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9月号扉絵『峠の犬』 画=室井亜砂二
※東京・板橋「カフェ百実紅」で開催中の「室井亜砂二個展『あぶらいふ扉絵展』」にて、室井亜砂二さんの作品を直接ご覧いただけます(10月10日まで)。女犬を描き続けてきた異端の絵師・室井亜砂二氏の貴重な近年の作品です。この機会にぜひ、足をお運び下さい。

The ABLIFE―Abnormal Dilettante Magazine―
新装開店! 月一更新で贈るオール・アバウト・インモラル人生!
読者投稿欄「あぶらいふ」は、「この場」があることで生まれる創作意欲、コミュニケーション欲、そして読者を交えたフラットな交流に意味を求めるインターネット上の広場です。同性愛・自慰妄想・緊縛・露出・各種フェティシズムにまつわる体験談、小説、意見、呟き、絵画、写真など、貴方の個性的な性表現を、ジャンルを問わず募集&掲載しています。「スナイパーSNS」と併せてパワフルにご活用下さい。

★文章の投稿方法が簡単になりました! 個人情報のご記入は一切不要です。
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Monthly contribution gallery 2011 September
2011年9月の投稿作品
NEW!

■イラスト作品 「ザ・スティング 悪魔の皇太子」「基本に萌える NEW!」「休日 NEW!」「黒服・またがる女 NEW!
■文章作品 「紫色のカンバス(1)NEW!」「生き恥地獄を目指して……3枚の顔出しハレンチ写真NEW!」「あぐら座りの可愛い義理娘」「毛深い君が好きなんだ」「金玉を使って女を責めるには……」「ペーパーボーイ、這ふ(4) NEW!
■漫画作品 「シスターの秘密 NEW!

「ザ・スティング 悪魔の皇太子」 画=K・A

▼キャンパスに描かれた油彩の力作です。暗闇に溶け込んだ責め師の腕が悪魔の手に……。K・Aさんのロマンティクな作風が全開になった1枚ですね。(文)
★油彩で見る血の質感って、ホントに生々しい。立体的に浮き上がって見える美女のカラダが今にも動き出しそうですね。夢に出てきそうな迫力です。(猫)

「基本に萌える」NEW!画=ナカノテツ

▼一見ポップな作風ですが、テツさん曰く「SM叙情派」とのことで、タイトルもズバリ「基本に萌える」。女の子の悩ましげな表情に注目したい作品です。(文)
★そうですね、テツさんの絵ってパッと見はハードなんですけど、必ず表情に“恥ずかしさ”とか“憂い”とか、古風なアイコンを持ってきてる。実はストレートなSM画をずっと描き続けている方なんですよね。(猫)

「休日」NEW!画=坊

▼味のある変態カップル・イラストが届きました。男性も羊も凄く嬉しそうで、気持ちの通じ合ったラブラブなムードがイラスト全体からしみじみと伝わってきますね。坊さんの作品はいつもこういうタッチなんでしょうか。今後もいろいろな絵を描いて送っていただきたいですね。(文)
★わー、可愛い! 羊のほうは、ちょっと花くまゆうさくテイスト? お互いの頬がポォ〜っと赤くなってるところ、思わず変態プレイだってことを忘れそうになりますが、でも、ガッツリ変態プレイですね!(猫)

「黒服・またがる女」NEW!画=Ballad
▼こちらも初投稿のBalladさん。シンプルでありながら実に雄弁なイラストを送って下さいました。Balladさんには、強いM気があるんでしょうか。そうじゃなきゃ描けない、絶妙な世界の切り取り方だと思います。(文)
★タイトルがまた素晴らしいですよ。そして黒衣の女の背中の味……。最小限のタッチで最大限までBalladさんの性癖を表現していますね。ブラボーです!!(猫)

「紫色のカンバス(1)」 NEW! 文=白檀

人の趣向や性格は環境が決定する、と言う人もいるが彼女はすべてそうは言い切れないと思った。ごくごく普通の家庭で真っ当に育っていたとしても、まるですでに決められた道を辿るように異常な世界を夢見て、果ては現実に実行する人間もいる。
彼女はそれを「血」と表現していた。そういう「血」というものがあるのだと。

彼女が自分に流れるその「血」に気付いたのはいつだっただろうか。幼い頃、祖母と並んで見た時代劇で女隠密が天井から吊り下げられ嬲られる場面を見て、高揚感を覚えた時だっただろうか。または女性の体を損壊し、それに快楽を見出す漫画の影響だろうか。なんにせよ、それは人に言ってはいけないことだとはまだ幼い彼女にも分かっていた。

年齢を重ねても、その欲望が鎮まるということはなかった。むしろ人に言えないだけ内側でひっそりと熱を帯びていった。
拘束され、複数の男性に奴隷のように扱われる。そして散々弄ばれた挙げ句、ゴミ捨て場や公衆トイレに放置される夢想を幾度もし、その度にうっとりとした。
または通勤中、立ったまま眠ったふりをして、不特定多数の顔も分からない男性に悪戯をされることを妄想した。妄想の中で彼女は男性の手で絶頂に導かれ、大勢の人間が居る中で悦楽に堕ちていくのだった。

上記のような「不特定多数の男性」に責められる妄想を好む彼女であったが、同時に一人の男性に仕えることも望んでいた。その趣向に大きく影響を与えたのは、彼女が18歳の時に出会った『O嬢の物語』という書籍であった。主人公の「O」の人生にひどく羨ましさを感じて、このように扱われたいとさえ思った。

御主人様と呼ぶ人に、首輪を付けられ、鎖で引かれる。目隠しをされ、手足を拘束される。
首に巻かれた革の首輪のしっとりとした感触。主人の気まぐれに引く鎖が身体に当たるあの硬質な冷たさ。拘束された手足さえも、まるで元からそうであったかのように縄が身体に馴染み、奇妙な安心感を覚える……。

布団に入り、眠りに就く前の時間を彼女はそのような想像をして過ごしていた(彼女の寝付きが悪いのはこのことが原因とも言える)。

しかし現実の彼女は悲しいくらいに「普通」であった。

そんな現実を少しでも理想に近づけようと、所謂「そういった趣向の者の為の出会い系サイト」を用いて相手を探そうとしたことがあったが、自分の容姿を見て諦めてしまった。彼女がネット上で見た女性たちの容姿は皆、可愛らしく、大人しげで、か弱そうで……。まさに「嗜虐心をそそる」とはこのことなのだろうと思っていた。
彼女は決して醜い容姿ではなかったが、可愛らしいというよりは和風の凛とした顔つきであった。
もし彼女が被虐趣味ではなく、加虐趣味を持っていたら、話は違っていたかも知れない。

日々、過激になっていく妄想に反比例するような平凡な生活に彼女は辟易し、尚もロワッシーを夢見続けるのであった。


その日は、生憎の雨であった。
朝からいつもより念入りに身支度を整えていたのに。
雨は嫌いではなかったが、それは室内から見るのが好きなのであって、雨の日に出掛けたいとは思えない。それに今日は一人で出掛ける予定であったので、それを止めにしたからと言って、誰も咎めはしない。

さて、どうしようか。
今日は、とある画廊に行こうと思っていた。偶然ネットで見つけたその画廊では、Kという画家の絵が展示されている。主に女性を描く人らしく、その中に数点、彼女の趣向にあったものがあったため興味が湧いたのであった。
 
彼女は少し悩んだが結局行くことにした。その画廊は電車と徒歩で1時間程かかる場所にあった。その画廊は入り組んだ場所にあり、最寄り駅を降りた彼女は地図をプリントアウトしてきて良かったと心底思った。

駅の周りは賑わっていたが、ひとつ路地を入ると風景は一変した。
近代的な駅の周りとは対照的に、古い日本家屋が多く立っていた。所々に空き地があり雑草が生い茂っていた。
地図が読めない女とは自分のことだと方向音痴を自認している彼女は、少しの目印も見逃さないようにゆっくりと歩いた。

目の前に「××画廊、この先500m」という看板を見つけたとき、彼女はほっとため息を吐いた。
看板の先には薄暗い森が広がっていた。よく見ると敷石が敷かれている道があった。
昼間なのに薄暗いことから、この画廊が営利目的でないことがなんとなく伝わってくる。

彼女は敷石の上を足を踏み外さないように忠実に歩いた。周りに人の気配はない。もしかしたら、私以外にお客が居ないかも知れない。

雨が一層、緑の香りを強くしていた。その香りに酔いそうになった頃、画廊が見えた。
その建物にはとても大きな窓があった。その窓から眺める見る雨はとても綺麗だろうと彼女は思った。

こんな場所で画廊をやれるなんて、一体どんな人なのだろう。
エントランスで傘の水滴を払っていると、不意に扉が開いた。

「すみません、変なところに立っていて……」

彼女が頭を上げると、目の前に穏やかそうな男性が立っていた。手には大きめのタオルが握られている。

「よろしかったら、どうぞ。」

このひどい雨ですから、と彼はタオルを彼女に差し出した。

「……あ、有り難う御座います。」

彼女は服の水滴を拭いながら、その男性をちらり、と見た。人間の欲をあまり感じさせない人だと思った。穏やかそうだが少し浮世離れしているようにも見える。ここのお手伝いさんか誰かかしら。

すっかり水滴を拭き終わると、彼女は再び礼を言って、タオルをその男性に手渡した。

「誰もいませんので、どうぞごゆっくり」

そう言うと、彼はタオルを持って奥の部屋へ行ってしまった。
買い物をする時でも近くに店員がいると気になってしまう彼女にとって、誰もいない場所で思う存分絵を鑑賞できることは嬉しかった。
(続く)

「いつも『あぶらいふ』を楽しく見させて頂いております。ふとしたきっかけで小説を書くことになり、稚拙な文章ですが、同じ趣味を持つ方々に読んで頂けたら……という思いで投稿させて頂きました」。そんなメッセージと共に小説作品を送って下さった白檀さん。メチャクチャ嬉しいです! 少し長いので、何回かに分けて掲載させて頂きますね。(文)
胸の奥に被虐願望を秘めた女の子が、雨の日、引き寄せられるようにして奇妙な雰囲気を持った画廊へ……。揺れる気持ちを繊細に描いたSM小説。乞うご期待です!(猫)


「生き恥地獄を目指して……3枚の顔出しハレンチ写真」 NEW! 文=秋山たつや

こんにちは、露出狂の秋山たつやです。
突然ですが、最近の写真投稿誌は凄いことになっています。昔は極めて珍しかった素人M女の目線ナシ写真がどんどん増えています。
そして完全顔出しのM女の恥ずかしい写真に添えられたメッセージや編集部のコメントでよく使われるのが、「生き恥地獄」の言葉です。
「生き恥地獄」……なんて甘美な響きなのでしょう。マゾなら誰でもうっとりしてしまう言葉です。
素人M女たちの顔出しエロ写真を眺めているうちに、「M女には負けられない。私も変態写真を顔出し公開されて、生き恥地獄を目指したい」……そんな思いを抑えられなくなりました。

それで「あぶらいふ」に私の変態写真を3枚、顔出し希望で送ることにしました。3枚だけに限定したのは、「枚数を絞ったほうが、逆に本気度が伝わる」と思ったからです。
どんな写真を送るか考えたのですが、完全女装で化粧しちゃうと今回の趣旨に合わないし、単なる全裸写真だとアブノーマル度が弱いので、オヤジ顔はそのままにでオッパイ付きのブラジャーを装着し、「マゾの欲望が暴走し、豊胸しちゃった変態オヤジ」の設定でハレンチ写真を撮りました。

セルフ撮影なので構図が地味ですが、「こいつ、どこまで恥知らずなんだ」と思ってくれれば嬉しいです。
この写真が顔出し公開されれば、私も生き恥地獄に近づけると信じています。
どうか変態オヤジの望みを叶えてください。よろしくお願いいたします。

▼これまでにも何度となく恥ずかしい写真を公開してきた秋山さん。でも顔には目線が入っていました。ですから読者の皆さんが秋山さんの素顔を見るのは今回が初めてというわけですね。どうですか、見ているほうまで恥ずかしくなってきませんか? でも、秋山さんはもっとはずかしい思いをしているのです。(文)
★いやあ、掲載するこっちまでドキドキが止まりませんね。まさに「生き恥地獄」。いつもお世話になってる秋山さんのオナニーライフに役立てたのなら、私たちも本望です!(猫)


「あぐら座りの可愛い義理娘」 文=座高隆志

幼い頃、私の家は近所の奥様方の集会場だった。いや、奥様なんぞと書いてしまったが、要するに、暇なおばちゃん連中の井戸端が我が家だったというだけである。女だらけで気を遣う必要もなく、スカートだろうがなんだろうが、ほとんどのおばちゃんがあぐら座りをしていた。その膝は、私にとって肘掛けであり、枕であり、頬擦りの対象であり、心安らぐものであった。そのあぐら座りをする女性が、近頃は減っている。

残念でならないと思っていたところ、電車の中で、女子高校生がミニスカートが太腿まで捲れ上がって太い脚が出ているのも平気な様子で、座席にあぐら座りしているのを頻繁に見かけるようになった。そのデンとした座り方は、私には幼時に親しんだおばちゃんたちを思い出させる。

そばに寄って、まあるい膝に手を置き、あるいは頭をのせて眠りたい。しかし私は今年、60歳である。この歳になると、子供の頃にはできたあれこれが何も出来ずに哀しい思いばかりする。

そんな折、息子が嫁にしたいという娘を連れてきた。はきはきとしたよい娘で、澄ましていないところがいい。家が建つまでと、一緒に住むことになり、あぐら座りをしないものかと狙いをつけた。

正座は辛いだろうから、足を崩しなさいと言い、あぐら座りでいいんだよと促してみる。彼女にはまだ遠慮があって、やっと見せてもせいぜいか横座りであった。

1カ月ほども待っただろうか、ついに彼女がテレビを観ながらあぐら座りしているところを、偶然に見つけた。本来そういう格好が似合う性格の娘で、楽なのに違いない。

私は今後も気を遣わないでいてくれるようにと、彼女が自然に振る舞える環境を作るように心掛けた。お陰で今は、彼女がソファの上でもあぐらをかくので、その横に並んでテレビを観ていると、彼女の膝が、私の膝の上にのりかる至福の瞬間もある。

あとは、私がもっとヨボヨボに歳をとって、幼い子ども同然に振る舞える日が来るのを待つばかりだが、息子夫婦がいつまで同居してくれるのかは分からない。

▼座高さんの秘密の趣味のお陰でお嫁さんが楽に振る舞えるようになったなんて、しみじみといい話ですねぇ。以前、道端でしゃがんでいるギャルや2人乗りをしている女子校生など「だらしない姿を晒している女の子に萌える」というマニアサイトの管理人さんを取材したことがありましたが、座高さんの嗜好とは微妙に違う感じですね。通じるものもあるんでしょうか?(文)
まさに三つ子の百まで可愛いお嫁さんが来た上に、こんなドキドキ感を日常的に味わえるなんてホントに幸せなことなんじゃないかしら。なにはともあれ、座高さんとお嫁さんが長く一緒に住めるように祈ってます!(猫)


「毛深い君が好きなんだ」 文=腋追い人

女性の腋臭と腋毛が好きで、会社のロッカーに忍び込んでは制服の腋の臭(にお)いを嗅いだり、毛を拾ったりしています。

大好きなのは腋に関するアレコレですが、他の部分の毛(アソコから尻まで・スネ・太腿・肩・うなじ・背中などなど全身の毛)や臭い(女子トイレで使用済みナプキンを漁ることもあります)も好きです。

要は、毛深くて臭いの強い女性が好きなんです。

特に毛深さにはこだわります。それは天性のものだからです。本当に好きなんです。だから、毛深いことや腋臭で悩んでいる女性は多いようですが、僕のような人間も結構いるということを知って欲しいと思います。

根絶したい憎き敵は、美容外科、デオドラントスプレー、ウォシュレット、シャワーです。僕と同種の男性は、ぜひ名乗りをあげて、毛深さ、臭さのよさを女性たちに知らしめてください。

前回の「芳野流人生相談 10代からの飲酒案内」で“彼女がムダ毛の処理をしない”ということで悩んでいる方の相談がありましたが、腋追い人さんに言わせたら罰当たりみたいなものなんですね。私個人は無味無臭でツルッツルが好きなんですけど、それはそれで悶々とすることの多い嗜好です。(文)
★どっちにしても犯罪だけはダメですよー!(猫)


「金玉を使って女を責めるには……」 文=キンタマン

関西に住むS男性です。SMにおいて、男性のシンボルたる金玉は、潰されたり袋を破って取り出されたりと、いつもやられるばかりの存在です。悔しくないのですか? 私は悔しいです。何か「金玉責め」という名前でM女性に対してできる攻撃的な使用方法はないものでしょうか。

▼悔しいか悔しくないかと言われると、私はぜんぜん悔しくないですが、たとえば金玉袋をビロンビロンに伸ばしておいて(直径1メートル四方くらいに)、1週間くらい風呂に入らず、それでイヤがる相手を包み込んでしまうというのはいかがでしょうか。(文)
★確かに金玉袋は幼い頃から伸ばし続けてたら無限に伸びていきそうですけど、それだと袋しか使ってないことになりますよ。あと、キンタマンさんはハードな玉責めDVDを観過ぎ!(猫)


「ペーパーボーイ、這ふ(4)」NEW!文=端井譲治

この先国道を越せばモーテル街があり、そこへ行けばいろんな趣向のホテルもあるが、ユミさまが選んだここは飾り気も少なく質素な感じのところである。さすが女実業家、実務的な場所を選んだ。たしかこのホテルにもSMルームが一室あつたはづだと思つた(実はボクもこれまで何度かここノーマル不倫に利用したことがあるのです)がユミさまはそんなことには委細かまはず最初の空き部屋の前に車を停めた。


よい子のみんなは心に浮かぶSMの妄想をそのまま実践してはいけません。たちまちお手々が後ろに回ります。それぢやどうするの。クラブでプレイですね……
告白します。ボクはこれまでにMプレイ5回、Sプレイ1回クラブに行きました。それとデリヘルのM2回。でもそのうち一度として満足=フィニッシュしたことはありません。
Sプレイは池袋のR倶楽部。指定された近くのホテルの部屋で待つと、やつて来たのは大柄、スレンダーないかにも健康さうなお嬢さん。お店の看板写真にあつた細身で気弱さうな、嗜虐心を刺激する娘とは正反対のタイプでした。例へが古いか叱られるか、歌手の杏里みたいといへばわかつてもらへるかな。客のこちらが照れたり気おくれしたりしてはいけませんが、シャワーの後は世間話だけで終はつてしまひました。
サディズムとはサド翁の言ふ、高貴なものを引きずりおろすことであります。高貴さとは犯すべからざること、すなはち無垢。繰り返しますがサディズムの実践は刑法の塀の向う側にあります。サドさんだつて牢屋に入つたぢやないですか。こちら側の、せまいホテルの一室で、「M女」の杏里似を縛つたしばいたりしても、それはサディズムとはなんの関係もありません。
Mで最初に行つたのは六本木R。「エプロン奴隷」といふ宣伝文句にひかれたのはボクのマゾヒズムが観念的で、かなりひねくれてゐると気づいてゐたからかもしれません。裸になりエプロンは着けたものの、プレイルームになつてゐるマンションの一室のキッチンの流しの洗ひものを、心をこめてやるのよ、と女性の一人に言はれたのですが、それこそ観念的で、性的な高揚感からはほど遠いものでした。
そこで初めて来た客の希望カルテを読んでゐた女優志望だといふ若い女王が、ムチ、ローソク、聖水、黄金……うん、私がやる、と立ち上がりその客のゐる部屋に飛んでいつたのを見たときは、あゝ、これが本当のMプレイなのだと妙に感心したものです。


「脱いでいゝですか」
部屋に入つてすぐユミさまにたづねた。
「さうね、まづシャツとズポンとソックスを脱ぎなさい」
この日のボクはなんでもない長そでのシャツ、下着の白の丸首Tシャツ、チノパン、ビキニブリーフ、ソックス。言はれたとおりTシャツとブリーフだけになつた。
「そのパンツ、モツコリが丸くなくて直線的に盛り上がつて見えるのね。冬の、あれなんだつたつけ、さう、立体マスクみたい」
「はい。鬼黒のバーゲンで3枚990円だつたのですが、裁断、縫製がとてもモダンにできてるんです」
今日穿いてきたのはそのうちグレーにピンクのライナーでした。
「よく見せてごらんなさい」
ユミさまは腰をかがめてモツコリを見た。
(続く)

▼出会い系サイトで知り合った女性とついにホテルへ入るところまで来た「ボク」。「ペーパーボーイ」の意味は第2回で明らかになりましたが、これから具体的なプレイがどんなふうに進んでいくのか、いよいよ続きが楽しみです。(文)
★毎回、少しずつ挿入されるマニア遍歴の告白がたまらない味になっていますね。端井さんのSM論としても楽しめる読み応えのある作品です。(猫)


「シスターの秘密」 漫画=カツ丼小僧 NEW!

▼カツ丼小僧さんから続々とマンガ作品が送られてきています。カツ丼小僧さんは一枚絵でもマンガでもかなり嗜虐的な内容のものが多い描き手で、バラエティにも富んでいるのですが、実はセックスはまったく描かないんですよね。根っからアブノーマルなんです。(文)
★言われてみれば確かにそう。でも逆に、セックス以外は何でもあるんですよね。カツ丼小僧さんの一番好きな責めって何なんでしょうか。(猫)

(「あぶらいふ」新着投稿作品展示室 2011 Octoberに続く)

【応募要綱】

「あぶらいふ」では皆様からの力作投稿を募集しています!

★体験談、告白、写真、イラスト募集、貴方のアブノーマルライフをお好きな形で表現して下さい。
SM、フェチ、同性愛などジャンルは問いません。他の投稿者へのご意見、ご感想も大歓迎です。

★投稿はこのページ下段の投稿フォームもしくは郵送にてお願い致します。
作品は編集部が厳重に保管の上、厳選して『WEBスナイパー』の「あぶらいふ」にアップ致します。

★恐縮なのですが、いずれの作品に対しましても、原稿料・謝礼等をお支払いすることができません。
ご了承の上、是非「WEBスナイパー」並びに「あぶらいふ」が目指すサイト作りへのご協力をお願い致します。

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・データでない作品は郵送にて、以下の宛先までご送付下さい。返却をご希望の方は、その旨をご明記下さい。


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WEBスナイパー編集部「あぶらいふ」係

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「S&Mスナイパー」の射程と雑誌内雑誌「あぶらいふ」の行方 文=井上文


室井亜砂二 少年時代に描き溜めたイラストを1965年頃から『奇譚クラブ』へ投稿。その語、ファインアートの世界で活躍したが、再びSM画を描くようになり、1984年頃から東京三世社の『SMセレクト』に新作を発表。2004年から『S&Mスナイパー』の雑誌内雑誌「あぶらいふ」の扉絵を描き続ける。画集に『哀犬倶楽部』(大洋図書)など。
inouebun.jpg
井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。「あぶらいふ」編集人。発明団体『BENRI編集室』顧問。
ablife_neko.jpg
 1980年生まれ。フリーター。2003年より「あぶらいふ」のアシスタントとして井上文専門事務所に勤務。勤務時間外は酒を飲む以外のことは一切しない。
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11.09.16更新 | あぶらいふ  > 
あぶらいふ編集部 |