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The ABLIFE December 2011
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。

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Consultation of life to drink delicious urine. For boys and girls.
第28回の受付案件
132、「女の怖さについて」
133、「男性器を汚いと感じる」
134、「痩せたくても痩せられないので」
135、「還暦を過ぎた父のオナニー」
136、「好きな雑誌」


132、「女の怖さについて」
よく、「女は怖い」と言いますが、何が怖いのでしょうか。また、気をつけたほうがいいことを教えて下さい。(学生/ノブキ)
「女は怖い。女の人にそう言うと、女が怖いはずがないでしょう、そういう返事が、かならず返ってくる。私は女である。その私が、相手にとって、怖いはずがない。ゆえに女が怖いはずがない。これを無意識に認める単純さが、なによりも恐ろしい」
「女が怖いので、一時オカマに凝った。これは怖くない。なんと言っても、本当は女ではない、という安心感がある。
真夜中に、六、七人のオカマを連れて、街を歩いたこともある。そろそろヒゲが伸びてくる時刻である。百鬼夜行とは、こういう姿を言うのだな」
「いまは女がそれほど怖くない。女と思うから怖いので、化粧をしている以上、オカマと思えばいいのである」
「いまはオカマがきれいになった」

『涼しい脳味噌』(文春文庫)よりそれぞれ抜粋
著者=養老孟司 発売=1995年6月 出版社=文藝春秋
「女は怖い。なぜ怖いかというと、わからないところがあるからである。どこか理屈に合わないところが怖い」
「怖いものとは、わからないものである。死体を怖がる人が多いのは、死がわからないからである」
「女性が完全に怖くなくなったら、ボケた証拠であろう」

『男の見方、女の見方』(PHP文庫)よりそれぞれ抜粋
(抜粋箇所の筆者は養老孟司)
著者=養老孟司・長谷川真理子 発売=1998年4月 出版社=PHP研究所
「気をつけ」ようにも、わからないから女が怖いのですから、わかるわけがありません。


133、「男性器を汚いと感じる」
芳野先生、こんにちは。私は23歳の女性です。数年前から悩みに思っていることを相談させて下さい。現在、私には交際している2つ年上の男性がいます。職場恋愛で、基本的にはうまくいっていると思います。ただ一点、これは私の側の問題で、先々のことがとても不安になっています。それは、私が内心で、男性器や精液のことを汚いと感じているということです。実はこのことは今の彼と出会う前、昔の彼氏に対しても感じていたことで、高校生時代の初体験の頃から続いていることです。特に思い当たるトラウマのようなものもありませんし、どうしてなのか分かりません。でも、フェラチオの時などは吐きそうになってしまいますし、性器が体の中に入ってくるのも本当はいやです。彼のことが好きなのは間違いないのですが……。まさか正直に「手で触るのも汚いと思ってしまう」なんて言うことも出来ず、悩んでいます。こんな私が、せめて気持ちを楽にする方法や、考え方ぱないでしょうか。どうぞよろしくお願いします!(公務員/yachiyo)

私の知人の奥サマに、御主人の「汚い」ものを見たこともないし「手で触」れたこともない美人がおりました。
夫婦生活といったら、たまに、中世の闇の中で、ひっそりと寝ていらっしゃる奥サマの上に、御主人がドカッとかぶさって、あわただしくソーニューしたと思うと、アッという間に放出してしまう。それだけ。
「あんなクセエ汚いところ、舐められるか」
と御主人が言うから、
「それなら、かわりに、お舐めしてもいい」
と言ったら、
「いいよ」
「ですって」
奥サマを見たら、
「あら、ヤダ」
笑っている。
「舐められるものなら、舐めてみろ」
「ですって」
と、奥サマににじり寄った。
「どうしましょう」
首をかしげている。
「舐めさせてやれ」
で、奥サマのオマタにかぶりついたのでございますヨ。
それから、お舐めに関しては、御主人の代役をつとめることにあいなったのであります。ハイ、ソーニューは舌だけでした。

私には乳母がいたらしい。
「お前のオチンチンをほおばって、ブルブル高い高いをしていたよ」
兄が笑ってそう言っていた。
おかげで、オチンチンの皮がむけて、ホーケイにならなくてよかった。
赤ちゃんの、あの小さな可愛いオチンチンが、なんで「汚い」いやらしいバケモノになってしまうのでしょうねえ。
ただし、精子の通路と、オシッコの通路が同じだということは、「汚い」と思う人間の偏見に対する神サマの警告だと思いますヨ。


134、「痩せたくても痩せられないので」
初めまして。私は19歳の女で、太っているとまではいかないと思いますが、ぽっちゃり体型です。子供の頃からそうなので、人からはよくからかわれてきました。それで私も痩せたいと思って、いろいろな努力をしてきましたが、何年経っても痩せません。努力が実らなくて哀しいのに、そこへまた誰かから言葉を投げかけられたりすると、本当に落ち込んでしまって、もう外に出たくないと思うようになりました。そこで相談というのは、たとえ嫌なことを言われても受け流せる、強い心をどうやって持つか、ということです。芳野先生は、人から嫌なことを言われたら、どうしていますか? 強い心で、太っていても何を言われても傷つかないようになる方法があったら教えて下さい。(専門学校生/小豆)

あなたは、何故、自分の大切な身体を否定するのですか!
何故、やせなければいけないのですか!
他人に「からかわれ」て「落ち込」むほどキライな身体であり、自分なのですか!
自分を否定してうれしいのですか!
わざわざ自分で自分を否定し、自分を傷つけているとしか思えません。

私の「ぽっちゃり」肉体は、ルノワールのあの比類のない豊かさを誇る女体と同じなんだ――そう思えばなんでもないことでショ。豊満肥満の肉体はすばらしい。
自分の身体はケンコーでスバラシイと思うのがあたりまえでショ。
自分自身の考え方を変えなさい。
あたりまえにおなり遊ばせ。
自分を否定するのではなく、なんでも肯定してしまえばよろしい。
からかっている人も、どこかで「からかわれ」ていますから御心配なく。
からかったり「からかわれ」たりしているのが人間関係です、あたりまえでショ。


135、「還暦を過ぎた父のオナニー」
先日、私が二階にある自分の部屋から一階のリビングに下りた時、一昨年に還暦を迎えた父が慌てた様子で引き出しに何かを隠すのがチラッと見えました。その時は特に気にしなかったのですが、後になって「何を隠したんだろう……」と父のいない時に引き出しを開けてみると、中にAVのDVDが20枚ほどと、いわゆるオナホールが入っていました。母はすでに他界しているのでオナニー自体をとやかく言うつもりはないのですが(でも、びっくりしました)、DVDの中身が私より若いグラビアアイドルみたいな子たちのものばかりで、父のことが異性人のように思えてしまいました。父と、DVDに映っている子たちの年齢差を考えると、ちょっと怖くなってしまうのです。私には老人が孫のような年の子に欲情するということが、理解できません。こういうことは、普通にあることなのでしょうか。それとも、父は特殊な性癖を持っているということなのでしょうか。もちろん、引き出しを開けたことは父には言っていませんが、一緒に暮らしていますので、なんだか心配です。芳野先生のご意見をいただけたらと思います。(OL/H・U)

御安心下さい。
父上はいたって自然で、正直で、ケンコーな御人であります。
年令に関係なくAVのDVDを観てニヤニヤしている人はザラにどこにでもおります。あたりまえです。
フツーでないと考えているほうがヘンなのです。ヘンな人間にならないで下さい。
私は、ロリータ好きの先駆は万葉歌人山部赤人だと思っております。
No.19「ロリータ嗜好」をごらん下さい。

老人になりますと、オシッコの切れが悪くなります。男しか持っていない排尿調節の前立腺がくたびれてきたせいですネ。
この前立腺に、睾丸で作られた精子が送られますと、前立腺液をミルクにして精子が一人前になり、彼女の美しい穴ボコの中にとび込むわけであります。
排尿調節と精子育成が前立腺。
そこで、ですネ、くたびれてきた前立腺を元気にするのは、適度な射精がいいのではないか、ということなんです。
前立腺は仕事をしないでなまけていると肥大してしまうらしい。
そこで、せっせと射精して、前立腺に仕事をさせれば、前立腺も元気になり、排尿もよくなる、というわけネ。
長寿には射精、死ぬまでブットバセ!
ですから、父上のオナニーは、立派な医療行為なのであります。おわかりですか。
前立腺は「マエタテセン」なのであります。
No.36「オナニー」をごらん下さい。
この稿は、平原悟「前立腺をご自愛ください」を参考にしています(掲載雑誌不明)。


136、「好きな雑誌」
芳野先生、初めまして。30歳の男です。雑誌の「S&Mスナイパー」で先生のことを始めて知り、その後、「奇譚クラブ」を古本屋で探したりして、見つけられるものからお作を拝読しています。今はこうしてWEBで先生の文章に触れることができて、それは素晴らしく便利なことではあるのですが、僕は歳のせいか、あるいは性格のせいか、エッチなことは紙で読むほうが秘めやかな気がして好きです。でも今、雑誌はどんどん潰れていっていますよね……寂しく思っております。そこで、これは相談というより質問なのですが、先生には好きな雑誌ってありますか? 過去でも、今でも、これはいい雑誌だな(だったな)というものをいくつか教えてもらえないでしょうか。先生のファンとして、それも探して読んでみたいので。(会社員/ムトウカツミ)

申し訳ありませんが(『奇譚クラブ』を別して)私は雑誌はあまり読みません。
昔から本は乱読でした。
それこそ「秘めやかな気がし」ながら、モーソーたくましく読んでいました。
おかげで、中学生の頃に近眼になってしまいました。
本は「秘めやか」に読まなくてはいけません。
瀬戸内寂聴が(朝日新聞)
「運命の一冊なんてないですよ」
とおっしゃっておりました。
「良いことも悪いことも、<すべてあり得る>本を読んだ人は、その当たり前のことが分かるんじゃないでしょうか」
御自分の好きな本でも雑誌でも、御自由に乱読なさいませ。
(続く)



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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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芳野眉美 作家・ネクタール愛飲家。1952年、『奇譚クラブ』に高校3年生の時に書いた小説「孤独なFANTASY」が掲載され、デビュー。翌年2月号の「硝子便所」で評価が固まり、以後ネクタール(神の酒=おしっこ)を題材にした小説の元祖として多くのマニア読者に指示される。また「あぶいらいふ」での連載「芳野流神酒譚」で綴られたファンタジックなまでに刺激的な実体験は、数多のファンに衝撃を与えた。現在は『SMマニア』(マイウェイ出版)にて不定期に新作を発表している。
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