WEB SNIPER's special Interview.
「性格」で女の子を括る! ありそうでなかったAVメーカーが誕生!!
元芸能人とか巨乳とかそんなカテゴライズばかりが蔓延するAV業界。でも僕等が本当に可愛いと思うのは肩書きだけの女の子じゃないはずだ! ターボ向後氏が満を持して起ち上げるエポックメイキングな新企画「性格良し子ちゃん」、女の子の「性格」を推すというありそうでなかったAVメーカーの代表としてターボ向後氏に緊急インタビューを敢行!!
2011年6月9日、日本初の性格推しAVメーカー「性格良し子ちゃん」がスタートした。
このメーカーを手がけているのはターボ向後氏だ。向後氏は2000年から2002年にかけて、現h.m.pから企画系女優を取り上げた『girlfriends ピュア系女の子のドキュメント』シリーズを手がけて大ヒット。当時はインディーズAVメーカーの胎動期とは言え、AVといえばレンタルが当たり前だった時代である。レンタル店の棚はその大部分が単体女優に割かれていて、企画モノ、なかでも素人の棚は、例えば投稿モノのようなマニア的作品やナンパものが多く並んでいた。そこへ向後氏は“女の子”の日常的な姿を自ら撮影、キャッチーでポップなパッケージに仕立てリリース。瞬く間に類似商品が各社から続出し、当時の状況が一変された。
同時期にはインディーズから、ハメ撮りAVながらリモコンを使った巧みなカメラワークと、企画女優を制服素人に仕立て、背徳的な淫靡さで人気を博したオーロラプロジェクトが台頭する。両者は異なる方法論ながらも2000年代初頭のキカタンムーブメントを誘引する大きな引き金となった。当時の作品について向後氏は語る。
「単体と企画っていう女優の分け方があって、単体のほうが綺麗で可愛いって言われてた。でも僕には企画女優のほうが可愛いよっていうのがあって。で、可愛い女の子の見せ方を、じゃあこうやったほうが可愛く見えるんじゃないの、っていうことだったんです。あれから10年くらい経って、みんな見せ方が上手くなってる。女の子自体のクオリティも上がってて。僕、いろんなところで女の子を撮ってるけど底上げが進んで可愛い女の子が増えてるんですよ。だからそのまま普通に撮っても、変なことをしなければ(笑)可愛く写るんですよね。そうするとやっぱり、もう可愛い女の子ですよっていうことだけ出しても、他にいっぱいある。変な話、手前味噌ですけど『girlfriends』的な方法論は共有されちゃってるんです」
2006年に向後氏は独立。その後はスチールカメラマンとしても活動しており、AV各社のパッケージ撮影を行なっている。
「色々なメーカーからお呼びがかかるじゃないですか。どこどこのパッケージ見たんですけど、あれ向後さんですよね?って言われることが多いんです。確かに当たってる。で、なんでわかりました?って聞くと、なんかそういう感じなんですよねって。僕の場合、自分でスタジオを決めて、自分で衣装も買ってるから、スチールに関してもディレクターは僕なんです。どこのメーカーでも一緒で、だからホントにヴィデオを撮らないだけの話。スチールを1時間くらい、ホントに早いから1時間撮っちゃったらヴィデオの撮影隊に『どうぞー』って。もうパシャパシャパシャって撮って、その女の子が作る間もなく終わっちゃう。『girlfriends』時代からほとんど方法論は変わってなくて、「女の子次第」(笑)。 まあその辺が、好きな人には気に入ってもらってるのかも」
10年前の『girlfriends』シリーズは、企画女優を起用してパッケージに革新的なデザインを導入した作品だが、もちろんそれだけが大ヒットの要因ではない。ドキュメンタリーである本作は、企画女優たちを“女優”としては扱わなかった。つまりAV女優ならばセックスをして当然だ、という態度では向後氏は臨まなかったのだ。その結果としてお仕着せの、お約束のようなセックスは描かれなかった。撮影スタッフが囲むなかで男優がリードするような予定調和のセックスヴィデオ、当時スタンダードだった単体女優のそんなAVとは全く違う方法で、企画女優と呼ばれる女の子たちの姿を追っていく。時には撮影日の前日から、多くは女優との待ち合わせ前からカメラは回されており、移動中の車内の会話はもちろん、ホテルでの会話、食事、セックス後の会話、着替え、そして駅での別れから、一人になった向後氏の姿、さらに時には後日談までが、向後氏の彼女たちへの想いを字幕として載せながら描かれていく。向後氏の彼女たちと向きあう真摯な感情と、あくまで等身大の女の子がセックスをする(時にはしない)ドキュメンタリー、それが『girlfriends』という作品だった。
■セックスを撮らずに、セックスのような映像を
その後向後氏は、いくつかのシリーズを経た後に、女優たちを作り込んだ状況に置いて撮影する手法へと移行していく。以前から衣装や小道具などで独自の空気感を演出していた向後氏だったが、ドキュメンタリーの手法が作り込まれた映像であることをうまく中和していた。そして徐々に手の込んだ作品表現が顕著になりつつあるなかで向後氏は独立、現在はAVパッケージのスチールをディレクションしているのは前述のとおり。
「僕の場合は可愛い子だけ撮る、この子可愛いでしょっていう方法論しかない。でも他にそういうことをやってるところが増えてきた。じゃあ撮る意味ないなって思ったんですよね。それでビデオは撮らずにスチールを撮ってた」
ではスチール撮影で満足感を得られていたかというと、やはりそうではなかった。
「不満だったんじゃないですか。セックス撮るの好きだなと思ったんだけど、可愛い子がセックスしてるだけのものって、他にもある。じゃあセックスを撮らなくて、セックスを撮ってるような映像をと思って、いろいろ変なのを作っていたんですよ。だからこの2年間くらいは、セックスを撮ってるのと同じくらい面白いものを撮れないかなって、いろいろやってたんです。でも2本撮ったら……やっぱりね、あまりにもキチガイすぎて、誰も見てくれない(笑)」
以下がその映像のキャプチャである。
実写とCGが絡みあう、非常に刺激的な映像となっている。
「でもまったく反響はなかった。で、こういうのを撮りながら、それとは別にAVの子を使ってエロティックイメージみたいなものも撮ったんですよ。海外のPVなんかにあるような、普通にエロチックでしょっていうのを。それをYouTubeに載っけたら30万ヒットしたんです。凄いでしょ30万って」
それがこちらの映像で、期間限定で掲載させていただいた。
なおYouTubeの動画は、運営から削除されてしまったそうだ。
「あり得ないじゃないですか。これの1分間のやつをティーザーでのっけたんですよ。そしたら、なぜかこれだけ30万で、他のやつは1000とか2000。こっちは何カ月もかけて作ったのに(笑)。このエロいのは総尺20分ぐらいのを、30分くらいで撮ってるわけですよ(笑)」
この動画は、当時向後氏のウェブサイトでダウンロード販売されており、購入者はほぼ海外ユーザーで占められていたという。
「10年間くらいエロいものを撮ってきたから、何も意識しないで撮ると「早い」「安い」「うまい」みたいな(笑)。非AVのやつもね、付け焼刃だとは思わないんだけど、やっぱり見る人からするとちょっと付け焼刃って感じに映ってるのかなぁって。これがやっぱりデカかったですね。自然体でエロいものを撮ったほうが、観る人も変に力が入ってない感じに見えるのかなって。自分ではわかんないんです、そこのところ。だって、こっちのほうがいいと思ってるんだもん。だから、時間かけてCGとマッチムーブして、俺は何カ月もかけて作ってるんだぞっていう変な力んだ気持ちが、絶対にその中に含まれちゃってるんだなと。それは画面には出てないけど、観る人には伝わってる。だから逆に30分でサクーッて作ったのが通るのは、その中にスッと10年間のやってきたことが入ってるんじゃないですか。自分では意識してないけど、ああそういうもんかって」
以前から、向後氏はネット上での発言を躊躇しない監督だった。2ちゃんねるの自身のスレッドに書き込んだり、現在ではブログはもちろんtwitterも利用している。そうした場での発言をご覧いただくとよくわかるのだが、向後氏は世の中の制作物に対して、とても論理的な検証を繰り返している。前述の非AV作品も、理論的に作りこまれた作品だった。
「その2本はホントに智恵熱状態で作ったので、もうなんか邪気がいっぱい入った映像なんですよ(笑)。作ってるときは、なんでこんな流れでこんな映像なんだろうって思って撮ったところがある。一本目が世界が終る話で二本目が世界が終った後の話なんです(笑)。今観るとホントになんだこれはっていう映像だから。でも実際に3.11 みたいなことが起きちゃうと、映像で、フィクションでそれをやるっていうのは、あんまり意味がねえなっていうか、なんとなくの予感の話だったのかなって、そこで全部落っことしちゃおうと思って。そうしたらなんかね、スーッと抜けちゃった。起こる前はそういう、例えば映画の『カナリア』みたいなものでいいけど、それはもう起こる前までの話じゃないですか。やっぱりそういうタイミングもあったかもしれない。もし3.11みたいなことが起こらなかったら、いまだに予言、予感がうわーっていうの、やってたかもしれないです」
■10年以上やって、性格フェチだってようやくわかった
向後氏の作品は女優との距離感こそが特徴的だ。撮影中、手段を問わずあらゆる方法で彼女たちと向かい合う。その結果私たちに伝えられるのは、AV女優の魅力ではなく、AVに出演する普通じゃない女の子たちの、普通の女の子としての魅力。しかしその方法論は、時に向後氏を深く傷つける。彼女たちを信頼しては、ドツボにハマる。それも一度や二度ではなく何度も。それでも向後氏の姿勢は変わらなかった。
「それが何故かっていうのはわかんなかったんですよね。わかんなかったけど10年やって、あ、そっか、僕は女の子の性格が好きだったのね、っていうことだった。昔からそうだけど、みんな企画の子のほうが単体の子より可愛いって思ってた。男優さんも言ってるし監督さんも裏では、性格のいい子が一番いいよなって。でもそれを発表する場がなかった。実は僕、いろんなメーカーで言ってたんですよ。性格括りどうですか?って。その度に鼻で笑われて(笑)。どこ行ってもへえーみたいな遠い目で(笑)。事務所さんにも電話するわけですよ、今度撮るんですって。「どんな子がいいんですかねえ。元グラビアアイドルとか、おっぱい綺麗な子とかいろいろいますよ」「いや、性格のいい子で」「は?」みたいな。だっておかしいでしょ、AVをお店の棚に並べたり、通販サイトに置いてもらったりするときにジャンル分けしたりタグをつけたりするけど、その分類に性格を示すタグがないの、僕は絶対おかしいって思ってるんですよ! 女の子のこと話すとき、ああ、胸でけえなあだけだったら、5秒で終わるでしょ。でも、あの子ってさあ、あんときにあんなことやってて、ああいうことしてた……ああ、じゃあ性格悪い?とか、イイ奴じゃん!って話だったら、居酒屋でずーっと朝まで話せるでしょ。まあおっぱいで一日喋れる人もいるかもしれないけど、僕にはやっぱり難しい。だからたぶん、ホントにギャップが好きだっていう人は、あいつさ、グラビアアイドルやってるけどこんなことやってあんなことやって……って、ずっと喋れると思うんですよ。僕はそれでは喋れない。自分が朝まで喋っていられるのって何かなって考えたら、ああ、女の子の性格についてだったら朝まで喋れるなってことを見つけた。それだと思うんですよね。朝まで喋ってられることが、わかりやすい形で見つかったのがよかったんです」
かつて企画女優たちの魅力をわかりやすく見せてくれた向後氏。新しいプロジェクトを始めるために、そしてまた彼女たちと向かい合うためには、新たな発見が必要だった。
「僕は天邪鬼なので、他の人がやってるなと思ったらやる気がなくなるわけです、基本的に。可愛い女の子をそのまま撮りますよっていうのは、もういろんな人たちがやってることだし、うちがオリジナルでやるよっていっても意味がない。実際には他でやってないのかもしれないけど、僕自身が、ああ、そういうのはもうみんなやってるなって思っちゃってるから、できないわけですよね。誰もやってなくて、ああ、これだったら面白いなっていうモチベーションがないと、僕は作れない。これ誰もやってねえぞっていう核が一つないと撮れないんです。だからいま『性格良し子ちゃん』が勢いがあるっていうのは、見つかったからですよ、核がね。見つかったから、そこから先は、結構また関われるんじゃないですか、変な話。そういう新しいモチベーションが見つかったから、そうするとまた、ちゃんと向かい合えるんですよね。そういうのがないと、ああ、普通に撮っておこうって感じになっちゃう。その「発見」って重要なんですよ。ミュージシャンの人達がああ、こういうフレーズがあったのかとか、こういう弾き方があったみたいなのと同じで、凄い重要」
このようにして向後氏の新プロジェクト「性格良し子ちゃん」が始まった。昨年、監督した作品のタイトルは『m(エム) せかいでいちばん悲しい唄 世界で一番いやらしいカラダ 並木優』。比較すれば一目瞭然、なんとも勢いに満ち溢れた、ポジティヴなイメージのパッケージとネーミングだ。
「猫の本か何かを読んでたんですよ。すると自分の猫の紹介の時に『うちの子は性格良し子ちゃんで』とかいろいろ書いてあるんですよ。おー、これもらおう、じゃあ『性格良し子ちゃん』にしようって(笑)。頭で考えなくて、なんかスパーンッて。よし、こうなったらDMMに巨乳とか処女とかっていう括りじゃなくて、猫好きとか犬好きとかね、親孝行とか、そういうタグ付けが出来るまで頑張ろうと思ってる(笑)。スチールだけ撮ってた頃は、気づかないうちにフラストレーションがあったと思う。スチールで1時間くらい撮って渡すわけでしょ。フラストレーション溜まってたけど、新しい方法論がないから、新しい括りがないから、ヴィデオを撮りたいって気にならない。でも動画撮りたいなって思うから、セックス撮らないで、セックスみたいな映像を撮ろうって話になる。そこで上半身と下半身が分離するじゃないですか。でも実際にやってみたらあんまり反応がなくて。で、エロい動画を撮ってみたら、凄い食いつきがいいから、ああー乖離したのが、くっついてきたって。完全に乖離してこんなところまで来てたんだけど、またようやく戻ってきた」
向後氏の作品を、過去にご覧になった方は少なくないことと思う。紆余曲折を経て向後氏が辿り着いた『性格良し子ちゃん』。ここには旧作以上に可愛らしい美少女たちの姿がある。
「覚悟として、どのアウトプットなのかはわからないけど、僕は女の子コンテンツしか作れないんだなってわかりました。3.11以降に、いるものといらないものが鮮明になったっていう話があるじゃないですか。原発がまた停まりましたとか、また大地震が来たときに、これいるから持って逃げよう、たとえばそれは、子供がいらっしゃる人は子供だろうし、家族だろうし、恋人だろうしって話になるじゃないですか。そういうことで言うと、僕は女の子コンテンツだけあればいいんだって。出口はいろいろになるかもしれない。たとえばそういう変なのになるかもしれないし、ドキュメンタリーになるかもしれないし、スチールかもしれないし、『性格良し子ちゃん』かもしれないけど、女の子コンテンツだけ……3.11の時に撮ってたのも女の子だからね。ああ、俺はこういう運命なのかっていう感じです。アウトプットはいろいろになるかもしれないけど、女の子コンテンツを僕はずっと作っていくだろうってことは、はっきりしたのかなって」
セックスを撮影した映像は、現状ではAVと捉えられている。これは主に流通と販売経路の問題だが、そうした状況も遠くない将来には変わっていることだろう。あらゆるカルチャーにおいて旧態のカテゴライズが無効になりつつある時代を、私たちは生きている。こうした時代に向後氏の新作が観られることを、素直に喜びたい。
文=編集部
『性格良し子ちゃん001 featuring AYA(性格良し子ちゃん)』
『性格良し子ちゃん002 featuring SHIZUKU(性格良し子ちゃん)』
『性格良し子ちゃん003 featuring MAKI(性格良し子ちゃん)』
■『性格良し子ちゃん001〜003』を各1名様にプレゼント!!
【応募要項】
今回紹介したDVD作品『『性格良し子ちゃん001〜003』』を、ターボ向後監督のご好意により各1名の読者にプレゼントいたします。ご希望の方は、「プレゼントの送付先」をご明記の上、web@sniper.jp までメールにてご応募下さい。なお、当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきますのでご了承下さい。
関連リンク
性格推し美少女AVメーカー「性格良し子ちゃん」オフィシャルサイト
Twitter/性格良し子ちゃん
11.07.18更新 |
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