The
ABLIFE February 2012
窮屈な毎日に縛られて気持ち悪くならないためのゆるやかな処方箋
黒い恥毛の奥深く、まばゆい女陰から迸る黄金色のオシッコを百薬の長と崇める稀代のネクタール(神の酒=おしっこ)愛飲作家が、自由闊達、繊細至極、奇々怪々、博覧強記の知性に加えて、百花繚乱の体験談を交えて読者諸兄からの質問・相談に答える新連載。内容・ジャンルは自由。ネクタール+言葉の免疫で、貴方が今を生きるためのヨスガを紡ぎます。
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第30回の受付案件
142、「一人の女性に執着した経験」
143、「セックスの最中に淫語を叫ぶ女」
144、「無口すぎる主人」
145、「生身の女性に欲情できない」
146、「悪人の定義」
142、「一人の女性に執着した経験」
こんにちは。芳野先生はたくさんの女性と関係を持たれていたようですが、どれもさばさばしていてなんだか好感が持てます(それが先生のテクニックなのかもしれませんが……)。先生はもちろん、エロやおしっこには執着されているのでしょうが、一人の女性に執着なさったことはないのですか?(匿名希望)
彼女は、ハイティーンの頃、すでに、新宿で小さなバーのママでした。
それからクラブのママ……新宿人生。
先頃、引退なさいました。
ミストレスでもかなり有名なママでした。
かなり、小説のモデルにもなっています。
オテテツナイデ ノミチヲユケバ、というわげでお散歩。ママが着物の裾をチラと開いて、にこりとしますでショ。私があわてて前にかがむでショ。チロリとあたたかいしずくが……チロリ、チロリ……あ、うん、ダナ。
というわけで、10代から50代までの、ママの秘水をいただいたというわけであります。
それが、ママのやさしさの表現。
ママの御主人様が笑っていました。
「クラブの客は、センセーがママのダンナだと思っていますヨ」
ありがとうございます。
ということで、自然に「一人の女性に執着した」ことになってしまったのでしょうか。
私との年の差、20歳であります。
143、「セックスの最中に淫語を叫ぶ女」
今年で42歳になる女です。結婚を意識していた男性と10年前に別れて以来、ずっと彼氏を作らずに過ごしてきましたが、ひと月ほど前、職場に出入りしている人で私も好感を持っていた男性から「真剣に交際して欲しい」と告白されて、久しぶりの春が巡ってきました。今のところ仲もよく、私のほうに不満はまったくないのですが、一つだけ心配なことがあります。それは先日、セックスをした後に、彼から「ベッドだと凄く大胆なんだね。普段の君からは誰も想像できないと思う」と言われたことです。42歳という年齢のせいか、確かに私は10年前より感じ易くなっていて、セックスの最中に自分でも訳が分からなくなるような乱れ方をしてしまいます。喘ぎ声が大きいくらいならまだいいのですが、つい、淫らな言葉を叫んでしまうのです。「お願い、もっと奥までオチンチン頂戴!」「もっと! もっと! もっと貴方を感じさせて!」「オ××コ、壊れちゃう! いい!!」などです。はしたないとは頭の隅で思いつつ、感じてくるともっと乱れたくなって抑制が利かなくなってしまうのです。すでに何度も私のそんな姿を見られているので、もしかしたら彼に引かれているのかも知れないと思うと怖くなってきました。セックスの最中に淫らで下品な言葉を叫ぶ女のことを、男性は正直どのように思いますか?(OL/たまき)
「叫ぶ女」否定男
一、うるさくてやってられねぇ
一、驚いてチヂンじゃった
一、ワザとらしくて、うんざり
「叫ぶ女」肯定派
一、逆上して突きまくった
一、あわてて彼女の口に猿ぐつわをしたらSMゴッコになってしまった
一、叫び声に惚れてしまった
着物のよく似合うおしとやかな奥サマでして……
「主人、夜勤なの」
てんで、おじゃましちゃったと思し召せ。
その御主人がネ、居酒屋で、
「うるさくってやってられねぇ」
とボヤいたことがあるの。
で、ただちに、奥サマのお尻にしがみつきうしろから着物の裾をまくって、ソーニューしたわけ。
「ウオー」
ですよ「ウオー」。
「ウ、ウオッ、ウオオオ……」
咆哮、ホーコーしっぱなし。
その夜は満月で……それこそ「月に吠えろ」。
その咆哮と膣けいれんが連動しているのに気がつきました。キモチイイ……
コレ、名器デス。
御主人、奥サマが名器であることを知らないのかも……。
「よがり声」については、
No.67「女性はイク時、どうしてイヤがるのですか」
No.131「処女とバレたくない」をごらん下さいませ。
144、「無口すぎる主人」
芳野先生、初めまして。私は結婚15年目、子供を一人持つ30代後半の女性です。主人が余りにも無口で悩んでおります。もともと口数の少ない静か人でしたが、結婚後、年を経るごとにその傾向が強くなり、たとえば冠婚葬祭など親戚の集まりの際も自分からはまったく口を利かず、周囲に紀を遣わせ、疲れさせてしまいます。かたくなに口をつぐんでいるというのではなく、ただ無口なのです。私との会話も何か用がある時に最低限の言葉を交わすだけで、会話が弾むなどという場面はもう何年もありません。私のほうから話しかけても会話は続かず、結局は気まずい思いをするだけなので、いつからかは私のほうもすっかり諦めてしまいました。とは言え、あと数年もすれば子供も一人立ちして、二人きりの生活が始まるはずです。もう一度、どうにかしたいと考えております。こういう主人に対してどんなアプローチが有効なのか、芳野先生にご教示頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。(主婦/A・S)
「二人きりで暮らすと、一年も経たないうちに喧嘩をする原因のひとつが、向かい合いすぎることなのです」
「二人で親密に暮らせば同じ感覚を共有できる」とどこかで勘違いをしているからです。
あるとき、女房がしみじみ言ったことがありました。
『あなたは、ほんとうに人を見る目がないわね』
私は女房の顔を見ながら、こう言いました。
『ほんとうにそうだよね……』」
「近頃よく聞く熟年離婚に触れておきましょう。
何かとっておきの秘策、解決法を期待されている方がいたら申し訳ありませんが、結論は、「仕方がない」です」
夫婦は無口なのです。
「二人で親密に暮らせば同じ感覚を共有できる」とどこかで勘違いをしているからです。
あるとき、女房がしみじみ言ったことがありました。
『あなたは、ほんとうに人を見る目がないわね』
私は女房の顔を見ながら、こう言いました。
『ほんとうにそうだよね……』」
「近頃よく聞く熟年離婚に触れておきましょう。
何かとっておきの秘策、解決法を期待されている方がいたら申し訳ありませんが、結論は、「仕方がない」です」
それがあたりまえです。
結論は「仕方がない」。
145、「生身の女性に欲情できない」
30歳男性です。単刀直入に言って、俺は生身の女性にはどうしても欲情できませんし、セックスどころか接するのも苦痛です。二次元の女の子、アニメや漫画の登場人物だけが心の支えで、俺にとって唯一の性の対象でもあります。このまま死ぬまで虚構の世界に浸りこんでいたいという気持が強くありますが、それでいいわけがないとも思い、いつかは立ち向かわなければならない現実の前で怯えています。せめて一歩を踏み出すところから始められればと思っていますが、今のところその一歩のモチベーションすらないというのが実情です。芳野先生、こんな俺に何かアドバイスをいただけるとしたら、やっぱり喝でしょうか。(無職/レイ)
「死ぬまで虚構の世界に浸」っていてもよろしいかと思いますが。
自分の人生ですから。
男女のソーニューだけがSEXではありません。
SEXはなんでもありです。
わけのわからない「生身の女性」にホンローされているよりよほどいいかもしれません。
和国(にほん)の文化に「絵を拝す」文化があります。
西鶴の『諸艶大鑑』(しょえんおおかがみ)には、都落ちした貴人が遊里の「太夫の姿絵」をずらりと壁に並べ、日々拝している逸話がのっています。
生身より姿絵「アニメや漫画」というわけ。
生身よりも美しい。
歌川国麿の「尼手淫図」は、美男役者の版画を見ながら、尼サマが手淫している。
「二本ゆびを玉門」にと書き入れ詞(ことば)にある。
どの役者かすぐわかってしまう。
三島由紀夫の『仮面の告白』によると、三島は、聖セバスティアヌス殉教図を使って初めての自慰をしたそうである。
さて――
私の「絵を拝す」宗家は、
フランツ・フォン・バイロス
オープリー・ビアズリー
ハンス・ベルメール
であります。
参考文献 『春画』 講談社選書メチエ128 著者=タイモン・スクリーチ 訳者=高山宏
146、「悪人の定義」
初めまして。芳野先生に質問です。私は今年から警察官になる男です。私は今後、憲法に則って人を取り締まる立場になりますが、その前に、尊敬する芳野先生にとっての「悪人の定義」を知っておきたく、メールさせて頂きました。不躾な質問で申し訳ありません。教えて下さい。(匿名希望)
警察官の「悪人の定義」は警察学校で学習なさったでしょうから、それ以外の「悪人」のお話になります。
親鸞の『歎異抄』(たんにしょう)で有名なのは、
「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」
悪人正機説。
この悪人、肉食妻帯した親鸞自身でもありますネ。
親鸞は、すべての人間を悪の可能性を持つ「悪人」とみているわけ。
だから「警察官になる男」も悪人。
次は鎌倉幕府の悪党禁制のお話。
「この時代の悪ということばは、日常の安穏を撹乱する、人の力をこえたものとのつながりをもって考えられており、利潤や利子を得る行為そのもの、商業、金融業そのものを悪ととらえる見方がありました。博打や、好色(セックス)さらに穢(けが)れそのものも、人の力をこえたどうにもらない力として、悪ととらえたわけです。
ですから、異様なほどの力をもっている人について、人の力をこえたものがその人を動かして、異常な力を発揮させているものとして、悪七兵衛、悪源太のように、悪をつけてよぶのも同じ用法です」
「日常の安穏を撹乱する、人の力をこえたもの」が「悪」なんですネ。
ですから、異様なほどの力をもっている人について、人の力をこえたものがその人を動かして、異常な力を発揮させているものとして、悪七兵衛、悪源太のように、悪をつけてよぶのも同じ用法です」
現代人は、そろって「生活をカクラン」ばかりしているとは思いませんか……
参考文献
『誤解された歎異抄』 著者=梅原猛
『続日本の歴史をよみなおす』 著者=網野善彦
(続く)
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