いちマニアとしてパソコン通信のBBSに参加したところからSMに魅せられていったという神浦匠。そんな彼はマニアたちと一緒にSMを楽しみながら、そしてついには伝統緊縛にも惹かれていく。現在では自身のレーベルを持ちながら様々に活躍する彼が語る縄への想いとは。 |
いちマニアから、
緊縛師・神浦匠へ
――実際に表舞台に名前が出るっていう段になって、名前を名乗る必要が出てくると思うんです。
神:公に名前を出したのは、おそらくその当時写真集をやらせて頂いていたときに、出版社側からの要望で縛り手の名前をキチンと出したいと言われて。それが初めてじゃないですかね。
――名前を出すことによって、お気持ちは変わってくるものですか。
神:やはり名前を出すってことは、自分に責任がついてまわるものだと思うんですね。見る方に対して良く見える、悪く見えるなど、そういったことも確かにそうなんですが、業界の中に名前が入るってことは、自分の行動もろもろを見てる方がいるんだなって強く感じるようになりましたね。
――そして「神浦匠」としての活動が始まったのですね。五年ほど前から縛友会という形でなさっていて。伝統緊縛を保存する活動をされていると伺いました。
神:お亡くなりになられた明智先生が生前にですね、捕縄・捕縛という昔から伝えられる縛り方の研究をなされてたんですね。色々な資料や文献があったりするんですが、肝心要の部分は口伝として伝えられてるんで、ほとんど手元に資料がないんですよ。今後このままにしておくと間違いなく廃れて消え失せてしまうだろうから残したい、という明智先生の話があって。自分たちも同じく縄をとるものとして非常に興味があった。この原型はどこから来てるのかとかね、仕掛け縄のような面白い細工があったりとか。縛りって、現代は当然SMのなかだけで色濃く残ってますけど、昔はもっともっと身近なものだったわけですよね。そういった昔の手法は必ずしもエロだけで共通してる部分じゃなくて、趣のある意味合いが込められていたりする。そんな縛りの源流的なものを探るというのと、わからない部分を自分たちで紐解いていく、パズルを解くような面白さみたいなもの。そういった要素が色々と絡みあって縛友会が誕生したんです。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
神浦匠 20代に緊縛と出会い、プライベートで独自の縛りを実践しつつ、SM系BBSにて故明智伝鬼氏と出会い、緊縛の奥深さに魅了される。氏の弟子であった女流縛師のもとで裏方を務めつつ、縛りの基本を改めて修得。現在は伝統緊縛の保存をはじめ、さまざまに活躍中である。
関連リンク
神浦匠公式サイト・緊縛堂=http://takumi.32ch.jp
関連情報
神浦匠主代・縛友会緊縛道場
開催日:原則 毎月第2土曜日16時より
会場:東京都豊島区内(巣鴨)スタジオ
参加費 男女共に15,000円 ※カップル(モデル同伴)での参加は13,000円
※緊縛道場は縛りを基本から実践し安全に且つ十分に納得するまで練習する場です。練習を通じ手腕次第で難易度の高い技法へ進む形態をとっています。 実践を重視して「縛る」にこだわった場です。縛友会の会員のみの参加とさせていただております。未入会の方は縛友会へご入会下さい。>>>緊縛道場の詳細、参加申し込み、縛友会の入会申し込み