『S&M Sniper』Archive Galley 10.1981.
1981年10月号 P239〜246
bondage photo gallery 「水玉降る濡れ間」
SM界の衝撃ベストセラー誌スナイパー。創刊号の発行は、いまからさかのぼること30年前、1979年です。その当時から“魂の暗部を狙撃する雑誌SNIPER”というキャッチコピーは変わりません。そんな『S&Mスナイパー』の歴史を少しずつ紹介していくアーカイブギャラリーです。
縛り上げられた不自由な身体の涼子は、赤い唇から甘えたような声を出してゆっくりと身をくねらせました。腰に回した縄にもう一本縄をゆって、スカートの内側をするすると引いていきますと、やがてショーツに喰い込んで股縄が出来あがります。すると涼子は後手に縛られた掌をギュッと握り締め、首筋に血管を浮かせてぽおっと頬を赤く染めるのです。
障子の向こうには涼子の祖父が寝ています。何か気配を感じてはいるようですが、寝た切りですから起きだして覗きにくることはできません。ただ時折「涼子……涼子」と孫を心配する声が切れ切れに聞こえてくるだけです。
涼子はその声にぴくんぴくんと反応しながらも、腰をうねうねと回して股縄の擦れる感触に酔い痴れては、返事をしてやることもできずに熱い吐息を漏らしています。
私は古い引き臼の上に腰掛けて、酒を片手にちびりびとやりながら、しばらくの間その残酷な光景を楽しみました。涼子はやがて汗をかき、白い肌をぬらぬらと光らせた悩ましい裸体を薄明かりの下で柔らかくよじらせています。いったい世の中にこんな贅沢な見世物があるでしょうか。
縄でキリキリと絞り出された青い乳房は、苦しげに上を向いて喘いでいました。股に通されたザラつく縄は容赦なく恥ずかしいところを弄び、涼子はもはや声を抑えていることもできません。
そうしてまた、涼子が痛々しく喘ぐたびに、障子の奥からは哀れな老人のハッと息を飲むただならぬ気配が伝わってくるのです。
私は竹ひごを束ねて作った固い鞭を使って、涼子のお尻を思い切り打ち叩いてやりました。張りのある肌は花を散らしたように赤くなり、涼子は顎を反らせて嗚咽をこらえます。しかしバシッバシッと何度も鞭を振るううち、食いしばった歯の奥からは「ヒィーヒィー」と声が漏れ、爪先は畳を掻いてじりじりと音を立てるのです。
叩いては飲み、縛っては眺め、もうどれくらいの時間が経ったのでしょうか。
羞虐の余韻に悶えている涼子の惨めなわななきを見ていると、窓の外の月がすっかり傾いて、酒瓶はすっかり空になっていました。縄をゆっくり解いてやり、土間口でサンダルを穿きながら「また来るからな」と振りむけば、涼子はただ恨めしそうな顔でじっとこっちを向いたまま、自分の汗でぐっしょりと濡れた縄を握り締めて棒のように立ち尽くしているのでした。
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09.07.23更新 |
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