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第3章 アイドル・さやか【4】


さやかの反応に、信雄も自分自身の股間の変化に気づく。慌てて前を押さえて、横を向いた。

「あ、いや、これは、ちがうんだよ」

自分の剥き出しの性欲をさやかに知られたのは恥ずかしかった。さやかの前では、紳士的な男として振る舞っていたかったのに。

軽蔑されただろうか。信雄は恐る恐るさやかの顔を見る。

さやかは顔を真っ赤にしながらも、微笑みを浮かべていた。

「あの、大丈夫です。NOBさんも、健康な男の人ですものね。私、全然、平気です」

そう言いながらもさやかは体を固くして、手で胸と股間を隠したままだ。あからさまに警戒している。

しかし、信雄はそれには気づかない。

「ごめん、ごめん。本当に、そういうつもりじゃないんだよ。だいたい、そんなよこしまな気持ちがあったら、もっとストレートに命令してるよ。僕はご主人様なんだから」

何でも出来る立場なのに、あえてしないのは自分が紳士的な人間で、さやかのことを本当に想っているからだ、信雄はそう伝えたかったのだが、さやかは「ご主人様」という言葉にビクっと反応した。作り笑顔に少しだけ怯えの色が走った。

「だからさ、今はちょっと写真だけ撮らせてくれればいいんだ。そんな変なことはしないからさ」
「は、はい……」

断わる権利はさやかにはないのだ。

「じゃあ、いいかな。そこでポーズを取ってくれる? 手は横にして……」
「……はい」

さやかは観念したように手を胸と股間から離して、体の横に揃え、棒立ちになる。

「うーん、ちょっと固いな。もうちょっと足を開いて、少し体をひねってみようか」

カメラのファインダーを覗き込みながら、信雄は夢中になってシャッターを切り、ポーズの注文をつけていく。

さやかは必死に笑顔を作りながら、その注文に従う。薄い水着一枚の姿で、至近距離でカメラを向けられるのは、さやかにとってたまらない羞恥だった。

胸が小さく、貧弱な体つきであるさやかはコンプレックスが強く、水着の仕事はできるだけ避けたいと思っていた。プロダクション側もそれは認めてくれていて、どうしても断われなかった数回を除いては、水着の仕事を入れたことはなかった。

それが、今、男とふたりきりの部屋で体のラインがはっきりと出る水着姿を晒しているのだ。羞恥に足が震える。

「いいよ、すごく可愛いよ。今度は腕を頭の後ろで組んで、体を伸ばしてみようか」

信雄は有頂天になっていた。あの憧れのアイドルを独り占めして、自分の思うがままのポーズを取らせて撮影しているのだ。夢のようだった。

それにしても、さやかのスクール水着姿は素晴らしかった。ぴったりと肌に貼り付いた紺の生地はさやかのスレンダーすぎる肉体のラインをくっきりと浮かび上がらせている。胸はほとんど膨らみがないが、腰はしっかりとくびれていて、尻はそれなりに丸みを帯びて女性らしい曲線を見せている。剥き出しになった腕と腿は、ほっそりとしていて、少しでも乱暴にしたら折れてしまいそうだ。

信雄の指示通りに両腕を頭の後ろで組んでいるために肘が上がり、腋の下が丸見えになっている。そこに発毛の兆しはなく、ツルツルだったが、そんな部分を見られることに、さやかは強い羞恥を感じていた。

いや、それよりも生地越しに浮かび上がっている乳首の存在がさやかを困惑させていた。この水着はそれほど生地が薄いわけではないが、グラビア撮影の時のようにニプレスが用意されていなかったため、こうして腕を上げるなどして、体を引き延ばす姿勢をとると、生地も伸び、うっすらと乳首の形が浮き上がってしまうのだ。

それは信雄も気づいていた。さやかの乳首らしき突起がそこにある。信雄の興奮は頂点に達していた。息を荒げながら、そこへレンズを向け、血走った目でファインダーを覗き、シャッターを切る。

そんな信雄の視線が痛いほどさやかには感じられる。羞恥心と嫌悪感がさやかを苛む。いやらしい目で見られていると思うと、体が熱くなるほど恥ずかしい。

そして意識すればするほど、その部分が熱くなり、硬くなってしまう。ダメだと思っても、乳首がムクムクと大きく硬くなっていくのを止められない。そしてそれがさらにさやかの羞恥をかきたて、体を熱くする。

さやかの表情の変化にも信雄は気づいていた。頬が赤く上気し、息が荒くなっているのだ。女性に対する経験の少ない信雄にも、彼女の体に訪れている変化はわかる。

さやかは興奮しているのだ。一対一で撮影されることで、性的興奮を覚えているのに違いない。あの、天使のように清純な美少女が、自分に撮影されることで興奮しているのだ。

信雄の興奮もエスカレートしていく。喉がカラカラに乾く。

「じゃ、じゃあ、今度はそこのソファに座ってみようか」

さやかは黙って、指示に従う。ソファに腰掛けた姿を何枚か撮った後、信雄は思いきって言った。

「そこで、足を少し開いてみようか」

水着姿で開脚するポーズは、以前に体験したグラビア撮影でもあったのだが、その時もさやかは恥ずかしくて泣いてしまったのだ。カメラマンとスタッフが慌ててなぐさめて、なんとか撮ることができたが、それでも彼らが望んでいたほどの角度の開脚は出来なかった。

しかし、今のさやかは、信雄の命令を拒否することができないのだ。さやかは目をつぶり、歯を食いしばるようにして、足をゆっくりと左右に広げていった。ジワジワとスクール水着に覆われたさやかの股間が露になっていく。

20センチほど開いたところで、動きが止まった。これで精一杯だった。これ以上は無理だ。さやかはすがるような目で信雄を見た。しかし信雄は言う。

「もうちょっと広げられるかな」

一瞬の躊躇の後に、さやかは再び足を広げ始めた。膝頭が肩幅ほどに広げられた。

そんなポーズを至近距離から男に見られているのだ。顔を背けても、信雄の視線がその一点に集中していることはわかる。その部分がカッと熱くなっている。

「いいよ、素敵だ。じゃあ、今度は足をソファの上に乗せたまま開いてみようか」
「!」

信雄の注文はエスカレートしていく。さやかが黙って従っているため、信雄も調子に乗っているのだ。さやかも興奮して喜んでポーズをとっているのだと、思いこんでいた。泣きそうなさやかの表情も、興奮のあらわれだと信雄には見えていた。

いや、信雄がそう確信したのには理由があった。広げたさやかの股間の布地に、黒い染みが出来ていたのだ。

それが愛液が溢れたための染みであることは、信雄にもわかった。さやかは間違いなく、撮られることで性的興奮を覚えているのだ。恥ずかしそうにしていても、本心では興奮しているのだ。それならば、もっと恥ずかしいポーズを取らせてあげるべきだ。

しかし、さやかはどうしてもM字開脚などというポーズはとることは出来ない。頭では命令に従わなければならないとわかっていても、体が言うことをきかないのだ。

「ああ……ごめんなさい。そんな恥ずかしいポーズ、許して下さい」

奴隷はご主人様の命令に逆らってはいけない。それがわかっていながら、さやかは思わず言ってしまった。信雄なら許してくれるのではという期待もあった。

しかし、信雄は首を振った。

「だめだよ。ご主人様の言うことは聞かないといけないね。さぁ、足をソファの上に上げて、大きく開くんだ」

口では許しを乞うていても本当はさやかも恥ずかしいポーズを取らされることを望んでいるに違いない。股間の染みが何よりもの証拠なのだ。信雄はすっかりサディスティックな気持ちになっていた。そう、これはプレイなのだ。お互いが興奮するためのプレイなのだ。

「ああ……」

さやかは絶望的な気持ちになる。命令には従わなければならないのだ。それが奴隷となった自分の立場なのだ。優しそうに思えても、相手はあくまでもご主人様なのだ。

さやかはのろのろと両足をソファの上に引き上げ、体育座りのような姿勢を取る。

「ほら、開いてごらん。思い切りね」
「はい……」

さやかは意を決して膝を左右にゆっくりと開いていく。恥ずかしさで全身が熱くなる。水着は着ていても、まるで全裸でいるような気持ちになる。

清純派アイドル森原さやかのスクール水着M字開脚ポーズだ。今どきのグラビアアイドルなら、これくらいのポーズは珍しくないが、それがあまり水着にもならないさやかが、しかも自分の目の前で自分ひとりのためにそんなポーズを取っているのだ。

信雄はカメラのファインダーを覗くのも忘れて、広げられたさやかの股間へと顔を近づけ、覗き込んだ。

「いや……、そんなに近くで、見ないで……」

信雄の視線が至近距離からその一点へと集中しているのだ。羞恥心と嫌悪感で体が震える。そして熱くなる。

ゴクリ。信雄はツバを飲み込む。憧れのアイドルの最も秘密の部分が薄い布一枚隔てて、目の間に広げられているのだ。一瞬たりとも視線を逸らせるわけもない。

そして、その部分の布は、性的興奮の証である濡れた染みがはっきりと浮かび、さらにどんどん大きくなっているのだ。

今まで信雄が嗅いだことのない、妖しい匂いが微かに鼻をつく。本能に火をつけるような匂い。それがさやかの蜜壺から漂う牝の匂いであることに気づくと、信雄の心の中で、何かが弾けた。

「さ、さやかちゃん、そのままのポーズでいるんだぞ。ぜ、絶対に動くなよ」

信雄の口調が変わったことに、さやかは怯えた。緊張で体が硬くなる。恐れていた瞬間がついに訪れたのだ。

信雄は震える手をさやかの肩へと伸ばした。スクール水着の肩紐をつまむ。

「NOBさん……やめて……」

信雄は応えずに、その肩紐を左右に引っ張る。スルリと肩からはずす。白く薄く華奢なさやかの肩が剥き出しになる。水着の布地は、胸元で止まっている。

「いや……NOBさん……」

信雄はさらに肩紐を降ろした。

「ああっ!」

ほとんど膨らみのないさやかの胸は、さしたる抵抗もなく、剥き出しになった。白い胸の中心に淡いピンク色の小さな乳首が顔を覗かせた。乳輪も小さく、豆粒のような可愛らしい乳首だった。

「いやっ!」

さやかは慌てて、両腕で胸を隠した。その手首を信雄がつかむ。

「だめだよ、さやかちゃん。そのままのポーズと言っただろう?」

息が荒く、目が血走っている信雄の表情に、さやかは怯えた。さっきまでの弱々しさすら感じられた優しいファンのNOBはもうそこにはいなかった。

今、自分の手首をつかんでいるのは、性欲にとらわれた荒々しい獣のような男であり、そして自分に対して絶対的な権限を持つご主人様なのだ。

信雄はほっそりとしてさやかの手首をつかむと、上に持ち上げた。平らな胸が再び剥き出しになる。

「ほら、さっきみたいに手を頭の後ろに組んでいるんだ。その可愛らしいおっぱいがよく見えるようにしてるんだ」

豹変した信雄に怯えたさやかは、震えながら従う。両腕を頭の後ろで組み、胸をさらけ出した。そして両脚はM字型に大きく開いたままだ。

「さぁ、もうさやかちゃんには、こんな邪魔なものはいらないね」

信雄はさらに水着を引き下げていく。皮を剥かれる果物のように、さやかの白い肌が露出していった。

(続く)

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09.11.30更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |