たとえSMマニアではなくとも、彼のその姿、その作品を一度は目にしているのではないだろうか。それほど多くの作品に関わり、多忙な日々を過ごす乱田舞。だからこそ足を止めることなく走り続ける、新たな時代のキーパーソンである。そんな彼の想いは深く、そしてとても大きく見える。 |
photo サコカメラ |
乱田舞の原点となったショー
SMの喜びを実感した瞬間
――具体的にはどういった活動を考えていらっしゃるんでしょう。
乱:今後も劇場でやるショーアップされた、お客さんがいっぱい入るような大きい舞台でやってきたいと思ってますけど、今考えているのは逆に、地方のほうの、小さいお店とか、実際にショーとか見れないところに出向いていって、お客さんが3人でも4人でも5人でも、そういうなかでやれたら幸せかなって思ってます。今僕だけの力でお客さんが集まってくれているわけじゃないのはよくわかってる。でも原点に戻ると、俺が最初にやったショーらしきもののお客さんはたった一人だったんですよ。それも友達。
――どういう状況だったんでしょうか。
乱:もうねえ、吊れるところがあるホテルに行って、当時付き合ってた女の子を縛って、音楽もラジカセでガチャッて押して、友達に見ててって。それが僕の、最初のショーなんです(笑)。でもね、そのときのショーはホントに楽しかったんですよ。今でも思い出すんですけど当時の、人が1人とか2人とか、すごく距離感が一緒に楽しんでるっていう感覚があって。それはもうホントに僕の原点でSMを始めるときに味わった喜びなんですよ。その友達は多分俺のショーを見てくれて一緒に楽しんでくれてたと思う。それを今度は、実際にショーを目にすることができないような人たちのところにいって、ショーとか、話ができたりとか、そういう活動してみたいなって思ってるんです。もう実現はたぶん不可能だと諦めてるけど、考えてることが一つあって。老人ホームでショーをやりたいんですよ。高齢化社会に突入してきておじいさんおばあさん、年老いた方の性的な部分って封印されがちじゃないですか。でも人間て生きてる以上は絶対に性欲があると思うし、生きる糧っていうのはやっぱり性であって欲しいと思ってる。今SMって世界はタブー視されていますけど、可能であればね。一応は色々当たってみてもらってたりするんですけど。慰問でロマンポルノ上映を受け入れる老人ホームがあるくらいだから、そういうところ、どっかにあるんじゃないかなって思ってるんです。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
乱田舞 1959年生まれ。緊縛師としてビデオ、Vシネマ、テレビ、雑誌、写真集、舞台などで積極的に活躍。また日本だけではなくアメリカやヨーロッパでも活動する。ビデオやVシネマと舞台では監督、脚本、演出も手掛け、関わった作品は1000本を悠に超えるほどである。
関連リンク
乱田舞公式サイト『−乱舞−』=http://ranbu.32ch.com/
Bar 乱舞館=http://ranbukan.32ch.com/
サコカメラ公式サイト『WWW.SACO-CAMERA.ORG』=http://www.saco-camera.org/
関連情報
乱田舞プロデュース 『SM LIVE SHOW DX act2』開催!
開催期間:2007年3月21日(水)祝日〜31日(土)
※3月25日(日)、及び31日(土)は特別興行となるため、開催時間及び料金システムが異なりますので、ご注意ください。
会場・お問い合わせ:『新宿DX歌舞伎町』
東京都新宿区歌舞伎町2-25-10/TEL03-3232-9946/URL=http://www.dxk.co.jp/
料金:男性8,000円/女性5,000円
出演者:香盤表