特選AVレビュー 『どりしす！』（GIGA）

自動販売機で購入したドリンクを飲むと、そのドリンクの特性を持ったヒロインに変身する――。彩音舞衣演じるユニークな正義の味方が、グロテスクな怪人たちとカラダを張ったアクションを繰り広げる！　果たしてその結末は、地球の運命は!?
自らが開発した悪のドリンクを使って人々を洗脳しようと企むマッドサイエンティスト・暗黒水。それを阻止するため女子大生・みずき（彩音舞衣）が立ち上がった。彼女は自販機のドリンクを飲むことで、そのドリンクの特性を生かした正義のヒロインに変身することができるのだ。『どりしす！』ことドリンクシスターとなり、暗黒水に立ち向かうみずき。果たして彼女は悪の手から人々を守ることができるのか――。

本作のパッケージを観てまず最初に思ったのは「え、これGIGAだったんだ？」ってこと。
『どりしす！』というひらがなタイトルに可愛らしいパッケージデザインは今どきのオタ系アニメって感じで、GIGAが持つ昭和の特撮というイメージとは違ってる。てっきりTMAの作品だと思ってました。
最近、こういうことって多いんですよね。数年前まではマドンナなら熟女、無垢ならブルセラ、まぐろ物産なら豊満女......というようにAVメーカーごとの作風がはっきりしていたものですが、ここ1～2年そういった専門性が薄れてきている気がします。正直タイトルやパッケージを見ても、すぐにはどこのメーカーかはわからなくなってきました。
住み分けなんてことは考えずエロい女優や企画はどんどん取り入れていこう、カテゴリにとらわれずいろんなエロにチャレンジしよう！ってことなんでしょうが、メーカーならではの色がなくなっていくようで個人的にはちょっと寂しかったり......。

とまあそんなこともあり、ちょっと寂しい気分で観始めた本作。
平成生まれの姪っ子が夢中で観てる『プリキュア』や『アイカツ！』みたいなキラキラ感溢れるヒロイン物だったらどうしようと思っていたんですが、そこはGIGA。蓋をあけてみれば着ぐるみの怪人もユルい変身シーンも健在でした。
しかし、これまでのザ・昭和特撮って感じに比べると、グンと今どき寄りになっている感は否めないんですよね。
まず、第一にヒロインのキャラとルックス。
彩音舞衣ちゃんはブルセラ系の作品に何本か出ている新人さんなんですが、スタイルがよくちょっとクセのある美少女。「正義の心に水分補給！」の決めゼリフも、派手な髪色やコスチュームもどことなくアイドルっぽくて華があります。要するに昭和の時代にはいなかった今どき感溢れる女の子なんですよね。
かっこいいポーズのわりに戦闘能力が低く、すぐに怪人たちに蹂躙されてしまうところもご愛敬（笑）。万人受けするように強さよりもエロに寄せていってるんでしょうね（エロ度が高くなるのは嬉しいけど、ヒロインとしてそれなりに骨があってくれないと寂しい気もしてしまう。ユーザーというのはワガママなもんです）。

さらに、いろんな姿のヒロインに次々変身していくコスプレ要素も今どきっぽい。
暗黒水たちにイタズラされてピンチになると、すぐに次のドリンクを飲んで別バージョンのヒロインに変身する舞衣ちゃん。まあ変身したからといって劇的に強くなるわけじゃなく、またすぐに捕まってアンアン言わせられちゃうだけなんですが、そんなことおかまいなしで何度も変身を繰り返します。
最初はさわやかなスポーツ少女系、次はラムちゃんみたいなセクシー系、その次は金髪のキュート系。ちなみにこの金髪ヒロインはドラクエでいうところの「ゆうわく」みたいな術を使い敵を蹴散らすことに成功するんですが、結局は暗黒水に媚薬ドリンクを飲まされ中出しまでされちゃうという具合。
最後はパッケージ写真の赤服×ツインテールヒロインに変身するも、まったく反撃できないまま暗黒水にドリルバイブで犯されてジ・エンド。もはやなぜ変身したのかわかりません。

うーん、令和の時代を迎えて、GIGAの特撮モノにも変化のときがきたってことなんでしょうか。
抜きやすくなったのは喜ぶべきことだと思いつつも、ちょっと複雑な気持ちになってしまいました。

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『どりしす！』（GIGA）

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