いちマニアとしてパソコン通信のBBSに参加したところからSMに魅せられていったという神浦匠。そんな彼はマニアたちと一緒にSMを楽しみながら、そしてついには伝統緊縛にも惹かれていく。現在では自身のレーベルを持ちながら様々に活躍する彼が語る縄への想いとは。 |
故・明智伝鬼との出会いと、
古典緊縛への憧憬
――明智さんとの出会いから、伝統的な縛りを模索するようになっていくわけですね。神浦さんの15年というキャリアの中で、ほんの5年前に緊縛の起源を探るという新たな方向性を見出されたわけですけど、そのことによってSMや緊縛に対する価値観、そういったものはどのように変化していったんでしょう。
神:最初はSMっていうひとつのプレイの中に縛りがあって。体を拘束する手立てとして縄を使ってました。当然遊んでたわけですけど。極端なことを言ってしまえば足を広げた状態にしておくため、縄をかけて繋ぎとめてだとか、体を起こせないようにするために縛るとか。要するに動きを封じこめるだけの縄ですよね。自分がSMのプレイの中で何をするのか、その目的に応じてどういうふうに拘束するか。もちろん今でも一般的なSMにおいて縄の役割は変わっていないと思うんですけど。緊縛もろもろに自分が興味を持って、ああ、こういった形があり、またこういった縄のとり方があるんだなっていうことを知ったとき、ただ単に動きを封じ込めるんじゃなくて、動きを封じ込めつつ、苦痛を与えるところは苦痛を与える責め縄の類いであったりだとか、あと本来守らなければならない急所といわれる部分を如何に拘束しつつ、そこの急所にダメージを与えないためにあえて今度はどうゆうふうに縛ればいいのかなとか。そういうものが緊縛のなかでうたわれていて。無造作に縄がかけられてるようだけどそうじゃなくて、ひとつひとつの場所場所にきちんとそれなりに意味があった留め方なりまわし方があるんだなと気づいたときに、目からうろこが落ちたんですね。それを知ってから、当然プレイありきのなかで縛りはあるんですけど、自分の意識のなかで縛りがあってのプレイみたいな形に順位が変わったのかもしれないですね。
――そしてもうひとつ、現在でも定期的に開催されている「匠のサロン」でのサークル活動もなさってますよね。こちらはどういった集まりなんでしょうか。
神:別名SM居酒屋サロンと言われてまして(笑)。みんなで集まって、縛りたい人と縛られたい人、もしくは縛られてもイイよという相互に意見が合う人同士が縛っていたり。そんな流れですよね。ホントに好きな物同士がわあーっと集まっている感じです。多いときにはだいたい三十人ぐらい集まりますよ。そこまでいくとホントに居酒屋ですけどね。
――そこで神浦さんはホストのようなことをされてるんでしょうか。
神:そこで自分が出ちゃうと終わっちゃうじゃないですか。みんなも期待しちゃうので。だから端っこで飲んでます(笑)。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
神浦匠 20代に緊縛と出会い、プライベートで独自の縛りを実践しつつ、SM系BBSにて故明智伝鬼氏と出会い、緊縛の奥深さに魅了される。氏の弟子であった女流縛師のもとで裏方を務めつつ、縛りの基本を改めて修得。現在は伝統緊縛の保存をはじめ、さまざまに活躍中である。
関連リンク
神浦匠公式サイト・緊縛堂=http://takumi.32ch.jp
関連情報
神浦匠主代・縛友会緊縛道場
開催日:原則 毎月第2土曜日16時より
会場:東京都豊島区内(巣鴨)スタジオ
参加費 男女共に15,000円 ※カップル(モデル同伴)での参加は13,000円
※緊縛道場は縛りを基本から実践し安全に且つ十分に納得するまで練習する場です。練習を通じ手腕次第で難易度の高い技法へ進む形態をとっています。 実践を重視して「縛る」にこだわった場です。縛友会の会員のみの参加とさせていただております。未入会の方は縛友会へご入会下さい。>>>緊縛道場の詳細、参加申し込み、縛友会の入会申し込み