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【15】ヌムールのレディ・モニク
「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! ヨーロッパにも素敵なドミナはたくさんいらっしゃいますが、今回はバルセロナのレディ・モニクをご紹介です。
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【15】ヌムールのレディ・モニク
取材・文=アニエス・ジアール/フランシス・ドゥドブラー
翻訳=牡丹
翻訳=牡丹
「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! ヨーロッパにも素敵なドミナはたくさんいらっしゃいますが、今回はバルセロナのレディ・モニクをご紹介です。
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ヌムールのレディ・モニクは、およそ15年前からこの職業についている
スペインで最も有名なドミナだ
私は、バルセロナでとても有名なドミナ(SMの女王)と知り合った。ヌムール(フランスの地名)のレディ・モニク、自身の番組を持っているヨーロッパで唯一のドミナだ。毎週金曜日に、『タクシーチャンネル(フランスのケーブルTV局)』の中でレディ・モニクが司会を務める「ハッキリさせよう」という番組で、性的関心について話している。狂気の種を抱えた、熱心な女性。
スペインで最も有名なドミナだ
私がレディ・モニクに会う度、彼女は連続して4〜6回ものキスを浴びせてくる。そして、喜びのあまり大きな声を上げる。数年間にわたって、私はレディ・モニクを理解しようとしたけれど、彼女はそれに答えることを拒否してきた。
あるとき、私はこう尋ねた。「なぜ、ドミナになったの?」レディ・モニクは答えた「だって、面白いんですもの」。
また、レディに「あなたの人生に何が起こったの?」と尋ねたときは、非常に漠然とした物言いをされた。「私を知ること、それは4次元に入り込むようなことよ」と。
この前バルセロナで会った時、彼女がどうしてこれまでの人生を私に語って聞かせたのかは分からない。レディ・モニクは、私たち(フランシスと私)を自分の「スタジオ」へ連れて行った。そのスタジオの機材とスペースは他の4人のドミナと借りて、シェアしているらしい。私たちにシャンパンを1本開けてくれた。
そして、レディ・モニクは語り出した。
「私は、スペイン人ではないの。アルゼンチン生まれよ。そこで、男と恋に落ちたの。彼は、私を叩いたわ。ある日、私にフィスト・ファックをしたの。それで、私のヴァギナをねじり上げて、会陰を殆ど引き裂いてしまった。彼は手首を怪我して、私の顔をしたたかに打った。 血がとめどなく出て、私は逃げたわ。
死ぬのが怖かった。病院でヴァギナを縫い直して、治療して、それから、飛行機に乗ったの。それでスペインに到着した。スペイン語が話されている、ヨーロッパただ一つの国だったから……。私、少しのお金も持っていなかったのよ。孤独だったわ。自分がどこにいるかは誰にも話さなかった。
それで、売春を始めたの。それが生き残る唯一の方法だったわ。それから、私の中のSMを発見したある客に出会ったの。私はそれがすごく気に入って、ドミナになったというわけよ」
ヌムールのレディ・モニクは、およそ15年前からこの職業についている。スペインで最も有名なドミナだ。
レディ・モニクは一人で暮らしているけれど、望むところにどこでも着いてくる個人的な奴隷を数人飼っている。翻訳者であり、使用人であり、カメラマンであり、相棒であり、ドライバーである奴隷を。「こんな風にね、私、とっても幸せなの」とレディは言った。
3年前、ヌムールのレディ・モニクは、癌を患った。
「私は戦って、回復したわ。 でも2年前に、私は再び癌にかかっていたの。また癌と戦って、回復したのよ。髪はなくなってしまったけどね。私の体は勝利を収めた。一番強いのは、私の心ね。結局のところ、すべて生きる糧になったわ」
レディ・モニクは、私が尊敬してやまない女性だ。彼女といると、どんな問題も吹き飛んでしまう。
文=アニエス・ジアール
関連リンク
ヌムールのレディ・モニクのスタジオ
アニエス・ジアール - AGNES GIARD - 1969年生まれ。カウンターカルチャー専門のジャーナリスト。S&Mスナイパーにて “Fetish News Express” 連載。 フランシス・ドゥドブラー - Francis Dedobbeleer - 1961年生まれ。写真家。フランス最大のフェティッシュ・パーティ “la Nuit Elastique” オーガナイザー。 アニエス・ジアール=LE SEXE BIZARRE - Le site du livre |
09.03.19更新 |
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