いちマニアとしてパソコン通信のBBSに参加したところからSMに魅せられていったという神浦匠。そんな彼はマニアたちと一緒にSMを楽しみながら、そしてついには伝統緊縛にも惹かれていく。現在では自身のレーベルを持ちながら様々に活躍する彼が語る縄への想いとは。 |
いちマニアとして斯界に入り、
伝統緊縛に魅せられた男
――このSMの世界に入られた経緯を教えて下さい。
神:読者の方々と同じように私もアマチュア的な部分から始まりまして、まだインターネットの前ですね、パソコン通信と呼んでいた時代です。やはりSMを愛好される方々がパーティみたいなことをしていたりとかね、その辺の情報を見つけていて。自分もそこにいちマニアとして参加したのが足を踏み入れるきっかけになっているんです。それが15年ほど前でしょうか。
――そのときからアマチュア活動をお始めになられて。
神:そうですね。好きで縄を持って女の子を縛って。そのパソコン通信のコミュニティで、今度緊縛のショーがありますから、みんなで見に行きましょうということになりまして。そこで見に行ったのが明智さんのショーだったんです。
――そのときの印象はどのようなモノだったんでしょう?
神:正直申し上げて、明智さんだって知らなかったんですよ(笑)。でもいま思えば縄をかけてるというより、手に縄がついてるというような、そんな感じなんですね。本当に縄がスルスルと走るんです、縦横無尽に。みるみるうちに形ができあがって、その形も単に縄がまわしてあるだけなのかというとそうじゃなく、非常に細かい細工がなされている。でも、そのときショーを見た印象は、わーすげえって(笑)。最初はそれで圧倒されましたね。
――その後ご自分でサークルを主催されるようになられたんですね。他のサークルにお邪魔するという立場ではなく、自ら始めようと思われたのは何故でしょうか。
神:たまたま自分でハコ、要するにスタジオですね、それを持つような機会に恵まれたというのがまず一つ。それともちろん自分も縛りが好きで始めたんですが、アマチュアのときには見様見真似で縛りをやって、危険なこともして相手に怪我をさせて、というような俗に言う苦い経験もあったりするんです。だから危険がないためにどういうことをプロの方は工夫されてというか、どこに注意を払ってやられてるのか、色んな方の側につきながら見て学んだ部分がありました。じゃあそれを同じ愛好家の方々と、みんなで縛りを色々と勉強しながら、安全に楽しめるようにしましょうよ、そのためにどうしたらいいのかっていう講習会みたいなことを、みんなでやったのがきっかけでしたね。
――その時点ではご自分でサークルを主催されるというお立場ですよね。表舞台に立って活動する、といったこととは、またちょっとニュアンスが異なるように思います。
神:何度かお仕事という形で撮影の現場に声を掛けていただいていたんです。スチール写真の現場に縛り手として行って縄をかけて、という仕事ですね。なるべく名前はあんまり出さないで、っていうことで最初はお願いしていたんですよ(笑)。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
神浦匠 20代に緊縛と出会い、プライベートで独自の縛りを実践しつつ、SM系BBSにて故明智伝鬼氏と出会い、緊縛の奥深さに魅了される。氏の弟子であった女流縛師のもとで裏方を務めつつ、縛りの基本を改めて修得。現在は伝統緊縛の保存をはじめ、さまざまに活躍中である。
関連リンク
神浦匠公式サイト・緊縛堂=http://takumi.32ch.jp
関連情報
神浦匠主代・縛友会緊縛道場
開催日:原則 毎月第2土曜日16時より
会場:東京都豊島区内(巣鴨)スタジオ
参加費 男女共に15,000円 ※カップル(モデル同伴)での参加は13,000円
※緊縛道場は縛りを基本から実践し安全に且つ十分に納得するまで練習する場です。練習を通じ手腕次第で難易度の高い技法へ進む形態をとっています。 実践を重視して「縛る」にこだわった場です。縛友会の会員のみの参加とさせていただております。未入会の方は縛友会へご入会下さい。>>>緊縛道場の詳細、参加申し込み、縛友会の入会申し込み