毎週水曜日更新!
キンタマが男の最大の弱点であり、手綱であることはすでにお教えしましたが、その急所が潰れる瞬間の猛烈な痛みこそ、快感へと繋がる秘密の扉なのです。手綱を握る女性を選び、十分な修練をすれば、という条件付きの話ですが......。先日テレビを見ていたら、中華人民共和国の拳法家という人が出てきて色々な技を見せてくれていましたが、最後に、「キンタマも鍛えれば強固になるから、蹴られても全然痛くない」と言って、試しに他人(日本人)に蹴らせていましたが、思い切り強く蹴っても全然痛くないという顔をしていました。
キンタマや眼球は、鍛えて強くなるものなのか、日本の古武術ではそれらは鍛えられるものではないとしています。
古流剣術では正対した敵に、水平に抜き討ちを加えるのに、両眼を狙いますし、柔術では手刀で水平に眼を攻め、爪(指先)で両眼を横に切り払ったり、又は指先で両眼を突きます(眼球は鍛えられない急所だから一番に狙われるのです)。
キンタマも柔術では一番の急所ですから、柔術者は敵と対面した時、両掌は、右を下、左を上に重ね合せて股間へもって来て、恥骨の前で玉を庇います。これを「叉手」(掌を交叉させること)と呼びます。
左足が一歩前に出て、右半身になる時は、左の掌を体から離して前に出し、右掌だけで股間を庇い、左半身になる時は右掌で股間を庇い左手を前に出します。刀や槍、薙刀を使う時は、右半身か左半身で、体は斜めになっていますので、敵が蹴ってきても中々股間に足は届きません(敵に向かって両足を揃えてぼんやり立っていては蹴られます)。
中国の拳法家はキンタマも鍛えれば強くなると言っていますが、これは普通では一寸信じられません。第一何をして鍛えるのでしょう。唯、ひどく怖い目に遭うと、キンタマが縮み上がるといって、玉が陰嚢から押し出されて腹壁(恥骨の上辺あたり)に潜り込むことはよくあることですから、人為的に訓練によって玉を縮み上がらせれば、何も知らぬ敵は股間を狙ってきますから、正確に陰嚢に蹴りが命中しても、袋の中に玉がすでに不在なら痛くも何ともないのは当然です。
彼はそのように玉を自在に移動させる摩洞不思議の妙術を体得しているのか、さもなければ、先の忍者のように、すでに玉を抜き取ってあるのかも知れません。
漢民族は三千年もの昔から、人間の男の睾丸を抜去する「去勢」の文化のある民で、キンタマの処置については、日本人より数倍上ですから、誑(たぶらか)されないようにしましょう。
テレビで彼は、別に全裸になってキンタマの有るなしを証明してくれた訳ではありませんから、常識をもってようく考えましょう(中国崇拝の日本の青年たちの中で、こんなのを本気にして、自分もキンタマを鍛えてあのように強くなりたい、等とあこがれる馬鹿が出ないように祈っています)。
第四課 偽丸
キンタマが潰れた場合、袋の中に何もない空や、片方の玉だけでは何とも変なものです。
キンタマは二個ありますが、一個なくしても、あとの一個が健在なら、それで二個の時と同じ働きをしてくれますから日常の生活には何の不便もありませんが、一個だけだと、ソープランドへ行っても女の子から「片キン」と後ろ指差されて笑われますので、当人は大きなコンプレックスに悩みます。
潰れた玉は戻りませんが、せめて外形だけでもと思うのが人情ですから、偽睾丸というのを入れるのが、昔からよく行なわれています。
本物に似た物として象牙や水牛の角が主に用いられたのですが、これは高価ですから、一番普及したのは陶磁器の玉であったということです。だが失った玉の手触りとして、陶磁製品は装着者の本当の満足感の得られにくい物であったらしいのですが、昭和三十年代後半、東京オリンピックの頃から、シリコンゴムの性能が良くなって、手触りも重量も、一寸本物と区別しにくいくらいによく出来た物が、一般に普及してきました。
象牙や水牛の角といいますと身近なところでは印鑑がありますが、もう少し風俗的観点から見ますと、これらは江戸時代には女性の自慰用具の張り形に用いられた素材です。
象牙は舶載(はくさい)品として稀少な貴重品であり、人知れぬ所に密かに貴重品を収めているという、所有者の優越感を満たしてくれますし、水牛は温めれば軟らかくなり、より本物に近い触感が得られる優れ物です。江戸時代から昭和三十年代の末頃まで、これらの舶載品は、女のためには偽茎をこしらえるために、玉なし男のためには偽皐丸にするために大変活躍したのですが、文明の世はシリコンというさにらに人肌に近い優れ物を生み出したのです。
シリコンの玉は握っても本物みたいで、一寸分からないくらいです。これならいくら蹴られても平気です。テレビの彼はこれを蹴っていたのかも知れません。
(続く)
13.08.14更新 |
WEBスナイパー
>
お尻の学校
| |
| |