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安田理央責任編集インデペンデント・マガジン第2弾!
「エロとそれ以外の要素がぐちゃぐちゃに煮込まれた構成で、これぞ僕が愛していた、かつてのエロ雑誌!」そんなコンセプトで始まった、安田理央氏による自主制作のアダルトDVD『No1 in HEAVEN』。自販機本的なカオスが強化された今号の中身、そして面白ポイントは……。単に裸の露出がどうとかではない「成人向け」の意味を成人として改めて考えたくなる濃厚な作品です。ライター・安田理央氏による、自身のDVDプレイヤーとプリンタで創る完全自主制作DVD-Rマガジン『No1 in HEAVEN』の第2弾が完成。安田氏が自身で監督・撮影したエロ動画に加え、二村ヒトシ、工藤澪、小林電人などオリジナリティ溢れる映像を撮り続けてきた監督たちの傑作マニア映像を贅沢に収録。さらに今号では今は懐かしき「自販機本的超カオス編集」が強化され、全体としてはエロティックでありつつ詳しく観てみれば何でもあり、爆笑できるほどに目端の利いたサブカル話がめいっぱいに詰め込まれたパワフルな「雑誌」に仕上がっている。
中でもとみさわ昭仁氏の「ど〜じん誌コレクション」紹介で見られる「ど〜じん誌」の身も蓋もないキナ臭さは、かつて普通であったものがわすがな時間でスーパーヤバいものになってしまうという理不尽さ、その圧倒的さ加減、我々の変わり身の早さをまざまざと思い知らされる。また竹熊健太郎氏へのインタビュー「自販機本時代」(インタビュアー・安田理央)では、伝説の自販機本出版社・アリス出版勤務時代のアナーキーな日々が語られ、人間という生き物のコミカルさ、それゆえの哀しさ、そして捨てたもんじゃない魅力をフニャフニャした語り口で教えられる。それを観た後で「江口寿史とラーメンを食べに行く」を観ると最後に泣けてきて、また常盤響氏の紹介する「アジアの怪しいレコードたち」を観ると、とにかく落ち着かない気分になる。
あとは、他ではなかなか聞けない音楽たちに何かを発見したりしなかったり、DVDのレーベルになっている晶エリー(ex.大沢佑香)が出てこないことについて「自販機本のそこを踏襲しなくてもいいのに」と思ったり、合間合間に入ってくるエロ動画を観ながら「エロが合間なのか他が合間なのか……」と考えたり。つまりこれは、とても楽しいということではないだろうか。
尚、今号では特別付録として、安田理央氏が所有していた中古音楽CDがランダムに入れられている(なんという手作業!!)。アタリになるかハズレになるかは運次第という、買ってみないと分からない自販機本テイストがこういう形でも徹底されている。メディア論云々以前に、現場にいる屈強な作り手=安田理央氏のポテンシャルをつくづくと感じさせる中身。vol.1に比べて格段にボリュームを感じ、個人的にはこのvol.2が圧倒的に面白いと思ったが、ということは次回以降のバラつきも想像される。一ユーザーとして右肩上がりの面白さを期待せずにはいられない。
文=井上文
変態、フェティッシュ、ロリ、純情、バカ、ラーメン、音楽そして……
凝縮された混沌に人間のヒドい面白さを描き出す!!
FLV形式 3.20MB 1分06秒
『安田理央責任編集「No1 in HEAVEN」 Vol.2』
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