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『S&Mスナイパー』1993年10月号
緊縛モデルたちの縛られレポート 「被縛報告」まり編
緊縛モデルたちの縛られレポート 「被縛報告」まり編
SM雑誌のグラビアに登場するモデルってどんな人? 数多いるモデルの中には「緊縛、大好き!」という生粋のマニア女性もいれば、「SM? ナニソレ」「初めて縛られるんですけど……」と戸惑いを隠せない人や、初めてなのにとんでもなく乱れてしまう隠れマゾ女性もいたりしす。そんな十人十色のグラビアモデルたちが、自ら綴る撮影後記「被縛報告」。今回は『S&Mスナイパー』1983年10月号に掲載された「被縛報告」、まり編を再掲載いたします。
どうして「スナイパー」に載ることになったかというと――、そもそものきっかけは、親友に誘われて。彼女もモデルのアルバイトには前から興味があったらしくて、とうせなら一緒にやってみようということになったんです。二人一緒なら、いつものように遊び気分でできそうだから。
ちなみに私だって、バイトに励んだ経験は数回だけどアル。最初にやったのはケンタッキー・フライドチキン。子供の頃からカーネル・サンダースおじさんが憧れの男性で、バイトするならアソコって決めてたから。でも、働いたのは3日間。よく考えたら、私って肉の匂いがダメだった。結果、あのときは1日5時間労働だったから、3日間で15時間働いてやめちゃった。
えーと、それから次が……食堂だ。そこは2日間だったかな。だって給料安いのにコキ使ってくれるの、死ぬほど。タマネギどっさり持ってきでミジン切りにしろとか、ジャガイモの皮をむけとか。1個2個ならいいけど、カゴ一杯持ってくるんだもの、地獄でしょ。いくら自分から働きたいって頼んだバイトでも、“うん、これはやめてもいいよ”って天の声が聞こえてね、このときは2日間で10時間の労働。お店の人に叱られるのが恐くて、お給料は取りに行けなかった。
どういうわけか私って、与えられたことをコツコツこなす真面目なヒトに見られちゃうようで、勝手に信頼されてしまうの。だけど今までは、(不真面目したつもりじゃないけど)バイトで成功したためしがなかった。そんな過去を知ってるから、彼女も一緒にやろうって誘ってくれたのかもね。
それにしても初めてのことで不安だから、2人で知り合いの知り合いとかいうAV女優に会って話を聞こうということになって、新宿のカラオケパブみたいなところで待ち合わせたの。その女性、今はやめちゃったから言えるけど、遊び好きで超派手なヒカリもの大好きタイプ。カラオケなんか、喉にポリープができるくらい歌いこんじゃってる。なんか違う世界のヒトだなあって、友達も私も緊張しちゃった。
「脱ぐのって恥ずかしくなかったですか?」
って、友達がTVレポーターみたいに聞いたら、彼女、
「ぜ〜んぜん。デビュー作は3Pものだったけど、別に驚かなかったよ。だってプライベートでしたことあったし、バイブだって自分の持ってたから」
だって……。
彼女は2歳年上だけど、学生の私とは比べものにならないくらいオトナなの。私達みたいにバイト感覚で仕事をするんじゃなく、体を張ってるって感じで、すごいねって、友達と顔を見合わせて頷き合っちゃった。
「仕事と思ってやってないの、私」
サヨナラするときそんなふうにカッコよく捨て台詞みたいに言われたので、別れた後、
「あれは一体どういう意味なんだろうけ」
って、2人してシミジミ考えこんじゃった。本当に、世の中にはいろんな人がいるものだなってそのときに思ったけど、モデルの仕事やAV出演の経験をして半分だけ社会人になったら、益々それがよくわかった。
それで、私も少しオトナになったので、今つき合ってる彼には仕事のことは内緒にしてます。
「ヒミツを持たないことにしよう」
って約束させたのは私だったけど、打ち明けて、逆に相手を傷つけてしまうことだってあるでしよ。
それに今の彼は、打ち明けられたヒミツに耐えられるような強〜い男の人じゃないの。優しいけれどすごく甘えん坊の27歳・サラリーマン。
「27歳ってお兄さんでもなくオジサンでもない、男にとって微妙な年齢だ」
って彼は言ってる。イソップのコウモリみたいなものかな!? それにちょっとマザコンっぽいところもあって、この間、花火を見に行った帰り道、どうしても時間厳守で帰宅しなければならないお母さんとの約束があるからって、つないでた手をほどいて早足で行こうとするの。いくら急いでるからってひどいって思いながら、
「ちょっとお、浴衣って歩きづらいんだからね。待ってよお!」
って、私は下駄をカタカタ鳴らして追いかけた。さっきまで、
「迷子になるなよ」
って私の右手を、大きくて温かい手でしっかり握りしめていてくれたのに。それで私はすっかり恋愛少女小説のヒロインしでいたのにぃ。
「私とお母さんと、どっちが大事なの!!」
「どっちって聞かれても……決めらんないっていうかさあ……わかるだろ!!」
ちっともわかんない! 初めて部屋に招待したときだってそう。ベッドの上に並んで腰かけて、キスしてペッティングまでしてるのに、
「キミのこと大切に考えてるんだよ、それは本当なんだ。だけど男ってさ、こんなふうにキスしたら、やっぱり行くところまで行かないと……治まりつかないっていうか……だからって欲望ムキ出しはマズいっていうか……キミの気持ちも考えないと……恋愛って2人でするんだし……やっぱりそのぉ……」
と耳元でグズグズ言われているうちに、せっかく盛り上がってた気分も醒めて、欲求不満の怒りが自分に向けられて、深く激しい自己嫌悪に陥っちゃった。中途半端に女の子を気づかってくれるのはアリガタ迷恐だわ。セックスした後のことくらい、自分でちゃんと責任持てる私なんだもの。
そんな性格が、真面目でしっかり者に見られてしまうのかなあ。私だって本当は、包容力のある強い男の人と結ばれたいと願ってるのに、いつも相手は甘ったれ。
あのとき会ったAV女優にも、
「アナタのほうが真面目そうだから、お友達より長続きするわね、きっと」
って、ギボアイコのような目つきで予言されたけど、彼女の言った通りモデルに誘ってくれた親友は、今ではフツーの女の子に戻ってる。そして私は、まだモデルを続けでいて、こうして「スナイパー」に載ることになったわけです。もちろんこれはアルバイトの最長記録。モデルを始めて1年弱経ってもまだ“やめよう”と思ったことは一度もないので、私にはジャガイモの皮をむくよりも、この仕事のほうが相性いいみたいです。
告白=まり
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