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The ABLIFE August 2011
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。

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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第24回の受付案件
113、「オナ禁がツラい」
114、「女性の口臭に勃起する」
115、「ムダ毛を処理しない女性」
116、「私と仕事とどっちが……」
117、「理想の死に方」


113、「オナ禁がツラい」
芳野先生こんにちは。21歳の男です。僕には付き合っている彼女がいて、普通にセックスもしているのですが、彼女とセックスした直後でもオナニーがしたくなるほどオナニーが好きです。だいたい1日に3回はしています。ところが彼女はそんな僕に「オナニーしないで。女としてのプライドが許さない」と言うのです。オナニーのせいでセックスができないのならともかく、セックスできているのにオナ禁はつらいです。僕の中でセックスとオナニーはまったく違うもので、オナニーで彼女を侮辱しているつもりもありません。ただしオナニー中に他の女性のことを考えてしまうことがあるという弱みがあることもあって、僕にはオナニーとセックスの違いを彼女に上手く説明してあげることができずにいます。芳野先生、こんな時はどんな切り口から彼女に応対していけばいいでしょうか。(大学生/ユキト)

君は、交感神経が異常なのかもしれない。
彼女の穴ぼこにしろ、君の指にしろ、絶えず新生される精子を射出するのは、極度に緊張した交感神経ですからネ。
連続射精して、交感神経を連続緊張させると、そのあおりで死んじゃうこともあるらしいヨ。
もっとも、高年齢になると、射精どころか、緊張だけで死んじゃう男もいるけど――これを腹上死といいます。
きみの場合は「オナ死」だな。

ムカシ、ムカシ、中高生の頃だったけど、オナニースポーツ大会でさ、指ジマン、ボッキジマンが集って、射出大会をしたの。
若い頃の精液の飛距離の平均は60センチらしいけど、もっととんだと思うヨ。なんたってスキージャンプだからネ。
これが老人になると「ポトリ」だわさ。
射精ってくしゃみと同じなんですって。ワンパターンったらありゃしない。
それだからこそ、彼女の穴ぼこや指でシコシコするにせよ、くっしょん、くっしょん、精液をまき散らしている。
のべつまくなしに発情しているのが人間なんだから、それが自然といえば自然だけどさ。

彼女へ――
「プライドが許さない」のなら、彼のオチンチンに大きな錠つきのペニスサックをはめて、オナニーをさせないようにしてしまいなさい。
ペニスサックに鎖をつけ、犬の散歩よろしくデートするのも面白い。


114、「女性の口臭に勃起する」
27歳、男性です。自分は女性の口臭に勃起していまいます。臭ければ臭いほど興奮し、本音としては口臭の強い女性の口内に鼻を突っ込んでクンカクンカと嗅ぎたいです。恋愛経験も少しだけありますが、この性癖を相手に告げたことは一度もありません。ですからいつも悶々としていますし、この先もずっとそうだと思います。悩みとしては、せめて同じような趣味の人が自分以外にもいると(もしいればですが)知りたいということです。様々な性癖に詳しい芳野先生なら、もしかしたら私と似たような、もしくはまったく同じ嗜好を持つ人をご存知かも知れないと思い、メール致しました。人生相談という感じとは少し違っていて申し訳ないのですが、ご存知のエピソード等、教えていただけたら幸いです。(自営業/白仙)

女性の口臭にボッキなんて、すばらしいことです。
なんたってストレスインポが増えている時代ですから、なんにでもコーフンしてボッキすればよろしい。
口臭の甘ったるい彼女の唇に食いついて、すっぽんのようにはなれずに吸い続けてごらんなさいな。彼女の胃から君の大好きな「臭ければ臭いほど」の口臭がどっと逆流して襲ってくるから。もっとも、嘔吐まで飲み込んじゃうこともあるかも……。
口臭を気にする人ばかりだから、君の性癖は表彰ものであります。
口が臭いのは、生きている人間の証明。
生きていれば臭いのが自然、その自然をワザワザ消して、清潔病になり、自分の免疫を弱くさせ、自分をセッセと病気にさせているのが現代人だから、全く困ったものです。
強い口臭で自分の免疫を強めましょう。


115、「ムダ毛を処理しない女性」
芳野先生、初めてお便りいたします。僕は25歳の公務員で、現在2つ年下の彼女がいます。彼女は明るくてとてもいい子なのですが、ひとつだけ、僕にとって気になることがあります。それはムダ毛の処理をまったくしないということです。彼女曰く「生まれたままの体を変えたくない」ということで、腋毛はもちろん、お腹や脛の毛も生やしっぱなしにしています。服装などにも頓着なく、逆に言うと人に好かれるために自分を飾ったり偽ったりすることに懐疑心を持っているということのようです。僕はそんな彼女のことが大好きですが、どうしても、毛が気になってしまうんです。どうしたら快くムダ毛の処理をしてもらえるのか、あるいは僕が自分の感性を変えられるのか、そのことを芳野先生にご相談したくて筆をとりました。どうぞよろしくお願い致します。(公務員/F・Y)

彼女は立派です。
「生まれたままの体を変えたくない」
感激します。自然のままが一番美しい。
身体に「ムダ毛」など一本もありません。
女体に失礼です。
天然の美を処理してはいけません。

私、腋毛、大好きです。
腋毛モシャモシャの奥さまに惚れたことがあります。
ある日、昼這いをいたまして、お昼寝中の奥さまの甘美な夏草腋毛に、深々と顔を埋めることができました。
彼女、くすぐったがって、笑っていましたケド。
「あたしのボウボウ腋毛に惚れたのは、アナタだけよ」
「下の毛にも惚れたんですけど」
「どうせお舐めにきたのでしょう」
「ハイ」
「スケベ」
奥さまのすばらしい大根足が私の首に巻きつきまして、黒々と繁茂した鋭いインモーに刺されながら、どしゃぶりの雨の花弁の中に、たっぷりと顔を密閉されたのであります。
「そんなにかぶりつかないでよ」
「ついでにオシッコも……」
「バカ」
――話がちがっちゃったかしら……。


116、「私と仕事とどっちが……」
37歳、独身の男です。現在、付き合っている彼女がいるのですが、私の仕事が忙しく、なかなか逢う時間を作ることができません。彼女からはお決まりのセリフ「私と仕事とどっちが……」が何度も飛び出し、私自身、この先も彼女と付き合っていくべきかどうか考え始めてしまいました。「私と仕事と……」は昔からよく聞くセリフですが、芳野先生は同じようなことで悩んだことはありませんか? 確かに、仕事のために生きているわけではありせんし、彼女の言うことも分かるのですが…現実問題としては、彼女の要求にすべて従うということは、今の仕事を辞めるということになってしまいます。恋愛と仕事について、先生のストートなご意見をいただけたらと思います。(会社員/D・O)

「私と仕事と……」とは「昔から」のチンプな「セリフ」でして、現在も飽きもせず、偉大なるマンネリで、うんざりするほど、たくさんのテレビドラマで拝見できます。
「仕事」は生死に関係ありますが「恋愛」なんて、その時のウワツイタ感情だけで、すぐにさめてしまいますし、別に生死に関係ありません。心中は別。
仕事を辞めて、生活できなくなったら、彼女はサッサと逃げだしてしまうでしょうネ。それが自然の成り行きでしょうから。
恋愛して、結婚して、性格不一致で離婚、とまあこれがワンパターンのコースです。
悩む前に、私はめんどうくさい女人とは付き合っておりません。すぐ逃げます。


117、理想の死に方
芳野先生の先生に質問です。先日、飲み屋の女の子と話していた折、理想の死に方がテーマになりました。その時、まだ21歳の女の子が「私は若いうちに自殺したい」と言ったので、驚いてしまいました。実際にそうするのかどうかはともかく、子供の頃からそう決めていたのだそうです。冒険の中で前のめりに死にたいという友人もいましたが、僕は日の当たる縁側に椅子を置いて本を読みながら眠るように死んで、孫に「おじいちゃん、寝てるの?」と肩をゆすられるようなシーンを理想の死に方として思い浮かべます。そんなふうに考えながら何人かに同じ質問をしているうち、いつも愛読しているこのコーナーの芳野先生はどんな死に方を理想としているんだろうと気になりました。ぜひ、教えて下さい。

腹下死(腹上死ではありません)。

「腹上死っていうのは……その……相手が女房でも、腹上死っていうの?」
これは小沢昭一さんに聞いてみた。
「永さんね。断言しますが、女房で腹上死はありえません」

永六輔・著『大往生』(岩波新書)より

『大往生』

著者:永六輔
ISDN13:978-4004303299
発売:1994年3月22日
出版社:岩波書店
(続く)



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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校3年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年2月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール(神の酒=おしっこ)を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『SMマニア』(マイウェイ出版)にて不定期に新作を発表している。
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