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『0課の女 赤い手錠』
監督=野田幸男
販売元=TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
発売日=2011年3月21日
WEB SNIPER Special Cinema Review!!
真魚八重子とターHELL穴トミヤの映画の話にかこつけて【3】
『映画秘宝』や朝日新聞映画欄などで活躍されている映画評論家・真魚八重子さんと、WEBスナイパーの映画レビューでお馴染み・ターHELL穴トミヤさんが、お互いに話したいテーマを持ち寄って映画談義に花を咲かせたら......!? 時には脱線もありでお届けする規格外の対談連載、第3回は「嫌なヤツが出てくる映画」をテーマに野田幸男監督『0課の女 赤い手錠』、増村保造監督『妻は告白する』を取り上げます! 
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編 今回のテーマは「嫌なヤツが出てくる映画」。このテーマは前回の対談の帰り道でターHELLさんから出てきた話題です。何か念頭に置かれている作品があったんですか?

『焼け石に水』 監督=フランソワ・オゾン 販売元=パイオニアLDC 発売日=2003年1月24日
『0課の女 赤い手錠』 監督=野田幸男 販売元=TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 発売日=2015年3月13日
ターHELL穴トミヤ(以下「タ」)いくつかあって、『焼け石に水』と『0課の女 赤い手錠(ワッパ)』。嫌なヤツばっか出てくる映画ってありますか?って話をしていて。

真魚八重子(以下「真」)『0課の女 赤い手錠』、嫌なヤツって誰のことだろうと思って久々に観返したんですが、室田日出男も郷英治も、荒木一郎も嫌なヤツで一人に絞れなくて......。

タ そう、みんな嫌なヤツなんです(笑)。嫌なヤツ同士が私利私欲に従って、でも話が進んでいく感じがすげえなって。

真 丹波哲郎も自分の手は汚さない嫌な人ですね。

タ 可哀想なヤツなのかなと思ってたら最後の最後でメチャクチャ最悪な野郎に(笑)。

真 自分の娘がマスコミの前で凄い辱めを受けてるのに、葉巻をふかして「俺の政治生命も終わったな......」くらいの軽いニュアンスの表情で。

タ 娘が酷い目に遭って可哀想な父親なのかと思ってたら、自分だけが可愛いヤツだった。

真 政治家として総理大臣目指してるから、当初は悪いヤツに捕まってレイプされた娘なんか、もう殺してくれてもいいって指令を出す人ですもんね。

タ あそこで、えーっ!て(笑)。そこまで行くのかっていう衝撃があって、これは全員嫌な野郎しかいないなと。丹波哲郎の手下で働く刑事も、正義のために働くっていうよりも「今あいつに恩を売っておけば、俺たちの未来は安泰だぞ」とか言って仕事してる。で、犯罪者はもう最悪の......。

真 アジトがホントにもう「掃き溜め」って言葉はここのためにあるんだって感じで。三原葉子という東映ポルノで活躍した女優さんが、郷英治たちの面倒をみてるんだけど。

タ 「アネキ」とか呼ばれて。

真 そのアネキがラーメンをおかずに白飯食べてるの。

タ 炭水化物に炭水化物を当ててきてる。飯のチョイスからして心ない感じが。

真 もう栄養とか一切関係なく味だけで食べてるね。

↑これがラーメンライスだ!(真魚)

タ たぶんそのくわえてるタバコも、ラーメンに突っ込むんだろうなって。

真 出前返すときね(笑)。もちろん食器洗うどころか、スープ捨てたりすらしないで。

タ そうそう、あとメイクが凄くて。白髪に白い唇で、今見るとこれ渋谷のヤマンバギャルじゃんみたいな。

真 古い(笑)。

タ でもその頃からしたら先取り!ヤマンバギャルを予言していたのかもしれない。

真 『赤い手錠』が再評価されたのって90年代初頭だと思うんです。杉作J太郎さんたちによって。確かにその頃はヤマンバギャルとか流行ってたんで、「いたじゃん、あたいたちの先祖」みたいな(笑)。

タ あたいって......(笑)。そういえば、ヤマンバリバイバルは来たけど、「あたい」リバイバルはまだ来てないですね。それで、一番可哀想なのは悪いヤツにさらわれる丹波哲郎の娘なんですよね。彼女はひたすらひどい目に遭うだけなんだけど、杉本美樹が冷たいんですよ。刑事として助け出しはするんだけど、「あとは勝手に生きな」みたいな。

真 美樹ちゃんは「あたいは言われたことやっただけさ」って棒読みでね。

タ 杉本美樹の演技力のなさが、逆に役柄にハマッてるんですよね。

↑やたら厳しい杉本美樹。(ターHELL)

真 ホントに冷淡な、仕事に徹するサイボーグ的な感じが棒読みでハマッてる。

タ 言うべきことを仕事として言ってるだけみたいな。組織に入ると人はこうなるのかと......。それで、誰もが酷いこれは大人の映画だなって、初めて観た時に感動したんです。

真 さすがに、「すごい幼稚なんじゃないか?」というのも同時に思いましたけどね。

タ (笑)。

真 女の刑事は赤い警察手帳と赤い手錠を持たされてるって。

タ デリカシーゼロ。強姦される時とかも画面の背景が赤く染まっていくんですけど......。

真 安直なんですよね(笑)。

タ またその赤も、ペンキで塗ったような赤で。

真 そうそう、下品なね。

タ 銃とか、刑事グッズが全部赤いんだけど、すごく安い感じで

真 手錠を見た瞬間にビクッとしちゃう、「今ペンキ塗りました」状態すぎて。

↑触ったらベッタリ指紋つきそう。(真魚)

タ 刷毛の痕がついてるくらいの。あと、男がセックスをする時、動作が早くなるんですよね。みんな焦ってるのか知らないけど。すごい昔のフィルムってコマ数が今と違って、人が早く動いてるように見えるのあるじゃないですか。あんな感じに、セックスになると急にみんなカタカタカタッて。若いのかな、テンパっちゃう。

真 さかってるんでしょうねえ。

タ 昭和の元気さを感じました。それも今観直してみると面白い。

真 犯罪者たちも若いんですよね、郷英治の設定も、観てる自分の年齢と比べたらはるかに下の設定なんでしょうね。

タ 顔は老けてますけどね、濃いから。

真 30代後半に見えるけど、設定としてはたぶん20代。

↑基本的に、昔の人って大人ですよね。(真魚)

タ 22とか24。

真 そんなに若い?!

タ リーダーで24くらい。

真 郷英治が?(笑)。でも確かに、弟分がまだ童貞なんですよね。

タ だから19、20くらい。で、弟分が純なところを出しちゃって。

真 途中の演劇教室みたいなところで......。

タ 米軍ハウスですね。逃亡した犯罪者たちが米軍ハウスで押し込み強盗みたいになる。

真 そうだ、立てこもってた。

タ そこで、新劇っていうんですかね? 横にいる人たちが洋物の劇をやってて、その人たちが全員全裸にされて縛られる(笑)。

↑新劇が一転、ソドムの市に!(ターHELL)

『TATTOO「刺青」あり』 監督=高橋伴明 販売元=ジェネオン エンタテインメント 発売日=2004年3月21日
『ソドムの市 ~制作40周年記念~』 監督=ピエル・パオロ・パゾリーニ 販売元=是空 発売日=2015年7月2日
真 『TATTOO<刺青>あり』の事件みたいな。

タ 梅川昭美ですね、三菱銀行人質事件の犯人。

真 梅川はパゾリーニの『ソドムの市』を直前に観てたんですよね。

タ えっ観てたんですか。

真 そう、『ソドムの市』をやろうとしたの。

タ そう聞くと、やっぱりエログロ映画ってよくないものなんじゃ(笑)。表現を規制することは必要なんじゃないかっていう気になってくる(笑)。

真 現実を侵食しちゃうから危険ですね(笑)。

タ 完全に影響されちゃってるじゃないですか、しかも成人してから。

真 でもね、真似する人はホントにごく一部なんで。

タ 『ソドムの市』もね、素晴らしい映画でした。ウンコを食わしたりとかしてね。最後よくわかんない終わり方してましたけど。

真 銀行の中もひどかったらしいですよ。

タ あの事件は漫画化もされてて、僕は『ガロ』かなんかで読んだ気がします。

真 私は実録犯罪本で読んで(笑)。ほんとに酷い......、行員同士で耳を切らせたり、女子行員の服を脱がせたり。まったくシャレにならない。

タ 『赤い手錠』が公開されたのは、事件が起きたのと同じ頃なんですか。

真 銀行のほうが後ですね。

タ じゃあ、それも予言していた(笑)。

真 いるんですよ、こういう人は常に。

タ それかあの時代の、みんなの夢だったのかもしれないですよ(笑)。戦後の日本の男たちにはソドム願望が。

真 戦後だけじゃなく戦前だって、酷い事件はいっぱいありますからね。

タ そこから比べれば日本人はまともになってる。

真 昔の荒んだ事件に比べればね。

タ 少年犯罪も減ってるし。理性的になってるっていうか、それこそ日本人全体が、育ちが良くなってきている。でもその直前の『赤い手錠』は......。

真 ひどいですよね。新劇の米軍ハウスでは結局放火して、人質にとった人たちを焼き殺して逃げる。警察のほうもおそろしいことをするし。

タ 手を万力で挟んで。

真 そうそう。だから私、万力って拷問の道具だと勘違いしてたんです。

↑だってこんな使い方しか見たことないから......。(真魚)

タ ここで刷り込まれた(笑)。なんでしたっけその話。

真 美容院で、女性の美容師さんと「万力って何に使うんだろう」「あれって拷問で、指とか挟んでグイグイ締め上げるやつですよね」「そうですよね」って合意してたら、隣の男性の美容師さんが他の客の髪をいじりながら「いや、万力って木工とかする時に、木片を挟んで作業したりするんですよ」って、見かねて教えてくれて。

タ 汚れを知らない青年の危機感をあおってしまった(笑)。ここは否定しておかないとダメだと思ったんでしょうね。しかも万力で挟んでるだけで結構ヒクんだけど、その後バーナーで焼くんですよね。

真 そうそう。ひどいんだよね。この映画は特に残忍なことをする。

タ でも残酷描写が面白くて、主任刑事の室田日出男が顔面焼かれるんですよね。あの特殊メイクがよくて。「救急車呼んでくれ~」って。

真 今さら救急車呼んでどうにかなるのかってくらい焼け爛れてて。

タ 感動したんですよね、あの焼け爛れ具合に。

↑見事に焼けた室田刑事。(ターHELL)

真 このラストシーン、当時の東映にしては手の込んだことしてると思いました。

タ 米軍相手の娼婦街みたいなところに迷い込むじゃないですか。セットなのかホントの街なのか、凄い作り物感があって。どっちなんだろうなって。

真 主な撮影場所はセットだけど、街路はロケでしょうね。

タ ああいう風景がまだあったのかな。

真 一区画、車が通れるところでロケさせてって感じだったんじゃないでしょうか。結構どぶ板通りとか、映画に出てくることありますし。

タ なんですか、どぶ板通りって。

真 横須賀の米軍の人たちが行く飲み屋街というか。

タ そこは今でもこういう感じなんですか?

真 さすがに今は、他所からの観光客も多いから健全で、ひらけているみたいですけど。

タ へー、行ってみたいですね。あと強姦する時に、毎回米軍の戦闘機が飛んでるカットをかぶせてきて、強姦のピストンと戦闘機を交互に見せる感じ。日本はアメリカにレイプされているみたいな安い政治観が......(笑)。

真 元凶はアメリカであるって。

タ かと思えばコテコテの左翼青年が出てきて、ヘルメット被ってて。

真 いたね。丹波哲郎の娘が、成田闘争に出てきそうなヘルメット被った青年と「私たちは結婚できないわ」とか言ってると、郷英治たちのチンピラにさらわれてレイプされちゃう。

タ あの左翼青年のアホさっていうか、完全にバカにされてる感じもよかった(笑)。

真 左翼コスプレなんだよね。

タ 「君は、僕がちゃんと話しても、結婚できないっていうのかい?」(笑)。

真 そもそも恋人に会いにくるのに、ヘルメット要らないじゃん(笑)。

タ ヘルメットに「闘争」みたいなことが書いてあるんですよね。反米感を出したり、全共闘バカにしたり、とりあえず流行ってるものを全部取り込んだのかな。この時代の映画って米国に対する複雑な感情を持ってるのが多くて、悪役で必ず白人が出てくるじゃないですか。

真 レイプして、外交官特権で逃げちゃうとか。

タ だけど杉本美樹は0課だから射殺する。

↑チンコを撃たれ、処刑される。 (ターHELL)

真 でも、0課でも射殺はしちゃいけないから、ムショに入れられてましたよ(笑)。

タ あ、そうでしたね。じゃあ杉本美樹は一応、職務を超えて正義を求めてしまうアツい奴ではあるんですね。

真 不幸な女性のために復讐する。その割に政治家の娘には冷たいんですよね。

タ 甘やかさない(笑)。強く生きろみたいな。米軍ハウスって今でもありますけど、最近の映画にはぜんぜん出てこなくなりましたね。

真 米軍ハウスってなんですか?

『スローなブギにしてくれ』 監督=藤田敏八 販売元=パイオニアLDC 発売日=2001年4月25日
『ダイアモンドは傷つかない』 監督=藤田敏八 販売元=TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 発売日=2014年12月5日
タ それこそあれですよ、『スローなブギにしてくれ』で山崎努が3人で暮らしてた家。あとは『ダイアモンドは傷つかない』で山崎努が愛人を住まわせてたのも多分、米軍ハウス。福生とかの一軒家で庭があって......。

真 『ダイアモンド~』で、いいおうちに住まわせてるなと思ってました。

タ 将校ほど偉くなくて、でも一般兵よりちょっと偉い人が、基地の外に住むために作った家が今も残ってるんです。

真 だから福生に住んでる人って結構いるんだ。

タ たしか立川からモノレールに乗って行く、先のほうとかにもあるんですよね。米軍ハウスでやるライブに行ったりしました。

真 山口富士夫が亡くなったのは福生でしたね。あのかたは黒人と日本人のクォーターじゃないですか。それが、福生でタクシーに並ぶ順番を注意した時に、米軍に勤めてる人に突き飛ばされて命を落として。

タ ニュースになってましたね。

真 生まれの因縁と死の因縁がこんなに結びついてる人がいるのかって。

タ 今でも駐留米軍問題って終わってない。

真 終わってない。ぜんぜん終わってない。だってその犯人がどう罪に問われたって、その後の報道ないもん。

タ 米軍ハウスはあるし米軍の基地もあるけど、ドラマとか、映画とか、カルチャーの中にはもうめっきり出てこないですよね。

真 年寄りの町になってるからかなあ。

タ そうですね、今わざわざ米軍ハウスをおしゃれって言って住む人はおじさん世代というか、おじいさん世代ってイメージある。

真 いまだに昔読んだ村上龍の世界に浸りたいとか。20年くらい前、映画の特別上映の打ち上げに、監督目当てのサブカル女子が来ていて、その子が「今日は昼間、福生に見学に行ってきました」って言ってました。サブカル文化の一環なんですよね。福生とか、米軍ハウスが。

タ でも70年代は一番オシャレな場所が米軍ハウスだった。

『女番長 野良猫ロック』 監督=長谷部安春 販売元=Happinet(SB)(D) 発売日=2012年4月3日
真 『野良猫ロック』のシリーズって、みんな舞台が米軍基地のあるところなんですよね。立川とか。

タ 『赤い手錠』の悪者衆の中で一番アメリカかぶれっぽいのが、常にレイバンのサングラスかけてるヤツ......。

真 荒木一郎。

タ あれ荒木一郎なんですか?

真 そうです。

↑グンバツにイケてる荒木一郎。(ターHELL)

タ 超オシャレだなぁと思ってて(笑)。荒木一郎なんですか。まだご存命ですよね。

真 生きてる生きてる。アムウェイの上位ですよ。

タ マジですか? それは知らなかった。ショック! 本業はアムウェイなんですか?

真 儲けはアムウェイ。

タ (笑)。

真 趣味はマジック。

タ えーっ、マジですか?

真 「荒木一郎+アムウェイ」で検索したらすぐ出てきますよ。

タ 米軍の知り合いからいち早くアメリカの新ビジネスを知って、早いから上のほうに行けたとか。

真 そうかも(笑)。まあ知名度もありますし。杉本美樹たちが所属してたのが荒木一郎の事務所だったから、それで『0課の女 赤い手錠』にも荒木さんは出てるんじゃないかっていう話です。

タ 杉本美樹さん、今はぜんぜん見ないですね。

真 池玲子さんと杉本美樹さんは、今は普通の裕福なご夫人でいらっしゃるので。過去のポルノ女優だった頃の話はたぶん封印したいから、表には出てこないのでは。

編 78年に結婚後、芸能界を引退。先ほどの『0課の女 赤い手錠』から約4年後のことです。

真 『0課の女 赤い手錠』だって、19歳とか。

タ えっ、そんなに若いんですか? 19でこれだったらアウトでしょう。

編 19ですね。

タ 18歳以上だったらいいのかな......

真 池玲子は16歳でデビューしてる。

タ えっ、おっぱいとか出してるんですか?

真 一応年齢偽って、17歳とか18歳とか言ってたんだけど、実際デビューしたのは16歳。

タ それじゃあ池玲子作品は、改正児童ポルノ法で......。

真 あれ、児童ポルノじゃないじゃん。児童に求める人のヌードじゃないでしょ。あれは熟女でしょ(笑)。

タ 法を超えた成熟感(笑)。

編 杉本美樹は74年で21歳。デビューは71年で18歳ですね。

『温泉みみず芸者』 監督=鈴木則文 販売元=TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) 発売日=2009年9月21日
タ しかも、デビューは『温泉みみず芸者』じゃないですか。

編 そうですね。18歳、池玲子と共に映画デビュー。

真 1953年生まれ......「公称」って(笑)。そうすると18でデビューか。

タ むしろ逆算で53年にした感じありますね。

真 ヤバいから、ギリ53年じゃないとって。

編 しかも「1月」になってますね。

タ ちょっとムリさを感じますよ(笑)。

真 美樹さんは『温泉みみず芸者』では池玲子の妹役でした。池さんは何年生まれですか。

編 池さんは......53年(笑)。示し合わせた感がありますね。

真 池さんも年齢偽ってたから、杉本美樹も偽ってた気がしますね。

編 wikipediaにも書いてあります。「当時の池は16歳だったので」。

真 犯罪だ(笑)。

編 当時の池が16歳っていうことは、53年だと合わないですね。55年生まれで当時の池が16歳になるはずです。

真 公称53年で、実際は55年生まれ。

編 杉本さんもあくまで「公称」と書いてあるので......

真 54年か55年生まれぐらいな感じでしょうね。杉本美樹さんのデビューが判然としないんだけど、どっかのビーチで荒木一郎さんがナンパしたって。

タ やっぱり荒木一郎さんなんだ。

真 荒木一郎がナンパして、デビューしてみない?みたいな。

タ 不良ですね(笑)。

真 カッコイイですね、当時の不良は(笑)。

タ 『赤い手錠』でも、荒木一郎が一番ファッショナブル。今見てもカッコイイですね。

真 年代を超えたオシャレさですよね。ジーンズにジージャンにヒゲ面でタレサン。

タ キャップかぶって。

真 カッコイイですね。でも初見では誰もあれが荒木一郎だって分からない。

タ 分からないですよね、メガネ一回外してくれないと(笑)。あとナイフの使い手で、木を彫ってるんですね。何彫ってるのかなと思ってたら、後半明らかになってくるんですけど、女体を彫ってて。

真 (笑)。

タ 女体をストラップ的に、首吊りにして車のところに吊ってるんですよね。

真 ダサッ...、リビドーの映画ですよね(笑)。いろんな意味で。

タ 少子化なんて予想だにしなかった時代の、男たちのリビドーが溢れんばかり。

真 ひと気のないところに女の人がいたら危ない。

タ 基本レイプされる(笑)。

真 昔の日本がいかに危なかったかですよ。

タ いかに適当だったか。デビューの年齢からしてもう。でもそのパワーには感動しました。

真 映画は酷い話ですよね。娘はラストで警視庁の近くまで車で行って、美樹ちゃんにそこで降ろされたとはいえ、別の方向に歩いていくことも出来たわけです。でも彼女は警視庁へ入りレイプの真相を語って、父親を裏切り、父の政治家生命を断ってもいいと判断する。それが彼女の意志ですからね。

タ やっぱそこには、その後の日本社会にも繋がるウーマンリブ的な萌芽が......。

真 ない!

タ (笑)。

真 だって何かをしようとすると、女がレイプされるっていう。ホントにこんなの、参考にならない。何かしようとするたびに、男からの凌辱をいちいち考慮しなきゃいけないって話じゃないですか。仕事にならないですよ。

タ 男がいる部屋に入ってきたらレイプされてもしょうがないみたいな。

真 いまだにホントにそういうこと言うじゃないですか。男しかいない部屋に行った時点で合意があったんだろって言うでしょ。女性車両に自ら乗り込んで行く男性とかが(笑)。

タ そういう人たちのメンタリティは『0課の女 赤い手錠』の時代で止まってるという、ワッパメンタリティと呼ぼう(笑)。というわけでこの映画は、嫌なヤツしかいないのに、嫌なヤツ同士の計算で話が進んでくのが面白い。

真 嫌な人同士で、当然軋轢が生じるので。郷英治は逃げたいし、室田日出男はどんな卑怯な手を使っても彼らを捕まえたいし。だから嫌な人同士の抑えの利かない嫌な感じが発揮されてる。女は、ヌードの添え物でしかないんですよね。物語を切り回してるのは男の人ですよ、この映画は。

タ 組織に、チンピラに、粗暴感。で、一番奥になんとなく米軍へのコンプレックスが横たわってるみたいな。これが昭和の日本男児だ(笑)!

■お金が入った途端好きな人と、今まで味わえなかった普通の幸せな生活を送りたいっていう気持ちが、凄くよく分かるんですよ(真魚)

編 真魚さんが挙げる嫌なヤツが出てくる映画は。

『妻は告白する』 監督=増村保造 販売元=KADOKAWA/角川書店 発売日=2014年6月27日
真 『妻は告白する』という増村保造監督の映画です。若尾文子は増村のミューズですよね。ご覧になりました?

タ はい。

真 最初に裁判から始まるんだけど、切り立った崖で登山していて、宙吊りになってしまい、誰かが犠牲にならないと他の者は助からない状況になる。それが川口浩、若尾文子、小沢栄太郎。元々、若尾文子は大学の薬学の研究員だったんだけど、凄い貧乏で、研究してるとバイトする暇もないからご飯も食べられなくて、常にフラフラになりながら研究してる。そこを教授の小沢栄太郎から嫁に来いって誘われて、飢えから逃れられるならと結婚してしまう。でも妻の座に収まったら、夫は独占欲が強くて、妻を侮辱することで自分の矜持を保とうとする旦那さんで。で、小沢栄太郎のところに薬剤会社の営業の川口浩が常に出入りしてて、若尾文子との間に不倫関係が生じたところで、この登山の事故が起こる。

タ 小沢栄太郎が死んでるんですけど、故意に殺したか、それとも緊急避難だったかというのがキモになるんですよね。

真 でもホントに、小沢栄太郎がずっと若尾文子の弱みに付け込んでて。

タ この映画の嫌なヤツって誰なんですか?

真 小沢栄太郎でしょう。川口浩も嫌なヤツですけど。彼はフィアンセがいるのに人妻と不倫して、彼女が自分にのぼせ上がって人殺しをしたのかもしれないって疑いを抱いた途端に、彼女とは手を切ろうとする。相当都合のいい人だと思うんですよ。若尾文子を責める気持ちになれます?

タ なれないですね。

真 ですよね。

タ なれないですけど......、嫌なヤツではないけど......、若尾文子こえーなっていう(笑)。

真 (笑)。待ち合わせの仕方とかいろいろあると思うんだけど、会社に来ちゃうんだよね。雨の日に。

タ あのオーラはヤバい。最初、事務員の人から「面会来てるわよ」って言われて、「誰?」って聞いたら「だれだれよ」って、それで「いないって言ってくれ」って言ったら「無理なのよ、ホラ」っていってカットが変わると、若尾文子がジャーンって感じでいるんだけど、アップじゃないんです。すごい引きなのに、メッチャそこだけ存在感があるんですよ。フィルムに黒い染みが垂れてる感じの。

真 壁に浮かぶ染みみたいな(笑)。

タ 顔が浮かび上がってきちゃったみたいな。凄い存在感で立ってる。

↑ヤバいオーラを感じる職員たち。(ターHELL)

真 雨の中を傘も差さないで歩いてきたっていう感じで、和服のずぶ濡れ感も危ないし、髪のボリュームも多いんですよね、情念の人だから。そのパーマのかかったボリュームのある髪から雨のしずくがポタポタ垂れてて、草履も水浸しで、そんな人に会社に来られたら社員として人生終わるじゃないですか。

タ (笑)。周りの人も察してる感じで。しかもその若尾文子を全身撮るんですよね。頭から足の先まで舐めるように。

真 雨を避けるとかじゃない心境だから、足袋も雨の泥でグチャグチャになってるのを映す。情念が人間の形になりましたっていう状態で立ってて。あんなのが面会に来てたら、そりゃ帰せない(笑)。

タ 刺される(笑)。しかもこのシチュエーション、現代でもかなりのあるあるですよね。この瞬間も、日本のどこかでああいうことは起きてるなっていうリアルさが。

『映画系女子がゆく!』 著者=真魚八重子 出版社=青弓社 発売日=2014年11月16日
真 前の本の『映画系女子がゆく!』で書いたんですけど、私の父は土建屋をやってたんです。で、そこの社員さんが急に辞めるって言って、理由を聞いたら愛人が出来たからって。でも半年後に戻ってきたからどうした?って聞いたら、高速を走ってる時に愛人と喧嘩になって、その愛人が衝動的に車から飛び降りてそのまま即死したって。

タ マジですか? ヤバいですね......。

真 やっぱりそういう気質の女はいるんだって......。その出来事は私が中学か高校くらいの頃だったかな、さすがにちょっと理解できる時期だったから。で、こんなふうにズブ濡れになって会社に来る人を見ると、私の中では高速で喧嘩して飛び降りる人と情念度合いが一致するんですよ。

タ 殺すんじゃなくて、死ぬほうに行く。若尾文子さんはこの映画の中で、いつも自殺をほのめかすんですね。青酸カリをつかんで「あたしを捨てるなら自殺する!」みたいなそぶりを見せる。それもなんか最近、Twitterで同じようなのを見たっていうか。

真 女性ライターのH・Kさんとか、そういう人は9割がた狂言で終わるって分かってるんだよね。

タ だはは(笑)。

真 自分を人質に取って「それ以上言ったら死ぬぞ!」ってやってる状態なんだけど、ホントにたまに死ぬ人がいるからみんな配慮してるとはいえ、やっぱり自分の命を人質に取るのは汚いよ(笑)。

タ 若尾文子が最後にどうなるかを言うとネタバレになっちゃうんだけど、手紙が届くんですね。

真 川口浩に。

タ その手紙の可哀想さ半分、恐ろしさ半分(笑)。その重さたるや、それこそ呪われるんじゃないかくらいの。

真 魅入られたらしょうがないですよね。回り回って、お前が保険金殺人の元凶じゃないのかってなるのを狙ってるのかもしれない。

タ 本人にもそう自責させようという、誘導しようとしてる手紙かもしれない。嫌なヤツっていうのは意識的だけど、若尾さんは無意識の強さっていうのが凄いですね。

真 漂ってきますね。でもずぶ濡れになって会社に行って、それでも川口浩に断わられて、「分かりました」と言って女子トイレに入って青酸カリを飲むんだけど、撮影はあのシーンがファーストカットだったんですって。

タ そうだったんですか!

真 女優はやはり凄いなと思って。

↑これがファーストシーン。さすが女優。(真魚)

タ 凄いですね。あそこまで追い込まれた感じからいきなり入っていたのか。最初に怖いなと思ったのが、裁判が終わるんですね、映画の真ん中くらいで。無罪が出て、保険金も無事振り込まれて、その頃は川口浩はもうラブラブで、フィアンセよりも若尾文子が好きみたいな感じになってる。で、川口浩がアパートに最初に訪ねていった瞬間、「旦那様」って言って迎えるんですよね。その切り替えの早さに、えっ......みたいな。

↑この華奢な手はすごく重い。(ターHELL)

真 でもわたしは気持ちわかる! 研究員だった頃の、小沢栄太郎と結婚するしかないぐらい追い込まれた描写っていうのがあって、それがホントにひどいんですよ。ご飯ぜんぜん食べられなくて、貧血で、今日はパンを一切れ食べただけで1週間くらいそんな生活が続いてるという描写があって。そして結婚しても飢えから免れただけで、精神的DVにさらされる。だから束縛亭主と切れて、お金が入った途端好きな人と、今まで味わえなかった普通の幸せな生活を送りたいっていう気持ちが、凄くよく分かるんですよ。

↑未来が見えないと、判断に失敗する。(真魚)

タ ついに夢の人生が始まったみたいな、はしゃぎ感。

真 そう。「旦那様」「お前」っていう(笑)。今流行のマンションでそんな生活したい、やっとできるようになった!っていう、かわいそうなくらいの月並みな憧れが凄く分かる。

タ そのはしゃぎで細かいところが見えなくなっていて......。

真 そうなの。川口浩はそういうのを客観的に見てるから、あなたは今はしゃいでいい状況じゃないんだよって言われて、若尾さんは「よく分かんないけど私悪いことしたのね」 みたいなことなんですよ。

タ よく分かんないけど謝る感じが哀しい。

真 このアパート引き払えばいいんでしょうみたいになって。

タ とにかく帰らないでみたいな。若尾文子の必死さを見てると、胸がギューッとなるんですよ。もし自分が若尾文子だとして、どこで引き返せたんだろうって思うと、ないんですよね。

真 ないですね。

タ ホントに、ライク・ア・ ローリング・ストーンっていうか(笑)、坂を転がり落ちるように結末に向かっていく。最初は貧乏でしょうがないから、生活のためにキモい中年と結婚して。

真 小沢栄太郎からも離婚しづらい条件を出されて、離婚できないんですよね。

タ 僕が不貞をしなかったら、裁判で離婚なんか認められないよ、俺はずっと離れないぞ。みたいな

真 お前を苦しめるために離婚しないって言われちゃって。

タ しかもなんか、一緒にいて凄い追い詰めるんですよね。俺を殺そうとしてるんだろう!みたいなこと言ったり、水かけたり。もう最悪なんですよね。

真 殺そうと思ってない時に殺そうとしてるんだろって水かけられるから、この人殺すしかないんだって、なんか誘導されていくんですよね。凄い悪いと思いますよ、小沢栄太郎。

↑中年男、最後の捨て鉢なあがき。(真魚)

タ 死んでるけどお前が主犯くらいの(笑)。若尾文子がどこで逃げ出せばよかったのか、ホントにぜんぜん分からないんですよ。もう、ああなるしかない。

真 あのオチ以外だと、よほど運が悪かったと考えて、ザイルを切るところで自分も死ぬか、殺して刑務所入るかしかないですよね。

タ ただ今だったら、川口浩が青酸カリだと思うんですよね。それこそ小保方さんの事件だったら、男性の方が亡くなってるじゃないですか。今だと女の人が強くなって、職場にずぶ濡れの女の人が来たら、死ぬのは男のほうなのかなって。

真 (笑)。確かにね。この川口浩も相当強いんですよ、精神が。

タ 川口浩はバカなんですよね。

↑情念と若さ。(ターHELL)

真 女性の心境とかそういうニュアンスは一切介さない男。フィアンセからも見放されるし、若尾文子のことも分からないし。人の心を理解しない人ですよね。

タ 川口浩のフィアンセは、いわば若尾文子に男を取られてるんだけど、最後は女同士の連帯感で若尾文子に味方する。川口浩に「あんた最悪の男よ」って言うんですよね。それはすごいよかった。

真 川口浩は若尾文子のことを自分のことしか愛してない、自己愛しかないって言うんだけど、フィアンセは、ホントにあなたを愛したのは若尾さん、あの人しかいないのよって言う。

↑これは同性のライバルでも、確かにモノ申したい。(真魚)

『清作の妻』 監督=増村保造 販売元=KADOKAWA/角川書店 発売日=2014年6月27日
タ なんでその愛に応えなかったんだっていうふうに、怒るんですよね。そこが増村監督いいなって。他の作品で『清作の妻』っていうのに、やっぱり若尾文子がいて。

真 日露戦争に旦那さんが行っちゃって、村の模範青年な旦那さんだから、玉砕しますって言ってて......。

タ 戦争行かせたら死んじゃう、愛する人が死んじゃうなと。

真 そんなこと堪えられないと思って、彼女は戦争に行かせないために、釘で夫の目を潰しちゃう。

タ それも女の人の愛の一途さからくるものなんですね。しかもそれが社会に理解されないっていうのを共通して描いてますよね。

真 増村は、村社会っていうのを特に憎んでて。イタリアに留学しておおらかな気風を素晴らしいと思ったのか、日本の閉塞的な村社会をあからさまに酷く描く。だから『清作の妻』でも村の人の、妾奉公していた若尾文子や、彼女に恋をして結婚する田村高廣に対する陰口がひどくて、陰湿なんですよ。でも田村高廣も最初は目を潰されて「なんでこんなひどいことを」って恨むんだけど、徐々に彼女がそうした動機を理解していって、この村で2人で暮らそう、周りの人がなんと言おうと俺たちは愛のためだけに生きようっていう。それが増村の真髄なんですよね。美しいです。

タ 社会に背を向け2人きりで......。

真 社会は理解してくれないっていうのは、増村保造の凄く大事なキーポイントですね。必ず、周りの陰口が酷い。

タ (笑)。

真 『妻は告白する』でも、周りはひどいじゃないですか。

タ 喫茶店に行くと、週刊誌を見た野次馬が「あのヒデェ女と愛人がいるじゃねぇか」とか言ってきて。今で言ったらtwitterで誹謗中傷リプライくるみたいのが、昔は直接だった。ある意味変わってない(笑)。

↑昭和のオフライン誹謗リプライ。(ターHELL)

真 (笑)。でも、いたのかな昔でも。あんな直接「ヘイヘイ、お前らだろこれ」みたいな。言うかなぁ。

タ 「この人殺し野郎が」みたいな感じで(笑)。いたんじゃないですか。

真 ひどいですね。

タ それが、今はオンラインに移行して。

真 twitterで「今同じ店に、殺人鬼と愛人いるw」みたいな。

タ あと、若い女性が中年男と結婚する、というのがありますよね。『清作の妻』でも若尾文子、最初に中年男と結婚しましたよね。

真 妾奉公ですね。それは単なる愛人じゃなくて、父親が病気になって、稼ぎ手がいないんですよ、家の中に。で、誰が稼げるかって言うと、年頃の娘が妾に行くしかないっていうことになって、家の稼ぎ頭として殿山泰司のところに妾にいく。それでお手当を貰いつつ、家族のために妾をしてたら、腹上死じゃないけど若い妾を可愛がりすぎて殿山泰司が死んでしまう。

タ この殿山泰司がまた加齢臭がスクリーンに充満してきそうな、嫌なおっさん感を全面に押し出していて。喫茶店のおしぼりで、顔と一緒に脇も拭くみたいな感じ。

真 服の中に入れて(笑)。

タ そういう生理的に嫌な感じを描くのがうまい。

真 普通にお風呂に入ってくれない感じ。女のほうも、風呂に入るぞって言われたら同行して体を洗ってあげなきゃいけないっていう面倒臭さ。まあそれが妾奉公なんだけど(笑)。

タ 増村監督は中年男の嫌さを細かく見てるし、うまく描くなと。

真 殿山泰司はすぐに死んでくれるからいいとしても、小沢栄太郎はまだまだ死なんぞって感じの勢いでくるから、もっとタチ悪い。

タ 『妻は告白する』で、部長が出てくるじゃないですか。

真 川口浩の上司。

タ で、川口浩が愛人と一緒になりたいってことを言うと、部長は2回か3回くらいやめとけって言うんですね。「あの女はとんでもない女だぞ、お前はまだ若いから分かんないかも知れないけど、一生棒に振るぞ」って言うの、あれも凄いよかったんですよね。

真 事実なんですよね、客観的に見ればね。

タ 冗談めかして言ってるんだけど、「やめとけ」って言う時の目がマジなんですよ。これはいい年長者、こういう人が部長だとありがたいかなって(笑)。知識ではなく知恵があって、それが受け継がれていく感じが映ってるなと。

真 でもやっぱり聞き流しちゃってズブズブハマる。

タ 若いと、むしろそう言われると反発しちゃうのもわかる。何言ってるんですか!って。

真 困ってる女性を助けなきゃとかね。

タ 可哀想な人なんですから、みたいな。そうすると『妻は告白する』の登場人物は、やっぱみんな逃れられないカルマにとらわれてる感じありましたよね。

真 それを突き詰めてくれればいいんだけど、川口浩のやり方がね。

タ 若いんですよね。

真 若いから剛直と言うか、「私たちには何も穢れはないんだから大っぴらでいいんです」というニュアンスもありつつ、でも「今のあなたがこんな派手なマンションは」みたいな態度もあって。女のほうはじゃあ、あなたはどうしたいの、あなたの理想を言って下さいみたいな気持ちになる。

■現代ってやっぱり昔より、「いい人像」っていうのをみんな共有してる感じがあるんですよね(ターHELL)

タ やっぱり嫌なヤツが出てくる映画って、『赤い手錠』にしろ『妻は告白する』にしろ、大人の映画っていうか、歳とってから見ないと分からないみたいなところがある。

真 大人になってみると、ああそういうことかって分かる。

タ 嫌さもしみじみ分かるっていうか(笑)。

真 たぶん上司の人も、やめとけやめとけって言っても、どうせ言うこと聞かないと思ってただろうなって。

『マッスルモンク』 監督=ジョニー・トー、ワイ・カーファイ 販売元=アットエンタテインメント 発売日=2005年2月4日
タ 『マッスルモンク』的に「こいつは救えないだろうな」みたいのが見えつつも、一応言っとくぞみたいな(笑)。

編 どちらも30年以上昔の映画ですね。

真 でも、増村の特集とか若尾さんの特集は名画座でやっても結構入るので、人気は高いですね。

タ 職場に来てしまうシーンは今でもホントにリアル。

真 ヤバい。正気から狂気に踏み出す瞬間。ほんとにやっちゃダメ(笑)。

タ 来られるのも、行ってしまうのも、あるなっていう。

真 友達がやろうとしてたら止める。「ダメダメ、18時くらいまで待って!」って。

編 74年と65年の映画をお2人が取り上げて、嫌なヤツっていうのを、我々が生きている時代から、随分昔の同じ日本で見出してるのを面白いと感じました。

タ 逆に言うと今でしかありえない、リアルで嫌なヤツって、どんなキャラクターになるんですかね。

真 日本映画では変わってない気がします。権力のためになんでもする人、自己中心的な人、極端に粗暴な人とか。

タ 欲望丸出しっていうか、なんか客観性がない人になるのかな。現代ってやっぱり昔より、「いい人像」っていうのをみんな共有してる感じがあるんですよね。逆に60年代とか70年代の映画に出てくる嫌なヤツはそんな共有がなくて、自分がどう見られるかっていう客観的な視点もまったくない。現代はいい人っていう規範、それこそリテラシーが浸透してるのかな。

編 リテラシーって読み書き能力という意味で、リテラシーが高い人というと、なんて言うか当たり障りがない人という印象を受けます。

真 状況を汲むっていうことですよね。

タ それこそインターネットで「こういう嫌なヤツがいて、やり込めました」って話が定期的に人気になるじゃないですか。全部作り話だと思うんだけど。「電車でこんな最悪なヤツがいた」っていう話をみんなが繰り返していく中で、お手軽な正しい人間像みたいのが強化されていってる気がする。2ちゃんねるとか、発言小町とか、あとヤフー掲示板と、ツイッターとか、それぞれで正しい人間像のベクトルは微妙に違う感じするけど、そこで流行る「嫌なヤツ話」が現代の啓蒙装置になってる。

真 確かに、そういうのが醸成されてしまっているから、映画で単純な嫌なヤツっていうのは短絡的すぎて、描きにくくなってると思う。

タ そうなると、今の時代の嫌なヤツっていうのは、共有されてる正しさにアクセスできない、いわゆる情報弱者みたいな人になるのかな。

真 今だと映画では、そんな単純には描きづらくなってるんじゃないかと。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 監督=マーティン・スコセッシ 販売元=パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 発売日=2014年11月26日
タ 情弱、バカッター、炎上みたいな嫌なヤツ像だと、たしかに映画のキャラクターとして弱いですよね。ボンクラ映画の主人公とかにあった気がするけど......。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とかは、設定が80年代でやっぱもう昔だし。

真 嫌な人いました?

タ いや、みんな詐欺師じゃないですかだって(笑)。

真 あ、そうか(笑)。

タ ジャンク債を売りまくって、なんか小人症の人とかストリッパーを会社に呼んで「ウォー、盛り上がろうぜ」みたいな。

真 あの側に同意しちゃう映画作りってどうなの(笑)。

タ 僕はもう見ながら「悔い改めよ!それか、コイツら牢にぶち込むしかない」って思ってましたよ!

真 当然ディカプリオに感情移入して見るじゃないですか。

タ イエーイ!仲間と一緒にガンガン行くぞって(笑)、やっぱりそうだったかも。今みんなこぢんまりしてるっていうか、正しさに汲々としてる感じもあるから、ディカプリオくらいのぶっちぎり感、自分に正直なところに感情移入しちゃうのもある。そういう80年代のイケイケ感もでも、なんかいつのまに過ぎ去って、2010年代の嫌なヤツってなんなんですかね。

真 ホントに2ちゃんねるに出てくるようなお伽話的な典型例で描かれた悪役か、あとはジョブスみたいな、サイコパス的な人。

タ 欲望に忠実っていうよりも、善悪の判断ができないみたいな、病質的なヤツ。

真 2ちゃんねるや発言小町の悪者は、どこか牧歌的じゃないですか、ある意味。

編 嫌なヤツであっても?

『スティーブ・ジョブズ』(ブルーレイ&DVDセット) 監督=ダニー・ボイル 販売元=NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 発売日=2016年7月6日
真 うん。今これを映画にしても、こんな単純な話?って言われちゃうと思うんですよ。2ちゃんねるやtwitterで上がってくるようなヤツは。いま悪役を作るとしたら、悪だけが成分の人じゃなくて、もっと複雑なキャラにならざるを得ないと思います。マイケル・ファスベンダーが主演の『スティーブ・ジョブズ』とか、とっても嫌なヤツなんだけど、名を残すだけの何かをした人であるというような。

タ あれは最高でしたよね。泣きましたよ。

真 (笑)

タ でもあれは嫌なヤツだけど、嫌なヤツっていう以上に可哀想な人感が凄い。

真 なんかね、あれもみんなが嫌な人過ぎる。セス・ローゲンも、俺たちに謝辞を述べろって執拗に言うじゃないですか。......ウザーッて。

タ いいじゃないですか!あれはだって自分のためっていうよりも、自分の周りのスタッフのために......確かにしつこいけど(笑)。

真 なんかもうちょい手を替え品を替えしろよみたいな。

タ やっぱエンジニアだから、ひたすらリロードボタンみたいな感じで(笑)。そしてスティーブ・ジョブズも人格崩壊レベルに嫌なヤツ。

真 いま嫌なヤツっていうとあれになるんじゃないんですかね。

タ 才能と裏腹の......。

真 人格が破綻してる人。何かを成し遂げてる描写と同時じゃないと成り立たないのかもしれないですね。政治だと、松本清張でさんざっぱらやってるから、今更だけどジョブズとかね、現代的なものなので。あれはある種の悪役じゃないですか。

タ そうですよね。娘の......。

真 酷い。またいいとこでさ、ラストシーンだけ娘の心をさらってくの、もうどうなのって。

タ 養育費もまったく払ってなかったくせにっていう。

真 親権認めてないくせに娘と和解したみたいな、どうなんでしょう。

タ しかも部下が見かねて養育費払ってたら、お前のせいで俺が悪いヤツに見えるじゃないかってキレる(笑)。

真 逆ギレして(笑)。

タ お前が払わないからだろ!って。

真 あれですよ、現代の悪役は。

タ 現代社会で可能な、もっとも嫌なヤツはジョブズ(笑)。

編 今のお話を伺うと、逆にやっぱり30年以上前の嫌なヤツっていうのが、現代には存在しない、愛嬌を持った嫌なヤツは現代には存在しないのかみたいな、そういうふうにも思いました。

真 もう、映画化するには陳腐になってしまったっていうだけであって、量的にはなんら変わらないと思いますよ。

タ 実生活では(笑)。

編 映画の世界ではなく現実の世界の場合には、いくらでもいる。

真 いくらでもいる。ただ余りにいくらでもいすぎて、みんなが見慣れすぎて、映画化するには陳腐になってしまった。

タ 僕は、そういう人たちは絶滅しつつあるのかなって思ってるんですけど。

真 いやぁ、いると思う。

タ 若い世代とかでいますかね。

真 若い人と交流がないから分からない(笑)。

タ 光の当たるところには居づらくなってるとか。定期的に政治家が炎上するじゃないですか。こないだだったら、「保育園落ちた日本死ね」ブログに「育児は親の責任」とか文句言っといて、自分は愛人の子供認知してなかった人とか。ちょっと前だと、東北大震災の時に復興大臣として知事に会いに行って、俺より先に来てないとは何事だみたいなこと言って、秒速でクビになった人とかいましたよね。

真 (笑)。政治家って、やっぱり気違いが多いのかな。

タ やっぱりワッパメンタリティ率が高い(笑)。でもそういう人が端から炎上して、実際失職したりしてるじゃないですか。だからそういう目立つ場所から始まって、昔タイプの嫌なヤツは社会にいられなくなってるのかなって。

真 微妙ですね。確かにそうなんだけども、アメリカでは今大統領選で、トランプが優勢じゃないですか。

タ トランプさんとかまさに『赤い手錠』に出てきそうな感じですよね(笑)。

真 丹波哲郎ですよね(笑)。

↑かっこいいなあ......。(真魚)

タ 娘もいるし。揺り戻しが来てるのかもしれないですね。絶滅しつつあるのと、その反動と......。

真 もうね、波がお互いに凄い揺れ動いてる感じがして、右派と左派のせめぎ合いが、凪いだ状態じゃなく、常に荒波がお互いに押し寄せてる感じがする。

タ あと男性優位、家父長制みたいのと、女性の社会進出とか。

真 それからネトウヨと、左翼、フェミニズムっていうのも絡みついてるし、それは日本だけじゃなくアメリカでも当然あるし。

編 そういう現実的な動きは、あくまでフィクションである映画の世界にも影響を与えてると感じられますか? キャラクター造詣っていう意味で。これまで映画の中で描かれてきた大統領像みたいなものって、ある一定のコンセンサスのもとに描かれてきたと思うんですけど、もし今回、トランプみたいな人が当選したりすると、アメリカの空想上の大統領像も変わってしまうのかなって思います。

『デッドゾーン』 監督=デヴィッド・クローネンバーグ 販売元=キングレコード 発売日=2011年10月5日
真 クローネンバーグの『デッドゾーン』。

タ どんな映画ですか?

真 交通事故で昏睡状態に陥って、意識を取り戻したら予知能力が身についてて、マーティン・シーンが大統領候補なんだけど、彼が大統領になったら核ボタンを押すっていうのが見えちゃって。

タ 超トランプっぽいじゃないですか(笑)。

真 ホントにそうなの(笑)。で、クリストファー・ウォーケンが、誰にも理解されないけど彼を大統領にしちゃいけないって撃ち殺そうとする。そこでライフルに気づいたマーティン・シーンが支援者の子供を盾にして逃げようとするから、それでアイツは大統領にしてはいけないっていう世論が起こる。ウォーケンは警備員に射殺されるけれども、ちゃんと役割は果たして終わったっていうエンディングなんです。

タ その映画に影響されて、トランプを狙うヤツもいるかもしれない。

真 トランプがちょっと優勢になった時に、『デッドゾーン』と組み合わせた画像がもう上がってました、twitterに。

タ 実際にトランプが大統領になったら、そういう映画は撮れなくなりそうですね。クローネンバーグは亡命するハメになるかも(笑)。

真 怖い。カナダに帰らざるを得なくなる。

『ソーシャル・ネットワーク』 監督=デヴィッド・フィンチャー 販売元=ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 発売日=2011年12月21日
タ そうなると、現実世界で嫌なヤツは『デッドゾーン』に回帰しつつある。でもキャラクターの新しさでいうとやっぱり、『スティーブ・ジョブズ』。あと、ジェシー・アイゼンバーグの演じた『ソーシャル・ネットワーク』の主人公も思い出しました。

真 リアリズムがあるっていうとそうなっちゃって。もしくは、アメコミ映画が流行ってるので、悪役っていうとそっちに行ってるのかもしれないですね。

タ 世界征服をたくらむ、グローバル企業のCEOとか。

真 そう、絵に描いたような。

タ 荒唐無稽なほうに。でも、それこそ『焼け石に水』の嫌なヤツは超リアルじゃないですか。

真 でもあれは原作がファスビンダーじゃないですか。ファスビンダーが70年代くらいに書いた脚本のはずなので、やっぱり30年以上前になる(笑)。でもあれは凄い、今でもああいう男性いると思いますよ。

タ いますよね。なんか異常人格者としての診断名もありそう。

真 途中のダンスのシーンがいいんですよね。

タ ダンスのシーンしか覚えてないんです。ダンスのシーンと、もの凄い嫌な映画だったっていうことしか(笑)。久々に観直したらこういう内容だったのかって。

真 (笑)。

タ すごい嫌なヤツなんですよね、出てくる中年男が。

真 封切りで見たときは、日本でやるんだったら丹波哲郎でやって欲しいなって(笑)。その時でもちょっと老けすぎですけど。

タ やっぱり丹波哲郎(笑)。このキャラはすごい嫌なヤツなのに、モテるんですよね。

真 一人の女性はもともと男性なんだけど、彼に飽きられて捨てられたので、自分が目新しくなればもう一度愛されるんじゃないかと思い、性転換して戻ってきた設定です。

タ 若い青年は、婚約したんだけれどもこの中年男に会って、愛人になってしまって。しかもその婚約相手までこの中年男に抱かれてる。もはや性のブラックホール状態。

真 中年男が「ベッドに行け」って言うと、女二人が「やったー」って跳ねて喜ぶ。嫌ですねぇ、これは凄い嫌な映画です。

タ 『焼け石に水』って、タイトルの意味がわかんないんですよね。

真 原題もほとんど同じ意味ですね。元々はライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの脚本で、82年に亡くなっています。ファスビンダーは麻薬を使って、活性化して寝ないようにしてたんで、心臓に負担がかかって急死しちゃった。で、『焼け石に水』は脚本だけが残ってて、それをフランソワ・オゾンが映画化したという。ファスビンダーも、フランソワ・オゾンもバイセクシュアルで。

タ あ、フランソワ・オゾンもそうなんですか。

真 うん。イヤ話も好きだし、セックスへの理解もあるから映画化したんだと思います。

タ じゃあ「バイセクシュアルあるある」なところも込められた映画なのかな。

真 あると思います。バイセクシュアルでも、今付き合ってる人に忠実だって人もいると思うんですよ。でも来るもの拒まずみたいな悪質な人もいるから、そういうタイプの場合ですよね。恋人は両方の性別に嫉妬しなきゃいけないし。

タ 来るもの拒まず、僕はイイと思うんですけど(笑)。こいつはそれどころか、俺以外は全員俺に仕えるための手駒だみたいな感じですよね。それこそバイセクシュアル版の岡田・Tさんみたいな。

真 (笑)。

タ 人をコントロールする術に長けてるんですね。

真 確かに上手い人いますよね。

編 嫌なヤツ談義ということで、30年以上前から、現在の嫌なヤツ像までいろんなお話を伺いましたが、簡単に締めて頂けると。

タ 教育とネットで「あるべきいい人像」が隅々までいきわたって、嫌なヤツはどんどん存在しづらくなってるのかなと。それでも映画で成り立つ嫌なヤツは、同時にヒーローでもあるような、社会から排除されない力を持つ嫌なヤツ。でも現実ではトランプみたいなオールドタイプの嫌なヤツも復古してきてる、けど丹波哲郎亡きあと、誰がそのキャラを演じられるのか(笑)。最新型の嫌なヤツを考えるのは難しいけど、おもしろそう。

真 もうあるんだと思うんですよ。気づかずに見てるんだと思う。後から冷静に、あいつ徹底的に嫌なキャラだったなってなるのもある気がする。私はなんだろう......若いうちに嫌なヤツを経験しておいて欲しいと思う(笑)。

タ (笑)。

真 取り返しのつかないような、犯罪に巻き込まれるとかそういうのはもちろん避けて。やっぱり嫌な思いを若いうちにしておいたほうが後々楽になるので、こういう人にぶつかっておくのも悪くはないかなと。

タ 早めに。

真 そう、ザイル切っちゃうとかいう犯罪犯しちゃう前に、逃げる。

タ あの川口浩は間に合ってるんですかね。

真 間に合ってない。ぜんぜんアウト。

タ (笑)。

真 ヤバいって思ったら逃げることをして欲しい。経験して逃げることを学んでほしい。それですね。
(続く)

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真魚八重子  映写技師や派遣社員を経て、現在は映画著述業。映画秘宝、朝日新聞、ハニカム、キネマ旬報、新潮社『ゴーゴーバンチ』等で執筆。共著に「日本映画は生きている 監督と俳優の美学」(岩波書店)、「厭な映画」(洋泉社)ほか。著書「映画なしでは生きられない」(洋泉社)、「映画系女子がゆく!」(青弓社)も好評発売中。
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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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