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WEB SNIPER Cinema Review!!
銃、ハイテク兵器、戦闘機、潜水艦、戦術、さらに現役のSEAL隊員すべてが本物。
オサマ・ビンラディン暗殺作戦も遂行したアメリカ海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」。拉致されたCIA女性エージェントの救出を命じられた彼らは確実にミッションをこなしていくが、拉致事件は大規模なテロ計画の入り口に過ぎなかった――。実際の隊員がキャストを務め、登場する兵器も本物、作戦までも実例に従うという、リアルさを追求して作られた現代のコンバット・アクション!!

6月22日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー
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本作の見どころは「メインキャストがまさかの現役シールズ隊員」これですよ! 監督言うところの「役者では絶対に再現できない、本物のシールズ隊員の屈強さとオーラ」これを観たい。もう眼からして違うでしょうね。軍曹とかね。なんか違うものを観ている......みたいなね。で実際のところどうだったのかというと、別にそうでもなかった! いや、やっぱ僕にオーラを見分けるアンテナがなかったのかもしれない......。武道をやってる人とか、殺人犯とかが見たら「ああ、やっぱ違うな」とかなるのかもしれない......。
しかし、なんといってもネイビーシールズが史上初めて製作に全面協力した映画ですから。現役隊員はもちろん、作品中に使われるサインや会話、戦術はすべて実際と同じ。発砲シーンにいたっては「慣れているから」と実弾を使用! 『バトルシップ』が『月刊 ホビージャパン』なら、本作は『月刊 モデルグラフィック』ですよ。ディティールまで突き詰められた、ひたすらのリアル感。CG大作とはまた別の、ゴージャス感がある。

しかし一方で「米軍リクルート映画」を見せられるんじゃないかという一抹の不安もあるわけです。例えば『世界侵略:ロサンゼルス決戦』なんかそうだった。「迫力の戦闘シーンを観たいぜー!」と思って劇場に行ったら「お前の親父も最高の軍人だった!」「一生戦争しようぜ! ウオー、海兵隊万歳 !」みたいな軍産複合ステマ毛布がスクリーンから覆い被さってきて、暑苦しかった。じゃあ本作はどうなのかというと「お前の親父も最高の軍人だった!」がまたもや炸裂! おまえらどんだけ血統主義なんだよと思ったんですが、でもそこまで気にならなかったですね。だいたい最初から「ネイビーシールズ全面協力」ですから。美人に「すばらしいセミナーと商品を紹介したいから、デートしよ!」と誘われたら行くのかということですよね。それはもう、あなたの服の凹凸を思う存分眺めさせてくれるなら、少しくらい話も聞きましょうという気持ちになる!

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一応説明しておくと、ネイビーシールズ=アメリカ海軍特殊部隊というのは、米軍の実行部隊としてのトップエリート集団。先だってパキスタンでオサマ・ビンラディンが殺された、あの作戦を遂行したのもこの海軍特殊部隊でした。国際政治の最先端でありながら、ニュースになるのはごく一部。米軍最強の隠密部隊、それがネイビーシールズなんです。
そんな本作、登場人物や兵器こそ本物ですが、物語はあくまでもフィクション。CIA工作員を救助しにいく急襲作戦から始まり、そこで偶然発覚した大規模なテロ計画を防ぐというのが大まかなストーリーになっています。

しかしこの、対テロ作戦の範囲が広い広い。フィリピン、ソマリア、メキシコと、まさに米軍が全世界で好き勝手にやっている、いや、日々世界の平和の維持安定に務めているということが分かります。そして同時にいかに現代のテロが国際的に拡がりをもっているか。なにしろ発覚する計画っていうのが「メキシコのマフィアがウクライナのイスラム原理主義者と組んでソマリアからメキシコへとフィリピン人のテロリストを空輸してドラッグマフィアの秘密トンネルを使用して越境してアメリカ全土を恐怖のるつぼへと引きづり込む!」という、あなた今カギ括弧の中、読みとばしたでしょう! いいんです、そんなカタカナが多すぎて読みとばしてしまう程、インターナショナルな内容になっている。
でも実際、ロシアにはチェンチェン独立派と結びついたイスラムテロ組織があるし、フィリピンならミンダナオ島、アフリカも無政府状態の地域に、ソマリアならアル・シャバブとか武装イスラム組織が入り込んでいる。本作の、世界地図の全く離れた地点が「イスラム圏」というキーワードでつながっていく、このダイナミズムは面白かったですね。

そして、待ってましたのネイビーシールズ出動ですが、例えばフィリピンの救出作戦では、脱出部隊はヘリで高速艇を空輸ですよ! それを河に落として即、1秒を争って出発! 突撃隊は、深夜に高高度からパラシュート降下し、本部と通信しながら進軍して行く。そして、この作戦の一部始終を、高速艇から手で投げたラジコン飛行機みたいのを使って監視しているんですね。この情報こそが、勝者を決める。上から俯瞰するということがいかに大事か! 特殊部隊、そして米軍がどういうふうに戦っているのかが伝わってくる、面白い演出でした。そして、救出時の本人確認のシーンなんかも、細かいんですが省略しない感じ、その方法まで含めてこれまたリアルでよかったですね。
しかしこの奪還作戦、かなり際どい脱出になる。そこで船のガトリング砲が登場します。この使われ方を観るに、敵を倒すというよりも、圧倒的火力で時間を稼ぐ壁をつくるのが目的なんでしょうか。そして明らかに、M16-A1(自動小銃)とかより弾速が速い! やっぱり実弾は最高。パワーですよパワー! 鉄の雨を降らせろ! 奴らを釘付けにしろ! 急げ! 興奮しました。
作戦が全世界に広がってからは、本物の原子力潜水艦が出演したり、そこからなんか、水中発射型移動小型潜水艦みたいなものに乗り換えたり、さらにはパキスタンでアルカイダ幹部を殺しまくっている、無人攻撃機ドローンも一瞬登場。兵器もばっちりで、『コンバットマガジン』読者のみならず、『航空ファン』読者も大納得なんじゃないでしょうか。

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さてこのテロリスト、新型の自爆ベストを使って「例えば観客で満員のサッカー場などを爆破すれば、アメリカは終わりだ」という作戦をたてているんですが、サッカーが大嫌いな僕としては「自由社会が人類から失われるのと引き換えに、サッカーファンが死にまくるなら本望だ! やってくれ!」と、ついテロリストを応援してしまいました。しかし、残念。もちろん尊い犠牲を払いつつも、ネイビーシールズによってテロは防がれます。
このときハリウッド映画の常として、テロリストはワンカットでどんどん死んでいくんですが、海兵隊員は死ぬのに5分くらいかかるんですね。本作、そこでなんとバックに「尺八」が流れる! 耳を疑いましたが、あとから資料を読んでみると監督いわく「ネイビーシールズというのは現代の侍だと思ったから、尺八を使った」ということらしい。この瞬間僕は、サッカー憎さのあまりテロリストを応援していた自分を恥じましたね。僕たちはテロリストとは違う! 米国の同盟国なんだ! つくづく日本に生まれた幸運に感謝しました。

最後に勇気ある行動。勇気こそ、真の男。みたいな話が始まって「ついに来たか!」と身構えてしまったんですが、「宗教で人を差別するな」などというセリフもあり「まあ、イスラムの宗教警察かアメリカの世界警察か、どっちかといえばやっぱりアメリカのほうがマシだよね」と現在の世界秩序に安心しました。
究極のガジェットたるハイテク兵器と、世界を股にかけるダイナミズム。まさにアメリカでしかあり得ない永遠の男心をくすぐる、一本でした。

文=ターHELL穴トミヤ

本物の兵器、本物の戦術、現役SEAL隊員――
最強の精鋭による新感覚戦闘アクション!!


FLV形式 4.32MB 1分37秒

『ネイビーシールズ』
6月22日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー
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原題= ACT OF VALOR
監督= マイク・マッコイ 、スコット・ウォー
脚本= カート・ジョンスタッド
出演=NAVY SEALS現役隊員

配給=ギャガ

2012|アメリカ|110分|

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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