www1.kcn.ne.jp/~snake/bigsnake/index.html
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井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。 |
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