一昔前は数えるほどしかいなかった緊縛師という存在。だが現在では実に多くの方々が日々しのぎを削っている。2005年、そんな緊縛師の第一人者であった明智伝鬼氏が亡くなられた。ひとつの時代が終われば、新たな時代が始まる。現在注目の緊縛師4人に行なったインタビューを、読者の皆様はどのように受け止められたのだろう。 |
縄を手にする全ての人に
現在、様々な人々がしのぎを削っているこのSM世界。そのなかでも今回話を伺ったのは主に縄を用いて活躍されている四人である。だからといって縄を使った緊縛、それがSMの基本である、などと結論づけたいわけではない。
長田スティーブのように緊縛を窮めようとする緊縛師もいれば、有末剛のように縄に捕らわれないことがスタイルという緊縛師もいる。そしてまた神浦匠は伝統的な緊縛術に惹かれ、乱田舞はSMそのものをさらに膨らませていこうとしている。そしてまた彼らに限らず、全ての緊縛師はそれぞれ異なる志を持ちながら、ときには縄を用い、また一切使わずに、己の世界を表現しているのだ。
だが彼らは皆知っている。女体にかけられた縄の美しさを。縄を手にして相手と向かい合うことの意味を。そしてそれは何も緊縛師と呼ばれるプロフェッショナルだけに限ったことではない。「S&Mスナイパー」を手にしている全てのSM愛好者たちも、やはり日頃から感じていることと思う。あの縄を手にして相手へかけていくときの、えも言われぬ喜びを。そうした思いを忘れなければ、私たちはSMというものの新たな時代、その到来を願うことができるのではないだろうか。全ての縄を手にする人が、新たな想いでSMを楽しまれることを願って、この特集の結びとさせていただきたい。
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
文=編集部・五十嵐彰
07.03.27更新 |
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