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第4章 女教師・美沙子【9】


「第二次東亜戦争の後、暫定的にアジア共同体が成立するわけですが、参加国の間での……、ええと……」

その日の麗子先生はどこか落ち着きがなかった。明らかに集中力に欠けていて、教科書を何度も読み間違えたり、言い淀んだりしていた。何か他のことに気を取られているようだ。

そんな麗子先生の異常に、生徒たちも気づいて、ヤジを飛ばす。

「麗子先生、なんかあったの? 彼氏に振られたとか?」

「昨日デートで頑張りすぎちゃったとか?」

おれだけはその理由を知っていた。麗子先生のお尻の穴には、遠隔操作が出来るラジコンローターが挿入されているのだ。そして、そのコントローラーはおれが持っている。おれがこのスイッチを押せば、ローターは唸りを上げ、麗子先生の肛門を刺激する。

肛門性感を完全に開発されている麗子先生だ。もしローターが動き出せば、強烈な快感に襲われてしまう。平気な顔で授業を続けるなど、とれも出来ないだろう。

いつ、スイッチを入れられるのか、麗子先生は気が気ではないのだろう。いつ、快感が襲いかかってくるのか、緊張しながら授業をしているのだ。

しかし、おれはスイッチを入れなかった。もうあと5分で、麗子先生の授業は終わる。おれは最後までローターを動かすつもりはなかった。

麗子先生がチラチラとおれに視線を向けているのがわかったが、無視した。

やがてチャイムがなり、授業が終わった。麗子先生は、少し哀しそうな表情で、おれを見て、そして足早に教室を去っていった。

その後の休み時間の教室は、当然のように麗子先生の異変についての話題で騒々しかった。



「ちゃんとご主人様の命令通りに、お尻の穴にローターを入れていたのに……。もしかして、コントローラーが壊れていましたか?」

夕方、学校から帰ってきた麗子先生、いや美沙子は、先に部屋に来て待っていたおれに、そう言った。恨みがましい目だった。

「いや、壊れてるかどうかは知らないよ。スイッチ入れてないから」

「どうしてですか?」

「美沙子は、そんなに授業中に、お尻の穴のローターを動かして欲しかったのか?」

美沙子は顔を赤らめてうつむいた。

「いえ、そんなことありません……。もし、動いたらどうしようかと、ずっとドキドキしていました」

「期待してたんだろ?」

「……」

「恥ずかしい思いをしたかったんだよね。美沙子は変態のマゾ奴隷だからな」

「そ、そんなこと……」

「美沙子は、教え子のおれに、恥ずかしいこととか、いやらしいことをされて興奮してるんだろ? もっといじめられたいんだろ?」

美沙子はうつむいたまま、答えない。おれも黙った。部屋の中に重たい沈黙が居座る。

しばらくして、美沙子が口を開いた。

「いじめられたいです……」

小さな声だった。

「何言ってるのか聞こえないよ。はっきり言うんだ」

「美沙子は、ご主人様にいじめられたいです」

美沙子は、少し大きな声で言い直した。

「美沙子は、どうしていじめられるのが好きなの? 普通はいやなもんだよな」

「それは……、美沙子はマゾだからです……」

「へえ、佐伯麗子先生は、マゾだったんだ。学校のみんなに教えてやったら、大騒ぎになるな。学校中の憧れの麗子先生が変態だったなんてね。きっと、おれにもやらせろって、男子生徒が行列するぜ。女子なんかは、軽蔑の目で見るだろうな」

「ああ、そんなこと、言わないで下さい……」

言いながら、美沙子は腰をもじもじとさせていた。そんな破滅的な状況を想像して、密かに興奮していたのかもしれない。

「ようくわかったよ。美沙子は本当にマゾなんだよな。それなら、望みどおりにしてあげるよ」

おれはいきなり美沙子の頬を平手で殴った。不意を打たれた美沙子は崩れるように、後ろのベッドに倒れた。

「あっ、ご主人様」

そのまま馬乗りになり、美沙子のブラウスの前を力任せに開く。ボタンが弾け飛び、ブラジャーに包まれた大きな乳房が現れる。ブラウスを強引に脱がし、その袖を使って、美沙子の腕を背中で縛り上げる。うつ伏せに押し倒し、尻を高く突き上げさせた。

スカートをめくり、ショーツを引き下ろす。白くてむっちりとした尻肉が剥き出しになる。

おれは勢い良く、その尻を平手で叩いた。

パチーン!

肉が弾ける小気味いい音が上がる。同時に悲鳴も上がる。

「ひっ!」

構わず、おれは尻を叩く。

「ああっ、痛いです、ご主人様」

思い切り叩いているので、美沙子の白い尻肉には、おれの手形がはっきりと残った。赤くて痛々しい。

しかし、おれはさらに叩く。

「ああっ、許して下さい、ご主人様っ」

「ほら、3発目だ。ちゃんと数えろよ、美沙子。次は何発目になるんだ?」

「よ、4発目です」

パチーン。

「ひいっ!」

「ちゃんと数えるんだ」

「はいっ、5。6。ああっ、7……」

美沙子の白い大きな尻は、あっという間に真っ赤に染まった。自分で叩いておきながら、人間の尻がこんなにも赤くなるのかと、おれはびっくりした。

それでも、おれは容赦せずに叩き続ける。

「8……、きゅ、9……。ああ…、もう、もう、じゅ、10っ!」

おれの渾身の十発目の平手を食らったあと、美沙子は耐えきれずに、腰を落としてベッドの上に倒れた。

息が荒くなり、真っ赤な尻が激しく上下していた。

「はぁ、はぁ、はぁ、もう、もう許して下さい、ご主人様……」

おれは答えずにうつ伏せの美沙子の両脚を大きく左右に広げた。股間の肉裂がぱっくりと口を開く。そして、そこはぐっしょりと濡れ光っていた。

美沙子はおれにスパンキングされて、こんなに興奮していたのだ。

おれは素早くパンツを脱ぎ捨てた。美沙子の腰を抱え込むようにして持ち上げ、突きあげられた股間の肉裂へと、ペニスを挿入した。すでにヌルヌルと十分に濡れていたその部分は、何の抵抗もなくおれのペニスを受け入れ、そして絡みついてきた。

「あっ、ああっ、いいっ。気持ちいいです、ご主人様」

美沙子は悲鳴のような快感の声を上げた。おれは真っ赤になった尻に激しく腰を打ちつける。ジュルジュルと湿った卑猥な音が響き渡る。

ブラウスの袖で縛りあげた腕を引っ張るようにすると、美沙子の体が海老のように仰け反る。膝立ちの姿勢で、後ろから突き上げる。

「あっ、あああっ」

きつい体勢のはずだが、獣に犯されているようで、美沙子の被虐心をかきたてるのだろう。快楽の声はさらに激しくなる。

「ひぃっ、ひいっ、すごい、だめぇ。おかしくなっちゃいます、ご主人様っ」

おれはひたすら乱暴に腰を動かす。

「だめです。イッちゃいます。イッていいですか、ご主人様っ」

絶頂に達する時は、おれの許しを得るようにと命令してあるのだ。

「いいよ、イキな」

「ありがとうごいますぅ、あ、ああっ!」

ひときわ声が高くなり、そして美沙子の体がブルブルと何度も震えた。

しかし、おれは腰の動きを止めなかった。そのまま突き続けた。

「あ、あ、ご主人様、だめ、あ、ああっ」

絶頂に達したまま、おれにさらに突かれ続けて、美沙子はさらに快感に翻弄される。

「だめ、またイッちゃう、イッちゃいますぅ!」

さっき絶頂に達したばかりだというのに、美沙子は3分と立たずに、再びアクメを迎えた。さっき以上に、激しく体を痙攣させる。

おれは自分でも不思議なくらいに冷静だった。美沙子の状況を観察しながら、それでも腰の動きは止めない。いつもなら、すぐにおれも射精を堪えられなくなるのに、今日は完全に自分でコントロールできるような気がした。

「お願いします、もう、もうだめです。おかしくなっちゃいます。許して、ご主人様。いや、ああ、また、また来てる。またイッちゃいます。だめ、だめ、あっ、あああっ」

おれは、真っ赤に染まっている美沙子の尻をさらに叩いた。

パシーン!

激しく貫かれながら、はれ上がって熱を持っている尻肉を叩かれる苦痛に、美沙子は仰け反る。そしてそれは彼女に強烈な快感をもたらしたようだ。

「ひいいいっ!」

狂ったような叫び声が上がり、美沙子は身をよじった。媚肉がキュッとおれのペニスを絞めつけた。さすがにたまらず、おれも射精した。熱い液体が体の奥から勢いよく噴き出していく快感。おれと美沙子は、ほぼ同時に絶頂に達した。そして折り重なるようにして、ベッドに倒れ込んだ。

射精しても、おれのペニスはいつまでも、硬さを失わない。ずっと挿入したままだった。

「ご、ご主人様、すごいです……」

汗まみれになって、息を荒げながら、美沙子がおれを振り向く。

綺麗だと思った。美沙子は、おれが知っている全ての女性の中で一番美しいと思った。抑えきれない感情が吹き上げてくる。

美沙子がおれを見ながら言う。

「ああ、ご主人様。美沙子はご主人様の物です。美沙子を、もっと、もっといっぱいいじめて下さい」

おれは美沙子にキスをして、言った。正直な気持ちを美沙子に言いたかった。

「おれは本当に美沙子が好きだ。もう、ご主人様とか奴隷とか、どうでもいいよ。美沙子が好きなんだよ! ずっといっしょにいたいんだよ」

気恥ずかしいが、それはおれの本当の気持ちだった。おれは美沙子を愛しているのだ。美沙子と愛しあいたいのだ。

そのおれの告白に、美沙子は狂喜してくれる、はずだった。

「ありがとうございます。うれしいです、ご主人様」

その言葉と裏腹にスッと美沙子の表情から一瞬、熱が冷めたように思えた。でも、おれはそれに気づかないふりをして、さらに言った。

「おれは、美沙子と普通に愛しあいたいよ。奴隷とかご主人様とか、そういう上下関係とかいらないから、普通のセックスをしようよ。おれ、美沙子の恋人になりたいんだ」

感情が噴きあげて止まらなかった。もともとは弱みを握ったことから無理矢理に関係を迫ったのだが、今は美沙子もおれの責めに夢中だった。自分から責めを求めてくる。おれの従順な奴隷となっている。でも、おれはもう本当に美沙子のことが好きになっていた。ただの性欲処理の奴隷ではないのだ。一番大切な女性だと感じるのだ。

「いえ、そんな、とんでもないです。美沙子はご主人様の奴隷です。もっともっといじめて下さい。ご主人様の性欲処理の肉奴隷で構わないんです。ご主人様が望むことを全て受け入れたいんです」

「じゃあ、普通にセックスしてくれよ。おれのことを抱きしめてくれよ」

「そ、それは……」

その時の、美沙子の冷たい目を、おれは忘れることは出来なかった。
(続く)

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10.03.15更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |