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スナイパーAVレビュー!
ポルノ界がパニックに陥る事件が起こった。女優や男優が撮影現場から何者かにいきなり連れ去られ、監禁部屋で拷問されては瀕死の重傷を負ったり死亡する事件が相次いでいたのだ。そこに送り込まれたのはルーシュとハンプシーの男女ふたり組捜査官。潜入捜査を開始するのだが......。世界的大ヒットを博したサイコスリラー映画のエロパロディ作品!猟奇殺人鬼によって密室に閉じ込められ、命懸けのゲームを強要される人々を主軸にストーリーが展開していく、という作品ですが、その話にアダルト業界を絡めてうまく仕上げたエロパロディが、今回レビューする『DeSAW』。
被害者は全員アダルト業界関係者で、犯人が仕掛けるゲームの内容も「密室に拘束された男優のチンコが鎖で機械に繋がれ、前方に引っ張られてチンポを潰されるか、後方の壁に設置されたディルドにアナルを突き刺されるかの二者択一を迫られる」とか、「人気女優とそのファンの男を二人きりで監禁して、女優がその男をイカせなければ、女優のアナルに挿入されたファッキングマシーンが死ぬまで回転し続ける」とか、恐ろしエロいことになっています。
この事件を担当するのが、ルーシュ&ハンプシーの男女ペア捜査官。
ルーシュはスケベでお調子者のおっさん、ハンプシーは知的な美熟女という対照的なキャラクターで、ボケとツッコミ的なやりとりもしつつ、コミカルにストーリーを回していきます。
こういうエロとは関係ないドラマ部分の演出もきっちりなされているので、セックスパートがなければ普通の海外ドラマだと思ってしまうレベルなのは、さすがの洋パロクオリティ。
ドラマの間に挿入されるセックスパートも、事件の回想や、被害者が事件に巻き込まれる前のポルノビデオ撮影シーンなどで、すべてセックスする理由付けがなされた場面ばかり。
国内外問わずポルノ作品にありがちな、「理由なき唐突なセックスシーン」というのがほとんどないため、ドラマ全体の調和がきちんととれているのが、本当にお見事。
特にポルノ撮影シーンで、男優が監督の脚本を批判したり、女優がセックスパート以外の演技や台詞が全然できなかったりする楽屋裏的描写は、妙にリアリティがあって魅せられます。
ただ、ドラマとしての完成度を重視しすぎたためか、セックスシーンは要所要所大胆にカットされて飛び飛びの内容だったり、なぜかロック調のBGMが流れていてミュージックビデオ風になっていたりするものが多く、エロ度はちょっと低め。
男2:女1の3Pや、女2:男1の3P(女同士がちゃんとレズ絡みするところはポイント高し)、アナルプレイなど、内容自体は結構盛りだくさんなのですが、いまいちエロくないんですよねぇ。
日本のAVのような、とにかくエロを追求してヌくことに特化したものばかり観ているから、余計にそう感じてしまうのでしょうが......。
唯一、終盤でポルノ監督とその妻が捕まり、「助かりたければこの場で奥さんのセックスを演出しろ。3人の男とヤッて、全員の精子が飲めれば終わりだ」と脅される寝取られファックシーンは、結構エロくてグッときました。
奥さんが素人という設定で、「うまくやれるかわからないけど、やってみるわ」と夫のために健気に頑張る姿や、白くてムチムチした生々しい熟女感漂う身体が、たまらなくエロいんですよねぇ。
「ダメだ......これ以上はできない......」と葛藤しつつも、「チンコをしゃぶるんだ」「次は騎乗位だ、もっと激しく」とキッチリ演出をつける夫と、だんだんノリノリになっていく妻の描写がすばらしい。
また、元ネタ『SAW』の犯人が「命を顧みない者を極限状態に置き、命の意味を見出させる」という彼なりの犯罪哲学が存在したように、本作『DeSAW』の犯人にも、「ただハードなだけのセックスを追求することで、作品性を失ったアダルト業界を更正させる」という彼なりの犯罪哲学が存在しています。
ひたすらセックスシーンを見せるだけではなく、ドラマをしっかり魅せようとする本作を観ていると、この殺人犯の哲学は、監督自身の想いの代弁のようにも受け取れます。
ただのパロディ作品にとどまらず、ポルノ業界への自己批判までしてみせた本作は、まさに「ハードなセックスばかり追求して、作品性を失いつつある」日本のポルノの現状を嘆く、AVマニアの心にも響く一本なのではないでしょうか。
文=まな
『デソウ -DeSAW-(コンマビジョン)』
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13.10.20更新 |
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