毎週土曜日更新!
onanistic pacifism by “maestro”Endo Yusa.
先日、3年ぶりに携帯電話を変えました。
それというのも、最近周囲の人が次々iphoneを購入していてこれでもかとばかりに自慢してくるから。
んもー、猫も杓子もあいほんあいほんて! 羨ましいじゃないか!!
俺だって阿修羅像のアプリとか買いたいよ(どこがおもしろいのかさっぱりわかんないけど!)。オナニーマエストロ遠藤です。
だってうちの近所、ソフトバンクの電波が不安定だっていうんだもん。いくら先端機器でも使えないんじゃなあ。ああ、これだから田舎はイヤなのよ……。
仕方がないのでせめて雰囲気だけでもと、待受をiphoneにしてみたり。
ううむ……私は一体何がしたいんだろう……。
それはさておき。
前回に引き続き、今回も淫語好きのダンディ・淫語魔さんのお話です。
なぜか“鶴光のオールナイトニッポン"話で意気投合した我々。やっぱり淫語好きの人って視覚的なものよりも言葉にグッとくるんでしょうかね。
淫語魔「視覚的なものにグッとくるのか、それとも言葉なのかっていうのは人によってあるでしょうね。僕の最初の性の芽生えは父親が持ってたエロ小説で、よく考えてみるといまだにそれをひきずってるフシがあるんです。タイトルが思い出せないんですけど外国の話で、マリオンさんて名前の金持ちの女主人が出てくるの」
――初恋の人みたいだなあ。
淫語魔「マリオンさんには婿養子の夫がいるんだけど、お嬢様育ちだからツンケンした嫌な女で、使用人にも威張り散らすんです。で、ある時召使いの一人がブチギレて彼女を拘束して犯しちゃう。一枚ずつ服を剥いでいって『どうだ、感じるか』みたいな言葉責めをする。彼女は元々不感症だったんだけど、その使用人に嬲られたことで秘めたM性を開花させるんですよ。そして最終的にHをするときに『私は実は処女なんだ』って屈辱的な告白をするの。普段は強いマリオンさんが女になった途端弱い部分を露呈するっていうのに、もうどうしようもなくグッときましてねえ……」
――よくできた話ですね、確かにちょっとグッとくる。
淫語魔「たぶん淫語っていうのは、言葉ではあるけれどもそれを言ってさえいればいいってもんじゃなくて、言葉責めの順番とか、詰将棋みたいに一つ一つ追い詰めていくやりとりがすごく重要なんじゃないかと思うんですよ。淫語っていうのはSMプレイの一つでもあると思うけど、自分がどうして淫語を聞きたいかっていうと、そこには女性の非日常的な本音があるから。実は私はいやらしい女なのよっていう記号だから淫語に惹かれるんです」
――淫語魔さんのHPはわりと“オマンコが何回、チンポが何回"みたいなダイレクトなデータが多いし、さっきは裏ビデオが好きだったなんて話も聞いたんで、もっと直接的なわかりやすいエロが好きなのかと思ってましたよ。最初はそういうあけっぴろげで原始的なところから始まったんだけど、だんだんレベルアップされて、脳で感じるエロ、淫語に行き着いた?
淫語魔「最初は確かに裏ビデオが好きだったの。で、2000年〜2001年くらいに薄消しビデオのブームがあったじゃないですか。ハムレットとかそのへん。覚えてます?」
――覚えてます(笑)。私もかなり好きでした。
淫語魔「それがなぜか近所のレンタル屋で普通のAVに混じってレンタルされてて、ハマったんですよ。それまでの裏ビデオって流出物が多かったりして、あんまり編集とかもうまくなかったんだけど、『宅配コギャル』の長瀬愛を見たときにこれはすごいと!」
――おお! アレは素晴らしいですよねえ! 私も何回オカズにしたことか。
淫語魔「これはすごい、しかもモザイクが薄くてほとんど見えてる。衝撃受けましたねえ。あの作品の中で男優が長瀬愛に『おまんこして』って言わせるシーンがあるんだけど、それを見たときに『ああこういうの好きかもしれない』って自覚したんです。それまでは淫語っぽいものが好きではあったんだけど、淫語プレイの存在を知らなかった」
――子供の頃にマリオンさんの小説で感じて以来、ずっと心の中で渦巻いていたものが、そのときに呼び起こされたと。
淫語魔「それでもっと長瀬愛ちゃんの淫語が聞きたいと思ったのがきっかけで、一般AVのほうへ移行していったんです」
――あー、で、これ(『痴女行為の虜になった私たち4』2001年作品)にくるわけですね! 私もこれ好きでした。名作ですよね。
淫語魔「名作ですよ。まさか十年後にこれを撮った人(二村ヒトシ監督)と知り合いになれるとは思いませんでした。でね、こういうのを見るうちに、痴女物だとけっこう淫語が出てくるんだなとか、そういうことを学んだりするわけですよ。ビデ倫は淫語を言ってても修正が入るぞ、とかね」
――昔はそういえばピー音入ってましたね。メディ倫とかインディーズ系のは入らないですけど。
淫語魔「そういうことを、すごくたくさんのお金と時間を使って少しずつ知っていったんです。たとえば、AV誌に淫語作品の紹介が載ってても、この作品はビデ倫だから修正のピー音が入ってますなんてことは書いてないんですよね。『おお、林由美香が淫語言ってんのか!』とか思って買ってみたらピーピーいってて悔しい思いをするようなことが何度も続いて……。ほんとにね、ライトユーザーなんてそこらへんのことまでわかるわけないんですよ! ビデ倫とメディ倫がどう違うかとか!」(←にわかに興奮しだす淫語魔さん)
――ああ、偉いなあ。ちゃんと自分でリスクを背負って学習したんですもんね。
淫語魔「わかってるはずなのにうっかりビデ倫のほうを買っちゃったりする。それでドーンと落ち込む。するとだんだん『どうしてAVメーカーの人たちはこんなに自分を落ち込ませるようなことをするんだろう』って腹がたってくるんですよね。パッケージ裏の説明文に適当なこと書いたりとか」
――あるある。確かにパッケージは信用できない(笑)。
淫語魔「女優さんがセックスしてる写真の横に大きく『オマンコ気持ちいい』って書いてあったら、そう言ってると思うでしょ。でも実際には言ってないことが結構ある。メーカーのHPでわざわざ下調べして『ママのぐちょぐちょのオマンコ見てえ』っていうセリフがどうしても聞きたくて買ったら、全然言ってなかったとかね。もうね、その時なんてオマンコって言葉すらなかったんですよ!」
――それはひどい! “オマンコ"じゃなくて“マンコ"だった、くらいならまだ我慢もできそうだけど。電話でクレームつけたりしました?(笑)
淫語魔「いや。でもほんとにしてやろうかと思いましたよ! そんなことをずーっと続けてきたんですよ……。でも監督さんのブログに書き込んだりっていう草の根活動が功を奏したのか、最近徐々に良くなってきてるんです」
――あ、そういえばこの前ドグマの淫語物見たら、パッケージにちゃんと「この作品はチンポ仕様です、主観と客観は8:2です」とかって書いてあったなあ。ああいうのってやっぱり書いてほしいもんですか。
淫語魔「もちろんですよ。『ドグマえらい!』って思いましたね。すぐさま監督さんのブログのコメント欄に書き込みました(笑)」
――淫語魔さんがそうやって怒りを感じながらいろいろ学んで、今みたいになるまでどれくらいかかってるんですか。お金とか、時間とか。
淫語魔「どれくらいでしょうねー。けっこうなもんなんじゃないですか。サイトを作った最大の理由もパッケージではわからない正しい情報を伝えたいっていう気持ちがすごくあるんですよ。パッケージに載ってるスチール写真のシチュエーションが本編には入ってないとか、けっこうあるでしょう。でもショップで買う場合は特にそうなんだけど、やっぱり買う側としては最終的にはパッケージしか信じるものがない。こんなズサンな情報しか与えられなくても怒らないAVユーザーってほんとに気が長いと思います」
――最近はインターネットの普及のおかげで、監督のブログとかDMMの評価コメントとかに怒りをぶつけられますけどね。「中出しって書いてあるのにドテ出しじゃねえか!」とか、たまに書いてありますよね。私も以前レビュー書かせてもらってた雑誌で、発射回数と発射場所を全部数えてデータとして載せなきゃいけないっていうレビューがあったんですけど、けっこう大変でしたよ〜。顔射とか口内とか中出しとか、AV見ながらいちいち正の字書いてカウントとるの。おちおちオナニーもできやしない(笑)。パッケージ文書く人も、めんどくさくなっちゃうんじゃないですかね。ぶっかけものなんかだと、正直「120発でも130発でも同じだろ!」って気になりますもん。
淫語魔「AVが最初に出始めた頃は、自販機で買ってパッケージもただの白い箱で、何してるかどんな女の子が出てるのかさえわからない、なんてのが普通でしたけどね。でも昔の歌舞伎町の裏ビデオショップのおじさんなんてのは、本当に作品に詳しかったんですよ。ものすごくよく観てて、好みを言うとほんとにツボをついたものを勧めてくれた。今は発売本数も多くて同じように考えるのは無理なんだけど、やっぱりお店の人にはいろいろ知っててほしいですよね。とにかくユーザーと売り手との温度差っていうのはすごく感じます。もっとよくなってもいいと思うなあ」
うーん、聞けば聞くほどエンドユーザーの真剣さを感じるなあ。淫語 or DIEって感じ……。
AVレビュー書いてる者としては身の引き締まる思いです。フンドシの紐を締め直しつつ、以下次号!
(続く)
10.04.03更新 |
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