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special issue for happy new year 2010.
2010新春特別企画
ばるぼら × 前田毅〜ビジュアル系対談:激突!!血と薔薇 【前編】

2010年お正月企画第二弾はビジュアル系小特集!ここ数年、 X JAPANに代表されるビジュアル系バンドに再評価の兆しが見え始めているとか。その特徴的な出で立ちから敬遠されている方も少なくないと思われますが、ビジュアル系のことをよくわからないまま、距離を置いていませんか? まずは偏見をとりのぞき、そのルーツを探る旅へご案内。案内人はばるぼらさんと前田毅さんです!
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■ビジュアル系のルーツはレイジー?

ばるぼら:ここ数年、ビジュアル系を巡る状況がかなり変わってきましたよね。特に海外での盛り上がりはすごくて、一時期は「Shock Rock」だったけど、今はもう「Visual-Kei」で通じる。ただ、その逆輸入評価を担保に「日本では無視されてきたが海外では評価されてる本物のロック」と持ち上げるのは正しくない気がするんですよ。ここで注目すべきは音楽の質云々ではなくて、これまでは単純に海外に情報が行き渡っていなかっただけで、日本にこういうバンドがいるんだって広まれば、評価する人もしない人も、日本と同じ割合でいるんだ、ということだと思います。そこで、じゃあビジュアル系の音楽って実際はどういうものなのか?ということを、もう一度捉え直すことが必要ではないかと! まずは歴史的に、ビジュアル系のルーツってどこ?という話から始めましょうか。

前田:まずレイジー(※註1)ですよね。

「赤頭巾ちゃん御用心」レイジー 発売元=RCA 発売日=1978年2月5日
ばるぼら:レイジーなの(笑)? 順を追って説明してくださいよ。

前田:まず日本では70年代までロックって売れる音楽じゃなかったんだよね。レイジーはレッド・ツェッペリンやディープ・パープルなんかの洋楽に影響を受けたハードロック・バンドだったんだけど、事務所にアイドル路線を強要されて和製ベイ・シティ・ローラーズとして1977年にデビューする。でもアイドル・バンドながらも反骨精神があって、高崎晃のギターも上手いし、芸能界からどんどん逸脱していく。そこで解散後、元メンバーの高崎晃と樋口宗孝が結成したのがラウドネス

ばるぼら:ああ、ビジュアル系のシーンの前身に日本のハードロック/ヘヴィメタル(以下HR/HM)の流れがあるんだよね。

前田:どう考えてもビジュアル系はジャパメタから流れてきてるんだけども、それはなんなのか?って問題。そこでレイジーから始まりラウドネスに流れるジャパメタ・ブームって何かといえば、全部ビーイング(※註2)なわけじゃないですか。ジャパメタを海外チャートに送り込んで仕掛けたのが完全にビーイングで。アースシェイカーとかアクションとか全部ビーイングだから。

ばるぼら:長戸大幸(ビーイング代表)って滋賀県出身か。HR/HMは関東より関西で盛り上がってたんだよね。

前田:はっぴいえんどの流れじゃなくて、フラワー・トラベリン・バンド的な(※註3)、がっつり英語でロックやって海外で認められたい、って流れでビーイングの社長も来てるから、その想いみたいなものがジャパメタに流れ込んで、そこで一回メタルは歌謡曲になってるわけですよ。

「Blue Revolution」浜田麻里 発売元=ビクター音楽産業 発売日=1985年10月21日
ばるぼら:HR/HMとビーイング的センスが80年代のジャパメタ・シーンでドッキングしたと。たしかに樋口宗孝がプロデュースした“麻里ちゃんはヘビィ・メタル”こと浜田麻里、高崎晃プロデュースの本城未沙子のどちらもビーイングだ。

前田:日本人がやるものはすべて歌謡曲になってしまう」って話があるけども、それと同じように日本ではヘヴィメタルは歌謡曲としてあって、ビジュアル系はその流れだと思うんですよね。ビーイングを経由して日本に根付いてると考えると、ビジュアル系も小室哲哉もそんなに遠い位置にはいない。ってことでばるぼらさんも実は結構好きなんでしょう?

ばるぼら:……うん(笑)。

前田:そこは言っておいた方がいいですよ。ただのネタだけじゃないぞと。
 
ばるぼら:うむ。話がズレるけど、関西HR/HMにつながるシーンとして関西プログレがありますね。特にノヴェラ(※註4)の一部のメンバーはアクションやアースシェイカーに流れる。重要なのはノヴェラのファンのファッションで“ヴィオロン族”ってあるんだけど、あれはちょっとゴスロリの先駆っぽい。フランス人形みたいな服着て、ステッカー貼ったジェラルミン・ケースを持ち歩くという……。あと少女漫画とノヴェラは距離が近いんですよ。

前田:たとえば?

「最終戦争伝説」NOVELA 発売元=キングレコード 発売日=1983年
ばるぼら:多田かおるの『愛してナイト』にノヴェラが出てくるし、ノヴェラのアルバム『青の肖像』のジャケは内田善美だし、山田ミネコの『最終戦争伝説』のイメージ・サントラやってるし……。第一次“やおい”ブームとの共時性を感じなくもない。あとノヴェラはプログレとして扱われるけど、初期はKISS(※註5)やクイーンの影響も強い。

前田:KISSの影響は大きいよね。

ばるぼら:KISSが1977年に来日した時に女性誌が「お化粧バンド」って形容したんですよ。ここから「お化粧」はキーワードとして90年代頭までずっと使われる。グラム・ロック(※註6)、ニュー・ロマンティック(※註7)、ダークウェイヴ(※註8)、LAメタル(※註9)、本田恭章(※註10)、全部。これがルーツ探しの混乱の元かも。ウィラードなんてお化粧バンドを自称してたし。

■80年代、ポジパン・シーンから

「DEAD SONG」GASTUNK 発売元=テイチク 再発売日=1999年10月21日
「DARLIN'」D'erlanger 発売元=BMG JAPAN 発売日=1990年2月1日
ばるぼら:で、HR/HMの第二世代って感じで80年代中期にDEAD ENDガスタンクが出てくる。改めてここで言っておきたいのは、ビジュアル系の象徴としてXとCOLOR(※註11)の名前を出すのは、その後の存在の大きさからして当然だけど、サウンド面で影響があるのはむしろDEAD ENDとガスタンク、あと……

前田:デランジェ

ばるぼら:……だと思うんですよ。この辺のバンドの音にポップなメロディをのせると、まんま90年代のビジュアル系の音になる気がする。

前田:当時バンドやってた海猫沢めろん先生に何が好きだったか聞いたら「デランジェ。エクスタシーにもフリーウィルにも所属しない孤高の存在。最高」って言ってて。そういう人はきっと結構いると思うんですよ。メジャー出てすぐ解散したのも信念からでしょ。メジャー・カンパニーの玩具にされたくないというか。

ばるぼら:ラルク・アン・シエルはDEAD ENDを出してたナイトギャラリーってレーベルから最初のシングルを出して、デランジェを出してたデンジャー・クルーから1stアルバム。さらにラルクのhydeが一番影響を受けたのはガスタンクのBAKIさんらしいし、この時代のシーンの申し子的なバンドがラルクなんじゃないかなあ。ちなみにデランジェ後期ボーカルのKYOは、デランジェの前はBa-Rraとサーベルタイガーのボーカル。

前田:そうだ、サーベルタイガー(※註12)でhideと一緒だったんだよね。

ばるぼら:さらに辿るとデッド・ワイアーでTAIJI(Xのメジャーデビュー時のベーシスト)と一緒。DEAD ENDは当時耽美派って言われてて、HR/HMだけじゃなくニューウェイヴやゴスの影響があります。その辺は同時代のトランス・レコード(※註13)と同じ。hydeがラルク以前に組んでたJerusalem's Rodってすごくゴスっぽくて、あと黒夢がインディ時代にメンバー間で聴いてたのはアサイラムとかZ.O.Aなんだって。たしかに黒夢の『亡骸を…』というアルバムはトランス/SSE周辺との親和性を感じられ……なくもない。

前田:トランス・ギャル(※註14)って服装真っ黒だったよね。今思いだしたけど、ゴスロリってトランス・ギャルとナゴム・ギャルが混じって出来たっていう説もあるみたい(笑)。Wikipediaによると。だからそれがクロスする時代があって、そこで客が異種配合するっていう。ようは女の子なんだよね、ロックバンドに理想の男性像を見る。それがナゴムにしろトランスにしろあって、ビジュアル系もそうだったという。LUNA SEAの初期って完全黒装束でしょ。

ばるぼら:SLAVE達!って言ってたもんね。

前田:そうそう。あと1989年頃にビジュアル系につながるポジパン・ブームがあったよね(※註15)

「ヒステリックな侯爵婦人」マダムエドワルダ 発売元=シティロッカー 発売日=1984年
ばるぼら:ポジティヴ・パンクというと80年代前半のAUTO-MODマダム・エドワルダを思いだすけど。

前田:それじゃなくて、マザーグースとかローゼンクロイツとか。ローゼンクロイツは『FOOL'S MATE』が『MIX』に変わってからも特集されてたけど、その記事では「ネオ・ポジパン」って書かれてる(笑)。だから、オールドスクールじゃないポジパンが80年代末にはいて、それが一時期流行ってた気がするんですよね。デランジェは完全そっちの流れじゃないかな。

ばるぼら:BUCK-TICKは? アルバム名が『悪の華』ってまんまですよね。

「悪の華」BUCK-TICK 発売元=ビクターインビテーション 発売日=1990年2月1日
前田:BUCK-TICKも含めて、そういう時代のムードがあった気がする。今井寿とソフトバレエの藤井麻輝のSCHAFTってインダストリアル・ユニットとか組んで、どんどんゴスっぽくなっていく時代が。だからAUTO-MODの「時の葬列」周辺と、80年代後半のネオ・ポジパンは全然違う流れがあるんだと思うんですよ。このへんの影響関係は微妙で、HR/HM経由のお化粧バンドがあって、そのお化粧系の時代の気分の中で生まれたポジパンなんだよね。いつもちょっと解せないのが、AUTO-MODに代表される日本のポジパンから日本のお化粧系、ビジュアル系に流れるって説があるけど、いまいちしっくりこないんですよ。全然違う気がして。

「CLOSE DANCE」ZI:KILL 発売元=エクスタシー 発売日=1990年3月15日
「KISS XXXX」V.A. 発売元=UK PROJECT 発売日=1990年6月25日
「殺意」Gilles de Rais 発売元=エクスタシー 発売日=1992年1月21日
ばるぼら:80年代後半のポジパン組、お化粧系に影響されて出てきたネオ・ポジパンの方が、流れは大きいと。

前田:そう、“ネオポジ”のほうが影響関係は大きい(笑)。だからマザーグースやローゼンクロイツが出てきた後くらいに、デランジェだとかBUCK-TICKだとかZI:KILLだとか、ああいうビジュアル系の中のポジパンっぽい人たちが出てきてる、っていう認識。多分そういう風になったビジュアル系の人たちは雑誌読んでる派なんですよ、つまり音楽好きでオタク気質。まあ、この辺はもうちょっと研究の余地が必要だと思いますが。

ばるぼら:あ、あれじゃない? 楠本まきの。

前田:はいはい、UK PROJECTから出てた『KISS XXXX』のイメージアルバムにマザーグースが入ってるね。

ばるぼら:楠本まきはその前後にZI:KILLの『CLOSE DANCE』や、ジルドレイの『殺意』のジャケ絵を描いてるんですよ。まさにポジパンからビジュアル系へ!

前田:楠本まきが重要だったんだ(笑)!

■90年代、お化粧バンドからビジュアル系へ

ばるぼら:で、90年代に入って、バンドブームの衰退と一緒に「お化粧」って言葉も消えていきます。かわりに出てきたのが「ビジュアル系」。『ミュージックマガジン』1993年8月号では既にこの言葉が使われてる。「渋谷系」より「系」使ったの早いんですよ。

前田:「髪立て系」っていうのもあったね。

ばるぼら:あった。昔の雑誌読むと「髪立てポジパン系ハードロック」とか書かれてる(笑)。髪立てというとやっぱりXを思いだしますが、あれはヘヴィメタルじゃなくてスラッシュメタル(スピード感のあるメタル)ですよね。

前田:ヘヴィメタルとスラッシュメタルには切断があって、HR/HM専門誌の『BURRN!』は基本的にスラッシュメタルを無視したんだよね。スラッシュメタルのファンも虐げられてる思いがあるから、『BURRN!』に載ってないものを買うとか、『BURRN!』で0点ついてるものを買うみたいなことをしてたらしい。これは余談だけど、スラッシュメタルって60年代のガレージバンド並に世界中にいるから、近年はそれがレアグルーヴ化して00年代に再評価が起きて発掘が進んでるんですよ。オブスキュアなジャーマンメタルとか、そういうのがどんどん出てきて。90年代のクラブシーンのレア盤発掘みたいなものが、00年代はスラッシュメタルに起きてる(笑)。

『BURRN!JAPAN』No.4 発売元=シンコー・ミュージック・エンタテイメント 発売=1989年
ばるぼら:印象ですが、Xが活躍しはじめた80年代末〜90年代初頭からシーンが変わるんですよね。『BURRN!』の日本人版『BURRN! JAPAN』が6号で終わって(1987〜1989年)、『BURRN!』本誌も1993年頃から日本のミュージシャンが全然載らなくなるんですよ。それと入れ替わるように、1990年には『HYP』を前身に『FOOL'S MATE』がビジュアル系雑誌化して、『SHOXX』が創刊。メディアの転換期なんです。

前田:なんでジャパメタは載っけてたのに、お化粧、ビジュアル系が増えると切るのかという。少なくとも音楽性じゃないと思う。歌謡曲っぽくなったからダメっていうなら分かるけど、前から歌謡曲っぽいんだもん。アースシェイカー聞いても歌謡曲っぽさはあるじゃないですか。

ばるぼら:そうだよね。

前田:だからそこが分からないんだよ。なんでビジュアル系を切り離したのかが。結局、単に見た目が気に入らないからじゃないのって(笑)。非常に乱暴だなあと。

ばるぼら:ビジュアル系の服装が気に入らなかったのかな?

前田:44マグナムとか相当すごい格好してるから、格好でもないと思うんだよ。まあ髪は重力に逆らわずに立ててないんだけど。

ばるぼら:インディで広告が入らないからってことですかね?

前田:あくまで音楽にこだわってみると、ある音楽が理解できなくなる場合ってビートの問題が大きいと思うんですよ。そうすると、YOSHIKIのドラミング(※註16)がダメだったのかなあって。

ばるぼら:X以前に日本のオリコンチャートにあんなドラムなかったもんね。Xは聴いてました?

前田:そんなに聴いてなかったかな。

ばるぼら:ビジュアル系っぽい中で一番最初に聴いたのは?

前田:Xかな(笑)。Xだね。

ばるぼら:Xですよね。Xの爆発的人気で一気に新規ファンが増えてそれまでの流れが断ち切られたっていうのはあるんじゃないですか。

前田:なんだろう、切断面を説明できたらいいですよね。

■90年代前半のビジュアル系シーン

「BEAT EMOTION」BOΦWY 発売元=東芝EMI/イーストワールド 発売日=1986年11月8日
ばるぼら:90年代前半は、BUCK-TICKの麻薬事件(1989年)、COLORのライブ事故(1990年)、Xの活動停止(1990年)や海外進出(1992年)とかが相次いでしまって、代わりに看板を飾れるようなスターを生み出そうと、若いバンドを積極的にメディアがプッシュしたり、レコード会社が契約して宣伝に力を入れはじめるんだよね。この頃の音楽面は、さっきも言ったようにXに似たグループっていなくて、サウンドはDEAD ENDやデランジェで、メロディや歌い方はBOΦWYに近い。BOΦWYの影響受けてるけどお化粧バンド、っていうのも確実にいる。

前田:GLAYはまさしくそうでしょ?

ばるぼら:BY-SEXUALもちょっとBOΦWYらしさを感じる。

前田:BY-SEXUALってドラム以外のメンバーはみんな高校を三日とかで辞めてるんだよね。それで16歳とかでCOLORのローディでしょ。ということは、ヤツらは相当なワルですよ(笑)。それでやってる音楽があれっていうのはかなり特殊な存在。単純に若かったせいかもしれませんが。

ばるぼら:音楽的背景があまりないってこと?

前田:そう。あれこそ衝動なんじゃないですか。「SO BAD BOY」って歌詞がすごい。万引きをしたって歌詞ですよ。

ばるぼら:そのまんまじゃん!

前田:そう、退廃的美学とかじゃなくて、不良のロックなんだよ。あれは特殊な感じがする。COLORはどうですか?

ばるぼら:ビートが今だと単調に聴こえるんですよね。90年代に主流じゃなかった音な気がする。

前田:“バッド・ボーイ・ロック”っていうニュアンスがあるかなって。ZIGGYRed Warriorsのような。

ばるぼら:90年代前半というとあとZI:KILLとLUNA SEAですね。この辺から現在に通じるビジュアル系のサウンドになると思う。ZI:KILLは東芝EMIでゴタゴタしたせいで一番大事な時期にリリースがなかったんだよね。だから我慢し続けたことでキングレコードから出たのはすごくメジャー感がある。ホッピー神山がサポートしてるせいかな。「Mr.Market」って曲では黒夢より先にスカやってる。

前田:どっちもまともに聴いてないなあ。

ばるぼら:なんでこの二つのバンドが重要かというと、ZI:KILLの「NO MORE TO SAY」って曲と、LUNA SEAの「WISH」って曲は、“ビジュアル系”と聴いて連想するサウンドの原型を作ったんじゃないかと思ってて。聴けば分かるけど、ギターがガーッと鳴ってて、ビートはスピード感があって、歌詞は孤独感があって、メロディはポップで切ない、っていう。足りないものは何もない。

前田:そんなこと言われたら聴かなきゃいけない気がしてきたよ(笑)。

ばるぼら:ZI:KILLもLUNA SEAも元はエクスタシー所属だけど、どちらもhideが発掘してて、GLAYも最初はhideだったよね? 全部メロディタイプのバンドなんですよ。元を辿るとhideのそういう嗅覚センスがシーンに影響を与えてるのかもしれない。YOSHIKIはLadis:Room東京YANKEESみたいな、情緒もあるけどどっちかというとハードなタイプを中心に契約してた。

前田:hideはあとで自分のレーベルのLEMONedを立ち上げるよね。ZEPPET STOREが一発目で、UK PROJECTっぽい文脈に入ってきた。記憶だと、Corneliusの「(YOU CAN'T ALWAYS GET) WHAT YOU WANT」を聴いてhideは衝撃を受けて、雑誌で対談して『96/69』でリミックス、って流れになりましたよね。

「HIDE YOUR FACE」hide 発売元=MCAビクター 発売日=1994年2月23日
ばるぼら:そんな感じ。本格的なビジュアル系ブームってLUNA SEA、黒夢、ラルク・アン・シエル、GLAYが売れてからだけども、1994年のhideの1stソロアルバムが超ポップだったことは先駆的かつ重要。今挙げたバンドはLUNA SEA以外みんな1994年デビューで、売れた順でいうとLUNA SEAの「ROSIER」(1994年7月)、黒夢「BEAMS」(1995年10月)、GLAY「グロリアス」(1996年1月)、ラルク「flower」(1996年10月)って感じかな。かつてのBOΦWYの位置のような、メロディがポップなロックバンドに対する需要は常にあるんだと思う。
(続く)

【註釈】

※註1 レイジー=1973年結成。本来、ディープ・パープルなどのハードロックに影響を受けたバンドだったが、1977年メジャーデビューするにあたりベイ・シティ・ローラーズのようなアイドル路線で売り出される。1980年、「本当にやりたい音楽」をやるために「ヘヴィー・メタル宣言」を行い、それまでのアイドルバンドとしてのイメージを払拭するが1981年に解散。遠藤賢司が会長を務めた「レイジー男だけのファンクラブ」のようにミュージシャンからの支持も高い。解散後、ギターの高崎晃とドラムスの樋口宗孝はLOUDNESSを結成。

※註2 ビーイング=1978年設立の音楽制作会社。創業者は長戸大幸。1990年代前半に一世を風靡したB'z、ZARD、WANDSなどの制作で知られる会社だが、ジャパニーズ・へヴィメタルの黎明期を支えたMAKE-UP、ACTION、EARTH SHAKER、そしLOUDNESSなどの制作も手がけた。

※註3 はっぴいえんどの流れじゃなくて、フラワー・トラベリン・バンド的=大瀧詠一、細野晴臣、松本隆、鈴木茂が所属したはっぴいえんどは「日本語」でロックをやることに注力した、60年代末から70年代初頭に活動したフォーク・ロック・バンド。対して内田裕也のフラワー・トラベリン・バンドは、海外で認められるには「英語」でやらなくてはいけないとして活動していたロック・バンド。ロックを相対化したはっぴいえんどと、絶対化したフラワー・トラベリン・バンドという対立軸で、70年代初頭に「日本語ロック論争」を巻き起こした。

※註4 ノヴェラ=70年代後半、シェラザードと山水館のメンバーにより結成された日本のプログレッシブ・ロックバンド。1980年アルバム『魅惑劇』でデビュー。少女漫画にもなったその美しいルックスをヘヴィメタル評論家の伊藤政則は「元祖ヴィジュアル系バンド」と称した。

※註5 KISS=1973年結成、アメリカのHR/HMバンド。奇抜な衣装と白塗りのメイクが目を惹く。かつてインタビューでは日本の歌舞伎の影響があると語っていた。KISSのトリビュート・アルバム『KISS MY ASS』にはYOSHIKIも参加している。

※註6 グラム・ロック=70年代に盛り上がったグラマラスなロック。中性的、けばけばしいメイクが特徴。1967年に英国で同性愛が合法になり、それをセンセーショナルにエンタテインメントさせたものとも。代表アーティストにT-REX、デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージックなど。

※註7 ニュー・ロマンティック=70年代末〜80年代に登場した、派手な化粧と華やかな服装を特徴とするニューウェイヴ・グループの相称。ロマン派のニューウェイヴ的解釈。代表アーティストにヴィサージ、カルチャー・クラブ、デュラン・デュランなど。1998年にはSHAZNAのIZAMが選曲したカルチャー・クラブのベスト盤が出た。

※註8 ダークウェイヴ=70年代末〜80年代に登場した、内省的・悲観的な雰囲気の歌詞と低音を持ったニューウェイヴ・グループの総称。新古典主義のニューウェイヴ的解釈。またゴシックやデカダンの影響が強い。代表アーティストにバウハウス、キュアー、スージー&ザ・バンシーズ、コクトー・ツインズなど。

※註9 LAメタル=80年代、アメリカ西海岸で起きたHR/HMムーブメント。代表アーティストにヴァン・ヘイレン、モトリー・クルー、W.A.S.P.など。

※註10 本田恭章=1982年、「0909させて」でデビュー(当時16歳)。金髪・お化粧・ギターで、元祖美形ロックとして知られるが、ピンククラウドや鮎川誠が好きだった本人はアイドル扱いが嫌だったという。1987〜1991年にはハードロックバンドThe Toysで活動。

※註11 XとCOLOR=音楽性に共通項はないが、XのYOSHIKIはエクスタシー・レコードを、COLORのDYNAMITE TOMMYはフリーウィル・レコードを主催し、「東のエクスタシー、西のフリーウィル」と呼ばれるビジュアル系の二大レーベルとして共に語られることが多い。

※註12 サーベルタイガー=1982〜1987年に活動したHR/HMバンド。正式名称は横須賀SAVER TIGER。北海道に同名バンドがいるが別物。のちXに加入するhideが参加。

※註13 トランス・レコード=『FOOL'S MATE』初代編集長の北村昌士が設立したインディ・レーベル。ニューウェイヴとプログレが融合したような音色と、ゴシック・ファッションに身を包んだバンドが多く所属。代表的アーティストに北村のバンドYBO2、Z.O.A、アサイラム、幻覚マイム、黒色エレジーなど。後続レーベルのSSEからは電気グルーヴもリリース。

※註14 トランス・ギャル=トランス・レコード所属バンドの追っかけギャル。黒服が特徴だった。対してナゴム・ギャルはナゴム・レコード所属バンドの追っかけギャル。デビュー当時の篠原ともえを想像すると理解が早い。

※註15 ポジパン=ポジティヴ・パンク。1983年に『NME』がダーク・ウェーヴ・シーンの目立ったバンドを取り上げた時にこの名称を用いた。やはり退廃的、耽美的な雰囲気の歌詞と音が特徴。ダンス・ソサエティー、セックス・ギャング・チルドレン、サザン・デス・カルト、エイリアン・セックス・フィーンドなど。

※註16 YOSHIKIのドラミング=ツー・バス。足で叩くバスドラムは通常は一つだが、二つ用いて交互に叩き続けるスタイル。これを高速に行うことで、曲中ずっとバスドラが鳴り続けて独特のビートになる。メタルの基本。
構成・文=ばるぼら・前田毅

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ばるぼら ネットワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』(共に翔泳社)『NYLON 100%』(アスペクト)など。『アイデア』不定期連載中。
「www.jarchive.org」 http://www.jarchive.org/
前田毅  フリー編集者たまにライター。参加したものに『音楽誌が書かないJポップ批評』(宝島社)、『STUDIO VOICE』(INFAS)、『NYLON 100% 〜80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流〜』(ばるぼら著/アスペクト)などなど。
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10.01.01更新 | 特集記事  >  特集
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