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映画『サマーウォーズ』パンフレット 発行=2009年8月1日

Special issue for Silver Week in 2009.
2009シルバーウィーク特別企画
ばるぼら x 四日市 エンドレスサマーウォーズ対談(センコロールもあるよ)

2009年8月1日に公開、9月10日には観客動員数100万人突破が伝えられ、人気を拡大中の映画『サマーウォーズ』。2006年に公開された『時をかける少女』では9カ月にもわたるロングラン上映を達成した細田守監督の初の長編オリジナル作品となるこの『サマーウォーズ』を、ばるぼら氏と四日市氏のお2人はどのように受け止めたのでしょうか。その前にまずは宇木敦哉氏が手がける話題作『センコロール』の話から!
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■『センコロール』を観てきたよ

『センコロール』パンフレット
ばるぼら:『サマーウォーズ』が予想外に面白かったから、夏が終わる前にその話をしようと対談をセッティングしたんだけど、その前に池袋でやってる『センコロール』の話をしたい。作者の宇木敦哉氏が30分アニメをほぼ一人で作り上げたという話題作だけど、ワタシは全然ダメだったなあ。先にウェブで観たパイロット版は面白そうだったから期待してたんだけど。観た?

四日市:映画は観たけど、パイロット版は観てない。

ばるぼら:YouTubeにあるからまずは観て(→YouTube - センコロール(トレーラー)/動画革命東京)。どう?

四日市:……こんなシーンあったっけ? 面白そう。これは観たい!

ばるぼら:内容全然違うでしょ? これトレーラーって書いてあるけど実質パイロット版ね。パイロット版って予告編とも違って、制作のためのお金を出資してもらったりするために作る映像らしくて、本編と結構変わる場合が多いらしい。今回はそのぶんの期待はずれ感が大きい。やっぱり一人の力は限度があるんだな……って感じ。

四日市:いや、この変容っぷりは一人云々の問題? なんでこのアクション映画があんな萌え四コマっぽい空気のSFになったのかな。

ばるぼら:本編は「すこしふしぎ」になっちゃってるんだよね。このパイロット版と本編ってもはやキャラクター以外共通項がない……。

四日市:続編ができたらそっちにカットを回すのかな、とも思ったけど、流れはだいたい本編に沿っているので、単純に没カットなのかな。何度も観たくなりますね。センコ(『センコロール』に登場する謎のモンスター)も本編よりキモくて良い。映画は一人で作ってるってことを知らずに観ればよかったのかも。

ばるぼら:知らずに見たら何か変わったかな?

四日市:「一人なのにここまで」とか「一人だからこの辺は仕方がないか」とか、そんなことばかり考えてしまって。観る時点では知らなかった方が楽しめたかもしれない。

ばるぼら:それはあるね。

四日市:ウェブのFlashアニメは一人で作っているのが当たり前だから、観る時はクオリティなんて考えずに楽しんでいる。でも劇場映画だと偏った視線で見てしまうなあ。

■平坦で、低温で、混乱しない


ばるぼら:パイロット版の良い印象のせいで、本編は良くない印象の方が多く残った。最初の日常パートは普通はキャラクターがどういう存在かっていうことを描くものだと思うけど、いきなりセンコと関わることになっちゃうから、学生だっていうこと以外情報が増えない。あまり動かさなくていい場面で尺を稼ぎたかったのかなーと邪推。

四日市:ヒロインの友達は敵の男と絡むのかと思ってた。

ばるぼら:敵に捕らえられてどうこうみたいな役割でもなかったね。なんだったんだあの娘? 敵の男はゲーム感覚で街を壊すようなキャラという役割なんだろうけど、そのゲーム感覚を十分に描いてないから「なんかからんでくる嫌なヤツ」にしか見えない。展開が遅いというか編集がよくないんだな、たぶん。どう思いました?

四日市:すごく平坦な映画だった。プリンに変身するところ、センコが死にかけてるところ、戦いが終わった後に自衛隊から隠れてるところ、演出次第で笑いもとれればハラハラさせられそうな場面なんだけど、とにかく平坦に描かれていた。センコに腕を取り込まれるところなんてゲンドウ・シチュエーションなのに「私を拒むのか、センコ」の一言も言えない。もう少しうろたえてくれてよかった。

ばるぼら:あのうろたえない感じって現代的なのかな、何事にも低温というか。

四日市:主人公のセンコへの接し方や、ヒロインがセンコのことを何も追求せずに話が進んでいく流れ。感情の揺れが小さい、非日常を前にして混乱しないってのがゼロ年代なんだろうなー、イヨッ!ゼェーロ年代!って思いながら見てました。

ばるぼら:王道展開に対する態度としては立派なゼロ年代フィクションなのかもね。「えェ〜〜!?ちょっと!なんなのよコレ!?」みたいな定番のリアクションをするか、そういうのをことごとく避けるか。平坦といえば横からの画面描写が多かったなーと思いました。だから時々出てくる斜めからのカットが効果的になっている、とも言えるわけですが。

四日市:なるほど。たしかに横からは多かった気がする。

ばるぼら:キャラクターの関係性(性別、大きさ、視線の方向、距離感)を外面的に描く場合は横からが多いだろうけど、カメラアイが映画というより演劇を観てるのに近かった。その印象が平坦なのかな。少なくとも物語を見せたい映画ではなかったね。

■『センコロール』が描くものは

『オタクとデザイン 第2号』 発行=2007年8月19日
四日市:ボーイミーツガールだけど恋愛って程ではない。センコ達に対する掘り下げもない。「オタクとデザイン」というサークルが出している同人誌に監督のインタビューが載っているんですが、設定はあまり作っていないって言っていたから掘り下げも何もないのかな。まあ30分って枠の中でどうするか、ってのはあると思うんですけど。

ばるぼら:映像、背景はよかった?

四日市:ときどきクオリティの高い背景が出てきた気がする。基本的に無機質というか、のっぺりした背景じゃないですか。たまに背景にリアリティがあった気がしたけど、どこらへんなのか指摘できるほど入れ込んで観てなかったな。背景とか明らかにパイロット版の方がかっこいいな。

ばるぼら:どういう違いがありますかね。

四日市:本編の背景は気に止まらないんですよね。現実でいえば本当は全て動いていて、草や木だって揺れる。背景もキャラも渾然一体なんですが、どうも事件が起きて動いている箇所以外は本当に背景というか、エロゲの背景みたいな場所とか時間を表す記号程度にしか感じられない。

ばるぼら:キャラクターに重点が置かれてる?

四日市:キャラだろうか。アクションを見せようとしてたんじゃないかしら。

ばるぼら:アニメーターとしては非常に根源的な欲求ですな。でも、街中で暴れて大きなことやってるはずなのに、なんか作品全体の印象が小さい。

四日市:だだっぴろい模型の中で暴れ回っているような箱庭感。それなりに発達してる街なんだけど人の気配がない。いちおう最初に敵の男の子と対峙した時に、一般市民が覗き見てカーテンを閉じる描写もありましたけど、他に一般市民の描写ってほとんどないから、違和感すらあった。

ばるぼら:たとえば『エヴァ』ってわざわざ長い渋滞を作って住民が車で避難したり戻ってきたりのシーンを入れるじゃない? ああいう説明的な描写って大事なんだなと思ってしまった。『センコロール』は生物の魅力がまだ描けてないと思う。

四日市:わざとなのかな、センコに対する戦車の無力さって意図なのか、戦車がおもちゃっぽくて。むしろあの戦車って中に人間がいるのかしら? くらい。シュールで面白かったけども。すこし不思議っていうか不条理っていうか。でも、巨乳の魅力は描けてましたよ。ヒロインの。

ばるぼら:そんな魅力を強調したシーンあったっけ。

四日市:シーンはないんですよ。でも地味に巨乳。地味乳。

ばるぼら:地味巨乳っていうのはいい、かなりいい。すばらしい。

四日市:新ジャンル、地味巨乳の開拓です。

ばるぼら:『センコロール』が描きたかったものはこれだったのか……!

■『サマーウォーズ』も観てきたよ

『時をかける少女』 通常版 [DVD] 販売=角川エンタテインメント 発売=2007年4月20日
ばるぼら:『センコロール』に熱くなってしまった。個人制作っていうのは好きだから応援したいんだけど……。本題に移りましょう。『サマーウォーズ』は細田守監督の劇場公開作品第二弾で、前回『時をかける少女』(2006年公開)は各方面で賞を取ってロングランヒットになった。『時かけ』とどっちが面白かった?

四日市:『サマーウォーズ』。

ばるぼら:私も。『時かけ』は別にそんな面白いと思えなくて。『サマーウォーズ』は面白かった。

四日市:『時かけ』の良さはわからない。いや、そこまで言ってしまうほど評価してないわけじゃなくて、アンチな意見も別にないんだけども、特別に褒める気もしなかった。『サマーウォーズ』は褒めたいですね。

ばるぼら:設定は単純に『時かけ』の反対になってるんだよね。あっちの主人公が女だったから今回は男。あっちの登場人物が少ないから今回は多数。

四日市:『サマーウォーズ』は反発意見も多いようですが。

ばるぼら:出来の悪い箇所はいくつも指摘できるんですよ。大家族モノを描こうとしてるけども、実際は超天才が世界を救う話になっていて、家族の連携だけでは結局救えてない、とかね。超人が多いでしょう。キングカズマだの、数学オリンピック間近だの、ラブマシーン作者だの、天才が集って地球を救う。

四日市:ババアも!

ばるぼら:そう、あのおばあちゃんが日本を裏で支えるキーマンで、各界の大御所を動かして最初の混乱を救ったわけですよね。

四日市:で、さ。それってコネやんけ。

ばるぼら:そう、コネじゃん、という。オンラインのネットワークと、オフラインのネットワークの対比を一見描いてるようで描けてない。電話のシーンはあくまでおばあちゃんの存在の強大さを示す説明なんだな。人情モノっぽい説得の台詞は泣けますけど。どこの誰かもわからない人々との交流もいいけど、一つ屋根の下で一緒に飯を食べるような間柄がいざとなったら強いよね、っていう結論には持っていけない。それはあくまで超人がいたからという注釈が必要になる。

四日市:数人の超人、しかもAI作者に近しい人間が、AIの仕様を知った上で勝てた。キングカズマを応援してる人達の「超人なんとかしてくれ」ってオーラがすごくニコニコ動画してる。作中ではてなブックマークが出てきてたけど、実際に戦っている人に対する応援って、せいぜいはてなブックマークでコメントつける程度なのと似てますね。ベリー・インターネット!

ばるぼら:うん。そういう「はてなブックマークも出しちゃいますよ」みたいなウザッたい描写が多いし、カズマが女の子っぽいのは監督狙いましたねとか、文句つけやすい映画だとは思うんだ。それであとはそれをどう評価するかというところで、ここでは褒めていきたい。

■ラブマシーンはなんなんだ

ばるぼら:とりあえず物語を頭から復習しましょう。ヒロインにふりまわされる主人公っていう王道パターンが、すぐ嘘がばれて犯人扱いされるところから変わり始める。翌朝には「OZ」と呼ばれるコンピュータ・ネットワークに世界規模の大混乱が起きていた。ここのおばあちゃんが各方面と連絡を取りはじめる場面で、まず「コンピュータなんてふわふわしたネットワークじゃなくて、リアルな人のつながりが大事なんだよ」っていう説教映画に持っていくのかと警戒したのですよ。でもよく考えると、おばあちゃんの敵にあたるラブマシーンはあくまでハッキングAIであって、ネットワークの対比を描こうとしてるのではなかった。

四日市:ラブマシーンはむしろ非ネットワーク的な存在ですよね。

ばるぼら:うむ、分散型じゃなくて集約型なんだよね。むしろ一元管理の怖さってことなのかもしれない。あのOZを運営してる機関は明示されてないけど、そこがたとえ善意だとしても、悪意が混入することで集中管理システムみたいなものが破綻してしまう。

四日市:『サマーウォーズ』で正義と悪の話になると思わなかった。

ばるぼら:そもそもAIに感情はないのに、あのアバターのせいで悪党に見えるんだよ。映像によって悪の印象がもたらされてる。たぶん小説版があったら「悪」じゃなくて「恐怖」だったかもしれない。

四日市:知識欲で動いてるにしてはえらく暴れ回りましたよね。実験精神で色々試しているうちに混乱が起きたのだとしても混乱を楽しんでるような描写も見受けられたし、なるほど悪か。

ばるぼら:他人のIDを盗むのは情報=知識が欲しいから、というのは説明になってる。でも最後に家に衛星を落とそうとする描写がよくわからない。あれが復讐なら、明確な悪の意思を持ってる。

四日市:あのAIは悪い侘助、悪びすけみたいになっちゃってますね。

ばるぼら:ここで「知識欲とは悪の第一歩なのだ!」というキリスト教の原罪に話を持っていってもいいのだが、まあこじつけはやめましょう。

■とりあえず映像が気持ちいい

四日市:CGはどうでした?

ばるぼら:CG独特のテカリを徹底的になくした平面的なトゥーンシェーディングが、二次元欲を満足させました。

四日市:予想外にアニメでよかったですね。予想外にCGでもあったわけだけど。

ばるぼら:10億IDくらい集まって一つのモンスターみたいになってるシーンとか、気持ちいいんだよなー。

四日市:あれはいいですね。虫っぽくて。

ばるぼら:CG最高。それにしても宣伝ポスターからは絶対に想像できないオープニングと設定だったね。てっきり「ぼくらの七日間戦争・大家族編」かと思ってたら……。ポスターからデジタルワールド感を消し去ってるのがズルイというか宣伝戦略というか。

四日市:なんかもっとジブリッシュなのかと思ってました。田舎の大自然、アナログな結びつき、古き良き日本……偽善的ィ! 反吐が出るわ!って思ってましたね、観るまでは。

ばるぼら:そういうのが全面に出るのかと思って、観に行くまで嫌だったんだけど、そういうわけではなかった。

四日市:ジブリは大好きなんですけどね。なんというか、ジブリはそういう皮をかぶってるだけで、本当はもっとおどろおどろしい何かな気がしてしまって。

ばるぼら:ジブリは妖怪入るから……。『サマーウォーズ』は異世界があくまで画面の向こうだから。

四日市:なるほど。しかもかなりそこまで来た世界というか、フィクションとしては親しみのあるバーチャル像ですしね。

■多人数キャラクターの意味は

ばるぼら:『サマーウォーズ』は大家族を描くっていうのが一つの目的であるわけですよね。前評判で「キャラ一人ひとりの描き分け・役割がある」みたいなのを読んだんだけど、でも別にそんなことはないと思った。息子が出てる甲子園に夢中のおばさんとか、ところどころ区別つく性格を持ってたりするんだけど、別に深みはない。キャラをたくさん描くのが面倒だっただろうなと思うくらいで。子供達の性格の区別なんか全然つかないもん。

四日市:ああ、カツレツキッカ。田舎には誰の子供なのかわからないが無限に子供がいるという思いこみ、田舎ですよ、っていう記号ですね。キャラが多いからあまり深いところは描けないのかも。他のみんなもそんな深く描いてるかっていったらそうでもないでしょうし。

ばるぼら:世の中の大家族もいちいちキャラがたってるわけではないけど、それをアニメでやられるとついなんらかの意味を見出したくなるんだよな。必然性は?とか。

四日市:実写映画では?

ばるぼら:実写は気にならない。なぜアニメは気になるかというと、手で描くという手間がかかるから!

四日市:手間暇かけてるんだから、何か意味あるだろう、と。

ばるぼら:ただなんとなく出しただけなら面倒だろう!という思いこみ。「沢山いる」という集合体としての意味だけなのかな。超どうでもいいけど、陣内万助が着てたDAT SUNのTシャツは、川本真琴が昔『DNA』のPVで着てたTシャツと同じ柄(色違い)だったよ。

四日市:ほー、偶然ですね。

ばるぼら:うん、ただの偶然。ごめん、言いたかっただけ(笑)。毎日Tシャツ変わってて芸が細かいなと。

四日市:ところで警官はナツキに片思いしているって設定がありましたね。忘れてたけど。

ばるぼら:あったね。ナツキとの過去の描写が挿入されなかったのは、多分重要な役割を担わないから省略されてるんだろうな。警官のヤツって活躍しないじゃないですか、あれって物語としてはよくない気がしました。エラー要因っていう役割を与えられているだけで名誉挽回しない。普段ツンツンだけどおばあちゃんを大切にしてるっていうのは侘助がいるし、キャラが被っている。

四日市:ツンツンでエラー要因だけど家族に受け入れられてるキャラと、ツンツンでエラー要因で家族からも阻害されてるキャラ、かな?

ばるぼら:そういうことかっ。ただ今回はめちゃくちゃ登場人物がいるぶん、一人一人が薄くても、場面展開が頻繁で、同じ人を見続けなくていいから『時かけ』よりはすんなり入れた。そうか、『センコロール』が息苦しいのは最初から最後までずっと同じ少人数しか出てないからかも。『サマーウォーズ』は一杯人がいたからそれだけで楽しかったよ!

四日市:キャラに深みがなくても人間を増やすことでなんとかなるのか!

ばるぼら:全員の深みを描くのは無理だから(そんなのやるのは長編漫画だけ)、主要キャラだけでいいんだけど、『センコロール』は主要キャラさえ描けてないからなあ。

四日市:まだ言う! しつこい!(笑)

ばるぼら:失礼。いやほら、『ヱヴァンゲリヲン』に、細田監督の『サマーウォーズ』に、一人監督の『センコロール』ってアニメ映画が並んじゃってるから、つい比較しちゃうんです。さらにここに『空の境界』も混ぜて……。

四日市:これ以上増やさないで!

■ナツキを頼まれたい

ばるぼら:話を飛ばしていくと、ラブマシーン作者だと告白した侘助におばあちゃんが切りかかったあと、掃除中の主人公を呼び止めて花札勝負するシーンがあるよね。あそこでおばあちゃんから伝承された技を最後の戦いで発揮するのかと思ったら、その予想も外れて、ナツキが勝負しちゃった。ナツキがおばあちゃんからの伝承ということで受け継いではいるんだけど。

四日市:あそこの「ナツキを頼みます」ってのと、鼻血を吹きながら叫ぶ「よろしくお願いします」が、時間差で繋がっているように感じた。

ばるぼら:なるほど、普通に考えると「よろしく〜」って数学オリンピック代表落ちのリベンジだけど、二重の意味がこめられてるのか。「ナツキを頼みます」の返事はなんてしたっけ?

四日市:煮え切らないながらも了解するニュアンスだったような。

ばるぼら:それを意思表示できるまでになった、という成長。

四日市:二重の意味というと、ギャグが単に笑いをとるためだけではないよう演出されてると思う。警官が氷を持ってっちゃったのもそうだし。

ばるぼら:氷持ってっちゃうのはギャグなの?

四日市:劇場では笑いがこぼれてましたよ。

ばるぼら:寒いギャグだな……氷だけに!

四日市:(無視)。

ばるぼら:氷持っていかれずに解決しちゃったらちょっと拍子抜けではあった。ギャグっぽいシーンって他にどこ?

四日市:屋敷に船もってくるのとかギャグですね。

ばるぼら:わざとらしい、大袈裟な展開ですね。映像としての景気づけ。

四日市:現実サイドではキーボードを叩く以上のことができないから。

ばるぼら:映像が地味になってしまうのをどう解決するのかというと、オンラインはアバターでなんとかなる。しかしオフラインでは、となると。

四日市:いまどきキーボード……ってのはありますが、あまりSFしすぎないように意識したのかな。

■アカウントを託されたい

ばるぼら:それで花札勝負の翌日、おばあちゃんが亡くなりますよね。ラブマシーンのせいでコンピュータ管理してた治療のタイミングがくるって、そのせいで亡くなったかも、みたいなところで「悪意がなくても結果的に人が死ぬような無邪気さ」を批判してる感じがしたけど、それであってると思う?

四日市:はい。

ばるぼら:それがネット批判にも見えたんだけどそれは邪推しすぎ?

四日市:ネット批判、って表現をされると違和感があるけど、オンライン側から伝染してくる無邪気さに対する批判のようには感じましたね。

ばるぼら:視聴者としては、紋切り型のメッセージは聞く耳持たないし、作者もそういうメッセージを避ける存在であって欲しいと思うのだけども、そこはちょっと気になりました。

四日市:でもなんというか、わざわざ台詞にしなくても、とは思った。ラブマシーンの存在だけでいいじゃん。

ばるぼら:「ラブマシーンのせいかも→侘助悪い」って視聴者の意識をピンポイントに誘導して、侘助が行動しなきゃいけない、と物語を追いこんでいく。こういう演出をわざわざやる所が、視聴者への説明過多でちょっと覚める。なんだろう、熱いものを触ったときに、パッと手を離す描写があればいいのに、わざわざ「熱い!」ってセリフを足してる感じというか、映像だけで観る人はわかるんだ、と思ってない。まあいいや。最後の戦いはどうだった?

『こいこい7 (1)』出版社=秋田書店 発売=2003年3月13日
四日市:『こいこい7』を思いだした。

ばるぼら:それ名前だけだろ。いろんな人がアカウントを託してくれて、オンラインかオフラインかは関係なく人の絆が大事、みたいになってたね。

四日市:人の絆かな? 劇中での失敗って感情が内向きの時に起きてますよね。侘助もそう、警官もそう、ババアLOVEの気持ちが高まって失敗をしでかしてしまう。んで、家族が一致団結して戦うことを決めて、今度はワールドワイドの人たちが世界に目を向けてみたら、なんか戦ってる奴らがいるよ、俺たちも戦おうよ、って良い場面なんじゃないですか。とか言ってますけど観てる時は「なんたるご都合主義!」と思ってました。

ばるぼら:ワタシも観てる時は「唐突なんじゃないの?」って思っちゃった。そもそもナツキが戦ってることからして。あそこで戦ってるのがキングカズマなら、みんながアカウントを託すのも自然なんだけど。

四日市:とはいえアカウントを託すっていうのも、あの世界ではOZのアカウントがすごく重要なのはわかるんですが、あそこまでOZのシステムが崩壊していると、アカウントを託すってのが重大な決断には見えない。むしろネットの向こう側でおもしろいことやってる人がいるぞ!ウェブマネー振り込んでみようぜ!くらいの、ババアを殺したような「無邪気さ」に見える。

ばるぼら:描写が足りない?

四日市:それまで散々ラブマシーンに奪われまくってるからじゃないですかね。主人公がそもそも奪われていて、仮のアカウントでログインしてて、不自由に見えませんしね。アクシズ落としのような感動には繋がらない。

ばるぼら:アクシズ落としか?(笑) 感動すべきところはアカウントを託してくれたことよりも、無関心が協力に変わったところだって、今さっき自分で言ってたよ!なのに!なぜだ!

四日市:オタクだからさ……。

■『サマーウォーズ』は面白い

ばるぼら:いやー、『サマーウォーズ』面白かったね。

四日市:って話し始めたのに文句ばっか言ってる気がしますね。こんだけ色々と文句は言えるんですけど、本当に面白かった。あのババアの演技だけでも見に行く価値あると思ったし、ババア素晴らしいと思っている、と明言しておかないとひどい対談に見える。

ばるぼら:そうか、褒め対談のつもりなんだが! よかったよ! おばあちゃんが出てくる場面はほろっとしたもの。

四日市:あそこはいいですね。泣かせにきたね、とは思いましたが。電話と遺言で2回ほどババアによる泣かせがありますね。

ばるぼら:ババアはこの映画ではすごく重要人物だからなー。

四日市:つまり、みんながババアになった、ってことでいいのかな。

ばるぼら:はい?

四日市:遺言のところでも、メカケの子供であることなんてどうでもよくて、侘助を家族にできることが嬉しい、というババアがいて。電話のところでも家族に行動を促して、自分ができる範囲のことを精一杯すれば、それが他人に繋がって、みんなが動き出す、というのがババアの原理。みんながババアと同じように行動できたから、世界もババアになって、最後のコイコイに繋がった、という。

ばるぼら:ふむ、それも良い点の一部ではある。みんなが一人一人やれることを頑張れば、世の中はきっと良くなる、みたいな感覚。「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである」(吉田健一)の精神にも近い。けど、そういう指摘では『サマーウォーズ』の良さって表せないと思うんだよね。

四日市:『ヱヴァ』が何を描こうとしているのか、それは成長物語だ、いや今更そんな……って感覚ですね。

ばるぼら:当たり前で普遍的なことを描いているから、あえて言葉にすると安っぽい話になってしまう。たとえば90年代的フィクションは、愛だの友情だのを描くことがリアリティを失った、普遍的なものを描くことが王道じゃなくなった状況を踏まえて作られていた。『エヴァ』とかまさに。だから言葉にしやすかった。さらにそれを踏まえて、リアリティのないゲーム的環境にのっかってるうちに、いつのまにか切迫感のある世界観だけは構築される、というところでゼロ年代的フィクション。

四日市:そして殴り合いとカードゲームに落ち着く。

ばるぼら:これも色々指摘しやすかったね。じゃあ『サマーウォーズ』が何をやったかというと、帰省とか朝顔とか風鈴とか甲子園とか、一つ一つは超普通の夏っぽい出来事をひたすら重ねてる。だからその辺は言葉にしにくい、というかしても当たり前の話になってしまう。

四日市:けど古き良き日本を描きたいわけでもないですよね。単なる懐古主義的には描いていない。武田信玄の昔話を熱っぽく語るおじさんに感心するのではなく、ハイハイと受け流す感受性もきちんと描いてる。

ばるぼら:うん。さらに付け足せば、伝統的日本家族とOZみたいなネットワークの世界を融合させて新しいことをやりました!ですらない。『サマーウォーズ』はゲーム的環境が既に社会生活の中でリアリティを獲得している、という状況を描くことにまず注力している。ここでいう社会生活っていうのは、セカイ系の「君と僕と世界」から抜け落ちた部分ね。そことOZはつながってますよ、と強調してる。未来の・未知の新しいものとして描きたいんじゃないですよという。OZは乗り越えるべき障害であると同時に、折り合いをつけて受け入れるべき社会としても描かれる。『サマーウォーズ』はそういう存在を、日常風景の中で描きたかったのではないかと。

四日市:そう読み取るとなんだかOZと侘助が重なってくる。言葉にすれば普通のテーマをいかに映像で普通じゃなく見せるか。

ばるぼら:ってことかなーと。ただし、最初は大家族モノを作ろうとして、OZをいじってるうちにそういうことになっちゃった作品なんだと思っている。だからねじれて色々おかしなところもあると。

四日市:『グレンラガン』や『ヱヴァ』は内面の問題を成長という形で描いて、『サマーウォーズ』は直接内面は描かずに、その外側を描いた……。

ばるぼら:それが成功してるかどうかは問題じゃない。その姿勢について、我々は褒めだ!

四日市:きれいなまとめになりました!

構成・文=ばるぼら・四日市

【注釈】
すこしふしぎ:SFの藤子・F・不二雄的解釈。ここでは日常生活に異物が紛れ込むタイプのSF物語をさす。『ドラえもん』などの世界観を想像して下さい。

ゲンドウ・シチュエーション:新世紀エヴァンゲリオンの劇場版において、碇ゲンドウが腕を飲み込まれる場面があることから。だが「私を拒むのか」はその場面の台詞ではない。

監督のインタビューが載っている:同人サークル「オタクとデザイン」が2007年8月19日に発行した『オタクとデザイン 第2号』にて動画革命東京と宇木敦哉へのインタビューが掲載されている。

カツレツキッカ:機動戦士ガンダムに登場する、子供達。サマーウォーズ内で彼らのパロディ的なカットがあったことから。

アクシズ落とし :『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から。地球に落下するアクシズを押し戻そうとするとする主人公アムロに共感して、敵も味方が関係なくみんなで協力する感動的場面。「地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ!」



映画『サマーウォーズ』パンフレット裏表紙 発行=2009年8月1日

『サマーウォーズ』  公式サイト
監督・原作:細田守
脚本:奥寺佐渡子
キャラクターデザイン:貞本義行
作画監督:青山浩行
アクション作画監督:西田達三
美術:武重洋二
音楽:松本晃彦
アニメーション制作:マッドハウス
製作国:2009年日本映画
上映時間:1時間54分
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2009 SUMMER WARS FILM PARTNERS


『センコロール』スターターブック

『センコロール』  公式サイト

監督・脚本:宇木敦哉
音楽:ryo(supercell)
製作国:日本映画
配給:アニプレックス
(c)宇木敦哉/アニプレックス

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ばるぼら ネットワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのイ ンターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミニコミを制作中。
「www.jarchive.org」 http://www.jarchive.org/
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四日市  エヴァンゲリオン研究家。三度の飯よりエヴァが好き。クラブイベントにウエダハジメ、有馬啓太郎、鶴巻和哉らを呼んでトークショーを開いたり、雑誌に文章を載せてもらったり。プロフィール画像は昔描いた三十路魔法少女漫画。
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