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スナイパーAVレビュー!
春高バレー出場経験有の元アスリート、自らのことを自虐的に語る姿が印象的なヤリマンスケベ、ただそこにいるだけでエロい空気が溢れ出てしまっている、本人曰く「歩くエロ本」。一期一発、通りすがる女達のセックス事情、第4弾。 これは冒頭テロップで記される、監督・梁井一による文章である。「通りすがりのAV女優」はHMJM運営の会員制動画サイト、〈PG by HMJM〉で配信されているシリーズで、女優1人につき40分前後の中編。僕は同サイトでコラムを書かせてもらっている関係から、予告編を眼にする機会が何度かあって、その度に「これは面白そう」「エロそうだなー」と心惹かれるものがあったのだが、なかなか時間が取れず見逃していた。それが今回WEBスナイパー編集部からの依頼でやっと叶ったのたが、期待に違わず傑作であった。
先に引いた文章で梁井監督が言っているように、AV女優とはまさに一期一会、出会い頭の存在だと思う。特に梁井くんのような「ハメ撮り系」の人にとっては尚更なはず。デビュー作でガチガチの娘なんて場合、それが吉と出るか狂と出るか? 数作出て馴れた頃がリラックス出来ていい場合もあるだろうが、妙にスレて「お仕事セックス」になっちゃう可能性もあるし、その娘に彼氏がいるときといないときじゃ全然違うだろう。つまりセックスというのは実に「生モノ」なわけで、「女の子」、いや「人間」が生々しく映ってしまうのがアダルトビデオってものなんだな。「これは面白そう」「エロそう!」と期待したのはその意味です。
さて、登場する「通りすがりさん」は3人。まずは春川せせらチャン、20才。出演本数7本。身長170センチもあるスレンダー美人さん。それもそのはず、高校時代には春高バレーに出場した経験もあるとか。他にも仕事を持っていて、お金を貯めてネイルの専門学校へ入り、やがては「ネイルサロン」を開きたいという夢を持っている真面目な女の子。しかしね、アスリートというのはエロいのだよ。セックスはアタマでするものではあるのだが、不健康な娘は不健康なセックスしか出来ない。その点、10代で身体を鍛えた女の子はまず肉体的ポテンシャルが高い。健康なボディには当然豊かな性感が備わっているから、どこまでもエロくなれる可能性があるわけだ。
パッケージの撮影風景から、外を散歩しながら軽いインタビュー。長身美脚だからニット地の超ミニスカワンピも似合いすぎ。HMJMではよく使われるメゾネット式のホテルへイン。「どんな設定なんですか?」と戸惑うとせせらチャンに、「設定なんてないよ」とクールに唇を奪う梁井くん、むむむ、ヤルなー。せせらチャンのほうもキスしてるだけで「ウフン、アフン」とエロい声が出る、かなりのセックス優等生と見た。ソファベッドの上で四つん這い、パンストの上からお尻を撫で回されるだけでビクンビクンと肢体を痙攣させてしまう感度の良さである。ねっ、アスリートはエロいって言ったでしょ?
クンニして指入れしてと進むと、梁井くんが思わず「ああ、イイ女だ」と洩らす。そうなのだ、感じてくると顔がどんどんキレイになっていく。けれど彼女、もちろん好意は持っているのだがろうが、決して梁井監督にベタ惚れしてるという雰囲気はない。それでもココまでフェロモンが出まくるということは、つまりセックスの楽しみ方を知ってる娘なんだな。挿入になって、梁井くんがむやみに激しく動かないのもイイ。2人がしっかりチ×ポとマ×コで会話しているのが、画面のコチラまでひしひしと伝わってくる。新人だからAVお決まりの「イクーッ!」を言わず、梁井くんが「またイッたの? もう何回イッてる?」と訊くのも、彼女のエロさを如実に示している。
2人目は川瀬麻衣ちゃん、年齢非公開。AV出演本数30本以上。吉田羊似の美形だが、こちらは複雑な家庭の事情を抱えている。<彼女には種違いの高校生の妹がいて、その妹の学費を稼ぐためにAVの仕事をやっている>とテロップ。お母さんには「あんたなんて生まれてこなければよかった」と言われたことがあり、それがトラウマになってるとも説明される。でも彼女、決して暗いコじゃない。むしろ愛嬌のあるキュートな女の子。しかし渋谷のホテルで昼間から抱き合うと、何とも熱くドロドロとした情念のようなものが内面から滲み出してくる。つくづく「セックスというのはその女の子の人生すべてのうえに成り立っているのだなあ」と感じさせられる。ホテルを出てエピローグ。夜の渋谷、東口歩道橋。白いムートンのコートを着たイメージシーンは、心が震えるほど美しい。
ラストもまた個性派。雨音わかなサン、28才。日傘に超エロいノースリープ超ミニワンピで登場。コレが私服だっていうからオドロキ。もう愛人感満載で、高校生の頃「歩くエロ本」というアダ名を付けられ、男子からは「いつもオカズにさせてもらってまーす」と言われてたとか。少し前までとある病院で院長の秘書をしていたが、人間ドックの手伝いをすると勃起しちゃう患者が続出したんだって!(笑)。ところがいざホテルに入ると彼女のオボコさが炸裂。「キンチョーする」と連発してやたら可愛く、キスして身体を離すと「恥ずかしいー」と顔を覆う。そうやって若い頃からカラダ目当てで近づいて来る男ばっかりだったので、かえって防御してしまい実はかなりウブ。処女喪失も22才と遅かったと。
そんな彼女に「イヤらしい」「どスケベだね」と高めていく梁井くんの上手さ。これは決して嬲るのではなく、そう伝えることで「君はイイ女なんだよ」「だからエロくなっていいんだよ」とリラックスさせてるわけだ。だから一度イッた後の、すべてを脱ぎ捨て、本当の意味でハダカになった後が最高にエロい、そして可愛い。行数的には最初の春川せせらチャンだけに裂いてしまったが、2人目の川瀬麻衣ちゃんもラストの雨音わかなサンのパートもすべてイイ。それにしても梁井監督、本当に上手くなった。女の子に寄り添い心を通わせる場面では兄貴分のタートル今田に、ハメドリストとしてリアルなセックスを撮り切る意味では、師匠のカンパニー松尾に肉薄していると言って決して誉めすぎじゃないだろう。
かつて、惜しくも2013年に休刊してしまった『ビデオ・ザ・ワールド』というAV批評誌では、当サイトでもお馴染み沢木毅彦さんらと共に、毎年AVベストテンを選出していた。7人のライターがそれぞれ推薦する3本を持ち寄って決めたものだが、もしも今でも同誌が存在していたなら、この作品は確実にベストスリー圏内には入っていただろうな。そんなことを思った。
文=東良美季
『通りすがりのAV女優 04 ヤリマンドスケベPGbyHMJM編(HMJM)』
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16.12.07更新 |
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