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第12章 指導者・レイヤ【9】

体をぶるぶると震わせながら、レイヤはその手をショーツの縁にかけた。何度もためらいながら、ゆっくりと下ろしていく。

レイヤの白い下腹部は着実に露出していく。画面は、レイヤの股間をアップで映し出している。すでにヘアが生えているはずの部分にまで下げられているのに、そこにはあるべき陰りが全くなかった。

レイヤは一瞬だけ手を止めて躊躇したが、やがて思い切ったように、ショーツを太ももの位置まで勢いよく下ろした。

インターネット回線の向こう側でこの中継を見ている世界中の男女が息を飲んだ。画面には、無毛の白い下腹部の中央にくっきりと走った亀裂を映し出していた。

思わず、レイヤは手でその部分を隠そうとしたが、画面の外の男にそれを止められる。

「隠すな、レイヤ」
「は、はい……」

レイヤは震える手で、ショーツを足から抜くと、再び両腕を頭の後ろで組み、まっすぐ立った。美しい裸身が、カメラの前で余すところなく晒された。均整のとれた体だった。

「お前のすっぱだかを、世界中の人が見てるんだぞ。つるつるのワレメも全部、見られてるぞ。どうだ、感想は?」

男の声に、レイヤは羞恥心を煽られて、身をよじる。白い肌が赤く染まっていく。細かい汗も滲んでいる。

「は、恥ずかしいです……」
「うれしいです、だろ?」
「はい。……うれしいです」
「どうしてレイヤは大人なのに、つるつるのおまんこをしてるんだ?」
「そ、それは、みなさんに見て、もらいやすいようにです」
「そんなに、おまんこをよく見てもらいたいのか?」
「は……、はい」

レイヤが強制的に恥ずかしいことを言わされているのは明らかだった。しかし、言いながら彼女が興奮を高めていることも、また明らかだった。目が潤み、表情が淫らなものへと変わりつつあるのだ。

「ちゃんとみなさんに、お願いしないといけないだろう?」
「は、はい……」

レイヤは目をつぶり、真っ赤になった顔を細かく震わせていた。口をパクパクさせる。何度も言おうとしては、言葉が出てこないのだろう。しかし、やがて、レイヤはその淫らなお願いを口にした。

「この中継をご覧になっている世界中のみなさま。レ、レイヤ・キヴィマキの、お……、おまんこを、見てください」
「奥まで見て欲しいんだろ?」
「はい。奥まで御覧ください」

すると、さっきのチャイナドレスを来た少女が、レイヤの後ろにチェアを運んで来た。肘掛けのついた大柄な椅子だ。レイヤはその椅子に気づくと、悲しげな表情になる。まるで自分を処刑する電気椅子を発見したかのようだった。

画面の外の男が合図をしたらしい。全裸のレイヤは、その椅子に浅く腰掛けた。自然に手で胸と股間を隠している。しかし、画面の外の男は今度は何も言わなかった。

レイヤは小さくつぶやいた。

「神様……」

そして、意を決したように行動を開始した。両足を大きく開き、膝を左右の肘掛けに載せたのだ。

ガバっという音が聞こえそうなほどに、レイヤの両脚はM字型に大きく広げられた。しかも腰は前に突き出されている。

「ああ……」

その瞬間、世界中の何百万人もの男が血走った目を画面に向けていた。

その視線の集中する先には、無毛の股間の中央でうっすらと口を開くレイヤの肉裂がさらけ出されているのだ。陰唇はやや肉厚ではあるが、色素沈着はなく、綺麗な桃色をしていた。

「レイヤ、お前のおまんこを世界中の人が見ているぞ。これだけたくさんの人におまんこを見られた女なんて、いないだろうな」
「ああ、言わないで、下さい」

椅子の上で、レイヤは究極の羞恥に身悶えしていた。艶かしい桃色に上気した肌は、汗に濡れ光っている。

カメラは、まるで愛撫に耐えているかのようなレイヤの表情と、丸出しになった彼女の恥ずかしい部分をアップで交互に映し出す。

「ふふふ、ずいぶん濡れているじゃないか。世界中の人に見られるのが、そんなに嬉しいのか、レイヤ・キヴィマキ」

男が言う通り、レイヤの肉裂からは透明な液体が溢れ出し、ぬらぬらと輝きを見せていた。

「ち、ちがいます……」
「そんなことを言っても、ほら、本当に濡れているじゃないか。さぁ、今度は自分で開いて、そのびしょびしょのおまんこを、奥までよく見てもらいなさい」
「あ、ああ……」

レイヤはもう、言われるがままだ。おずおじと腿の下から指を股間に伸ばす。内腿に指を食い込ませると、思い切り左右に開いた。

肉の扉が開く。複雑な構造をした淡い内壁が顔を覗かせた。そして、溜まっていた透明な液体が一気にこぼれ落ち、その下で恥ずかしそうに震えている小さな窄まりへと、流れ落ちていった。

自分がそれだけ濡らしてしまっていることに、レイヤは初めて気がつく。世界中の人に、自分の最も恥ずかしい部分を見られている。そう思うだけで、レイヤの体は熱く燃え上がってしまうのだ。

「レイヤが見てもらいたいのは、おまんこだけじゃないんだよな」

男は容赦がなかった。

「は、はい……」

レイヤはさらに腰を前に突き出し、そうして今度は指を少し下の位置にして、尻肉を大きく左右に開いたのだ。

「これがレイヤ・キヴィマキのお、お尻の穴です。みなさん、御覧ください」

レイヤの菊花が画面にアップで映し出された。型崩れも色素沈着もない、その窄まりは、排泄器官だとはとても思えないほどに可憐だった。

モニター画面の前の数百万人の視聴者の中で、目を背けたのはほんの一部だ。ほとんどの人々は、その窄まりに好奇と好色の視線を向けていた。

「あ、ああ……」

レイヤの羞恥は頂点に達しようとしていた。女の体の中で最も隠しておきたい器官を、全世界の人に見られている。想像を絶する羞恥がレイヤを襲っていた。恥ずかしさのあまりに気を失ってしまいそうだ。

そして恥ずかしさを感じれば感じるほどに、体の奥から淫らな液が溢れ出してしまう。

レイヤは次の行動に移らなければならなかった。しかし、その勇気がなかなか出せない。もうここまで恥をかいてしまえば、これ以上何をしたところで同じだと、自分を奮い立たせるが、それでもわずかに残ったプライドが、それを拒否する。指が動かない。

「レイヤ……。いいのか?」

それはマイクが拾えないほど小さな声だったが、レイヤには聞こえていた。レイヤは、悲しい諦めの声を漏らす。

「ああ、もうだめだわ……」

レイヤの左手が自分の胸に伸び、右手は股間へと伸びた。細い指先が、乳首とクリトリスをそれぞれ捉えた。ゆっくりと動き、そこを刺激する。

乳首はすでに固く勃起していた。少しつまむだけで、熱く痺れる。そしてクリトリスもまた大きく膨れ上がり包皮から顔を覗かせていた。指先が軽く触れただけで脳天まで電気が走ったような快感に襲われる。

思わず声も出る。

「あ、ああ……」

世界中の人が私の恥ずかしい姿を見ているんだ……。これ以上そんな姿を見せてはいけないという理性と、もっと恥ずかしい姿を見てもらいたいという欲望がレイヤの中で渦巻く。いや、どっちにせよ、レイヤは指の動きを止めるわけにはいかないのだ。

乳首を摘む力は次第に強くなり、クリトリスを擦る動きは激しくなっていく。

「あん、だめ、気持ち、いい……」

毎晩病的なまでに激しいオナニーに耽っていたレイヤだ。一度、火がついてしまうと、もう止めることは出来ない。腰が動き、体がのけぞる。

親指でクリトリスを擦りながら、人差し指と中指で、びしょびしょに濡れた肉裂の周りを強く撫でる。未だ処女であるレイヤは、その奥まで指を入れることに恐怖心がある。指は周辺を這いまわるだけだ。それでも、十分な快感を自らの肉体に与えている。

「気持ちいいのか、レイヤ?」
「はい、気持ち、いいですぅ……」

その言葉に嘘がないことは、とめどなく溢れていく淫蜜の量が証明している。

「じゃあ、もっと気持ちよくなりたいよな」

男の言葉に一瞬、指の動きが止まるが、すぐに従順な返事を返す。

「はい、もっと、気持ちいいことを、します」

レイヤは左手でクリトリスをこすり続けたまま、乳首を摘んでいた左手を、股間へと伸ばしていった。そしてその指先は、腿の下を通り肉裂の下の小さな窄まりを捉える。

そこは流れ込んだ愛液で、すでにびっしょりと濡れていたため、何の抵抗もなく指先を受け入れた。

「あ、ああっ」

レイヤは快感に身をよじる。その窄まりに指を沈めていく。第二関節まで埋め込まれる。姿勢的に、それが限界だった。

レイヤは指をずぼずぼと出し入れし、その快感に悦びの声を漏らす。クリトリスを擦る指の動きもますます激しくなっていく。

「あ、あっ、ああっ」
「気持ちいいのか、レイヤ?」
「はい、気持ち、いいです」
「どんなことをして気持ちいいのか、みなさんにちゃんと言うんだ」
「クリトリスと、お、お尻の穴をいじって、気持ちいいです」
「レイヤ・キヴィマキはお尻の穴をいじって気持ちよくなる変態なのか?」
「あ、ああっ、はい。レイヤ・キヴィマキは、お尻の穴で、感じる、変態です。あ、ああっ、もう、もう……」

レイヤの反応から、間もなく絶頂に達するであろうことは誰の目にも明らかだった。レイヤの指の動きと、喘ぎ声は激しくなるばかりだった。ついさっきまで、わずかに残っていた理性と羞恥心も、押し寄せる快感の前では、はじけ飛んでしまったようだ。

「ご主人様、ああっ、もう、イッても、よろしいでしょうか?」
「よし、いいぞ。イク時はちゃんと言うんだぞ」
「は、はいっ、ああっ。ああ、イキます。レイヤ・キヴィマキは、お尻の穴で、イキますぅ!」

絶叫と共に、チェアの上でレイヤの白い肉体が跳ね上がる。そして何度か身をよじったかと思うと、力が抜け、崩れ落ちる。

汗まみれの肌が、せわしなく上下する。そして、幸せそうなレイヤの表情を映して、画面は黒くなった。


女性権利運動のカリスマであるレイヤ・キヴィマキのこの衝撃的な中継映像は、当然のことながら世界中の話題となった。映像は録画され、あらゆる動画共有サイトに登録された。その猥褻な内容から、多くのサイトではただちに削除されるが、またすぐ別のユーザーがアップするなど、イタチごっこを繰り返しながら、動画は拡散していった。

こんな中継を黙認したリアルビジョンにも抗議が殺到したが、運営側はシステムがハッキングされ、中継を打ち切ることが出来なかったのだと釈明した。

もちろんこの話題はネットだけではなく、あらゆるメディアを席巻した。

「人類史上、最も多くの人間に痴態をさらした女性」という称号が、レイヤ・キヴィマキにつけられた。

そしてレイヤ・キヴィマキの行方も、この中継を実行したグループの正体も、依然として不明のまま、一週間が過ぎた。

そしてネットには再び、告知メッセージが拡散していた。

「あなたの知らないレイヤ・キヴィマキの真の姿2」

そこに記された日付は二日後だった。

(続く)

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11.10.03更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |