法廷ドキュメント 闇の中の魑魅魍魎
久しぶりの登場、法廷ドキュメント第九回をお届けいたします。
不思議な感覚
セーラー服が剥ぎ取られ、遂にブラジャーのホックまで外され、誠子の上半身は完全な裸体となった。
男が誠子の二つの固いしこりを交互に唇で狭み、舌でなぞった。
前回も男は同じようなことをしたが、誠子は、突然の出来事のためその感触がどうであったかわかる余裕もなかった。
今日の誠子の気持ちは、この前とは大きく変化しようとしていた。
――もしかしたら父や母は、この男の言うとおり、私を利息がわりに提供しているのかも知れない。
信じたくないことではあるが、しかし、この前、男に弄ばれた時にも、両親は不在だった。
帰ってきたのは男がいなくなってから一時間も経過した頃だった。
今日だって、私がこんなことをされているのに二人とも二階に上がったきり知らないふりをしている。
野獣のような男が女と二人きりで部屋の中にいるのだから、何が起こるのかを知らないはずはない。
誠子は、両親の意図をほぼ確信した。
男の言うことがきっと正しいのだろう。
そう思うと、男に対して精一杯肉体的には無理にしても、心で闘おうとしていた誠子の気持ちに緩みが生じた。
親がそういう気持ちなら、私も落ちるところまで落ちてやる。
だがまだ本心からそんな気持ちになったのではなかった。
十七歳の娘の持つ潔癖さが彼女の心を応援していた。
こんな男に簡単に身を任せてはいけない。
相手はやくざではないか。
誠子の心は散々に乱れていた。
それは男の加える執拗な肉体への攻撃のためではなかった。
両親への疑惑、誇り、潔癖さなどが渦巻いていたのだった。
男は、誠子の上半身を舐めまわした後、彼女のスカートを下ろし、ストッキング、パンティを取り、生まれた時の姿にした。
そして、顔を誠子の豊かな下半身の翳りに近づけ、鼻をその亀裂に押しあててきた。
男の吐く息が彼女の白い太股と、複雑な構造の部分にあたり、誠子は、自分の秘密の部分が、男の目の前にあますところなくさらけ出されているのを知った。
誰にも見せたことのない部分、自分でさえもまだ見たことのない箇所が、今、こんな男によっていとも簡単に見られていると思うと、誠子は無性に悔しかった。
小高い丘の端の方にある彼女の小さな固まりに男の舌が不遠慮に押しあてられ、そして、ぶちゅっというような湿った音をたてて、男の唇が被ってきた。
今まで、誠子が感じたことのない不思議な感覚の波がそこを中心に広がってきた。
これが快感なのか、と誠子は暗闇の中で思った。
男が帰ったあと、誠子はわざと大きな音をたてて階段を上がり、奥の部屋の障子を開けた。
部屋の中では、父が一升びんを抱えて茶椀酒をあおっていた。
母親は、卓袱台に両腕を投げ出し、その上に顔を埋めて泣いていた。
「何よ、私をあんな男に売りとばしたの? ねえ、答えてよ。本当なの。男が言ってたわよ。どうなのよ」
誠子の大きな罵声にも似た声が部屋に響いた。
「うるさい」
父親がいきなり誠子の頬を殴った。
「やったわね。自分の娘を金のかわりにするなんて最低よ」
法廷ドキュメント 闇の中の魑魅魍魎 第七回 文=法野巌 イラスト=兼田明子 身を挺して子供を守るべき両親は意外な行動をとった。 |
久しぶりの登場、法廷ドキュメント第九回をお届けいたします。
不思議な感覚
セーラー服が剥ぎ取られ、遂にブラジャーのホックまで外され、誠子の上半身は完全な裸体となった。
男が誠子の二つの固いしこりを交互に唇で狭み、舌でなぞった。
前回も男は同じようなことをしたが、誠子は、突然の出来事のためその感触がどうであったかわかる余裕もなかった。
今日の誠子の気持ちは、この前とは大きく変化しようとしていた。
――もしかしたら父や母は、この男の言うとおり、私を利息がわりに提供しているのかも知れない。
信じたくないことではあるが、しかし、この前、男に弄ばれた時にも、両親は不在だった。
帰ってきたのは男がいなくなってから一時間も経過した頃だった。
今日だって、私がこんなことをされているのに二人とも二階に上がったきり知らないふりをしている。
野獣のような男が女と二人きりで部屋の中にいるのだから、何が起こるのかを知らないはずはない。
誠子は、両親の意図をほぼ確信した。
男の言うことがきっと正しいのだろう。
そう思うと、男に対して精一杯肉体的には無理にしても、心で闘おうとしていた誠子の気持ちに緩みが生じた。
親がそういう気持ちなら、私も落ちるところまで落ちてやる。
だがまだ本心からそんな気持ちになったのではなかった。
十七歳の娘の持つ潔癖さが彼女の心を応援していた。
こんな男に簡単に身を任せてはいけない。
相手はやくざではないか。
誠子の心は散々に乱れていた。
それは男の加える執拗な肉体への攻撃のためではなかった。
両親への疑惑、誇り、潔癖さなどが渦巻いていたのだった。
男は、誠子の上半身を舐めまわした後、彼女のスカートを下ろし、ストッキング、パンティを取り、生まれた時の姿にした。
そして、顔を誠子の豊かな下半身の翳りに近づけ、鼻をその亀裂に押しあててきた。
男の吐く息が彼女の白い太股と、複雑な構造の部分にあたり、誠子は、自分の秘密の部分が、男の目の前にあますところなくさらけ出されているのを知った。
誰にも見せたことのない部分、自分でさえもまだ見たことのない箇所が、今、こんな男によっていとも簡単に見られていると思うと、誠子は無性に悔しかった。
小高い丘の端の方にある彼女の小さな固まりに男の舌が不遠慮に押しあてられ、そして、ぶちゅっというような湿った音をたてて、男の唇が被ってきた。
今まで、誠子が感じたことのない不思議な感覚の波がそこを中心に広がってきた。
これが快感なのか、と誠子は暗闇の中で思った。
男が帰ったあと、誠子はわざと大きな音をたてて階段を上がり、奥の部屋の障子を開けた。
部屋の中では、父が一升びんを抱えて茶椀酒をあおっていた。
母親は、卓袱台に両腕を投げ出し、その上に顔を埋めて泣いていた。
「何よ、私をあんな男に売りとばしたの? ねえ、答えてよ。本当なの。男が言ってたわよ。どうなのよ」
誠子の大きな罵声にも似た声が部屋に響いた。
「うるさい」
父親がいきなり誠子の頬を殴った。
「やったわね。自分の娘を金のかわりにするなんて最低よ」
(続く)
07.11.07更新 |
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