special issue for silver week 2011
2011シルバーウィーク特別企画/特集「女性向けAVの現在形」
特集「女性向けAVの現在形」、AVレビュー編――「女性の性の悩みで多いのはSEXでオーガズムを得られないコト。そこで、SILK LABOの女性スタッフで彼が喜ぶもっと感じるハウツー満載のドラマを制作!」。付き合って二年になる直人との関係は良好。だが、麻美は一度もオーガズムを得た事がないのを悩んでいた。そんな時、ミステリアスなカメラマン三神と出会って……。真面目で優しい彼とはうまくいっているけれど、彼女には悩みがあった。それは一度もセックスでイッた経験がないこと……。
忙しい直人とすれ違いが続くなか、偶然のトラブルから新進カメラマン・三神(月野帯人)と知り合った彼女は、彼によって初めてのオーガズムを味わってしまう。
二度と会わないと心に決めたものの、営業の直人が連れてきた新しい仕事相手はなんと三神。いけないと思いつつも麻美は危険な魅力の彼と関係を持つようになる――。
イケメン男優達がアイドルばりに“エロメン三銃士”と呼ばれているとか、AVなのに必ずコンドームを付けるシーンがある(付けけてる、じゃなく、付けるところをわざわざ見せている)とか、以前からいろんな噂を耳にしていたシルクラボ作品。
女子向けAVとして成功していると聞いて気になってたんですが、いやあ確かに! これは食いつきますって!
もちろんセックスシーンもあるけれど、指マンは指一本。クンニというよりは体中を舐めるような愛撫スタイルでピストンもゆるやか。ベッドにはお姫様抱っこで移動し、セックスの後は「キレイだったよ」という甘い言葉を忘れないというスイートさ……。
トレンディドラマとか韓流ドラマのラブシーンや濡れ場を、全裸+モザイクなしでやってるような感じなんですよね。
また、カラミ以外のドラマ部分も、これでもかってほどに女子の気持ちを汲み取って作ってあります。
麻美役の工藤あさみちゃんは、演技がうまいのはもちろん、ショートカットでアヒル口で色気がありすぎない、言ってみれば同性に嫌われにくいタイプ。
三神に「麻美(会ってすぐに呼び捨て! キャー!)、彼氏に内緒で楽しもうよ……俺ならもっといろんなこと教えてあげられるよ……」なんてことを言われてもそうすぐには落ちない適度な貞操観念もあるし、仕事もバリバリやってる。等身大だけど、女子がこうなりたいと思うような女の子。「満足してるけどイッたことがない」という悩みも共感できます。
そんな子が、真面目で優しい彼氏と、才能あってヤリチンで石田壱成にちょい似の危険な男との間でゆらめくわけですよ。そりゃハマりますって。しかもチンコまで見せてくれるってんだからたまらんでしょう。
ちなみに私はどっちかというと誠実な一徹派ですが(○○派とか言ってるあたりがすでにヤバイ)、月野君のベタなジゴロっぷりにもグッときましたね。
なんといってもシビれたのは、イッたことのない麻美がイケるように優しく導いてくれるくだり。しかも自分はズボンすら脱がず完全なるご奉仕体制。フェラすらしてないのに、別れ際にはキスするふりで「これ、忘れ物……」と連絡先を差し出す。そんな男いますか、ええ!?
思い返せば、私がAVを観始めた10年くらい前から「女性向けのAVがあったっていいじゃないか」「でも果たしてそれが商売になるのか?」ということは言われ続けてきたんですが、女性向けAVこういう形で日の目を見たというのは、なんだかすごく納得。
確かに、オナニーに使うエロというよりは萌えの要素が強いです。でもとにかく重要なのは、なんだかんだ言って大抵の女子はこういうのが好きだってことなんですよね(むろん私も大好きです!)。
まあ欲を言うなら、三神役の月野君の演技がもうちょっと棒読みじゃなければ……とはいえ、あんまりパーフェクトにやられて「サイン会行かなきゃ!」とか言い出しても困るので、これくらいがちょうどいいのかもしれません(笑)。
文=遠藤遊佐
『ファインダーの向こうに君がいた (SILK LABO)』
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