WEB sniper holiday's special contents
2010春の連休特別企画
去る3月15日(日)に、年に一度の東方project作品オンリー同人誌即売会「博麗神社例大祭」第7回が行なわれました。年を追うごとに参加人数は増加の一途、第6回となる昨年の参加サークル数は1000を越え、参加人数は約45000人だったとか。そして今回の「例大祭」第7回で手に入れた頒布物を、ばるぼらさんと四日市さんにご紹介いただきます!
編集部I:年に一度、春に行われる東方Projectオンリー即売会「例大祭」も今年で第7回目ですが、参加してみていかがでしたか?
ばるぼら:まずカタログの分厚さに驚きでした。3日分載ってるコミケと同じくらいなかった? 回るのきつかったね。
四日市:そうですか? 私はむしろ楽だった印象。例大祭って、ネットではひどいひどいと言われているんですが、去年からかなり回りやすくなったと思いますよ。
ばるぼら:そーなのか。混んでる時のコミケ3日目って印象です。
四日市:企業ブースは激混みでしたね。あと混むのはシャッター前サークルや壁サークルと呼ばれる大手くらいで、混み合う要素はコミケとだいたい同じになってきた。コミケと比較してひどいということは無いと思うなあ。ただ、若年層の参加は目に見えて多かったので、サークル参加者で頒布物が18禁なところは注意した方がよさそうですね。
ばるぼら:今回は何狙いで買いに行ったんですか?
四日市:私はほとんどサークル買いなんで並べるとコミケと同じサークルの本だらけになって、Dig感はあまりありませんねえ。本当は作家買いをしたいんですが、東方では難しい。ゲスト寄稿や合同本がたくさんあって、それが一箇所でまとめて売っているわけではないので。
ばるぼら:サークル買いと作家買いの違いとゆーと?
四日市:サークル買いは好きなサークルの本ならなんでも買う。作家買いは好きな作家の参加している本を全て買う、って意味で私は使ってます。ばるぼらさんはサークルチェックとかしないんですか?
ばるぼら:本当に少数だけですね。ほとんどその場の直観で買ってます。
編集部I:では、そんなお二人に購入物を見せていただきましょう。交互に出す感じでいいですか?
四日市:私の選んだ同人誌が負けるはずがありませんね。
ばるぼら:え、なに、勝負なの?
四日市:あたいってば最強ね。
ばるぼら:とりあえず一番良かったのを「せえの」で出しましょうよ。
四日市:えー。じゃあ、せえの……
ばるぼら:ジャーン! あ、やっぱりかぶった!
■我々の恋したモス| u^з^|さん
●発行誌名=同人誌よ!
●サークル名=なん…だと…
●作者=モス| u^з^|
四日市:今回、何が一番良かったかって言われたら、迷わずこの本です。
ばるぼら:これを買いに行ったんだもんね。
四日市:「アイシクルオレンジ」に委託されていたサークル「なん…だと…」のモス| u^з^|さん、つまりなんちゃらバーガーさん。
ばるぼら:なにコレー!
四日市:勢い余って3冊買いましたからね。
ばるぼら:ワタシは2冊。余ってるなら布教用に買うよ?
四日市:売りません。ひとはモスさんの本の数だけ幸福になれるんですよ。私は幸福です。
ばるぼら:委託が始まったらまた買いに行こうかな。
四日市:私も買います。
編集部I:どの辺が幸福なんですか?
四日市:なんだろう、登場人物の全員が間違っている。みんな心に問題を抱えているんですけど、楽しそうにやっている。ツッコミのない、投げっぱなしジャーマン。いや、ツッコミはあるんだけどツッコまれてなお、大きな間違いが横たわっている。
ばるぼら:二次創作ってキャラの初期設定をどう拡張するかが作家の味だったりするじゃないですか。モスさんの場合、キャラの性格付けはギャップとかズレの笑いではあるんだけど、そのズレに気付いてる読者の視点とズレだと思ってない作品内のキャラの視点が曖昧になってて、そこが独特の世界観と笑いを生んでるんだと思います。でも最初に反応したのはとにかく絵柄。カラーの絵だと枠線がなくて、『塊魂』っぽい塗りだなと思って気になったんです。
四日市:かわいいですよね。
ばるぼら:かわいいっていうか最初はまさに「なにコレ」って感じだったんですけど(笑)。でも、かわいく見えてくるよね。
四日市:かわいいですよ。霊夢の「びぇぇぇん」は藍しゃまの「ちぇぇぇん」に次ぐパンチライン。
編集部I:こちらも共通して買われていますね、なんですか。
●発行誌名=踊るワラキア
●サークル名=姫上家
●作者=姫上沙月
ばるぼら:サークル「姫上家」さんの小説集『踊るワラキア』です。
四日市:こちらは買った理由も同じだと思うんですけれど。
ばるぼら:モスさんが挿絵描いてるってこと以外の前情報無しで買ったんですけど、読んだら面白かったですよ。とりあえずペラッとめくったら一行目が「レミリア・スカーレットはインド人だった」なんだもん。読むだろ。
四日市:モスさんが参加している本は全て買いましたからね。
ばるぼら:この他にも合同本があったよね? それは買えなかった。
●発行誌名=東方御花畑
●サークル名=SoNと壱 / 酔死体
●作者=壱、梅、他総勢46人
四日市:こちらですね、おしっこ合同本『東方御花畑』。午前中に完売したらしいですね。総勢46人の参加メンバー、異常に豪華です。
ばるぼら:委託販売を待ちます……。
●発行誌名=東方幻想言論
●サークル名=星空亭
●作者=風見ニノ、赤りんご、増田、酔狂、村上祐一、和泉幸奇、国里こくり、moki、mgn、蔵野
ばるぼら:そういえば今回、文章系ってほとんど買わなかったんだけど「星空亭」の『東方幻想言論』は買いましたよ。去年出てた『評論東方』の続編かな。
四日市:あ、スルーしました。委託するだろうと思ったし。
ばるぼら:前回の『評論東方』にモスさんの作品が載っていたんですよね。それで「なんかすごく変な漫画が載ってるな」と思ってサイト見てびっくりした。
四日市:『評論東方』は、むしろモスさんが載ってるという前情報で買いました。
ばるぼら:前回の『評論東方』は思索テキスト多めで読みづらかったけど、今回は「この東方同人がすごい!」ってコーナーとか、わかりやすく編集されててオススメよ。
四日市:いきなり「ふあん亭」の『日帰り怪綺談』を紹介しているので信頼できる。でもマリアリが無いな……(ギリッ)。ていうか執筆陣、かなり豪華ですね。東方でブレイクコア・アレンジをしている音楽サークル「荒御霊」の和泉幸奇さんとか、あ、同人誌紹介の記事を書いてるのは「よつばの読書会」の国里コクリさんじゃん! あとは天下一ゼロアカ武道会の優勝者・村上祐一さんの対談とか……ちょっと秋葉原いってくる!
ばるぼら:落ち着いて深呼吸してからCOMIC ZINで通販しなさい。
■同人誌見せっこ・ギャグ漫画編
●発行誌名=東方百菓繚乱
●サークル名=おかのうえ
●作者=inumoto、ykic
ばるぼら:んでは一冊ずつ順に見せ合いましょうか。まずはこれ。
四日市:おいィ? 何いきなり飛び道具だしてきてるわけ?
ばるぼら:説明してください。
四日市:……同人音楽サークル「おかのうえ」の『東方百菓繚乱』ですね。これは「Tsukasa Records」というネットレーベルを運営しているinumotoさんが描いた漫画です。同人誌自体が初めて。霊夢と魔理沙が駄菓子屋さんにいく……ギャグ漫画?
ばるぼら:おもしろいのでもっと描いてほしいですね。ところで最後のゲスト寄稿ページなんですが、ええと、作者は四日市さん……? おや、聞き覚えのある名前ですねえ。
四日市:割とありがちなペンネームですからねえ。
ばるぼら:当日の朝六時にペン入れしてそうな原稿ですねえ。
四日市:おい!! 前歯ぜんぶ折る!!
●発行誌名=まとめ
●サークル名=ダイオキシン
●作者=大沖 ●発行誌名=初恋クレイジー(二版)
●サークル名=ロケット★燃料21
●作者=秋★枝
四日市:気を取り直して……まずは超大手から。「ダイオキシン」。『はるみね〜しょん』や『ひらめきはつめちゃん』なんかの大沖さんの総集編。
ばるぼら:あ、総集編だったんだ。買ってないよ、しまったな。
四日市:もう秋葉原に並んでますよ。あと合同会計だった「ロケット★燃料21」の秋★枝さん、『初恋クレイジー』。こちらも既刊の総集編……の再販。これで値段が下がると思うんですけど、初版はまんだらけで7000円くらいしてました。
ばるぼら:そんなにするの!?
四日市:本当にこれを読むのがつらくって……。秋★枝さんは基本的にレイマリなんですよ。で、マリアリが2本だけ入っているんですけど、片方はアリスがフラれる話で、もうひとつは魔理沙が死ぬ話。もう読んでてつらくてつらくて……。でも、どっちも本当に良いマリアリなんですよ。
編集部I:専門用語ばかり使わないでください。
ばるぼら:レイマリが霊夢×魔理沙、マリアリが魔理沙×アリス、幽アリが幽香×アリス。カップリングですね。キャラ単体じゃなくて、カップリング萌えというのがあるんですよ、世の中に。
四日市:総集編にまとめる時に多少手が加えてあるんですけど、さっきパラパラッとめくったら初版から二版でまた手が加えられていました。アリスがフラれる話なんて、結末も変わってる。
ばるぼら:どう変わってるんですか?
四日市:アリスかわいいなぁ、切ないなぁ。アリス、アリスゥ……うぇぇぇん。
ばるぼら:どこが変わったんだ!言え!泣くな!キモイ!
●発行誌名=てぇゐ6
●サークル名=さけほぐし
●作者=ずいぞう
ばるぼら:じゃあワタシはこれ、「さけほぐし」の『てぇゐ6』。
四日市:鉄板ですね! ずいぞうさんはすごくいい。
ばるぼら:これはもう、植田まさしのキャラクターが出てくるということに限るでしょう。二次創作というかマッシュアップ。
四日市:はじめて見たのはpixivかな。絵柄に惹かれて、読んでみたら変な漫画で……。ほんと色んなキャラクターが出てきますね。
編集部I:すごいですね、人物紹介に「ピカソ」って……。
ばるぼら:既にタイトルの元になってる「てゐ」が紹介されてない。
編集部I:これ、本当に意味がわからないんですけど……ええっと『てぇゐ6』のP76。「ハラペコれーむに食いもんを送ろうぜ」で醤油やバターやカレーを送る相談をしているんですが、オチになるべき四コマ目で東方とは全く関係のないキャラがゲームソフトをもって「対戦しようぜ」「ウチそのハード無いんだわ」って。シュールと言うか……わからない……。
四日市:いや、それが妙味ですよ。「ソフトはあるけどハードがない」つまり「調味料はあるけど食材がない」ってことです。霊夢に「そもそもウチにはお米がないのよ!」ってツッコませればわかりやすいんですがベタベタですよね。そこを婉曲に表現することで謎の魅力が立ち上がる。素晴らしい!
ばるぼら:難易度高いねー。
四日市:1から3までの総集編と、4、5、6が出ています。コミティアで発行されたコピー誌も収録されてるので、これでゲスト原稿を除いたすべての作品が読める。ご家庭に1セットまとめて欲しい。
●発行誌名=伝説のぱっつん本
●サークル名=記載なし
●作者=クラッシュギンガ
四日市:あと、これはもらいました? 『伝説のぱっつん本』。さけほぐしのスペースに置いてあったんですけど。ずいぼうさんも載ってます。
ばるぼら:なにソレ、もらってない! 言えばもらえたのかな。
四日市:魔法の合言葉「新刊一部ずつ」ではスルーされてたので、そのコピー誌はなんですか、と尋ねた私の大勝利。パッツンをテーマにした、と言っても前髪パッツンでなくパッツンという音の響きをネタにしてる感じですが……かなりの人数が参加しているコピー本。こういうの思いたったが吉日みたいな本、好きだなあ。
●発行誌名=PHANTOMANIA 上巻
●サークル名=フミンバイン
●作者=blub ●発行誌名=CHARM vol.2
●サークル名=フミンバイン
●作者=bkub
四日市:じゃあ私はこれ、「フミンバイン」。これも鉄板でしょうねえ。
ばるぼら:あ、「フミンバイン」出てたんだ? 絵柄がいいですよね。
四日市:出てましたよ。総集編と、新刊。
ばるぼら:この絵柄でボケ倒すギャグの展開が好き。
四日市:楽園の最高裁判長、四季映姫・ヤマザナドゥ。
ばるぼら:それなのにたまにハートフルという。
四日市:ヤマ・ザナ・ドゥ。
ばるぼら:おい、真面目にやれ。
四日市:ヤマ・ザナ・ドゥ。
●発行誌名=YELLOW PAPER
●サークル名=エヴァラ
●作者=わかどり
ばるぼら:ギャグ漫画の流れ? じゃあ『YELLOW PAPER』。「エヴァラ」っていうサークルさん。
四日市:あ、チョコレートくれたサークルさんだ。
ばるぼら:買ったんだ? 他にも数冊あって、横に並んでた『THE ABDUCTION』っていう去年末に出してたカラーの表紙の絵柄が気になったんですよ。それで『東方結儔(とうほう・らぶげっちゅ)』っていうのも一緒に買いました。
四日市:青っぽくて、アリスがかわいいアリスがかわいいアリスがかわいい表紙のやつ。魔理沙オンリーイベントの既刊ですね。そこではじめて知ったんですが、絵柄がいいですよね。
ばるぼら:そうそう、まず絵柄が気になって、ペラッとめくったら「あ、変な漫画だ。買わなきゃ」って。
四日市:ダブルスポイラー!!
●発行誌名=The circulation never dies
●サークル名=即席魔王
●作者=ボン・カレー
四日市:ギャグならここが好きだなあ。ボン・カレーさんの「即席魔王」。この圧倒的画力で本当にばかばかしいマンガを書くんですよ。基本的にギャグなんですが、去年の魔理沙オンリーで初めてギャグ抜きの漫画を出していました。「追い駆ける」という、これがまた良いマリアリで……。今回はギャグですね。
ばるぼら:描き込んでますね……表紙だとギャグ漫画とは思えないな。
四日市:ギャップ萌えですよ。躍動感あふれる八雲一家が投げっぱなしなギャグを連打します。迫力あるんだよなあ。今回は最新作・星蓮船からの出演を多めにギャグの弾幕を展開してますね。
ばるぼら:ところでもうワタシのギャグ漫画ストックが尽きそうなんだけど。
●発行誌名=CountDownTouhou
●サークル名=bogotan
●作者=ボゴ夫
四日市:えー。これだけ紹介しておきたい。一見買いの「bogotan」。少女漫画っぽい絵柄に惹かれたのと、パラパラッと目を通したらこの絵柄なのに割とみんなかわいそうな目に遭っていたので。ここは次も買いに行きたい。
ばるぼら:霊夢が調子にのってる早苗をシメにいく話……どうして早苗って性悪キャラにされるの?
四日市:現代っ子だから。
ばるぼら:そういうものか……。
四日市:霊夢と同じ巫女さんだし、衣装も同じで、早苗には神様が二人もついてる。もともと霊夢に付属していた参拝客が少なく貧乏って属性との合わせ技一本で商売敵、商売上手、腹黒、性悪って感じでは。
■同人誌見せっこ・ストーリー漫画編
●発行誌名=鉄製グリルで悪魔は焼ける
●サークル名=シャこ
●作者=チャりん
ばるぼら:ではでは……じゃあ、「シャこ」。
四日市:百合きた! 百合は本当にいいものですね。
ばるぼら:いいものかどうかは置いとくけど(笑)。最近はストーリーものを描くようになって、百合サークルと呼ぶのが失礼な気もしますね。
編集部I:先ほどの『東方幻想言論』の「この東方同人がすごい!」にも「シャこ」の『April』という本が載ってます。
ばるぼら:『April』は二冊目ですね。幽アリです。
四日市:しかし幽アリという観点からみれば一冊目の『幽アリプッシュ自分用』でしょう!
ばるぼら:さっき言ってた「よつばの読書会」という同人誌の読書会で「シャこ」の本を読んで以来、ずっと追いかけています。というかワタシが東方同人誌読むようになったのって、ここのサークルの本がきっかけ。ゲーム一回もやったことなくてキャラ間の設定も知らない状態で初期作品を読んで面白かったんだから相当ですよ。
編集部I:最新作はどうだったんですか?
ばるぼら:前作『マイ・フェア・ウィッチ』は解説がないとわかりづらい部分があったので、今回は多少わかりやすくなってます。あとがきで作者解説もあるしね。
四日市:前作はサイトに解説が書かれてましたね。作品内で原作2作分の時間が詰め込まれているので、ストーリーを知らないとわからない場面転換が使われていたり、魔理沙の周辺設定を知らないとやや難しかったと思うんですけど、すごくよかった。魔理沙への愛に溢れていた。ところでマリアリはまだですか?
ばるぼら:pixivを見ると、昔はマリアリ描いてるよね。
四日市:まだかな?
ばるぼら:まだだよ。
四日市:まだなの?
ばるぼら:まだとも。
●Caramel Shock!&KIRSCH&おぺら
●発行誌名=Juuuuustice!!
●サークル名=Caramel Shock! & KIRSCH & おぺら & 鳩胸
●作者=aria、ふぁるぶー、七瀬尚、渡チキ
四日市:次。pixivで好きな作家さんが参加しているとのことで買ったアリス合同本。
ばるぼら:どの人ですか?
四日市:ariaさん。絵柄もシチュエーションもすごくBLっぽいですよね。魔理沙がイケメンだしかわいいし。かわイケメン。pixivで連載している漫画の続きが楽しみで楽しみで!!
編集部I:四日市さんはほぼマリアリばかり?
四日市:それがですねえ……マリアリを追いかけているうちに、単にツンデレなだけのアリスでは満足できなくなってしまって。マリアリの主流というのはアリスが魔理沙にデレデレなんだけど素直になれなくて、ってのが多い。でも私の性癖としては魔理沙がアリスを追いかけている、かつアリスは精神年齢高めのお姉さんって感じでお願いしたい。土下座して頼みたい。好みがメインストリームからズレはじめているので、実はそんなに冊数は買えていない。
●発行誌名=博麗霊夢が熱を出した
●サークル名=現実逃避
●作者=リコ
ばるぼら:では「現実逃避」というサークルの『博麗霊夢が熱を出した』。タイトルそのまんまな本ですね。レイマリ。東方モノを出したのはこれが最初みたい。
四日市:おお、これはすごくよさそう。
ばるぼら:いいでしょう〜。
四日市:だって熱をだしたんですよ!!
ばるぼら:「だって」って接続詞がおかしいだろ。
四日市:熱を出したときたらもう、カップルでいちゃこらいちゃこらするお話に決まってるじゃないですか。鉄板シチュじゃないですか! たまらないに決まってるでしょう! 魔理沙はいじらしく看病しそう! 不器用でもかわいいし、なにげに器用でもかわいい!
ばるぼら:これはですね、先ほどの「シャこ」が出した『幽香とアリスの桃色空間向日葵畑』という合同本がありまして、その本に参加してるまことじさんと茶麻さんがゲスト寄稿してるというので買ったんですが、全体的に良かったです。
●発行誌名=在り、成り、そして在る 前編プレビュー
●サークル名=PERSONAL COLOR
●作者=ねこ
四日市:では、至高のマリアリを……。私のあらゆるマリアリ欲を満足させてくれるのがここ、「PERSONAL COLOR」。「幼女と少女」シリーズが本当によかったんですが、今回もナイス・マリアリを期待させますね……!!
ばるぼら:あ、良い。これで100円?
四日市:プレビュー版だからなんでしょうが、このボリュームとクオリティで100円はすごい。同人誌の価格破壊。
ばるぼら:これは……ハルヒならぬアリス・マーガトロイドの消失ですか。
四日市:そうですね、なんか都会からペンギン村に引っ越してきたお嬢様的なキャラ造形のアリスさんが、親の都合で実家に帰ってしまった。んで、魔理沙がそれを追いかける、みたいな感じ。
ばるぼら:そんな説明でいいの?
四日市:買え! 正式版はサンシャインクリエイションで頒布予定らしいですよ。
●発行誌名=Quatuor Emotif
●サークル名=さとうさんち。
●作者=みゃま
ばるぼら:マリアリなら『ある愛のまほう』というのを買いましたよ。
四日市:あ!「さとうさんち。」だ。でもこのマリアリ本は既刊ですよ。そして、素晴らしい既刊です。
ばるぼら:新刊はこっちか。『Quatuor Emotif』。これは紅魔館のフランドール中心。
四日市:妹さまー。
ばるぼら:そうそう。ここもさっき言った合同本『幽香とアリスの桃色空間向日葵畑』に参加していたサークルですね。クオリティ高い。
四日市:絵柄もかわいい。ここはサークル買いですか?
ばるぼら:そうですね、幽アリ合同本に参加している人はチェックしてる感じ。
四日市:オムニバスアルバムを買って、単独音源を拾うみたいな……。
ばるぼら:商業における雑誌の役割を同人だと合同本が担っているという。
●発行誌名=SKLTON IN THE CLOSET Part2 準備稿
●サークル名=matilda
●作者=matilda
四日市:マリアリ以外も買ってるよ!ほらほら、「matilda」のmatildaさん。冬コミでアリマリのエロ漫画を描いていたんですが、私は百合にしてもBLにしてもチューまででお願いします!と力強く言いたいのですが、matildaさんの本はとても良かった。魔理沙がかわいかったし、お姉さんなアリスも素晴らしい。blogの告知で「実用性皆無」って描いてあったんですけど、かなりエロかったな。
ばるぼら:これはたしかに良いね。でも、ワタシは基本的に東方のエロって苦手なんだよね。東方のキャラってそれぞれ身につけてる記号がそのキャラのアイデンティティになってるから、エロいシチュエーションによって衣服を脱ぐ、つまり記号を外されると、単に東方のコスプレをしてるオリジナル・キャラクターに見えてしまうんですよ。慣れればいいんだろうけど。
四日市:で、これはその前に出した「SKLTON IN THE CLOSET Part1」の続き。の予告。少女はいかにして霧雨魔理沙となったのか。「シャこ」の『マイ・フェア・ウィッチ』みたいな、魔理沙のルーツ探し。で、このサークルの本はですね、魔理沙がメチャクチャかわいいんですよ! 本当にかわいい。魔! 理! 沙! が! かわいいッ!! 魔理沙は割と幻想郷のイケメンジゴロにされることが多いんですが、matildaさんの描く魔理沙は乙女。その乙女っぷりが本当にかわいいんです。ただ、ただですねえ……。
ばるぼら:なによ?
四日市:惜しむべくは、この人は……咲マリ(咲夜×魔理沙)なんですよね……。
ばるぼら:ああ……でも四日市先生は魔理沙推しですよね。
四日市:いや、マリアリです。魔理沙もアリスもすごくかわいい。いや、本当にかわいいですよ、matildaさんの描く魔理沙! もはやマチルサと呼びたい。
ばるぼら:ついさっき「マリアリ以外」って言った自分の発言をあとで読み直せ。
●発行誌名=ココロノ花
●サークル名=NURSERYTALE
●作者=山根真人
ばるぼら:四日市先生に気に入られそうなのだとこれとか。「NURSERYTALE」の『ココロノ花』。
四日市:お、マリアリですね! 絵柄いいですね、絵柄いいですね、絵柄いいですね。
ばるぼら:大切なことですね。マリアリといってもこの魔理沙はアリスじゃなくて霊夢が好きだけどね。傷ついた魔理沙がアリスのとこに慰めてもらいにくる感じ。
四日市:どうしてアリスが好きな人は魔理沙にアリスをフラせたがるの? アリスを縛ろうの会とかあるし、いじめたくなるんですかね。いや、いじめられているアリスもかわいい。いじめられているアリスは、本当にかわいい! でもTTTだけは絶対に許さ
ばるぼら:(無視)どうしてそうなるんですかね?
四日市:引きこもりとか人間嫌いみたいな設定もあるけど、なにより感情を我慢するキャラ造形だからじゃないですか? その極端な壊し方として、欲求を全て出し切る変態アリスがある。
ばるぼら:割と冷静だな。あと「kagero」というところの『OTMA#1』もマリアリ。魔理沙がアリスの家に不時着してしまって、作業着姿のアリスを見てしまうという話。メガネかけて職人っぽくていいですよ。ほのぼのしててよかったです。
●発行誌名=だったらいいのに
●サークル名=白線の上だけを、
●作者=のいせ
四日市:マジでマリアリだけじゃないんですって。寛容な気持ちを保っている。レイマリへの寛容さを。「白線の上だけを、」ってサークルの『だったらいいのに』。これは絵柄買い。一見ですね。表紙が良いじゃないですか、色使いとか。んで、パラパラっとめくったら香霖が出ていてちょっと気後れしたんですが……。
編集部I:と、言うと?
四日市:男はいらねえ。
編集部I:あれ? 東方って男もいるんですか?
ばるぼら:いますよ。めったに出てきませんが。
編集部I:ばるぼらさんも男いらない、というのは深く同意、と。
ばるぼら:まあ、あんまり出てほしくないよね。
四日市:一瞬迷ったですけど、読んでみたらレイマリだった。漫画絵も良いし、次もチェックしようと思って買いました。
●発行誌名=NEW HORI-ZUN
●サークル名=ddiction
●作者=N-Forza、KirbyM
ばるぼら:ワタシ紹介するものがなくなってきたから四日市さん続けてどうぞ。
四日市:これは「ddiction」というサークルの本。英語の教科書を模した『NEW HORI-ZUN』。
ばるぼら:『ニューホライズン』パロディね。これ東3ホールで見た気がする。外国の人が描いてなかった?
四日市:Walfasという、ニューヨークの学生が運営している東方二次創作サイトの人などが集まって作ったのかな? 絵柄と、霊夢がハンバーガー屋を経営しているとかの変な二次設定がおもしろくてニコニコ動画周辺で流行っていたんですが。
ばるぼら:こういうデフォルメの絵柄は定番ですが惹かれます。
四日市:もともとFlashですからね。英語もおもしろいです。
ばるぼら:Don't say I'm lazy……「けいおん」か。
四日市:Is That So.(そーなのかー)
●発行誌名=ドクタチルノ
●サークル名=ぬこー様パラダイス
●作者=ぬこー様
編集部I:そろそろ時間も尽きてきましたので。
四日市:これが最後になるの? じゃあ病院で締めましょう。pixivで有名な病院系作家、「ぬこー様パラダイス」のぬこー様。
ばるぼら:表紙いいですね。
四日市:ただし18禁ですから。
ばるぼら:これで? ちょっと読ませて。
四日市:はい、エロくないけど。
ばるぼら:シチュエーションが病院ってことかね。(読む)あの……あなたの大好きなアリスがひどいことになってるけどいいんですか。
四日市:悟りを開いてますから。ギャグ漫画の場合はもう、どんな扱いを受けていても割り切れますね。
■まとめ・例大祭に参加するなら
四日市:本当に記念すべき例大祭でしたね。モスさんの個人誌を……
ばるぼら:博麗神社をあげて祝福した……
四日市:素晴らしい祭でした……! 本当に素晴らしかった。
編集部I:次回から例大祭へ行ってみよう、という人へのアドバイスをお願いします。
四日市:まずはモスさんのblog「なにコレー」を熟読する。右上の貯金箱に入っている霊夢が保管庫へのリンクになっているので正座して読む。画面を高速でスクロールして、両サイドのチルノを回転して遊ぶ。pixivを見て、ニコニコ動画を見て、Twitterも読む。これは必須ですね。
ばるぼら:毎日やってます。
四日市:あとはまあ、最初に言いましたがそんなに無茶混みしなくなってるので、気張る必要はないのでは。東方のサークルさんは委託販売をガッツリしてくれるし、混み合う壁はサクッと切って、島中のサークルを回ったり、合同本を買って気に入った作家さんの個人サークルをチェックしてみたり、なんてどうですか。
ばるぼら:ワタシは全スペースを回って気に入ったのを買う、ってだけだから参考になる意見は言えませんが、初参加でしたけど特に問題は起きなかったですよ。小銭を用意して行くのは忘れずにってことくらいかな。
四日市:コミケと比較して特にひどいってことはない、とは言いましたがコミケが既に過酷な環境であるということを忘れずに、カタログの注意事項をよく読む、これ大切。ルールを守って楽しく即売会。エンジョイ・アンド・エキサイティング。ゲット・マリアリ。ゲット・グローリー。
構成・文=四日市・ばるぼら
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四日市:エヴァンゲリオン研究家。三度の飯よりエヴァが好き。クラブイベントにウエダハジメ、有馬啓太郎、鶴巻和哉らを呼んでトークショーを開いたり、雑誌に文章を載せてもらったり。プロフィール画像は昔描いた三十路魔法少女漫画。
ばるぼら: ネットワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』(共に翔泳社)『NYLON 100%』(アスペクト)など。『アイデア』不定期連載中。
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