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第14章 収容所長の密かな愉しみ【10】

「ご奉仕って……?」

新一は思わず尋ねる。この少女の言っている意味がわからない。

「はい。ご主人様のお望みのことを、何でもして下さい。私は、ご主人様の奴隷ですから」

つまり、北沼エリアで玲子を自由に扱っているのと同じようにしていいということか。いや、玲子には唯一、してはいけないことがあった。もしかしたら、この少女はそれも許されるのだろうか。

「何でもって、何をしてもいいの?」
「はい。体を傷つけることや、生命の危機に及ぶようなこと以外でしたら」
「あの、その、セックスをしても?」
「はい……。もちろんです」

真弓と名乗った少女は、少し恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、そう答えた。

「しても、いいんだ……」

新一はそう聞いて、急に勃起してしまった。慌てて、前を押さえる。そんな欲望に直接的な自分が恥ずかしくなった。

そんな新一を見て、真弓は小さく笑う。

「はい。ご主人様の好きなようにして下さい」

玲子を一人で自由にしていい日の順番は、まだ新一には回ってきていなかった。そのルールを作った者が真っ先に順番を取っては、みんなを従わせることはできないと考えた新一は、自分は最後でいいと宣言したのだ。

ルールが出来る前は、みんなでよってたかって玲子を触ったりしていたので、落ち着いて彼女の肉体を味わうなどということは出来なかった。

この可愛らしく、大きな胸をした少女を自由にしていいのか。しかも、最後まで、やっていいのだ。新一は胸を踊らせた。

「じゃ、じゃあ、まず立って体を見せてくれないか」
「はい……」

真弓はすぐに立ち上がった。あどけない顔立ちとは不釣り合いなほどにむっちりと豊満なその肉体が、新一の目の前に晒される。新一は血走った目でその乳房や、しっかりと生えそろった股間の陰りを見つめた。

その視線の熱さに、真弓は思わず手で胸と股間を隠してしまう。

「ああ……。そんなにご覧にならないで下さい。恥ずかしいです」
「あ、あっ、ごめん」

新一は顔を真っ赤に染めて、視線を逸らした。そんな新一の反応を、真弓は可愛いと思った。

「あの、そんなに、ご覧になりたいんですか?」
「えっ」
「命令して下さい。私は従います」

新一は、一瞬ためらったのちに、言った。

「じゃあ、あ、足を開いて、よく見せるんだ」
「はい」

真弓は再び床に腰を下ろし、自分で膝を抱え込むようにして、大きく股を広げた。少女の秘められた花園が、新一の前に開かれた。

「うわ……」

新一はしゃがみ込んで、真弓の股間へ顔を近づけて覗き込む。年齢の割に濃い陰毛の中で花唇がふるふると震えていた。うっすらと口を開いているその隙間から桃色の粘膜が覗いている。そして、そこはキラキラと輝いていた。濡れていたのだ。新一もそれに気づく。

「濡れてる……」
「ああ……、恥ずかしいです……」

真弓は羞恥で体が燃え上がるように熱くなっていた。そして濡れていることを指摘されると、その羞恥でさらに濡れてしまった。

「うわ、すごい」

新一は夢中でそこを見つめた。まるで別の生き物のように、その部分は生々しく、新一を誘っているかのようだった。

「あっ、ああん」

新一の指が真弓の肉裂に触れた。トロリと溢れ出す蜜を指先ですくうようにして、ゆっくりとその周囲を擦る。そして最も敏感な突起に触れると、真弓は激しく反応した。

「ああーっ」

その声に突き動かされて、新一はさらに指を動かす。すると真弓の反応も、さらに激しくなる。

「ああん、気持ち、いいです、ご主人様」

それは真弓の正直な気持ちだった。D-3の獣のような男たちや、気持ちの悪い井浦所長の愛撫とは全く違う快感が真弓を燃え上がらせていた。新一の指の動きのひとつひとつ、そして視線が、真弓に激しい興奮を与えるのだ。

そしてそれは新一も同じだった。もう我慢できなかった。痛いほどに勃起したペニスは、今にも射精してしまいそうだった。

新一はいきなり立ち上がり、そしてズボンとブリーフを下ろした。ペニスが勢いよく飛び出し、上向きに下腹にくっついた。

「行くぞ、真弓」

新一は勢いよく、その先端を真弓の肉裂へと突き立てた。もっと愛撫を続けたり、フェラチオをさせたりなどという余裕は、もうなかった。そこへ挿入したい、そんな本能に突き動かされた。

「ああっ!」
「ううっ」

二人の叫び声が重なった。すでに十分に湿り気を帯びていた真弓の肉裂はいともスムースに新一のペニスを受け入れた。

「気持ちいいっ」

熱くヌルヌルとした粘膜が、ペニスを包みこむ。それは新一が今まで感じたことのない快感だった。以前、玲子に無理やりフェラチオさせたことはあったのだが、その時の快感を遥かに上回る。

新一は腰を動かした。初めてだったが、それほどぎこちなくもなく前後に腰を動かすことができた。腰を動かす度に強烈な快感が訪れる。新一は夢中になって腰を振る。

「あっ、あっ、ああーっ」

真弓が叫ぶ。ペニスが出入りする度に、悲鳴のような声があがり、そして大きな乳房がゆさゆさと揺れる。

一瞬、疲れを感じたのか、新一の腰の動きが緩やかになった時に、真弓が言った。

「ご主人様……。後ろからも、お願いします」
「えっ?」

新一は真弓の言っている意味がわからない。

「あの、バックから、入れて、欲しいんです」

恥ずかしさをこらえて真弓は言った。そして、くるりと体を反転させて、床の上で四つん這いになり、尻を新一に向けて付き出した。

「お願いします。入れて下さい」

あまりにも恥ずかしいおねだりだが、真弓も快楽の欲望に突き動かされていたのだ。

むっちりと豊かな真弓のヒップを目の前にして、新一も興奮がさらに高まる。慣れないことなので、最初は挿入するのに手間取ったが、なんとか成功する。

「あっ、ああーっ」

D-3の獣たちに繰り返し犯されるうちに、真弓は自分がバックで挿入されるほうが気持ちいいことに気づいていた。彼らのセックスはあまりに暴力的で、ひとりよがりなものだったが、それでも真弓の体は強引に開発されていったのだ。

新一は真弓の白い尻を両手でガッシと掴み、そして腰を前後に動かす。正常位の時と違って、なかなか動かし方のコツがつかめなかったが、それでも次第にスムースになっていく。

「ああ、気持ちいいです、ご主人様……。お尻を、お尻を叩いて下さい」

真弓は喘ぎながら、そんなおねだりをした。

「えっ?」
「真弓のお尻を思い切りひっぱたいて下さい。お願いします」
「こ、こうか?」

新一は腰を動かしながら、手のひらを真弓の尻肉へと軽く叩きつけた。ペチっと小さな音がする。

「ああん、もっと、もっと強く叩いて」
「こうか?」

さらに強く新一は叩いたが、まだ真弓は不満そうだ。

「もっと、もっと強く」
「痛くても知らないぞ」

新一は思い切り尻肉を叩く。ピシっと鋭い肉の爆ぜる音がした。

「ああっ!」

真弓の悲鳴があがる。しかし、それは明らかに快楽の声だった。それを感じ取った新一は、さらに強く叩いた。

「ひぃっ!」

バシッバシッと、新一は何度も激しく真弓の尻肉を叩く。真っ白だった肌が、みるみるうちに赤く染まっていく。そして、その苦痛は真弓の興奮をどんどん高めていった。

「ああっ、気持ちいいですぅ、ご主人様!」

豊かな乳房が重力でさらに大きく伸びている。それをぶるんぶるんと震わせながら、真弓は快楽に酔っていた。



「ほう、小山新一、なかなかやるじゃあないですか。童貞の割にはがんばっている」

モニターを見ながら、井浦所長がニヤニヤと笑いながら言う。

しかし、北尾は不機嫌そうだ。

「だめだ。こいつは素質がないな。見込み違いだった」
「えっ、そうでしょうか?」

井浦は慌てる。北尾の機嫌が悪くなることを何よりも恐れているのだ。

「だいたい、あそこですぐに挿入するようじゃ、D-3のやつらとは変わらない。スパンキングも真弓にせがまれてやってるだけだ。だめだ、あいつには調教師の素質はないな。もう北沼エリアに戻せ。いや、北沼エリアの実験も終了にしよう」
「はっ、かしこまりました」
「まぁ、ああいう状況で、ちゃんとルールが作られたという結果は、なかなか貴重なデータが取れたから、よしとしておこう。D-3の連中に関しては予想通り過ぎてどうしようもなかったがな」
「申し訳ありません……」
「しかし、真弓と玲子はなかなか使えそうだ。二人とも『島』へ連れていこう」
「えっ」

井浦の顔色が変わった。その珍しい反応に、北尾が睨みつける。

「何か問題でもあるのか?」
「いえ、その……」

井浦が言いよどむと、北尾は笑い飛ばす。

「そうか、真弓はお前のお気に入りのようだな」
「いえいえ、そんなことは……」
「ふん、お前ら各収容所の所長がこっそり自分専用の奴隷を囲っていることなど、わかっている。それをとやかくは言わん」
「はっ、それはその……」
「また新しい奴隷をこちらに寄越すから、それでいいだろう。次は優先的によさそうなのを回すようにしてやる」

井浦は黙っていた。しかし、追従するような笑顔は消えていない。

「そういえば、前にここにも、お前が気に入っていた真弓という奴隷がいただろう。同じ名前の」
「はい」

その存在を思い出すと胸がチクリと痛くなるのだが、決してそれを顔に出すような井浦ではなかった。

「あの子は残念なことをした。F国の大使とのプレイ中に、事故があってな。首絞めプレイが好きな男だったからな」
「ああ、それはそれは」

井浦は感情のない相槌を打つ。

「もちろん、F国からは多額の賠償金を取ったし、貸しも作った。あの子も我が国のために役に立ってくれたということになる。もちろん手厚く葬ったよ」
「そうですか。それはよかった。御国のためになったと、あの子も幸せに思っているでしょう」

井浦はいつもの愛想笑いを浮かべている。北尾に対する殺意など、微塵も見せていない。しかし後ろでしっかりと握ったその手のひらには、びっしょりと汗が滲んでいた。

(続く)

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12.03.12更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |