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(C)2016 UNIVERSAL STUDIOS

WEB SNIPER Cinema Review!!
ポップスターの失敗と挫折と転落を描いた波瀾爆笑のしくじりコメディ!!!
『40歳の童貞男』でメガホンを取ったジャド・アパトーが製作を手掛け、『サタデー・ナイト・ライブ』でブレイクしたコメディグループ"ザ・ロンリー・アイランド"のアンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファーが制作・監督・脚本・出演を務めるなど、名うてのエンターテイナーがタッグを組んだお祭り感満載の疑似ドキュメンタリー。

全国公開中!
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(C)2016 UNIVERSAL STUDIOS

映画館に行ってみたら客席に自分1人だけ。映画好きなら誰もが憧れるシチュエーションではないだろうか。私が今まで経験したことのある最小人数は2人で、場所は六本木の旧・ヴァージンシネマズだった。思えば座席にたどり着く前から何かがおかしく、カウンターではスタッフから手描きのチケットを発券された。きっとあまりの客入り悪さに、システムからもバグって消されていたのだろう......。結局1週間ほどで打ち切られたその作品は『みんなのうた』(クリストファー・ゲスト監督)という、モキュメンタリー(偽のドキュメンタリー映画)形式の音楽コメディだった。

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そして本作『俺たちポップスター』もまた、久々に公開されるモキュメンタリー音楽コメディなのだ!! と不吉な始め方をしてみたが、リムジンのパワー・ウィンドウに押し付けられたチンコが窓の動きに合わせてぶるぶる震えるシーンとかとても良かったし、ぜひみんな観に行ってほしい! 監督はザ・ロンリー・アイランドと呼ばれる3人組のコメディ・グループ。プロデューサーはジャド・アパトー。アパトーがいかに偉大かというのは関わった映画を、(『俺たちニュースキャスター』、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』、『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』、『紀元1年が、こんなんだったら!?』、『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』etc......)並べていくだけで伝わるはずだ。アメリカの名門コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で、下ネタ・ミュージックビデオを作りまくっていたザ・ロンリー・アイランドのファンだったアパトーは、彼らの番組卒業を機に映画製作を持ちかけ、本作が誕生した。

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ドキュメンタリーは、ザ・ロンリー・アランド演じる3人組ヒップホップグループから独立し、今や大スターとなった主人公コナー4リアル(アンディ・サムバーグ)の2ndアルバム発売とそこにまつわる騒動を追う、という設定ですすんでいく。前作超えの大ヒットを狙うべく「家電から彼の曲が勝手に再生される」という、画期的なプロモーションを計画したコーナー4リアルチーム。ここで家電会社の社員として『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(ポール・フェイグ監督)のマーヤ・ルドルフが登場するのだが、出てきた瞬間からウザくていい。このネタはU2のニューアルバムが全世界のiTunesに勝手にダウンロードされ炎上した2014年の事件のパロディになっていて、本作の主人公はといえばやっぱり炎上。以後は焦げた中華セグウェイで坂道を転がり落ちるように、転落のキャリアを歩んでいくことになる。

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モキュメンタリーという形式もあり、本作はストーリー映画というより、その場その場のギャグを楽しむコントthe Movieといった趣になっている。アパトー・コメディに度々あった「ストーリーの中でボンクラが輝く一瞬」みたいな感動がなかったのは残念だが、実在するミュージシャンが多数カメオ出演しているのはおもしろい。50セント、エイサップ・ロッキー、RZA、さらにはリンゴ・スターにいたるまで、カメラの前でコナー4リアルがいかに偉大か、自分がどう影響を受けたか熱く語りまくる。出てきただけでウケてしまうのはスヌープ・ドッグやチャーリー・シーン。エマ・ストーンもクレジットされていたのだが、どこにいたのか見つけられなかった......。イモージェン・プーツは主人公の彼女役としてがっちり出演していて、売れてる男なら誰でもいい感バリバリの尻軽女を熱演している。

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落ち目になった主人公は、ツアーの前座に若手の黒人ラッパーを起用し復活を試みる。この若手が「とにかく狂ってるヤバいやつ」という設定で、どの看板でも目を剥いているとか、そういうほんとしょうもないギャグがいいんですよね。やがてこちらもうまく行かなくなり、主人公はサポート待遇でツアーに連れ回している昔の仲間(ヨーマ・タコンヌ)と一緒に、同じく主人公に捨てられてから山にこもり自然派木工アーティストになってしまったもう一人のメンバー(アキヴァ・シェイファー)を訪ねて行くが......、と映画は続いていく。
ドキュメンタリー中で発表される新曲には、現在実際にヒットチャートに食い込んでいる楽曲を再現しつつ、極限まで最低の歌詞をのせるという、非常に高いハードルが設けられている。「ビンラディンみたいにファックして!アメリカ政府より激しくやって!」とか、「彼女の股間にディジリドゥ、イクときはこんな音!(ぶおぶおぶお)」など、キリストも馬小屋に帰ってしまうのではというほどヒドい楽曲のために、アデルやテイラー・スウィフトのプロデューサーを迎え、さらに1年もの製作期間が費やされたというのだから、アメリカ・コメディ界の底力はすごい! そんなことを思いながら、討ち死にした『みんなのうた』のことを思い出し、また同じ監督による80年代のモキュメンタリー音楽コメディの傑作『スパイナルタップ』に思いをはせ、音楽スタイルは移ろえど、アホを眺めていると穏やかな気持ちになる人の心は変わらず! と、ショービズ界の秘密に一歩近づけた気がしたのでした。

(C)2016 UNIVERSAL STUDIOS

文=ターHELL穴トミヤ

俳優、コメディアン、ミュージシャンなど、あっと驚く豪華セレブも多数カメオ出演!!


『俺たちポップスター』
全国公開中!

(C)2016 UNIVERSAL STUDIOS

原題=『Popstar: Never Stop Never Stopping』
監督=アキバ・シェイファー、ヨーマ・タコンヌ
製作=ジャド・アパトー、ロドニー・ロスマン、アンディ・サムバーグ、アキヴァ・シェイファー、ヨーマ・タコンヌ
出演=アンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファー、他
配給=パルコ

2016年│アメリカ│86分│PG12

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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